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彼處
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あすこ
ふりがな文庫
“
彼處
(
あすこ
)” の例文
新字:
彼処
「おやもうそつちの
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つたのかい、それぢや
彼處
(
あすこ
)
を
叩
(
たゝ
)
くんだよ」
内儀
(
かみ
)
さんはいつて
分
(
わか
)
れた。おつぎは
直
(
すぐ
)
に
自分
(
じぶん
)
の
裏戸口
(
うらどぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼處
(
あすこ
)
を
通拔
(
とほりぬ
)
けねばならないと
思
(
おも
)
ふと、
今度
(
こんど
)
は
寒氣
(
さむけ
)
がした。
我
(
われ
)
ながら、
自分
(
じぶん
)
を
怪
(
あやし
)
むほどであるから、
恐
(
おそ
)
ろしく
犬
(
いぬ
)
を
憚
(
はゞか
)
つたものである。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ええ、一年ばかり前に用事があつてちよつと凾館へ行きました。それぐらひなものです。
彼處
(
あすこ
)
も少しは變りましたらうな……」
修道院の秋
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「誰が、
彼處
(
あすこ
)
へ
彼様
(
あんな
)
糸
(
いと
)
をかけたのだらう。」と周三は考へた。
途端
(
とたん
)
に日はパツと
輝
(
かゞや
)
いて、無花果の葉は緑の
雫
(
しづく
)
が
滴
(
こぼ
)
るかと思はれるばかり、鮮麗に
煌
(
きらめ
)
く。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
彼處
(
あすこ
)
と此處とでは、まあ何といふ違ひだらう! 死者に對する考へ方のやうなものが私達祖先と西洋人とはこんなにも違つてゐるのだらうか? 私なんぞは
生者と死者
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
それでも
母樣
(
かあさま
)
私
(
わたし
)
は
何處
(
どこ
)
へか
行
(
ゆ
)
くので
御座
(
ござ
)
りましやう、あれ
彼處
(
あすこ
)
に
迎
(
むか
)
ひの
車
(
くるま
)
が
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
まする、とて
指
(
ゆび
)
さすを
見
(
み
)
れば
軒端
(
のきば
)
のもちの
木
(
き
)
に
大
(
おほ
)
いなる
蛛
(
くも
)
の
巣
(
す
)
のかゝりて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「姉さん、あれ何んだね。
彼處
(
あすこ
)
に干してあるあれ。」と、私は到頭思ひ切つて、隣家の物干臺を指さした。
ごりがん
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そして
彼處
(
あすこ
)
を行く廂髮の頭と角帽の頭顱とへ一時に
衝突
(
ぶつか
)
つて、慥に五點は屹度取れる、などと考へる。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
モスクワへも、ペテルブルグへも、ワルシヤワへも……ワルシヤワは
實
(
じつ
)
に
好
(
よ
)
い
所
(
ところ
)
です、
私
(
わたし
)
が
幸福
(
かうふく
)
の五
年間
(
ねんかん
)
は
彼處
(
あすこ
)
で
送
(
おく
)
つたのでした、
其
(
そ
)
れは
好
(
い
)
い
町
(
まち
)
です、
是非
(
ぜひ
)
行
(
ゆ
)
きませう、ねえ
君
(
きみ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
皆
(
みんな
)
が
壓
(
おさ
)
へても、
震
(
ふる
)
へ
上
(
あが
)
るやうに、
寢臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
から、
天井
(
てんじやう
)
を
見
(
み
)
て、あれ/\
彼處
(
あすこ
)
に
變
(
へん
)
なものが
居
(
ゐ
)
て、
睨
(
にら
)
みます、とつて
頂戴
(
ちやうだい
)
、よう、とつて
頂戴
(
ちやうだい
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
彼處
(
あすこ
)
へ行つて見よう。』と、小池は
大仰
(
おほぎやう
)
に決斷した
風
(
ふう
)
に言つて、左の方へさツさと歩き出した。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
嘘
(
うそ
)
ではないよ
何時
(
いつ
)
かお
前
(
まへ
)
が
言
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り
上等
(
じやうとう
)
の
運
(
うん
)
が
馬車
(
ばしや
)
に
乘
(
の
)
つて
迎
(
むか
)
ひに
來
(
き
)
たといふ
騷
(
さわ
)
ぎだから
彼處
(
あすこ
)
の
裏
(
うら
)
には
居
(
ゐ
)
られない、
吉
(
きつ
)
ちやん
其
(
その
)
うちに
糸織
(
いとおり
)
ぞろひを
調製
(
こしら
)
へて
上
(
あげ
)
るよと
言
(
い
)
へば、
厭
(
いや
)
だ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いや、
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
もない、
彼處
(
あすこ
)
に
立
(
た
)
つてる、
貴女
(
あなた
)
とお
話
(
はなし
)
をするうちは、
實際
(
じつさい
)
、
胴忘
(
どうわす
)
れに
手紙
(
てがみ
)
のことを
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
ました。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『あれが東光院だらう。
折角
(
せつかく
)
行かうと思つたんだから、
彼處
(
あすこ
)
へ行つて見やう。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
今宵
(
こよひ
)
見
(
み
)
れば
如何
(
いか
)
にも
淺
(
あさ
)
ましい
身
(
み
)
の
有樣
(
ありさま
)
、
木賃泊
(
きちんどま
)
りに
居
(
ゐ
)
なさんすやうに
成
(
な
)
らうとは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ、
私
(
わたし
)
は
此人
(
このひと
)
に
思
(
おも
)
はれて、十二の
年
(
とし
)
より十七まで
明暮
(
あけく
)
れ
顏
(
かほ
)
を
合
(
あは
)
せる
毎
(
たび
)
に
行々
(
ゆく/\
)
は
彼
(
あ
)
の
店
(
みせ
)
の
彼處
(
あすこ
)
へ
座
(
すわ
)
つて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
紅
(
べに
)
さいた
二
(
ふた
)
ツの
愛々
(
あい/\
)
しい
唇
(
くちびる
)
が、
凍
(
い
)
てて
櫻貝
(
さくらがひ
)
の
散
(
ち
)
つて
音
(
おと
)
するばかり、
月
(
つき
)
にちら/\と、それ、
彼處
(
あすこ
)
に
此處
(
こゝ
)
に——
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いえ、
彼處
(
あすこ
)
に
供待
(
ともま
)
ちをしました、あの
徒
(
てあひ
)
は
皆
(
みんな
)
遊廓
(
くるわ
)
のでござりますで、
看板
(
かんばん
)
がどれも
新地組合
(
しんちくみあひ
)
、
印
(
しるし
)
が
麗々
(
れい/\
)
と
書
(
か
)
いてござります。
※
(
ねえ
)
さんたちが
心着
(
こゝろづ
)
けたでござりませう。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
春狐子
(
しゆんこし
)
、
何
(
ど
)
うでごす、
彼處
(
あすこ
)
の
會席
(
くわいせき
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
に
食
(
くは
)
せやすぜ。」と
謂
(
い
)
ふも
譽
(
ほ
)
め
樣
(
やう
)
を
捻
(
ひね
)
るのなり。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
、
知
(
し
)
つてるだらう、
此
(
こ
)
の
川下
(
かはしも
)
の
稻荷河原
(
いなりがはら
)
と
云
(
い
)
ふ、
新地
(
しんち
)
の
裏
(
うら
)
に
成
(
な
)
る。
彼處
(
あすこ
)
に、——
遊廓
(
いうくわく
)
の
女
(
をんな
)
が、
遊藝
(
いうげい
)
から
讀書
(
よみかき
)
、
茶
(
ちや
)
、
花
(
はな
)
なんぞの
授業
(
じゆげふ
)
を
受
(
う
)
ける
女紅場
(
ぢよこうば
)
と
云
(
い
)
ふのがあるのを
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
早
(
はや
)
いもので、
先
(
せん
)
に
彼處
(
あすこ
)
に
家
(
いへ
)
の
建續
(
たてつゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
は
私
(
わたし
)
たちでも
最
(
も
)
う
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
る、
中六番町
(
なかろくばんちやう
)
の
通
(
とほ
)
り
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
見附
(
みつけ
)
まで
眞直
(
まつすぐ
)
に
貫
(
つらぬ
)
いた
廣
(
ひろ
)
い
坂
(
さか
)
は、
昔
(
むかし
)
ながらの
帶坂
(
おびざか
)
と、
三年坂
(
さんねんざか
)
の
間
(
あひだ
)
にあつて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼處
(
あすこ
)
を
拔
(
ぬ
)
けると、
廣小路
(
ひろこうぢ
)
の
角
(
かど
)
の
大時計
(
おほどけい
)
と、
松源
(
まつげん
)
の
屋根飾
(
やねかざり
)
を
派手
(
はで
)
に
見
(
み
)
せて、
又
(
また
)
はじめる。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ずらりと
女學生
(
ぢよがくせい
)
たちを
從
(
したが
)
へて、
頬
(
ほゝ
)
と
頤
(
あご
)
をだぶ/″\、
白髮
(
しらが
)
の
渦
(
うづまき
)
を
卷
(
ま
)
かせて、
恁
(
か
)
う
反身
(
そりみ
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
所
(
ところ
)
が、
何
(
なん
)
ですかね
私
(
わたし
)
には、
彼處
(
あすこ
)
に
居
(
ゐ
)
る、
其
(
そ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
を、
救助船
(
たすけぶね
)
で
濟度
(
さいど
)
に
顯
(
あらは
)
れたやうに
見
(
み
)
えたんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
熟
(
じつ
)
と
瞳
(
ひとみ
)
を
定
(
さだ
)
めると、
其處
(
そこ
)
に
此處
(
こゝ
)
に、それ
彼處
(
あすこ
)
に、
其
(
そ
)
の
數
(
かず
)
の
夥
(
おびたゞ
)
しさ、
下
(
した
)
に
立
(
た
)
つたものは、
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
潛
(
くゞ
)
るのである。
往來
(
ゆきき
)
はあるが、
誰
(
だれ
)
も
氣
(
き
)
がつかないらしい。
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つは
却
(
かへ
)
つてこぼれて
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
かう。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
彼處
(
あすこ
)
が
其
(
それ
)
です。」と、
少年
(
せうねん
)
の
驛夫
(
えきふ
)
が
指
(
ゆびさ
)
す。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
横
(
よこ
)
に
俥
(
くるま
)
が
二挺
(
にちやう
)
たゝぬ——
彼處
(
あすこ
)
ですか。」
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あゝ、
彼處
(
あすこ
)
が
鎭守
(
ちんじゆ
)
だ——」
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
處
部首:⾌
11画
“彼處”で始まる語句
彼處等
彼處此處
彼處邊