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倶
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とも
ふりがな文庫
“
倶
(
とも
)” の例文
して、その五百人あまりの門弟衆のうちで、素破と云ふとき先生と生死を
倶
(
とも
)
にすると云ふやうな者が、およそ幾人ぐらゐござるかな。
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すると父が、憤然として『あの松尾屋と禍福を
倶
(
とも
)
にする』ということは意外であるといって、この時ばかりは十分不平の色を見せた。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
古く山行を
倶
(
とも
)
にした私の友人が
終
(
つい
)
に山が好きになれなかったのは、
確
(
たしか
)
に山に登る労力がくだらぬものに思われた為に相違ありますまい。
登山談義
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
善
(
よ
)
く
射
(
い
)
る
者
(
もの
)
をして、
(五三)
萬弩
(
ばんど
)
、
道
(
みち
)
を
夾
(
はさ
)
んで
伏
(
ふく
)
せしめ、
(五四)
期
(
き
)
して
曰
(
いは
)
く、『
暮
(
くれ
)
に
火
(
ひ
)
の
擧
(
あ
)
がるを
見
(
み
)
ば
倶
(
とも
)
に
發
(
はつ
)
せよ』
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
国芳も国貞も
倶
(
とも
)
に故人豊国翁の高弟だが、二人はまるで気性がちがい国芳は
喧嘩
(
けんか
)
の好きな勇みな男いかさまその位の事はしかねまいて。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
かの女が、アミクラーテと
倶
(
とも
)
にありて、かの全世界を恐れしめたる者の聲にも驚かざりきといふ
風聞
(
うはさ
)
さへこれに益なく 六七—六九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
以前と違っておかやは母親を大切に致しますから、喜代之助は喜び、夫婦
中睦
(
なかむつま
)
しく、
倶
(
とも
)
に文治郎の宅へ出入りをするようになりました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蓋
(
けだ
)
し聞く、
大禹
(
たいう
)
鼎
(
かなえ
)
を
鋳
(
い
)
て、
神姦鬼秘
(
しんかんきひ
)
、その形を逃るるを得るなく、
温嶠
(
おんきょう
)
犀
(
さい
)
を燃して、水府竜宮、
倶
(
とも
)
にその状を現わすを得たりと。
牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
わが祖先の諸霊よ! われらの上に来りて
倶
(
とも
)
に戦い、共に
衛
(
まも
)
り給え。われら一家七名の者に、無限不尽の力を与え給わんことを!
海野十三敗戦日記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いかに
頑愚
(
ぐわんぐ
)
の手にありしとはいひながら、
稀世
(
きせい
)
の宝玉
鄙人
(
ひじん
)
の
一槌
(
いつつゐ
)
をうけて
亡
(
ほろ
)
びたるは、玉も人も
倶
(
とも
)
に不幸といふべしと
語
(
かた
)
られき。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
後に白井は杉山を連れて、
河内国
(
かはちのくに
)
渋川郡
(
しぶかはごほり
)
大蓮寺村
(
たいれんじむら
)
の伯父の家に往き、
鋏
(
はさみ
)
を借りて杉山と
倶
(
とも
)
に髪を
剪
(
そ
)
り、伏見へ出ようとする途中で捕はれた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
吉岡家といい、手前といい、武蔵は
倶
(
とも
)
に天を戴かざるの仇敵、その吉岡一門の方に、縄を解いて貰ったのも、何かの御縁かもわかりませぬ。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
聞
(
きゝ
)
門
(
かど
)
の戸を明ればお松お花の兩人は藤三郎と
倶
(
とも
)
に雪まぶれに成しを
打拂
(
うちはら
)
ひて内に入お松は藤三郎を
脊
(
せ
)
より
下
(
おろ
)
しければお時は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから主人公たちは近所の人々を呼び集めて、この奇蹟的な死からよみがえった彼を見せて、もう一度それらの人々とその喜びを
倶
(
とも
)
にした。
世界怪談名作集:14 ラザルス
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
同意の上にて悪事を
倶
(
とも
)
にしながら、己れが不利な時には、直ちに相手方を訴えて損失を免れようとする如き不徳を人民に教うるものであって
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
それぢや祝盃の主意を変へて、
仮初
(
かりそめ
)
にもああ云ふ美人と
一所
(
いつしよ
)
に居て寝食を
倶
(
とも
)
にすると云ふのが既に
可羨
(
うらやまし
)
い。そこを祝すのだ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
国の臣等と
倶
(
とも
)
に深い哀愁を
懐
(
いだ
)
き、諸共に発願して、三宝に祈念し、一
躯
(
く
)
の釈迦如来の像——太子と等身なるを作り、その
功徳
(
くどく
)
を以て、御病
平癒
(
へいゆ
)
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
その夜また
倶
(
とも
)
に夢む。この度や蒋侯神、白銀の甲冑し、雪のごとき白馬に
跨
(
またが
)
り、白羽の矢を負いて親しく
自
(
みずか
)
ら枕に
降
(
くだ
)
る。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それただここにおいてか、鬼と物とこれ相謀り、あればすなわち
倶
(
とも
)
にあるなり。鬼か影か、それ自運の力あることなし。もって養うをまつあるのみ
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
先生此逆境に立ちて、隻手
羅曼
(
ロマン
)
主義の
頽瀾
(
たいらん
)
を支へ、
孤節
(
こせつ
)
紅葉
(
こうえふ
)
山人の衣鉢を守る。
轗軻
(
かんか
)
不遇の情、独往大歩の意、
倶
(
とも
)
に相見するに
堪
(
た
)
へたりと言ふ可し。
「鏡花全集」目録開口
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
第七十二条 国家の歳出歳入ノ決算ハ会計検査院
之
(
これ
)
ヲ検査確定シ政府ハ
其
(
そ
)
ノ検査報告ト
倶
(
とも
)
ニ
之
(
これ
)
ヲ帝国議会ニ提出スヘシ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
キシニョーフへ出て来て
背嚢
(
はいのう
)
やら何やらを
背負
(
せおわ
)
されて、数千の戦友と
倶
(
とも
)
に出征したが、その中でおれのように志願で行くものは四五人とあるかなし
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
因
(
よつ
)
て母と
倶
(
とも
)
に
遠江
(
とほたふみ
)
国井伊谷に至り、
舅
(
しうと
)
の菅沼治郎右衛門忠久の家に寓す。後徳川家康の今川義元の
許
(
もと
)
に在るや、其の側に侍す。
尋
(
つい
)
で義元の子氏真に仕ふ。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
□三月上巳の節句とて往来し、
艾糕
(
くさもち
)
を作て
餉
(
おく
)
る、石竹・
薔薇
(
ろうさばら
)
・
罌粟
(
けし
)
倶
(
とも
)
に花咲く、紫蘇生じ、麦
秋
(
みの
)
り
虹
(
にじ
)
始て見ゆ。
南嶋を思いて:――伊波文学士の『古琉球』に及ぶ――
(新字新仮名)
/
新村出
(著)
「これを見ろ、わしのつくった殺人ガス放射器じゃ。よいか、これが
怖
(
おそ
)
ろしかったら、わしと行動を
倶
(
とも
)
にしろ」
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
倶
(
とも
)
に天を
戴
(
いただ
)
くを恥じとするとか極端の言葉を用い、あるいは某が某女性と関係したる
始末
(
しまつ
)
を
細々
(
こまごま
)
と記してある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
老齢のため何かと修繕代の
嵩
(
かさ
)
む自動車を一寸怨めしそうに見たが、もとよりそれは心からの恨みでは毛頭なく
寧
(
むし
)
ろ長い間、自分と苦難を
倶
(
とも
)
にして来たために
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
而
(
しか
)
も景隆の
器
(
き
)
の小なる、能の功を成すを喜ばず、大軍の至るを
俟
(
ま
)
ちて
倶
(
とも
)
に進めと令し、機に乗じて突至せず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それこそアントニオなれと告ぐるものあり。姫は直ちに我を引きて「ピアノ」の前に往き、
倶
(
とも
)
に歌へと勸む。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
媒
(
なかだち
)
は過し雪の日ぞかし」ともあれば「かくまでに師は恋しかりしかど、ゆめさらこの人を夫と呼びて、
倶
(
とも
)
に他郷の地をふまんとは、かけても思ひよらざりしを ...
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかもそのあとには、生れて初めて異性と歓こびを
倶
(
とも
)
にするという、夢のようなすばらしい時間がある。彼は酔った、どうして酔わずにいることができるだろう。
七日七夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうかと申して、親の
讐
(
かたき
)
は
倶
(
とも
)
に天を戴かずと申します、これを見のがして、私の孝道が立ちましょうか。
禁断の死針
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
話によれば、アブラハムとロトとは家畜を非常に豊富に有っていたので、土地は二人を
倶
(
とも
)
に居らしめることは出来なかった。そこで彼らの牧者の間に争いが生じた。
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
彼らの妾を敬慕すること、かのいわゆる
娑婆
(
しゃば
)
における学校教師と子弟との情は物かは、
倶
(
とも
)
にこの小天地に落ちぬるちょう同情同感の力もて、
能
(
よ
)
く相一致せる真情は
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
この事は
邵弧
(
しょうこ
)
の話と同じく
倶
(
とも
)
に
明末
(
みんまつ
)
の事であるが、いずれが前、いずれが後ということは解らない。
五通
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
放ち、諸の聖衆と
倶
(
とも
)
に来つて、引接し擁護したまふなり。惑障相隔てて見たてまつること
能
(
あた
)
はずと
雖
(
いへど
)
も、大悲の願疑ふべからず。決定して此の室に来入したまふなり。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
が人の口はうるさいし、どっちも商売
倶
(
とも
)
に栄えよかしである。わが国パン食将来の隆盛のためにここに三軒、軒をならべ店を向い合っておのがじしはげむがよろしい。
新古細句銀座通
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
かへ
品
(
しな
)
をかふれど
袖
(
そで
)
の
涙
(
なみだ
)
晴
(
は
)
れんともせず
兎
(
と
)
もすれば
我
(
われ
)
も
倶
(
とも
)
にと
決死
(
けつし
)
の
素振
(
そぶり
)
に
油斷
(
ゆだん
)
ならず
何
(
なに
)
はしかれ
命
(
いのち
)
ありての
物
(
もの
)
だねなり
娘
(
むすめ
)
の
心
(
こゝろ
)
落附
(
おちつ
)
かすに
若
(
し
)
くはなしと
押
(
お
)
しては
婚儀
(
こんぎ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その、来いッ! が終った
秒間
(
びょうかん
)
、フッ! 喬之助の吹く息と
倶
(
とも
)
に、落ちた——
漆黒
(
しっこく
)
の
闇黒
(
やみ
)
が室内に。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼は初め、「
焼炭
(
カルボナリー
)
」の革命社に投ぜり、
而
(
しこう
)
してその社の
倶
(
とも
)
に天下の大事を謀るに足らざるを以て、同三十二年、仏国マルセーユにおいて、「
少年伊太利
(
ヨング・イタリー
)
」を組織せり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
髯
(
ひげ
)
は
生
(
は
)
へても
友達
(
ともだち
)
同士
(
どうし
)
の
間
(
あひだ
)
は
無邪氣
(
むじやき
)
なもので、いろ/\の
話
(
はなし
)
の
間
(
あひだ
)
には、
昔
(
むかし
)
倶
(
とも
)
に
山野
(
さんや
)
に
獵暮
(
かりくら
)
して、
※
(
あやまつ
)
て
農家
(
ひやくしやうや
)
の
家鴨
(
あひる
)
を
射殺
(
ゐころ
)
して、
辛
(
から
)
き
目
(
め
)
に
出逢
(
であ
)
つた
話
(
はなし
)
や、
春季
(
はる
)
の
大運動會
(
だいうんどうくわい
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
日常の坐臥進退にも、その本尊は常にかれと
倶
(
とも
)
にあつた。かれと倶に笑つた。かれと供に語つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
故に之を名づけて
目利真角嘉和良
(
めりまつのかわら
)
と謂ふ。年十四歳の時、祖母天仁屋及び母真嘉那志に
相随
(
あいしたが
)
ひて、
倶
(
とも
)
に白雲に乗りて天に
升
(
のぼ
)
る。後年
屡〻
(
しばしば
)
目利真山に出現して、霊験を示す。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
我が愛するものよ、愛すると信ぜずには余りに辛い者よ、貴方は私を死ぬまで愛しては居てくれても、私の此の深い孤独から湧く寂寥と祈とを
倶
(
とも
)
にすることは出来ないのだ。
日記:06 一九二〇年(大正九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
越年を
倶
(
とも
)
にせんことを言い
出
(
い
)
でたる者なきに
非
(
あら
)
ずといえども、これらは平素単に強壮と称するのみにして、衛生上何の
心懸
(
こころが
)
けもなく、終日原野に
出
(
い
)
でて労働に慣れし身を以て
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
大学生とは
倶
(
とも
)
に天をいたゞかず、というほどの意味がこもっていたのかも知れなかった。
現代忍術伝
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
当家
(
こちら
)
のお弟子さんが危篤ゆえ
知
(
しら
)
せると
云
(
いわ
)
れ、妻女は
偖
(
さて
)
はそれ
故
(
ゆえ
)
姿を
現
(
あらわ
)
したかと
一層
(
いっそう
)
不便
(
ふびん
)
に思い、その
使
(
つかい
)
と
倶
(
とも
)
に病院へ車を
飛
(
とば
)
したが
最
(
も
)
う間に
合
(
あわ
)
ず、彼は死んで
横倒
(
よこたわ
)
っていたのである
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
「すなわち腰本治右衛門、まったお紋の方様、
倶
(
とも
)
に天を戴きかねる佞人にござります」
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それと
倶
(
とも
)
に歩く貞之進は、親く女と連立ったは初てなりその女は小歌なりで、嬉いような恥しいような、それで何だか落着ぬようで、
往来
(
ゆきき
)
の人に顔を隠したくあり見られたくあり
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
彼女については、今までの通りに帰ってくれることを望んでいたが、彼女の運命は鏡のうちに含まれていて、鏡と運命を
倶
(
とも
)
にしているのである。彼はそれについて更に焦燥を感じた。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
倶
漢検準1級
部首:⼈
10画
“倶”を含む語句
倶舎
倶楽部
倶樂部
倶舎論
文芸倶楽部
倶梨伽羅紋々
倶知安
相倶
倶舍
講談倶楽部
梨倶吠陀
性心雲水倶了々
不倶戴天
倶利伽羅
倶不戴天
倶利伽羅紋々
倶利伽羅谷
倶々
倶利迦羅紋々
倶利迦羅
...