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前途
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ぜんと
ふりがな文庫
“
前途
(
ぜんと
)” の例文
峠
(
たうげ
)
に
上
(
のぼ
)
つて、
案内
(
あんない
)
に
分
(
わか
)
れた。
前途
(
ぜんと
)
は
唯
(
たゞ
)
一條
(
ひとすぢ
)
、
峰
(
みね
)
も
谷
(
たに
)
も、
白
(
しろ
)
き
宇宙
(
うちう
)
を
細
(
ほそ
)
く
縫
(
ぬ
)
ふ、それさへまた
降
(
ふ
)
りしきる
雪
(
ゆき
)
に、
見
(
み
)
る/\、
歩
(
あし
)
一歩
(
ひとあし
)
に
埋
(
うづ
)
もれ
行
(
ゆ
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕もこのとき、
前途
(
ぜんと
)
の大計画を思って、
大興奮
(
だいこうふん
)
を禁ずることが出来なかった。事実上、僕が海底にトロ族の新興都市を作るその指導者になるんだ。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
衆
争
(
あらそ
)
ふて之を
食
(
しよく
)
す、
探検
(
たんけん
)
の
勇気
(
ゆうき
)
此に於て
層
(
さう
)
一
層
(
さう
)
を
増
(
ま
)
し
来
(
きた
)
る、相謂て曰く
前途
(
ぜんと
)
千百の
蝮蛇
(
まむし
)
応に皆此の如くなるべしと。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
わたしたちの
前途
(
ぜんと
)
に当たって、セーヌ川が大きな曲線を作って流れているのを見た。それから進んで行って、わたしたちは会う人ごとにたずね始めた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それは、
前途
(
ぜんと
)
におおくの
希望
(
きぼう
)
を持った、
若
(
わか
)
い
時代
(
じだい
)
には、ずいぶんいやにすました人だといわれたこともあった。
実際
(
じっさい
)
気位
(
きぐらい
)
高くふるまっていたこともあった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
「自分は
何
(
なん
)
と云う不運な性分に生れついたのだろう。」———こう考えて、己は
幾度
(
いくたび
)
か自分の
前途
(
ぜんと
)
を悲観した。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
然
(
さう
)
かと
思
(
おも
)
ふと、
其青年
(
そのせいねん
)
は
高等商業
(
かうとうしやうげふ
)
の
生徒
(
せいと
)
らしく、
実業界
(
じつげふかい
)
に
羽
(
はね
)
を
伸
(
のば
)
さうと
云
(
い
)
ふ
前途
(
ぜんと
)
の
抱負
(
はうふ
)
なども
微見
(
ほのめ
)
かしてある。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
全體
(
ぜんたい
)
から
云
(
い
)
つて、
少
(
すくな
)
くとも
從來
(
じゆうらい
)
の四
分
(
ぶん
)
の一の
手數
(
てかず
)
がなくなる
點
(
てん
)
から
見
(
み
)
ても、
前途
(
ぜんと
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
有望
(
いうばう
)
な
事業
(
じげふ
)
であると、
小六
(
ころく
)
は
又
(
また
)
安之助
(
やすのすけ
)
の
話
(
はな
)
した
通
(
とほ
)
りを
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
耐
(
たま
)
らんな、
此
(
か
)
う取付けられちや!」と周三は、
其
(
その
)
貧弱
(
ひんじやく
)
極
(
きわ
)
まる
經濟
(
けいざい
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
向
(
むか
)
ツて、少からぬ
杞憂
(
きいう
)
を
抱
(
いだ
)
いた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
『
左様
(
さよう
)
でございますか。どんなに
本人
(
ほんにん
)
にとりまして
満足
(
まんぞく
)
なことでございましょう。』と
母
(
はは
)
は
自分
(
じぶん
)
のことよりも、
私
(
わたくし
)
の
前途
(
ぜんと
)
につきて
心
(
こころ
)
を
遣
(
つか
)
ってくれるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そういうはげしい動きのなかで、幼い子どもらは麦めしをたべて、いきいきと
育
(
そだ
)
った。
前途
(
ぜんと
)
に何が待ちかまえているかをしらず、ただ成長することがうれしかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
わたしは刻々の印象に、身を任せっぱなしにした。そして自分に対して
狡
(
ずる
)
く立ち回って、思い出から顔をそむけたり、
前途
(
ぜんと
)
に予感されることに目をつぶったりした。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
永
(
なが
)
いあいだ、なにかにつけてじぶんの
前途
(
ぜんと
)
をさまたげていた
勝家
(
かついえ
)
は
自害
(
じがい
)
し、かれと
策応
(
さくおう
)
していた
信長
(
のぶなが
)
の
遺子
(
いし
)
神戸信孝
(
かんべのぶたか
)
、
勇猛
(
ゆうもう
)
佐久間盛政
(
さくまもりまさ
)
、
毛受勝介
(
めんじゅかつすけ
)
、みな
討死
(
うちじに
)
してしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もしそれが本当だとすれば、天下第一を目指す彼の望も、まだまだ
前途
(
ぜんと
)
程遠
(
ほどとお
)
い訳である。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
とにかく、この事については、兄自身がすべての責任を負うのが当然だと思います。道江さんもそのつもりで
勇敢
(
ゆうかん
)
に兄にぶっつかってみてください。切に
前途
(
ぜんと
)
の
光明
(
こうみょう
)
を
祈
(
いの
)
ります。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
さすれば学校とそれに関連した身の
前途
(
ぜんと
)
に対する絶望のみに沈められて
居
(
ゐ
)
まい………。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
有らゆる用を足す上に、宿題を手伝ったり、試験の山をかけたりしてくれる。要するに内弟子として申分ない。しかし何よりも
大切
(
だいじ
)
な芸の方は未だ
初心
(
しょしん
)
だから、
前途
(
ぜんと
)
茫漠
(
ぼうばく
)
としている。
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
前途
(
ぜんと
)
程遠
(
ほどとお
)
し、思いを
雁山
(
がんざん
)
の
夕
(
ゆうべ
)
の雲に
馳
(
は
)
す」
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしは二年のあいだ住み
慣
(
な
)
れて、いつまでもいようと思ったうちから目をそらして、はるかの
前途
(
ぜんと
)
を
望
(
のぞ
)
んだ。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
に
身代
(
みがはり
)
の
像
(
ざう
)
を
作
(
つく
)
れと
云
(
い
)
ふ。
敢
(
あへ
)
て
黄金
(
こがね
)
を
積
(
つ
)
め、
山
(
やま
)
を
崩
(
くづ
)
せ、と
命
(
めい
)
ずるのでは
無
(
な
)
いから、
前途
(
ぜんと
)
に
光明
(
くわうめい
)
が
輝
(
かゞや
)
いて、
心
(
こゝろ
)
は
早
(
は
)
や
明
(
あきら
)
かに
渠
(
かれ
)
を
救
(
すく
)
ふ
途
(
みち
)
の
第一歩
(
だいいつぽ
)
を
辿
(
たど
)
り
得
(
え
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
糟谷
(
かすや
)
の
妻
(
つま
)
もやっと
前途
(
ぜんと
)
に一
道
(
どう
)
の光をみとめて、わずかに胸のおさまりがついた。長らくのくもりもようやくうすらいで、
糟谷
(
かすや
)
の家庭にわずかな光とぬくまりとができた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
いったい何をあてにしていたのだろう? みすみす自分の
前途
(
ぜんと
)
を台なしにするのが、どうして
怖
(
おそ
)
ろしくなかったのだろう? そうだ、とわたしは思った、——これが
恋
(
こい
)
なのだ
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
今までの
悲哀
(
ひあい
)
や苦痛は
固
(
もと
)
より其によツて少しも
減
(
げん
)
ぜられたといふ
譯
(
わけ
)
ではないが、
蔽重
(
おつかさ
)
なツた
雲
(
くも
)
の
間
(
あひだ
)
から
突然
(
とつぜん
)
日の
光
(
ひかり
)
が
映
(
さ
)
したやうに、
前途
(
ぜんと
)
に
一抹
(
いちまつ
)
の
光明
(
くわうめう
)
が
認
(
みと
)
められたやうに感じて
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「ちぇッ。運命の神様にも、おれたちの
前途
(
ぜんと
)
がどうなるかおわかりにならないと見える」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ああ龍太郎、かれはついに、伊那丸の
前途
(
ぜんと
)
に見きりをつけ、
主
(
しゅ
)
をすて、友をすて去ったであろうか。——とすれば、龍太郎もまた、
武士
(
ぶし
)
の
風上
(
かざかみ
)
におけない人物といわねばならぬ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
の
未來
(
き
)
は
封
(
ふう
)
じられた
蕾
(
つぼみ
)
のやうに、
開
(
ひら
)
かない
先
(
さき
)
は
他
(
ひと
)
に
知
(
し
)
れないばかりでなく、
自分
(
じぶん
)
にも
確
(
しか
)
とは
分
(
わか
)
らなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
はたゞ
洋々
(
やう/\
)
の二
字
(
じ
)
が
彼
(
かれ
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
棚引
(
たなび
)
いてゐる
氣
(
き
)
がした
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
りと雖も
前途
(
ぜんと
)
嶮
(
けん
)
益
(
ます/\
)
嶮
(
けん
)
にして、人跡
猶
(
なほ
)
未到の
地
(
ち
)
、
果
(
はた
)
して予定に
違
(
ちが
)
はざるなきや、之を
思
(
おも
)
へば一喜一憂
交々
(
こも/\
)
到
(
いた
)
る、万艱を
排
(
はい
)
して
前進
(
ぜんしん
)
し野猪の
勇
(
ゆう
)
を之れ
貴
(
たつと
)
ぶのみと、一行又
熊笹
(
くまささ
)
の
叢中
(
さうちう
)
に頭を
没
(
ぼつ
)
して
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
彼
(
かれ
)
は、
單身
(
たんしん
)
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
を
分
(
わ
)
けて
行
(
ゆ
)
く
新
(
あたら
)
しい
知己
(
ちき
)
の
前途
(
ぜんと
)
を
思
(
おも
)
つた。
蜀道
(
しよくだう
)
磽确
(
かうかく
)
として
轉
(
うた
)
た
世
(
よ
)
は
嶮
(
けん
)
なるかな。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
當初
(
たうしよ
)
彼等
(
かれら
)
の
頭腦
(
づなう
)
に
痛
(
いた
)
く
應
(
こた
)
へたのは、
彼等
(
かれら
)
の
過
(
あやまち
)
が
安井
(
やすゐ
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
及
(
およ
)
ぼした
影響
(
えいきやう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
というと、
卜斎
(
ぼくさい
)
は、なにか自分の
前途
(
ぜんと
)
について、だいじな
方針
(
ほうしん
)
をかんがえかけてきたとみえ、
逃
(
に
)
げたる
竹童
(
ちくどう
)
のことはともかく、どっかりと、庭石へ
腰
(
こし
)
をおろして
腕
(
うで
)
ぐみをしてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
草津大尉の声のする方に、
道後
(
どうご
)
少尉が、懐中電灯を照しつけてみると、なるほど、今までの
赭茶
(
あかちゃ
)
けた
泥土層
(
でいどそう
)
は無くなって、濃い水色をした、硬そうな
岩層
(
がんそう
)
が、冷え冷えと、
前途
(
ぜんと
)
を
遮
(
さえぎ
)
っていた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしたちは
前途
(
ぜんと
)
はただ原っぱを見るだけであった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
実に今回のバッタ事件及び
咄喊
(
とっかん
)
事件は
吾々
(
われわれ
)
心ある職員をして、ひそかに
吾
(
わが
)
校将来の
前途
(
ぜんと
)
に
危惧
(
きぐ
)
の念を
抱
(
いだ
)
かしむるに足る
珍事
(
ちんじ
)
でありまして、吾々職員たるものはこの際
奮
(
ふる
)
って自ら省りみて
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
房枝は、急に
前途
(
ぜんと
)
に、明るい光明がかがやきだしたように思った。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
前途
(
ぜんと
)
を
朦朧
(
もうろう
)
として
過
(
よぎ
)
るものが見える。
青牛
(
せいぎゅう
)
に乗つて
行
(
ゆ
)
く。……
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは、
空爆
(
くうばく
)
で、爆弾の破片によってうけた傷であったのか。前額の左のところに、その気味のわるい
前途
(
ぜんと
)
を持った傷口があったのか。そんなことを考えると、その傷口のことが、
俄
(
にわか
)
に心配になった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“前途”の意味
《名詞》
前途(ぜんと)
(空間的な)これから進む道のり。
(時間的な)将来。
(出典:Wiktionary)
“前途”の解説
前途
(出典:Wikipedia)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“前途”で始まる語句
前途遼遠
前途多幸
前途遥
前途有望