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無用
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むよう
ふりがな文庫
“
無用
(
むよう
)” の例文
別な
言
(
ことば
)
でいふと
零
(
こぼ
)
れ
種
(
たね
)
だ。だから母夫人の腹に、腹の違ツた
兄
(
あに
)
か弟が出来てゐたならば勝見家に取ツて彼は
無用
(
むよう
)
の
長物
(
ちやうぶつ
)
であツたのだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
醜男面
(
ひょっとこづら
)
に
假面
(
めん
)
は
無用
(
むよう
)
ぢゃ!(と假面を
抛出
(
なげだ
)
しながら)
誰
(
た
)
れが
皿眼
(
さらまなこ
)
で、
此
(
この
)
見
(
み
)
ともない
面
(
つら
)
を
見
(
み
)
やがらうと
儘
(
まゝ
)
ぢゃ!
出額
(
でこすけ
)
が
赧
(
あか
)
うなるばかりぢゃわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
不面目
(
ふめんもく
)
ゆゑ、
国許
(
くにもと
)
へ
通知
(
つうち
)
は
無用
(
むよう
)
、と
当人
(
たうにん
)
は
堅
(
かた
)
く
留
(
と
)
めたものゝ、
唯
(
はい
)
、
然
(
さ
)
やうで、とばかりで
旅籠屋
(
はたごや
)
では
済
(
す
)
まして
居
(
ゐ
)
られぬ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お
前
(
まえ
)
さんにあやまらせようと
思
(
おも
)
って、こんなにおそく、わざわざひとりで
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
訳
(
わけ
)
じゃァさらさらない。
詫
(
わび
)
なんぞは
無用
(
むよう
)
にしておくんなさい」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
後
(
ご
)
の
事
(
こと
)
は
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げるだけ、
無用
(
むよう
)
の
口數
(
くちかず
)
に
過
(
す
)
ぎますまい。
唯
(
ただ
)
、
都
(
みやこ
)
へはいる
前
(
まへ
)
に、
太刀
(
たち
)
だけはもう
手放
(
てばな
)
してゐました。——わたしの
白状
(
はくじやう
)
はこれだけです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
は
幾多
(
いくた
)
の
民家
(
みんか
)
が
猶且
(
やつぱり
)
非常
(
ひじやう
)
な
慘害
(
さんがい
)
を
蒙
(
かうむ
)
つて、
村落
(
むら
)
の
凡
(
すべ
)
ては
自分
(
じぶん
)
の
凌
(
しの
)
ぎが
漸
(
やつ
)
とのことであつたので、
殆
(
ほと
)
んど
無用
(
むよう
)
である
寮
(
れう
)
の
再建
(
さいこん
)
を
顧
(
かへり
)
みるものはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『たゞ
無用
(
むよう
)
なる
吾等
(
われら
)
が、
徒
(
いたづ
)
らに
貴下等
(
きから
)
を
煩
(
わずら
)
はすのを
憂
(
うれ
)
ふるのみです。』と
語
(
かた
)
ると、
大佐
(
たいさ
)
は
急
(
いそ
)
ぎ
其
(
その
)
言
(
げん
)
を
遮
(
さへぎ
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
まあお
待
(
ま
)
ちなさい、
左様
(
さよう
)
今
(
いま
)
に
遙
(
はる
)
か
遠
(
とお
)
き
未来
(
みらい
)
に、
監獄
(
かんごく
)
だの、
瘋癲病院
(
ふうてんびょういん
)
の
全廃
(
ぜんぱい
)
された
暁
(
あかつき
)
には、
即
(
すなわ
)
ちこの
窓
(
まど
)
の
鉄格子
(
てつごうし
)
も、この
病院服
(
びょういんふく
)
も、
全
(
まった
)
く
無用
(
むよう
)
になってしまいましょう、
無論
(
むろん
)
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何
(
なん
)
の
氣
(
け
)
も
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
だに
心配
(
しんはい
)
は
無用
(
むよう
)
、
小梅
(
こうめ
)
は
八木田
(
やぎた
)
が
年來
(
としごろ
)
の
持物
(
もちもの
)
で、
人
(
ひと
)
には
指
(
ゆび
)
をもさゝしはせぬ、ことには
彼
(
あ
)
の
痩
(
や
)
せがれ、
花
(
はな
)
は
疾
(
と
)
くに
散
(
ち
)
つて
紫蘇葉
(
しそは
)
につゝまれようと
言
(
い
)
ふ
物
(
もの
)
だに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
余
(
よ
)
は
學海居士
(
ガクカイコジ
)
の
批評
(
ひゝよう
)
に
對
(
たい
)
して
無用
(
むよう
)
の
辨
(
べん
)
を
費
(
つい
)
やさんとするものにあらず、
右
(
みぎ
)
に
引
(
ひ
)
きたるは、
居士
(
コジ
)
の
批評法
(
ひゝやうほふ
)
の
如何
(
いか
)
に
儒教的
(
じゆけふてき
)
なるや、いかに
勸善懲惡的
(
くわんぜんてふあくてき
)
なるやを
示
(
しめ
)
さんとしたるのみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
「なんで、
私
(
わたし
)
に、こんなものをかぶせたのだろう? ほかに、いくらも、
帽子
(
ぼうし
)
をほしいと
思
(
おも
)
っているものがあろうのに……。」と、
無用
(
むよう
)
なことをするものだなと
腹
(
はら
)
をたてたのでした。
頭をはなれた帽子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
るに幕府の
始末
(
しまつ
)
はこれに反し、
穏
(
おだやか
)
に政府を
解散
(
かいさん
)
して
流血
(
りゅうけつ
)
の
禍
(
わざわい
)
を
避
(
さ
)
け、
無辜
(
むこ
)
の人を殺さず、
無用
(
むよう
)
の
財
(
ざい
)
を散ぜず、一方には徳川家の
祀
(
まつり
)
を存し、一方には維新政府の
成立
(
せいりつ
)
を
容易
(
ようい
)
ならしめたるは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
それで
皆
(
みな
)
さんも
古墳
(
こふん
)
を
見
(
み
)
に
行
(
い
)
つたり、
石器
(
せつき
)
を
採集
(
さいしゆう
)
に
出
(
で
)
かけたりするときには、さういふ
古
(
ふる
)
い
瓦
(
かはら
)
を
拾
(
ひろ
)
ふこともありませうから、
瓦
(
かはら
)
の
話
(
はなし
)
を
少
(
すこ
)
し
知
(
し
)
つて
置
(
お
)
くのも、まったく
無用
(
むよう
)
ではありますまい。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
終生
(
しゅうせい
)
このことばをもって通した
信玄
(
しんげん
)
には、ものものしい
要害
(
ようがい
)
は
無用
(
むよう
)
であった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『そりや
心配
(
しんぱい
)
無用
(
むよう
)
だ。ではすぐにでも
出発
(
しゆつぱつ
)
しようか。』
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
さッさ
買
(
か
)
いなよ
買
(
か
)
わしゃんせ。
土平
(
どへい
)
自慢
(
じまん
)
の
人参飴
(
にんじんあめ
)
じゃ。
遠慮
(
えんりょ
)
は
無用
(
むよう
)
じゃ。
買
(
か
)
わしゃんせ。
買
(
か
)
っておせんに
惚
(
ほ
)
れしゃんせ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
としたら、
貴方
(
あなた
)
が、
力
(
ちから
)
を似て自分を壓しやうといふことは、殆ど
無用
(
むよう
)
の
惡踠
(
わるあがき
)
と云はんければならぬ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
誓
(
ちかひ
)
は
形式
(
けいしき
)
です。けれど
愛國
(
あいこく
)
の
情
(
じやう
)
深
(
ふか
)
き
君
(
きみ
)
は、
※
(
あやま
)
つても
此
(
この
)
秘密
(
ひみつ
)
をば、
無用
(
むよう
)
の
人
(
ひと
)
に
洩
(
もら
)
し
玉
(
たま
)
ふな。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さすれば
無用
(
むよう
)
の
費
(
つひえ
)
を
節
(
せつ
)
せむ、
汝
(
なんぢ
)
一人
(
いちにん
)
の
奉公
(
ほうこう
)
にて
萬人
(
ばんにん
)
のためになりたるは、
多
(
おほ
)
く
得難
(
えがた
)
き
忠義
(
ちうぎ
)
ぞかし、
罪
(
つみ
)
無
(
な
)
き
汝
(
なんぢ
)
を
辱
(
はづか
)
しめつ、
嘸
(
さぞ
)
心外
(
しんぐわい
)
に
思
(
おも
)
ひつらむが、
予
(
よ
)
を
見棄
(
みす
)
てずば
堪忍
(
かんにん
)
して、また
此後
(
このご
)
を
頼
(
たの
)
むぞよ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まあお
待
(
ま
)
ちなさい、
左樣
(
さやう
)
今
(
いま
)
に
遙
(
はる
)
か
遠
(
とほ
)
き
未來
(
みらい
)
に、
監獄
(
かんごく
)
だの、
瘋癲病院
(
ふうてんびやうゐん
)
の
全廢
(
ぜんぱい
)
された
曉
(
あかつき
)
には、
即
(
すなは
)
ち
此
(
こ
)
の
窓
(
まど
)
の
鐵格子
(
てつがうし
)
も、
此
(
こ
)
の
病院服
(
びやうゐんふく
)
も、
全
(
まつた
)
く
無用
(
むよう
)
になつて
了
(
しま
)
ひませう、
無論
(
むろん
)
、
然云
(
さうい
)
ふ
時
(
とき
)
は
早晩
(
さうばん
)
來
(
き
)
ませう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
無用
(
むよう
)
の
用
(
よう
)
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さァさ
来
(
き
)
た
来
(
き
)
た、こっちへおいで、
高
(
たか
)
い
安
(
やす
)
いの
思案
(
しあん
)
は
無用
(
むよう
)
。
思案
(
しあん
)
するなら
谷中
(
やなか
)
へござれ。
谷中
(
やなか
)
よいとこおせんの
茶屋
(
ちゃや
)
で、お
茶
(
ちゃ
)
を
飲
(
の
)
みましょ。
煙草
(
たばこ
)
をふかそ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
郡
(
ぐん
)
の
官吏共
(
くわんりども
)
でも
皆
(
みな
)
詰
(
つま
)
り
無用
(
むよう
)
の
長物
(
ちやうぶつ
)
だ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
辭退
(
じたい
)
はかまへて
無用
(
むよう
)
なり
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
郡
(
ぐん
)
の
官吏共
(
かんりども
)
でも
皆
(
みな
)
詰
(
つま
)
り
無用
(
むよう
)
の
長物
(
ちょうぶつ
)
だ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“無用”の意味
《名詞・形容動詞》
無用(むよう)
なくてもよいもの。いらないこと。
役に立たないこと。
用のないこと。
してはいけないこと。禁止。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
用
常用漢字
小2
部首:⽤
5画
“無用”で始まる語句
無用心
無用人
無用捨
無用説
無用人視