“客分”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きやくぶん60.0%
きゃくぶん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしをついてかしこまると、先生せんせいにはお客分きやくぶん仔細しさいないのに、宙外ちうぐわいさんもけむかれて、かた四角しかくすわなほつて、さけのいきを、はあはあと、もつぱらピンとねたひげんだ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いとひの聟入むこいり祝言しうげん表向おもてむきにせず客分きやくぶんもらうけたるがもとより吝嗇の五兵衞なれば養父子の情愛じやうあひ至てうすく髮も丁稚小僧同樣に一ヶ月六十四文にて留置とめおき洗湯せんたうへは容易に出さず内へ一日おいて立る程なれば一事が萬事にても辛抱しんばうが出來兼る故千太郎は如何はせんと思案の體を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なお未決ながら公判開廷の期の近づきしままに、護送の便宜上客分きゃくぶんとしてかくは取りはからわれしなりけり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
小太郎山こたろうざんからずるずるべったりに、はなかけ卜斎ぼくさいはそのお長屋の一けんをちょうだいして、いまでは、大久保石見守おおくぼいわみのかみ身内みうちともつかず、躑躅ヶ崎の客分きゃくぶんともつかないかくで、のんきにらしているのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)