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四角
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しかく
ふりがな文庫
“
四角
(
しかく
)” の例文
それは
圓
(
まる
)
い
塚
(
つか
)
の
前
(
まへ
)
の
方
(
ほう
)
が
延
(
の
)
びて
四角
(
しかく
)
になつた
形
(
かたち
)
で、ちょっと
昔
(
むかし
)
の
口
(
くち
)
の
廣
(
ひろ
)
い
壺
(
つぼ
)
を
伏
(
ふ
)
せて、
横
(
よこ
)
から
見
(
み
)
たような
形
(
かたち
)
をしてゐるものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
そして気をつけて見ると、そこらには、
蹄
(
ひづめ
)
の二つある
足跡
(
あしあと
)
のついた
岩
(
いわ
)
が、
四角
(
しかく
)
に十ばかり、きれいに切り取られて
番号
(
ばんごう
)
がつけられてありました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
挨拶をして、部屋を出て、玄関正面へ
来
(
き
)
て、向を見ると、長い廊下の
果
(
はづれ
)
が
四角
(
しかく
)
に切れて、ぱつと
明
(
あか
)
るく、
表
(
おもて
)
の
緑
(
みどり
)
が
映
(
うつ
)
る
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
に、池の女が立つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
来たナ、と思わず
笑
(
え
)
つぼに
入
(
い
)
るのを隠し、あわてて
外
(
はず
)
しかけたのれんを戻すと上へ
駆
(
か
)
けあがって、
膝
(
ひざ
)
を
四角
(
しかく
)
く
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少々
(
せう/\
)
寒
(
さむ
)
し、
不景氣
(
ふけいき
)
な
薄外套
(
うすぐわいたう
)
の
袖
(
そで
)
を
貧乏
(
びんぼふ
)
ゆすりにゆすつて
居
(
ゐ
)
ると、
算木
(
さんぎ
)
を
四角
(
しかく
)
に
並
(
なら
)
べたやうに、クツシヨンに
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
た
客
(
きやく
)
が、そちこちばら/\と
立掛
(
たちかゝ
)
る。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
こんな
四角
(
しかく
)
な布で足をふいていたからという人もあるが、それがどうして荷物を包むものになったのか、今は風呂にも敷かないのに、どうしてそんな名をつけたのか
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その咳ばらいを聞くと、御書院番の連中は急に居ずまいを直して、
四角
(
しかく
)
くなった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
切
(
きつ
)
て
放
(
はな
)
して
急催促
(
きふさいそく
)
に
言譯
(
いひわけ
)
すべき
程
(
ほど
)
もなく
忽
(
たちま
)
ち
表向
(
おもてむ
)
きの
訴訟沙汰
(
そしようざた
)
とは
成
(
な
)
れりける
素
(
もと
)
松澤
(
まつざは
)
は
數代
(
すだい
)
の
家柄
(
いへがら
)
世
(
よ
)
の
信用
(
しんよう
)
も
厚
(
あつ
)
ければ
僅々
(
きん/\
)
千
(
せん
)
や
二千
(
にせん
)
の
金
(
かね
)
何方
(
いづかた
)
にても
調達
(
てうたつ
)
は
出來得
(
できう
)
べしと
世人
(
せじん
)
の
思
(
おも
)
ふは
反對
(
うらうへ
)
にて
玉子
(
たまご
)
の
四角
(
しかく
)
まだ
萬國博覽曾
(
ばんこくはくらんくわい
)
にも
陳列
(
ちんれつ
)
の
沙汰
(
さた
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
前
(
まへ
)
が
四角
(
しかく
)
で
後
(
うしろ
)
が
圓
(
まる
)
いといふ
意味
(
いみ
)
であります。この
塚
(
つか
)
の
模型
(
もけい
)
は
特
(
とく
)
に
置
(
お
)
いてありますから、それを
御覽
(
ごらん
)
になるとよくわかります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
山脈
(
さんみゃく
)
の雪はまっ白に
燃
(
も
)
え、
眼
(
め
)
の前の野原は
黄
(
き
)
いろや茶の
縞
(
しま
)
になってあちこち
掘
(
ほ
)
り
起
(
お
)
こされた
畑
(
はたけ
)
は
鳶
(
とび
)
いろの
四角
(
しかく
)
なきれをあてたように見えたりしました。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
縁先
(
えんさき
)
は
右
(
みぎ
)
の
方
(
はう
)
に
小六
(
ころく
)
のゐる六
疊
(
でふ
)
が
折
(
を
)
れ
曲
(
まが
)
つて、
左
(
ひだり
)
には
玄關
(
げんくわん
)
が
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
してゐる。
其
(
その
)
向
(
むか
)
ふを
塀
(
へい
)
が
縁
(
えん
)
と
平行
(
へいかう
)
に
塞
(
ふさ
)
いでゐるから、まあ
四角
(
しかく
)
な
圍内
(
かこひうち
)
と
云
(
い
)
つて
可
(
い
)
い。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
最
(
もつと
)
も
間近
(
まぢか
)
かつたのを、よく
見
(
み
)
た。が、
白
(
しろ
)
い
風呂敷
(
ふろしき
)
の
裂
(
さ
)
けめは、
四角
(
しかく
)
にクハツとあいて、しかも
曲
(
ゆが
)
めたる
口
(
くち
)
である。
結目
(
むすびめ
)
が
耳
(
みゝ
)
である。
墨繪
(
すみゑ
)
の
模樣
(
もやう
)
が
八角
(
はつかく
)
の
眼
(
まなこ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しまいには
亜鉛
(
トタン
)
の板で張った
四角
(
しかく
)
の箱を、カンカラといってまた背負いあるくようになっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
またその
後
(
うしろ
)
の
圓
(
まる
)
いところと、
前
(
まへ
)
の
四角
(
しかく
)
なところとのつなぎめのところの
兩側
(
りようがは
)
に、
小
(
ちひ
)
さい
圓
(
まる
)
い
丘
(
をか
)
がついてゐることがあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
にある
亞鉛
(
とたん
)
の
落
(
おと
)
しの
付
(
つ
)
いた
四角
(
しかく
)
な
火鉢
(
ひばち
)
や、
黄
(
き
)
な
安
(
やす
)
つぽい
色
(
いろ
)
をした
眞鍮
(
しんちゆう
)
の
藥鑵
(
やくわん
)
や、
古
(
ふる
)
びた
流
(
なが
)
しの
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
かれた
新
(
あた
)
らし
過
(
す
)
ぎる
手桶
(
てをけ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
門
(
かど
)
へ
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
が
手
(
て
)
をついて
畏
(
かしこ
)
まると、
先生
(
せんせい
)
にはお
客分
(
きやくぶん
)
で
仔細
(
しさい
)
ないのに、
宙外
(
ちうぐわい
)
さんも
煙
(
けむ
)
に
卷
(
ま
)
かれて、
肩
(
かた
)
を
四角
(
しかく
)
に
坐
(
すわ
)
り
直
(
なほ
)
つて、
酒
(
さけ
)
のいきを、はあはあと、
專
(
もつぱ
)
らピンと
撥
(
は
)
ねた
髯
(
ひげ
)
を
揉
(
も
)
んだ。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
障子
(
しやうじ
)
を
透
(
す
)
かして、
疊
(
たゝみ
)
凡
(
およ
)
そ
半疊
(
はんでふ
)
ばかりの
細長
(
ほそなが
)
い
七輪
(
しちりん
)
に、
五
(
いつ
)
つづゝ
刺
(
さ
)
した
眞白
(
まつしろ
)
な
串團子
(
くしだんご
)
を、
大福帳
(
だいふくちやう
)
が
權化
(
ごんげ
)
した
算盤
(
そろばん
)
の
如
(
ごと
)
くずらりと
並
(
なら
)
べて、
眞赤
(
まつか
)
な
火
(
ひ
)
を、
四角
(
しかく
)
な
團扇
(
うちは
)
で、ばた/\ばた
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小六
(
ころく
)
は
此
(
この
)
霜
(
しも
)
ばかり
降
(
お
)
りた
四角
(
しかく
)
な
地面
(
ぢめん
)
を
脊
(
せ
)
にして、しきりに
障子
(
しやうじ
)
の
紙
(
かみ
)
を
剥
(
は
)
がしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
円
(
まる
)
いのが海、この三角が山、この
四角
(
しかく
)
いのが
田圃
(
たんぼ
)
だと思えばそれでもようござんす。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
この
)
度
(
たび
)
のは、
一昨日
(
をとゝひ
)
の
朝
(
あさ
)
から
懸
(
かゝ
)
つた
仕事
(
しごと
)
で、ハヤ
其
(
その
)
半
(
なかば
)
を
挽
(
ひ
)
いた。
丈
(
たけ
)
四
間半
(
けんはん
)
、
小口
(
こぐち
)
三
尺
(
じやく
)
まはり
四角
(
しかく
)
な
樟
(
くすのき
)
を
眞二
(
まつぷた
)
つに
割
(
わ
)
らうとするので、
與吉
(
よきち
)
は十七の
小腕
(
こうで
)
だけれども、
此
(
この
)
業
(
わざ
)
には
長
(
た
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おごつた、
黄
(
き
)
じまの
郡内
(
ぐんない
)
である。
通例
(
つうれい
)
私
(
わたし
)
たちが
用
(
もち
)
ゐるのは、
四角
(
しかく
)
で
薄
(
うす
)
くて、ちよぼりとして
居
(
ゐ
)
て、
腰
(
こし
)
を
載
(
の
)
せるとその
重量
(
おもみ
)
で、
少
(
すこ
)
し
溢
(
あぶ
)
んで、
膝
(
ひざ
)
でぺたんと
成
(
な
)
るのだが、そんなのではない。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
もしびれたか、きゆつと
軋
(
きし
)
む……
水口
(
みづくち
)
を
開
(
あ
)
けると、
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
も、
框
(
かまち
)
も、だゞつ
廣
(
ぴろ
)
く
大
(
おほ
)
きな
穴
(
あな
)
を
四角
(
しかく
)
に
並
(
なら
)
べて
陰氣
(
いんき
)
である。
引窓
(
ひきまど
)
に
射
(
さ
)
す、
何
(
なん
)
の
影
(
かげ
)
か、
薄
(
うす
)
あかりに
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
ると、
唇
(
くちびる
)
がひツつツた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
地形
(
ちけい
)
の
四角
(
しかく
)
なる
所
(
ところ
)
、
即
(
すなは
)
ち
桝形
(
ますがた
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
“四角”で始まる語句
四角塚
四角張
四角院円々三角居士