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嶺
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みね
ふりがな文庫
“
嶺
(
みね
)” の例文
星晴
(
ほしば
)
れのした
夜
(
よる
)
の
空
(
そら
)
に
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
のとがった
嶺
(
みね
)
が
黒
(
くろ
)
くそびえて
見
(
み
)
えます。その
嶺
(
みね
)
の
上
(
うえ
)
にあたって一つ
金色
(
こんじき
)
の
星
(
ほし
)
がキラキラと
輝
(
かがや
)
いています。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小山と小山との間に一道の
渓流
(
けいりう
)
、それを渡り終つて、猶其前に聳えて居る小さい
嶺
(
みね
)
を登つて行くと、段々
四面
(
あたり
)
の
眺望
(
てうばう
)
がひろくなつて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼女は
嶺
(
みね
)
美佐子といって、以前T座のダンシング・チームにいて、その後O館に移った踊り子で、今は公園の舞台に出ていないという。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
少し季節には早いけれども、香川
景樹
(
かげき
)
の
嶺
(
みね
)
夕立、———夕立は
愛宕
(
あたご
)
の峰にかかりけり清滝河ぞ今濁るらん、の懐紙を床に掛けて貰った。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのほか、せまい
間道
(
かんどう
)
や、
嶺
(
みね
)
みちでも、およそ敵兵の出没と、小ゼリ合いの見えぬ所はなく、夜もひるも、
凄惨
(
せいさん
)
なこだまだった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
太陽は先刻までオーデンヴァルトのこんもりした森にさんさんたる光を頭上からそそいでいたが、今は山の
嶺
(
みね
)
にそってかすかに光っていた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
城下の街はまだ暗く、刀根川の流れも濃い朝もやの下に眠っていたが、赤城山の
嶺
(
みね
)
はすでに
茜
(
あかね
)
に染まり、高い空のどこかで鳥の
囀
(
さえず
)
りが聞えていた。
日本婦道記:忍緒
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あるいは高山の
嶺
(
みね
)
に
降
(
お
)
り
来
(
きた
)
ったとしても、それには時代としての十分な理由があるのだから、些しでも不審な点はない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
また
出雲娘子
(
いずものおとめ
)
を吉野に火葬した時にも、「山の際ゆ
出雲
(
いづも
)
の児等は霧なれや吉野の山の
嶺
(
みね
)
に
棚引
(
たなび
)
く」(同・四二九)とも詠んでいるので明かである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
不浄からの帰途、桟敷の
嶺
(
みね
)
をつたいながらなにげなくヒョイと飾場のほうを見ると、どうしたというのか、鯨は影も形もない。白い砂があるばかり。
顎十郎捕物帳:19 両国の大鯨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
なにしろ海抜三千尺、浅間一帯の山腹にある小諸の位置はほとんど
筑波
(
つくば
)
の
嶺
(
みね
)
と同じ高さと言いますからね。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小仏の肩を
辷
(
すべ
)
って真一文字に甲州路をながめると、またしても山また山で、街道第一の難所、笹子の
嶺
(
みね
)
を貫いて、その奥に甲信の境なる八ヶ岳の雄姿を認める。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
銀色にかがやく、直径五メートルもある大円盤の一つが、神奈川県、丹沢山と
塔
(
とう
)
ガ
嶺
(
みね
)
の中間、きこりさえはいったことのない、大森林の中へ墜落したというのです。
宇宙怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
漠々とした雲の
嶺
(
みね
)
を乗り越えて行く飛行機の壮快な姿——そして、その飛行機からひらりと飛び下りる颯爽たる自分の姿——の想像に、我を忘れている始末だった。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
旦
(
あした
)
に稽古の窓に
凭
(
よ
)
れば、垣を
掠
(
かす
)
めて靡く霧は不斷の烟、
夕
(
ゆふべ
)
に
鑽仰
(
さんがう
)
の
嶺
(
みね
)
を
攀
(
よ
)
づれば、壁を漏れて照る月は
常住
(
じやうぢゆう
)
の
燭
(
ともしび
)
、晝は
御室
(
おむろ
)
、
太秦
(
うづまさ
)
、梅津の邊を
巡錫
(
じゆんしやく
)
して、夜に入れば
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
み
吉野
(
よしぬ
)
の
耳我
(
みみが
)
の
嶺
(
みね
)
に 時なくぞ 雪は降りける
間
(
ひま
)
なくぞ 雨は降りける その雪の 時なきがごと その雨の
間
(
ひま
)
なきがごと
隈
(
くま
)
もおちず 思ひつつぞ来し その山道を
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
那須嶽連山の
嶺
(
みね
)
に、たちまち
一朶
(
いちだ
)
の黒雲の
湧
(
わ
)
いたのも気にしないで、
折敷
(
おりしき
)
にカンと打った。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
枝々の
嶺
(
みね
)
の中には、羊歯・蘭類がそれぞれ又一つの森のように
叢
(
むら
)
がり茂っている。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
舁「やい
女郎
(
めろう
)
、静かにしろ、もう後へ
往
(
い
)
くも先へ往くもねえ、
此処
(
こゝ
)
は道が違わい、
二居
(
ふたい
)
ヶ
嶺
(
みね
)
の裏手の方だ、
猪
(
いのしゝ
)
狼
(
おおかみ
)
の
外
(
ほか
)
人の来る処じゃア
無
(
ね
)
えや、これから貴様を新潟あたりへばらすのだぞ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嶺
(
みね
)
の
發掘
(
はつくつ
)
を
語
(
かた
)
る
前
(
まへ
)
に、
如何
(
どう
)
しても
故
(
こ
)
飯田東皐君
(
いひだとうくわうくん
)
との
關係
(
くわんけい
)
を
語
(
かた
)
らねばならぬ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
秋はてて寂しさまさる
木
(
こ
)
の
本
(
もと
)
を吹きな過ぐしそ
嶺
(
みね
)
の松風
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
嶺
(
みね
)
にはづかしさうに純白な雪が輝く山脈である
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
そして、その
下
(
した
)
に、おおかみのきばのような、とがった
嶺
(
みね
)
があり、もう、そこには、
雪
(
ゆき
)
がきていて、
頭
(
あたま
)
が
白
(
しろ
)
くなっていたのであります。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
陣払いの終るあいだに、光秀は
洞
(
ほら
)
ヶ
嶺
(
みね
)
、伏見、淀、その他の味方へ、急使を派した。遠くは、坂本城にある
従兄弟
(
いとこ
)
の光春へも
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面白いことにはその歌の半数以上が、
嶺
(
みね
)
を隔てた
長久保
(
ながくぼ
)
の
新町
(
しんまち
)
あたりで、
妓女
(
ぎじょ
)
の歌っていた
都々逸
(
どどいつ
)
の文句であった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
夕映えの色もうすれた東の空に、筑波山の高い
嶺
(
みね
)
と、加波山の
稜線
(
りょうせん
)
がくっきりと黒く見えた。つなは笹藪から道へあがり、人馬の列のほうへ近づいていった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
嶺
(
みね
)
のさまは穏やかでけわしくなく、木立ちもしげり栄えてはあるが、しかも物すごくなかった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「青山の
嶺
(
みね
)
の白雲朝にけに常に見れどもめづらし吾君」(巻三・三七七)、「住吉の里行きしかば春花のいやめづらしき君にあへるかも」(巻十・一八八六)等の例がある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
気高く
聳
(
そび
)
えた
嶺
(
みね
)
続きの、不可思議な曲線、
滑
(
なめら
)
かな深い谷間の神秘なる蔭影、柾木愛造はそこに、芙蓉の肉体のあらゆる細部に
亙
(
わた
)
って、思いもよらぬ、微妙な美と秘密とを見た。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
小仏の背後に高いのが
景信山
(
かげのぶやま
)
で、小仏と景信の間に、遠くその額を現わしているのが大菩薩峠の
嶺
(
みね
)
であります。転じて景信の背後には
金刀羅山
(
こんぴらやま
)
、
大岳山
(
おおたけさん
)
、
御岳山
(
みたけさん
)
の山々が続きます。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
の
旅
(
たび
)
に、
色彩
(
いろ
)
を
刻
(
きざ
)
んで
忘
(
わす
)
れないのは、
武庫川
(
むこがは
)
を
過
(
す
)
ぎた
生瀬
(
なませ
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
近
(
ちか
)
く、
向
(
むか
)
う
上
(
あが
)
りの
徑
(
こみち
)
に、じり/\と
蕊
(
しん
)
に
香
(
にほひ
)
を
立
(
た
)
てて
咲揃
(
さきそろ
)
つた
眞晝
(
まひる
)
の
芍藥
(
しやくやく
)
と、
横雲
(
よこぐも
)
を
眞黒
(
まつくろ
)
に、
嶺
(
みね
)
が
颯
(
さつ
)
と
暗
(
くら
)
かつた
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あちらの
嶺
(
みね
)
の
方
(
ほう
)
へ、
早起
(
はやお
)
きする
小鳥
(
ことり
)
たちの
声
(
こえ
)
を
聞
(
き
)
きつけて、これを
捕
(
と
)
らえて
飢
(
う
)
えを
満
(
み
)
たすために、
飛
(
と
)
んでいってしまった
後
(
あと
)
です。
美しく生まれたばかりに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、その大兵力に、自信をとりもどしたほどであり、
四明
(
しみょう
)
の
嶺
(
みね
)
、大岳、西坂本、ひがし坂本、要路要路、目に入るかぎりはすべて自陣の旗だった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしてこの日の朝に限って、川に薬水が流れるということは(郡誌)、
嶺
(
みね
)
を隔てた会津の耶麻郡も同じである。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
山蛭
(
やまびる
)
や
蚋
(
ぶよ
)
なぞの多い四里あまりのけわしい
嶺
(
みね
)
の向こうから通って来たのもその山道である。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
尾花沢は大仏山の
嶮
(
けわ
)
しい
嶺
(
みね
)
つづきで、隣藩との境界に当り、古くから番所があった。
おばな沢
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
貴き
聖
(
ひじり
)
が、この
嶺
(
みね
)
の
頂
(
いただき
)
に立って、東に落つる水も清かれ、西に落つる水も清かれと祈って、菩薩の像を
埋
(
う
)
めて置いた、それから東に落つる水は多摩川となり、西に流るるは
笛吹
(
ふえふき
)
川となり
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嶺
(
みね
)
あり、
天
(
てん
)
を
遮
(
さへぎ
)
り、
關
(
せき
)
あり、
地
(
ち
)
を
鎖
(
とざ
)
し、
馬
(
うま
)
前
(
すゝ
)
まず、——
馬
(
うま
)
前
(
すゝ
)
まず。——
孤影
(
こえい
)
雪
(
ゆき
)
に
碎
(
くだ
)
けて
濛々
(
もう/\
)
たる
中
(
なか
)
に、
唯
(
と
)
見
(
み
)
れば
一簇
(
いつそう
)
の
雲
(
くも
)
の
霏々
(
ひゝ
)
として
薄
(
うす
)
く
紅
(
くれなゐ
)
なるあり。
風
(
かぜ
)
に
漂
(
たゞよ
)
うて
横
(
よこ
)
ざまに
吹
(
ふ
)
き
到
(
いた
)
る。
日
(
ひ
)
は
暮
(
く
)
れぬ。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこかで、
無心
(
むしん
)
にせみが
唄
(
うた
)
をうたっている
声
(
こえ
)
がしています。たぶん、あちらの
嶺
(
みね
)
の
上
(
うえ
)
に
生
(
は
)
えている
赤松
(
あかまつ
)
のこずえのあたりであると
思
(
おも
)
われました。
老工夫と電灯:――大人の童話――
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まさしく、内応のうごきは見えたが、宋江も呉用も、ここの陣中にはいず、一だん遠い彼方の小山の
嶺
(
みね
)
に、紅火点々と、その在る所を見せている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その他山の
嶺
(
みね
)
をヒヨといえりとあるのは、『物類称呼』の説を抄出したものかと思うが確かには記憶しない。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
桂谷
(
かつらだに
)
と言うのへ通ずる街道である。病院の背後を
劃
(
しき
)
って、
蜿々
(
うねうね
)
と続いた松まじりの雑木山は、畠を隔てたばかり目の
前
(
さき
)
に近いから、遠い山も、
嶮
(
けわ
)
しい
嶺
(
みね
)
も遮られる。ために景色が穏かで、空も優しい。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
甲斐駒
(
かいこま
)
の
嶺
(
みね
)
がぱっと、
眩
(
まばゆ
)
いばかりに朝日に輝くその頂を現した。
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
箱根の
嶺
(
みね
)
を
下
(
くだ
)
りけり
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし、それは、
西風
(
にしかぜ
)
であって、
高
(
たか
)
い
嶺
(
みね
)
を
滑
(
すべ
)
った
夕日
(
ゆうひ
)
は、
雪
(
ゆき
)
をはらんで
黒雲
(
くろくも
)
のうず
巻
(
ま
)
く
中
(
なか
)
に
落
(
お
)
ちかかっていたのです。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
光秀は、翌十日の朝、本軍を下鳥羽において、一部隊だけをひきつれ、山城八幡に近い
洞
(
ほら
)
ヶ
嶺
(
みね
)
へのぼって行った。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おりおりこれは聴く話であるが、深山の谷で奥の行止まりになっているところは無事であるが、
嶺
(
みね
)
が開けて背面の方へ通じている沢は、夜中に必ず怪事がある。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
夏は
国分
(
こくぶ
)
の
嶺
(
みね
)
を越え
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、その一つの
嶺
(
みね
)
の
頂
(
いただき
)
に、きらきらと
星
(
ほし
)
が
光
(
ひか
)
っていました。
少年
(
しょうねん
)
は、じっと
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
ていますうちに、
熱
(
あつ
)
い
涙
(
なみだ
)
がしぜんと
目
(
め
)
の
底
(
そこ
)
にわいてきました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして命ぜられた先も、渋川筋から
洞
(
ほら
)
ヶ
嶺
(
みね
)
附近の地域なので、かなり深入りして来たことが察しられる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“嶺”の意味
《名詞》
(みね、ね)山の頂。
(出典:Wiktionary)
“嶺”の解説
嶺(みね)は、群馬県安中市の地名。郵便番号は379-0136。面積は1.71km
2
(2010年現在)
(出典:Wikipedia)
嶺
漢検準1級
部首:⼭
17画
“嶺”を含む語句
高嶺
小嶺
峻嶺
葱嶺
函嶺
分水嶺
興安嶺
鎮明嶺
筑波嶺
段嶺
幸野楳嶺
嶺松寺
嶺上開花
雪嶺
山嶺
三国嶺
嶺南
嶺雲
北嶺
嶺道
...