さだめ)” の例文
先生におこごとうけましたの——其れから学校を卒業する、貴女は菅原様すがはらさんいらつしやる、他の人々かたがたれ方向をおさだめになるのを見て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
かれらの誰なるや、かすかなる光によりてうかゞふに彼等渡るをいそぐに似たるは何のさだめによりてなるやを我に知らせよ 七三—七五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
夫人は出で迎へて、好くこそ來給ひたれ、君等のさだめの日を待たで來給はんは何時いつなるべきと、兼ねてより思ひ居たりといふ。友。
尤、船貨公物並に水夫旅人手廻之品に到る迄、一切償金相立候さだめに候。此条、官長より被申聞候間、御掛合申上候。以上。
太きこぶしを腰にあてて、花売りの子を暫しにらみ、『わが店にては、暖簾師のれんしめいたるあきなひ、せさせぬがさだめなり。くゆきね。』
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
つとむる身分みぶんとして其儘そのまゝ召仕めしつかおきたるぞや假令たとへ當人たうにんより申出ずとも其方そのはうよりいとまを出すべきはずなり此故に何か樣子やうすあらんと申せしなりさだめ不義ふぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
学円 ある! 何か、明六つ、暮六つ……丑満うしみつ、と一昼夜に三度鳴らす。その他は一切音をさせないさだめじゃと聞いたが。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
富めると貧なるとは前世のさだめにあらずして今世における個人的の境遇なり、貧は身体の疾病と同くこれを治するあたわずんばよろこんで忍ぶべきものなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
さだめて、十羅刹女らせつぢよ寄合よりあひてうぶみづ生湯うぶゆ)をなでやしなひたまふらん。あらめでたや、あらめでたや。御悦び推量申候
道の右は山を𠠇りて長壁と成し、石幽いしゆう蘚碧こけあをうして、幾条いくすぢとも白糸を乱し懸けたる細瀑小瀑ほそたきこたき珊々さんさんとしてそそげるは、嶺上れいじようの松の調しらべも、さだめてこのよりやと見捨て難し。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
みぎごとさだめてサンデイは休日きうじつにて、商賣しやうばいつとめ何事なにごと休息きうそくすることむかしの我邦わがくに元日ぐわんじつごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
やがて少佐も中尉もさだめの位置について、中尉方の一人の介添人が、今日の決闘の趣旨を宣言しようとしたとき、どうしたことか、上村少佐は突然右の手を高く上げて叫んだ。
風変りな決闘 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
幾度いくたびかかへりみておもへば、さてもはしたきことなり、うぢらず素性すじやうらず、心情こゝろだてなにれぬひとふとは、れながらあさましきことなり、さだめなきさだめなきひとたの
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
したてて送んとしおもへさだめつかれに痩せ昔の腰圍こしまはりにはあるまじときぬたゝんとして躊躇するにも似たりしかしてこれは丁寧ていねい尚ほ足袋に及ぶ爪先までも心の屆きし事といふべし又次の歌は想ふ人を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
箇程かほどまでに迷わせたるお辰め、おのれも浮世の潮に漂う浮萍うきくさのようなさだめなき女と知らで天上の菩薩ぼさつと誤り、勿体もったいなき光輪ごこうまでつけたる事口惜し、何処いずこ業平なりひらなり癩病なりんぼなり、勝手に縁組、勝手にたのしめ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二タおし三おしにいたればいかなる人もあつきこと暑中のごときゆゑ、堂のほとりにある大なる石の盥盤てうづばちに入りて水をび又押に入るもあり。一ト押おしてはいきをやすむ、七押七をどりにてやむさだめとす。
さだめる事も出来ん。従妹の方を断ったために両親がもしお登和さんの事を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そればかりか、運命のあらゆるさだめに逆って
さだめ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝等斯くして淵の律法おきてを破れるか、はた天上のさだめ新たに變りて汝等罰をうくといへどもなほわが岩に來るをうるか。 四六—四八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さだめなき空に雨みて、学校の庭の木立こだちのゆるげるのみ曇りし窓の硝子ガラスをとほして見ゆ。少女おとめが話聞く間、巨勢こせが胸には、さまざまの感情戦ひたり。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
やがて傍近そばちかく寄りて、幾許いかばかり似たるとながむれば、打披うちひらけるはなびらりんとして玉をいたる如く、濃香芬々ふんふんほとばしり、葉色に露気ろき有りて緑鮮みどりあざやかに、さだめ今朝けさりけんとおぼしき花のいきほひなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かつまたこれまでのこよみにはつまらぬ吉凶きつきやうしる黒日くろび白日しろびのとてわけもわからぬ日柄ひがらさだめたれば、世間せけんこよみひろひろまるほど、まよひたねおほし、あるひ婚禮こんれい日限にちげんのばし、あるひ轉宅てんたくときちゞ
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
いたからとてかつてやらうとひと猶更なほさらなし、あの時近處ときゝんじよかはなりいけなりあらうならわたしさだめげて仕舞しまひましたろ、はなしはまことの百分一、わたし其頃そのころからくるつたのでござんす
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二タおし三おしにいたればいかなる人もあつきこと暑中のごときゆゑ、堂のほとりにある大なる石の盥盤てうづばちに入りて水をび又押に入るもあり。一ト押おしてはいきをやすむ、七押七をどりにてやむさだめとす。
一番言込いひこめ閉口へいこうさせんと思ひ天下に於て御器量ごきりやう第一と云ふ御奉行樣にも弘法こうぼふも筆の過失あやまちさだめ惡口あくこうと思召すならんが罪なく死したる彦兵衞が身は如何遊ばさるゝやと口々に申故大岡殿皆々默止だまれおほせられしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
国家のさかえ、我々の栄のため、大切なおさだめ
あゝ永遠とこしへさだめによりて坐するそのうるはしき處を去りつゝ、わがためにこゝに下るをいとはざる聖なる父よ 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さだめてあれは私の夫だと思召すので御座いませうが、してさやうでは御座いませんです」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
聞いたからとて買てやらうと言ふ人は猶更なほさらなし、あの時近処に川なり池なりあらうなら私はさだめし身を投げてしまひましたろ、話しは誠の百分一、私はその頃から気が狂つたのでござんす
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みぎごと大陽暦たいやうれき日輪にちりん地球ちきうとをてらあはせて其互そのたがひ釣合つりあところもつて一年の日數ひかずさだめたるものゆへ、春夏秋冬しゆんかしうとう寒暖かんだん毎年まいとしことなることなく何月何日なんぐわつなんにちといへば丁度ちやうど去年きよねん其日そのひおな時候じこうにて
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
三歳の祐二の此往復は、さだめて養母が連れて往き連れてかへつたことであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あたひ高下かうげおよそはさだめあれども、その年々とし/″\によりてすこしづゝのたがひあり。市の日にその相場年の気運きうんにつれて自然おのづからさだまる。相場さうばよければ三ばんのちゞみ二ばんにのぼり、二ばんは一ばんにくらゐす。
命運さだめなきプーリアの地に、トロイアびとのため、また誤ることなきリヴィオのしるせるごとくいと多くの指輪を 七—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此故にそのさだめにしたがひて一の民榮え一の民衰ふ、またその定の人にかくるゝこと草の中なる蛇の如し 八二—八四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼の下にフランチュスコ、ベネデット、アウグスティーノ、及びその他の人々さだめによりてかくへだてて、圓より圓に下りて遂にこの處にいたる 三四—三六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝ永遠とこしへさだめよ、第一の原因もとを見きはむるをえざる目に汝の根の遠ざかることいかばかりぞや 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝわが光よ、汝はあきらかに詩の中にて、祈りが天のさだめを枉ぐるを否むに似たり 二八—三〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
神のたふときさだめは破れむ。
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)