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俵
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たわら
ふりがな文庫
“
俵
(
たわら
)” の例文
あまり勉強家の方ではなく、店員の内緒話によると受持教師の宅へ砂糖を
俵
(
たわら
)
で贈ったが、それでもなお落第したとかいう話であった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
年
(
とし
)
ちゃんは、
走
(
はし
)
っていって、どこからか
米俵
(
こめだわら
)
の
空
(
あ
)
いたのを
下
(
さ
)
げてきました。
原
(
はら
)
に
捨
(
す
)
ててあったとみえて、
俵
(
たわら
)
は
霜
(
しも
)
でぬれていました。
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
首は、鈍い音をたてて、彼の
足許
(
あしもと
)
に
転
(
ころが
)
った。次いで、首のない彼の身体は、
俵
(
たわら
)
を投げつけたように、どうとその場に地響をうって倒れた。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あくる朝早く駐在の
巡査
(
おまわり
)
さんが来て調べたら、
俵
(
たわら
)
を積んで行ったらしい車の輪のあとが、雨あがりの土にハッキリついていた。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
他人
(
ひと
)
に
倍
(
ばい
)
して
忙
(
せは
)
しい
勘次
(
かんじ
)
がだん/\に
減
(
へ
)
りつゝある
俵
(
たわら
)
の
内容
(
ないよう
)
を
苦
(
く
)
にして
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
をしつゝ
戸口
(
とぐち
)
を
出入
(
でいり
)
するのを
卯平
(
うへい
)
は
見
(
み
)
るのが
厭
(
いや
)
で
且
(
かつ
)
辛
(
つら
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
と、ある日、おとうさんは
背中
(
せなか
)
をたたきながら、
地主
(
じぬし
)
の長者
屋敷
(
やしき
)
へ納める
小作米
(
こさくまい
)
の
俵
(
たわら
)
を、せっせとくらにつけていました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ところがここにまた、
天満
(
てんま
)
浪人の常木
鴻山
(
こうざん
)
、
俵
(
たわら
)
一八郎などと申す者あって、江戸の隠密どもと
結託
(
けったく
)
なし、御当家の内秘を探りにかかっております
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また大和丹波市近処に捕え来て
牀下
(
ゆかした
)
に
畜
(
か
)
うと、眼小さく体
俵
(
たわら
)
のように短大となり、転がり来て握り飯を食うに、すこぶる
迂鈍
(
うどん
)
なるを見たと語った人あり。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そういう中でも田植の日の
飯米
(
はんまい
)
などは、かたい家では早くから
精
(
しら
)
げて
俵
(
たわら
)
にして、用意して置くものが今でもある。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
入口にはいつもの魚屋があって、
塩鮭
(
しおざけ
)
のきたない
俵
(
たわら
)
だの、くしゃくしゃになった
鰯
(
いわし
)
のつらだのが台にのり、
軒
(
のき
)
には赤ぐろいゆで
章魚
(
だこ
)
が、五つつるしてありました。
山男の四月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
長者でもないくせに、
俵
(
たわら
)
で
扶持
(
ふち
)
をしないからだと、言われればそれまでだけれど、何、私だって、もう十羽殖えたぐらいは、それだけ御馳走を増すつもりでいるのに。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある日米
俵
(
たわら
)
を
脊負
(
せお
)
ひて五六町へだてたる中村といふへゆく、その
道
(
みち
)
は
三国海道
(
みくにかいだう
)
なれば人あしも
繁
(
しげ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
行きすりに不図目にとまった
馬子
(
まご
)
の
風流
(
ふうりゅう
)
、
俵
(
たわら
)
に白い梅の枝が
插
(
さ
)
してある。白い蝶が一つ、黒に
青紋
(
あおもん
)
のある蝶が一つ、花にもつれて何処までもひら/\飛んで
跟
(
つ
)
いて行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
がしかし小次郎が立ちあがって、構えているのであったならば、すぐにこの太刀を下すことができたが、あたかも転がって行く
俵
(
たわら
)
のように、小次郎は地上を転がっていた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、すぐに、後から後から、ほかの雀も下りて来ます。時をはかって、チロをさっと放してやると、チロは
俵
(
たわら
)
の上に飛び上がりますが、雀の方が早く、ぱっと逃げたあとです。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そのとき、一人の
痩
(
や
)
せた若者が、
生薑
(
しょうが
)
を噛みつつ
木槵樹
(
もくろじゅ
)
の下へ現れた。彼は破れた軽い
麻鞋
(
おぐつ
)
を、水に浸った
俵
(
たわら
)
のように重々しく運びながら、次第に草玉の茂みの方へ近か寄って来た。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
転がった者は町役人に
請
(
うけ
)
手形を入れさして、
俵
(
たわら
)
を解いて
赦
(
ゆる
)
してやった。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あの
俵
(
たわら
)
の冠せてある水溜りをうまく越しますように
豆腐買い
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
己
(
おの
)
が命を
俵
(
たわら
)
につめる
蕗の下の神様
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
炭焼
(
すみや
)
きじいさんの、
孫
(
まご
)
の
秀吉
(
ひできち
)
は、よく
祖父
(
そふ
)
の
手助
(
てだす
)
けをして、
山
(
やま
)
から
俵
(
たわら
)
を
運
(
はこ
)
ぶために、
村端
(
むらはずれ
)
の
坂道
(
さかみち
)
を
上
(
のぼ
)
ったり、
下
(
くだ
)
ったりしました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
だからお
前
(
まえ
)
たちもこれから
心
(
こころ
)
を
入
(
い
)
れかえて
分相応
(
ぶんそうおう
)
に、
人
(
ひと
)
の
捨
(
す
)
てた
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
の
残
(
のこ
)
りや、
俵
(
たわら
)
からこぼれたお
米
(
こめ
)
や
豆
(
まめ
)
を
拾
(
ひろ
)
って、
命
(
いのち
)
をつなぐことにしてはどうだ。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いつか
俵
(
たわら
)
一八郎に、今度のことは目的が大きい、必ずケチな目明し根性を出すなよ、といわれてもいたが、こんな物が目に触れると
検索心
(
けんさくしん
)
がムラムラする。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卯平
(
うへい
)
は
見
(
み
)
るから
不器用
(
ぶきよう
)
な
容子
(
ようす
)
をして
居
(
ゐ
)
て、
恐
(
おそ
)
ろしく
手先
(
てさき
)
の
業
(
わざ
)
の
器用
(
きよう
)
な
性來
(
たち
)
であつた。それで
彼
(
かれ
)
は
仕事
(
しごと
)
に
出
(
で
)
ると
成
(
な
)
つてからは
方々
(
はう/″\
)
へ
傭
(
やと
)
はれて
能
(
よ
)
く
俵
(
たわら
)
を
編
(
あ
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
上半身を両手で支えて、ジロジロと眼を見開いてみると、自分の頭の上には誰の仕業かわからないが、湿っぽい木炭の
俵
(
たわら
)
が一枚、横すじかいに載せてあった。
童貞
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俵
(
たわら
)
という言葉の意味および起こりは、まだ是からの研究事項であるが、以前は
束把
(
そくは
)
によって稲を
算
(
かぞ
)
え、また
穎
(
えい
)
すなわち穂首を揃えて、貯蔵運搬の用としたものが
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それが五、六人ただ半日の
仕事
(
しごと
)
なのだ。塩水選をする間は父はそこらの冬の間のごみを
集
(
あつ
)
めて
焼
(
や
)
いた。
籾
(
もみ
)
ができると父は
細長
(
ほそなが
)
くきれいに
藁
(
わら
)
を通して
編
(
あ
)
んだ
俵
(
たわら
)
につめて中へつめた。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
無礼
(
ぶれい
)
ものめと
肩
(
かた
)
をつきたるゆゑ
俵
(
たわら
)
を
脊負
(
せおひ
)
ていかでたまるべき、雪の中へよこさまに
転
(
まろ
)
び
倒
(
たふ
)
れしに、武士も又人に
投
(
なげ
)
られし
如
(
ごと
)
く
倒
(
たふ
)
れければ、田中の者は
早
(
と
)
く
起
(
おき
)
て
后
(
あと
)
も見ずしていそぎゆきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
女が
前
(
さき
)
になってアンペラの
俵
(
たわら
)
を積んである傍を通って土手へ出た。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女は家にいてその
俵
(
たわら
)
を編むのがその役目だった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
昨年
(
さくねん
)
、ご
当地
(
とうち
)
で、お
目
(
め
)
どおりいたしました
娘
(
むすめ
)
は、さる
地方
(
ちほう
)
において、
俵
(
たわら
)
を
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねまする
際
(
さい
)
に、
腹帯
(
はらおび
)
が
切
(
き
)
れて、
非業
(
ひごう
)
の
最期
(
さいご
)
を
遂
(
と
)
げました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
此
(
こ
)
れは
傭人
(
やとひにん
)
にも
炊
(
た
)
いてやれないのだからお
前
(
まへ
)
がよければ
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて
秋
(
あき
)
にでもなつたら
糯粟
(
もちあは
)
の
少
(
すこ
)
しも
返
(
かへ
)
せと二三
斗
(
ど
)
入
(
はひ
)
つた
粳粟
(
うるちあは
)
の
俵
(
たわら
)
とを一つに
遣
(
や
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
常木
(
つねき
)
先生を初め
俵
(
たわら
)
様、ご恩を
蒙
(
こうむ
)
る俺までが一生仕事の阿波の秘密! オ、やつ、大股になって急ぎだしたな
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田のなかで草をとっていたお
百姓
(
ひゃくしょう
)
たちは、
馬方
(
うまかた
)
のかげも見えないのに、
俵
(
たわら
)
をつけた馬だけが、のこのこ、
畑道
(
はたけみち
)
をあるいて行くうしろ
姿
(
すがた
)
を、みんなふしぎそうに見送っていました。
たにしの出世
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
現在はたいていお
菓子
(
かし
)
や
餅
(
もち
)
を与えて帰すだけだが、
固
(
かた
)
い家では
表口
(
おもてぐち
)
に
俵
(
たわら
)
をならべその上に花嫁を
坐
(
すわ
)
らせて、
尻
(
しり
)
を打つまねをしてもらう土地も他県にはあり、または子のないのを
歎
(
なげ
)
く女が
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
俵
(
たわら
)
が
燃
(
も
)
えはじめると、おじいさんは
脊中
(
せなか
)
をあたためたり、
前
(
まえ
)
の
方
(
ほう
)
をあぶったり、
体
(
からだ
)
をぐるぐるといろいろにまわして、すこしでもよく
暖
(
あたた
)
まろうとしていました。
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
階下
(
した
)
には、
米搗臼
(
こめつきうす
)
だの、
篩
(
ふるい
)
だの奥には又ぎっしり
俵
(
たわら
)
が積み込んであるが、梯子を上ると、四坪ほどの床に
筵
(
むしろ
)
が敷いてあって、行燈もある、火鉢もある、茶も沸く。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金太郎
(
きんたろう
)
は
生
(
う
)
まれた
時
(
とき
)
からそれはそれは
力
(
ちから
)
が
強
(
つよ
)
くって、もう七つ八つのころには、
石臼
(
いしうす
)
やもみぬかの
俵
(
たわら
)
ぐらい、へいきで
持
(
も
)
ち
上
(
あ
)
げました。
大抵
(
たいてい
)
の
大人
(
おとな
)
を
相手
(
あいて
)
にすもうを
取
(
と
)
っても
負
(
ま
)
けませんでした。
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「そういうことをする
悪
(
わる
)
いものもいるが、そんなことをしない、いい
人
(
ひと
)
もたくさんある。」と、おじいさんは、さっきのぬれた
俵
(
たわら
)
が、もう
燃
(
も
)
えそうになったので
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ここで自分が助からねば、せっかく握った大事件の
曙光
(
しょこう
)
、再び
無明
(
むみょう
)
に帰して、常木先生も
俵
(
たわら
)
様も終生社会の
侮蔑
(
ぶべつ
)
に包まれて、不遇の闇に生涯を送らなければなるまい。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と竹童もふいを
食
(
く
)
ったが、
胸
(
むな
)
ぐらをつかんでいた手をはなさなかったので、足を
踏
(
ふ
)
みはずした勢いで、蛾次郎もろともに、ゴロゴロゴロと、二つのからだが、
俵
(
たわら
)
のように
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女
(
おんな
)
の
腹
(
はら
)
の
上
(
うえ
)
に、
重
(
おも
)
い
俵
(
たわら
)
を
幾
(
いく
)
つも
積
(
つ
)
み
重
(
かさ
)
ねる
光景
(
こうけい
)
であります。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
合歓
(
ねむ
)
の木の下で、鋭い
鏃
(
やじり
)
にかすめられた時から、自分へも、
俵
(
たわら
)
一八郎と同じ運命が訪れてきたなと直覚して、覚悟はきめているかれだったが、話し半ばに、剣の音を聞くと
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天満組
(
てんまぐみ
)
三人のうち、
俵
(
たわら
)
一八郎は阿波屋敷に捕えられ、鴻山はぬきや屋敷を去って以来、紀州の奥にでも隠れているのだろうという噂をきいたままで、今は、実際のもくろみにかかって働いているのは
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“俵”の意味
《名詞》
(たわら) 姓氏の一つ。
(たわら) 藁やカヤなどを編んで作った袋。穀物、炭などを入れる。普通、米俵をいう。
(ひょう) たわら。
(出典:Wiktionary)
“俵”の解説
俵(たわら)は、米などの穀類のほか、塩、魚、木炭、石炭などの輸送や保存のために用いるわらを円筒状に編んだもの。
(出典:Wikipedia)
俵
常用漢字
小6
部首:⼈
10画
“俵”を含む語句
土俵
俵藤太秀郷
空俵
米俵
俵藤太
俵屋
三俵
俵天王
俵右門
桟俵法師
俵形
炭俵
桟俵
穀俵
四斗俵
芋俵
種俵
沙俵
俵町
俵分
...