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江
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え
ふりがな文庫
“
江
(
え
)” の例文
山中
(
さんちう
)
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
にて
晝食
(
ちうじき
)
、
古代
(
こだい
)
そつくりの
建場
(
たてば
)
ながら、
酒
(
さけ
)
の
佳
(
か
)
なる
事
(
こと
)
驚
(
おどろ
)
くばかり、
斑鯛
(
ふだひ
)
?の
煮肴
(
にざかな
)
、
蛤
(
はまぐり
)
の
汁
(
つゆ
)
、
舌
(
した
)
をたゝいて
味
(
あぢは
)
ふに
堪
(
た
)
へたり。
熱海の春
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから計算してみると、大垣から見た山頂の仰角は、相当に大きく、たとえば、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
から富士を見るよりは少し大きいくらいである。
伊吹山の句について
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
先
(
ま
)
づこんな
有
(
あ
)
りふれた
問答
(
もんだふ
)
から、だん/\
談話
(
はなし
)
に
花
(
はな
)
がさいて
東京博覽會
(
とうきようはくらんくわい
)
の
噂
(
うはさ
)
、
眞鶴近海
(
まなづるきんかい
)
の
魚漁談
(
ぎよれふだん
)
等
(
とう
)
で
退屈
(
たいくつ
)
を
免
(
まぬか
)
れ、やつと
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
に
達
(
たつ
)
した。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
……
江
(
え
)
の
畔
(
ほとり
)
には柳や
槐
(
えんじゅ
)
のみどりが煙るようだし、亭の
脚下
(
きゃっか
)
をのぞけば、
蓮池
(
はすいけ
)
の
蓮
(
はちす
)
の花が、さながら袖を舞わす
後宮
(
こうきゅう
)
の美人三千といった
風情
(
ふぜい
)
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小さな
入
(
い
)
り
江
(
え
)
に来ると、人間の子供たちが、大ぜい集まっていました。みんなまっぱだかで、水の中をピチャピチャはねまわっていました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
此夜彼龍女も同時に戦場を引取り、直様屋敷に此よしを告げしめ、後ハ共〻京の屋敷
江
(
え
)
引取り今ハ長崎江共〻出づ。(此頃余程短銃上達す。)
手紙:042 慶応二年十二月四日 坂本権平、一同あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
好
(
よ
)
い
日和
(
ひより
)
の
折
(
おり
)
などには
私
(
わたくし
)
はよく二三の
腰元
(
こしもと
)
どもに
傅
(
かしずか
)
れて、
長谷
(
はせ
)
の
大仏
(
だいぶつ
)
、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
の
弁天
(
べんてん
)
などにお
詣
(
まい
)
りしたものでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
熱海に着きたる頃はいたく疲れて飢に
逼
(
せま
)
りけれども層楼高閣の俗境はわが腹を肥やすべきの処にあらざればここをも走り過ぎて
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
へと志し行く。
旅の旅の旅
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
ファンから貰ったかあるいは貰った感じのなになにさん
江
(
え
)
と書いた可愛い
薬玉
(
くすだま
)
とか、その他少女の好みそうな小さな玩具が、いかにも大事そうに置いてある。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「だれだい
君
(
きみ
)
は、やはり
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
へきているのかい。
僕
(
ぼく
)
といっしょに
遊
(
あそ
)
ぼうじゃないか。」といいました。
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれ阿曇の連等は、その綿津見の神の子
宇都志日金拆
(
うつしひがなさく
)
の命の
子孫
(
のち
)
なり。その底筒の男の命、中筒の男の命、上筒の男の命三柱の神は、
墨
(
すみ
)
の
江
(
え
)
の三前の大神
一四
なり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ええ、そもそも羽田の浦を、
扇ヶ浜
(
おうぎがはま
)
と申しまするで、それで、それ、此地を要島、これは見立で御座いますな。
相州
(
そうしゅう
)
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
の
弁財天
(
べんざいてん
)
と同体にして、
弘法大師
(
こうぼうだいし
)
の作とあります。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
図の上半部を成してゐる
江
(
え
)
の
彼方
(
むかふ
)
には
翠色
(
すゐしよく
)
悦ぶべき遠山が見えてゐる、其手前には丘陵が起伏してゐる、其間に層塔もあれば
高閤
(
かうかふ
)
もあり、黒ずんだ欝樹が蔽ふた岨もあれば
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
なんでも、わたしが子どものじぶんきいた話に、むかし、むかし、この
水
(
みず
)
の
江
(
え
)
の浜に、浦島太郎という人があって、ある日、舟にのってつりに出たまま、帰ってこなくなりました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「ついでに、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
をまわってくるといい。おれも、行きたくなったな。行こうかな」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お
照
(
てる
)
さんは向ひの
仏師屋
(
ぶつしや
)
の子で、私より二つの
歳上
(
としうへ
)
でしたが、背丈は私の方が高いのでした。お
春
(
はる
)
さんはその人の
姉
(
ねえ
)
さんでした。隣の
藍玉屋
(
あゐだまや
)
には、より
江
(
え
)
さんと云ふ子がありました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
より
江
(
え
)
はふと机から頭をもちあげて
硝子戸
(
ガラスど
)
へ顔をくっつけてみました。暗くて、ざわざわ木がゆれているきりで、何だか
淋
(
さび
)
しい晩でした。ときどき西の空で白いような
稲光
(
いなびか
)
りがしています。
蛙
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ある時夫人が、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
に遊んだ
土産
(
みやげ
)
として、大きな
法螺貝
(
ほらがい
)
を買って帰った。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
千々岩
(
ちぢわ
)
灘に添う十五里の沿岸道路は、平坦な道の
少
(
すくな
)
い代り、風景の
捨難
(
すてがた
)
いところが多く、退屈を覚えない。
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
辺りから海が見え出し、海上にはいくつかの小島も見え、無数の漁船も見える。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
そしてそこに
用
(
い
)
らないものを預けて、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
のほうまで車を走らした。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
郊外だとか、時には
鎌倉
(
かまくら
)
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
など……
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
同 同
騰波
(
とば
)
ノ
江
(
え
)
村大字
筑波島
(
つくはしま
)
字
土腐
(
どぶ
)
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
なやましき、さは
江
(
え
)
の
泥
(
どろ
)
の
沈澱
(
おどみ
)
より
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一
真白
(
ましろ
)
き
富士
(
ふじ
)
の
根
(
ね
)
緑
(
みどり
)
の
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
七里ヶ浜の哀歌
(新字新仮名)
/
三角錫子
(著)
秋の
江
(
え
)
に打ち込む
杭
(
くい
)
の響かな
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一声
(
ひとこゑ
)
の
江
(
え
)
に横たふや
時鳥
(
ほととぎす
)
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
乳
(
ちゝ
)
の
江
(
え
)
をゆく船に似て
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あまの
少女
(
をとめ
)
は
江
(
え
)
の
水
(
みづ
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
一例として「えんこう」の話をとると、夕涼みに
江
(
え
)
ノ
口川
(
くちがわ
)
の橋の欄干に腰をかけているとこの怪物が水中から手を延ばして肛門を抜きに来る。
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
見ると、庭にはレモンやオレンジの木が
生
(
は
)
えていて、門の前には高いシュロの木が立っています。海は、ここで小さな
入
(
い
)
り
江
(
え
)
になっていました。
人魚の姫
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「して、どう落ちのびまするか。ここは川ノ辻です。西へ下れば、摂津の
墨
(
すみ
)
ノ
江
(
え
)
。北へ行けば、淀川へ出てしまいますが」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今年
(
ことし
)
の
夏休
(
なつやす
)
みに、
正雄
(
まさお
)
さんは、
母
(
かあ
)
さんや
姉
(
ねえ
)
さんに
連
(
つ
)
れられて、
江
(
え
)
の
島
(
しま
)
の
別荘
(
べっそう
)
へ
避暑
(
ひしょ
)
にまいりました。
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何
(
なん
)
ぞかへつて
自
(
みづか
)
ら
色
(
いろ
)
に
迷
(
まよ
)
ふことをなして、
佗
(
た
)
の
女子
(
ぢよし
)
を
愛戀
(
あいれん
)
し、
剩
(
あまつさ
)
へ
關帝
(
くわんてい
)
の
髯
(
ひげ
)
に
紅
(
べに
)
を
塗
(
ぬ
)
る。
言語道斷
(
ごんごだうだん
)
ぢやと。
既
(
すで
)
に
竹
(
たけ
)
の
籠
(
かご
)
を
作
(
つく
)
らしめ、これに
盛
(
も
)
りて
江
(
え
)
の
中
(
なか
)
に
沈
(
しづ
)
めんとす。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
図の上半部を成している
江
(
え
)
の
彼方
(
むこう
)
には
翠色
(
すいしょく
)
悦ぶべき遠山が見えている、その手前には丘陵が起伏している、その間に
層塔
(
そうとう
)
もあれば
高閤
(
こうこう
)
もあり、黒ずんだ
欝樹
(
うつじゅ
)
が
蔽
(
おお
)
うた
岨
(
そば
)
もあれば
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
むかし、むかし、
丹後
(
たんご
)
の国
水
(
みず
)
の
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
に、浦島太郎というりょうしがありました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
江
(
え
)
の
浦
(
うら
)
へ一
時半
(
じはん
)
の
間
(
あひだ
)
は
上
(
のぼり
)
であるが
多少
(
たせう
)
の
高低
(
かうてい
)
はある。
下
(
くだ
)
りもある。
喇叭
(
らつぱ
)
も
吹
(
ふ
)
く、
斯
(
か
)
くて
棧道
(
さんだう
)
にかゝつてから
第
(
だい
)
一の
停留所
(
ていりうじよ
)
に
着
(
つ
)
いた
所
(
ところ
)
の
名
(
な
)
は
忘
(
わす
)
れたが
此處
(
こゝ
)
で
熱海
(
あたみ
)
から
來
(
く
)
る
人車
(
じんしや
)
と
入
(
い
)
りちがへるのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「こンれ!
汝
(
にし
)
ア、江戸もんけ?
江
(
え
)
ン
戸
(
ど
)
は広かべアなあ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
底にごる
江
(
え
)
の波暮れて
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「まア、お上がンなすって。いや、いっそ、
江
(
え
)
の向う浦へ行きましょうや。ちょッとおつな
旗亭
(
のみや
)
がありますぜ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春の日のぽかぽかあたっている
水
(
みず
)
の
江
(
え
)
の浜べで、りょうしたちがげんきよく舟うたをうたいながら、
網
(
あみ
)
をひいたり舟をこいだりしているところを、まざまざと夢に見るようになりました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
船頭
(
おやぢ
)
が
辨當
(
べんたう
)
を
使
(
つか
)
ふ
間
(
あひだ
)
、しばらくは
船
(
ふね
)
は
漂蕩
(
へうたう
)
と
其
(
そ
)
の
流
(
なが
)
るゝに
任
(
まか
)
せて、やがて、
餉
(
かれひ
)
を
澄
(
す
)
まして、ざぶりと
舷
(
ふなべり
)
に
洗
(
あら
)
ひ
状
(
さま
)
に、
割籠
(
わりご
)
に
掬
(
く
)
むとて
掻
(
か
)
く
水
(
みづ
)
が、
船脚
(
ふなあし
)
よりは
長
(
なが
)
く
尾
(
を
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
動
(
うご
)
くもののない
江
(
え
)
の
面
(
おも
)
に
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
阮
(
げん
)
の三兄弟も、それぞれ小舟にもどり、やがて呉用をのせて、夕波の
江
(
え
)
を
漕
(
こ
)
ぎ渡って、家路についた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の妻子をのせた三艘の
苫船
(
とまぶね
)
は、なるべく、葦や
葭
(
よし
)
の茂みを
棹
(
さお
)
さして、臆病な水鳥のように、まる一昼夜を、北へ北へ逃げ遡り、やがて
広河
(
ひろがわ
)
の
江
(
え
)
のあたりに、深く船影をひそめて、ひとまず
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
江
常用漢字
中学
部首:⽔
6画
“江”を含む語句
近江
江戸
江湖
江州
遠江
大江
長江
蜀江
遠江守
鴨緑江
江川
松花江
江戸児
揚子江
直江津
難波江
溯江
九江
鎮江
江都
...