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非
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あら
ふりがな文庫
“
非
(
あら
)” の例文
おおこれらすべての司祭輩よ! 陛下がこれら
緇衣
(
しい
)
の手より我らを解放せらるる時に
非
(
あら
)
ずんば、伯爵よ、事みなそのよろしきを得じ。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
室は
綺麗
(
きれい
)
に掃除されたり。床の間の掛物、
花瓶
(
かびん
)
の
挿花
(
さしばな
)
、置物の工合なんど高雅に見えて
一入
(
ひとしお
)
の趣きあるは書生上りの中川が
嗜
(
たしなみ
)
に
非
(
あら
)
ず。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
釣を好むは糸を垂れて弦振動の発生をたのしむなり。いや弦振動の発生をたのしむに
非
(
あら
)
ず、文王の声の波動を期待するのにあったろう。
軍用鮫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(七九)
閭巷
(
りよかう
)
の
人
(
ひと
)
、
行
(
おこなひ
)
を
砥
(
と
)
ぎ
名
(
な
)
を
立
(
た
)
てんと
欲
(
ほつ
)
する
者
(
もの
)
は、
(八〇)
青雲
(
せいうん
)
の
士
(
し
)
に
附
(
つ
)
くに
非
(
あら
)
ずんば、
惡
(
いづく
)
んぞ
能
(
よ
)
く(名ヲ)
後世
(
こうせい
)
に
施
(
し
)
かん
哉
(
や
)
。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
何故
(
なぜ
)
と言ッて見給え、局員四十有余名と言やア大層のようだけれども、
皆
(
みんな
)
腰の曲ッた
老爺
(
じいさん
)
に
非
(
あら
)
ざれば気の
利
(
き
)
かない
奴
(
やつ
)
ばかりだろう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
ポオの引用したエトワール紙(事実ではニューヨーク・ブラザー・ジョネーザン紙)の「死体はマリーに
非
(
あら
)
ず」という議論は、恐らく
「マリー・ロオジェ事件」の研究
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
電話に出ていた相手の男性……白鷹先生に
非
(
あら
)
ざる白鷹先生は、彼女の説明通りに、如何にも快活らしい朗らかな声の持主であった。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
他意あるに
非
(
あら
)
ず、貴国実業家代表諸公に敬意を表し、併せて余の職業を遂行せん為に候。
此段
(
このだん
)
予め閣下の意を得たく一書を呈し候。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私が新銭座に
一寸
(
ちょいと
)
住居
(
すまい
)
の時(新銭座塾に
非
(
あら
)
ず)、
誰方
(
どなた
)
か知らないが御目に掛りたいと
云
(
いっ
)
てお
侍
(
さむらい
)
が参りましたと下女が
取次
(
とりつぎ
)
するから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
われ有るに
非
(
あら
)
ざれど、この痛みどこより来るか。古人の悩んだこんな悩ましさも、十数年来まだ梶から取り去られていなかった。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
その
草染
(
くさぞめ
)
の左の袖に、はらはらと
五片三片
(
いつひらみひら
)
紅
(
くれない
)
を点じたのは、
山鳥
(
やまどり
)
の
抜羽
(
ぬけは
)
か、
非
(
あら
)
ず、
蝶
(
ちょう
)
か、
非
(
あら
)
ず、
蜘蛛
(
くも
)
か、
非
(
あら
)
ず、桜の花の
零
(
こぼ
)
れたのである。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「一、魚の序文。二、魚は食べたし金はなし。三、魚は愛するものに
非
(
あら
)
ず食するものなり。四、めじまぐろ、
鯖
(
さば
)
、
鰈
(
かれい
)
、いしもち、
小鯛
(
こだい
)
。」
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
当時はあからさまに言ひがたき事なきに
非
(
あら
)
ざりしかど十年
一昔
(
ひとむかし
)
の今となりては、いかに慎みなきわが筆とて
最早
(
もは
)
や
累
(
わざわい
)
を人に及さざるべし。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
甚だよろしくないといって制しおさえたけれども聞かないで、尚この一念義を主張したから法然は幸西を我が弟子に
非
(
あら
)
ずとして
擯出
(
ひんしゅつ
)
した。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
時により、智深にも仏心なきに
非
(
あら
)
ずだぞ——と、彼はそれからというもの毎日、むしろ彼らの現われるのが、心待ちに待たれた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
亮
猶
(
なお
)
然
(
しか
)
らざるを申せば、帝
旧
(
ふる
)
き事を語りたまいて、
爾
(
なんじ
)
亮に
非
(
あら
)
ずというや、と
仰
(
おお
)
す。亮胸
塞
(
ふさ
)
がりて答うる
能
(
あた
)
わず、
哭
(
こく
)
して地に伏す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この歌の左に、「春日遅遅として、
鶬鶊
(
ひばり
)
正に
啼
(
な
)
く。
悽惆
(
せいちう
)
の意、歌に
非
(
あら
)
ずば、
撥
(
はら
)
ひ難し。
仍
(
よ
)
りて此の歌を作り、
式
(
も
)
ちて
締緒
(
ていしよ
)
を
展
(
の
)
ぶ」
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
見張り
初
(
はじ
)
めてより
幾程
(
いくほど
)
も無く余は目科の振舞に
最
(
い
)
と怪しく
且
(
かつ
)
恐ろしげなる事あるを見て
何
(
ど
)
うせ
碌
(
ろく
)
な人には
非
(
あら
)
ずと思いたり、其事は
他
(
ほか
)
ならず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
数日之後
(
ひをへて
)
、皇太子
近習者
(
つかまつるもの
)
を召して、
謂
(
かた
)
りて曰く、先の日、道に臥せる飢者は、其れ
凡人
(
ただびと
)
に
非
(
あら
)
じ、必ず
真人
(
ひじり
)
ならむ。使を遣して視しめたまふ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
エホバよりまずサタンに向って、「
汝
(
なんじ
)
心を用いてわが
僕
(
しもべ
)
ヨブを見しや、彼の如く
完
(
まった
)
くかつ正しくて神を畏れ悪に遠ざかる
人
(
ひと
)
世
(
よ
)
に
非
(
あら
)
ざるなり」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ムラサキ科のチサノキは関東地には無いから無論この品に
非
(
あら
)
ざる事は
直
(
すぐ
)
に推想が出来るが、しかし時とするとそれを間違えている人もある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
その罪の恐ろしさは、なかなか
贖
(
あがな
)
うべき
術
(
すべ
)
のあるべきに
非
(
あら
)
ず、今もなお亡き父上や兄上に向かいて、心に
謝
(
わ
)
びぬ日とてはなし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
これより先九月五日、十月五日両度の吟味に吟味役まで
具
(
つぶさ
)
に申立てたるに、死を決して
要諫
(
ようかん
)
す、必ずしも刺違え、切払い等の策あるに
非
(
あら
)
ず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この時に当って真実の仏教をもってその欠乏を満たすに
非
(
あら
)
ずんば、今日大乗仏教国の我々の義務が立たない。面目が立たない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
本来この筆記は単に記憶に存したる事実を思い出ずるまゝに語りしものなれば、
恰
(
あたか
)
も一場の談話にして、
固
(
もと
)
より事の詳細を
悉
(
つ
)
くしたるに
非
(
あら
)
ず。
福翁自伝:01 〔慶應義塾の社中にては〕
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
かしこにかれらの歌へるはバッコに
非
(
あら
)
ずペアーナにあらず、
三一
(
みつひとつ
)
言る神の
性
(
さが
)
、及び一となれる
神人
(
かみひと
)
二の
性
(
さが
)
なりき 二五—二七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
コロボツクルの男子中
果
(
はた
)
して衣服を
着
(
つけ
)
ざる者有りとせばアイヌは
實
(
じつ
)
に其
無作法
(
ぶさはふ
)
に
驚
(
おどろ
)
きしならん。氣候の
寒暖
(
かんだん
)
は衣服の有無を
决定
(
けつてい
)
するものに
非
(
あら
)
ず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
ワーニャ (笑いながら)いや、ブラボー、ブラボー……お説は一々ごもっともだが、疑問の余地もなきにしも
非
(
あら
)
ずだね。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
万葉の国なり。長編小説などの国には
非
(
あら
)
ず。小説家たる君、まず異国人になりたまえ。あれも、これも、と
佳
(
よ
)
き
工合
(
ぐあい
)
には、断じていかぬよう也。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
これに次ぐにヌーマの立法をもってするに
非
(
あら
)
ずんば、到底他日の世界帝国の基を開くことが出来なかったに相違あるまい。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
是
豈
(
あに
)
明治の思想界を形容すべき絶好の辞に
非
(
あら
)
ずや。優々閑々たる幕府時代の文学史を修めて明治の文学史に入る者
奚
(
いづくん
)
ぞ目眩し
心悸
(
しんき
)
せざるを得んや。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
明治年代の教育法は、維新前の教育法を継承せるものに
非
(
あら
)
ずして、全く新軌道を取れるものなれば、その事業の宏大なることもまた否むべからず。
我が教育の欠陥
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
紙筆
(
しひつ
)
、
硯机
(
けんき
)
、
煙管
(
キセル
)
、
巾櫛
(
きんしつ
)
の類より、炉中の火、
硯池
(
けんち
)
の水に至るまで、その主の許可あるに
非
(
あら
)
ずして使用することを許さず
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
日向国
飫肥
(
おび
)
領の山中にて、近き年
菟道弓
(
うじゆみ
)
にて怪しきものを取りたり。
惣身
(
そうしん
)
女の形にして色ことの
外
(
ほか
)
白く黒髪長くして赤裸なり。人に似て人に
非
(
あら
)
ず。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
されども妻は
能
(
よ
)
く知れり、彼の微笑を弄するは、必ずしも、人のこれを弄するにあらざる時に於いて
屡
(
しばしば
)
するを。彼は今それか
非
(
あら
)
ぬかを疑へるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
理窟が文学に
非
(
あら
)
ずとは古今の人、東西の人
尽
(
ことごと
)
く一致したる定義にて、もし理窟をも文学なりと申す人あらば、それは大方日本の歌よみならんと存候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
幸いにして此の機を利用して、抜本
塞源
(
そくげん
)
の英断を行うもの国軍の中より出現するに
非
(
あら
)
ずんば、更に〔幾度か此の不祥事を繰り返すに止ま〕るであろう。
二・二六事件に就て
(新字新仮名)
/
河合栄治郎
(著)
山も谷も恐るるところに
非
(
あら
)
ず、どこまでもこの道を
辿
(
たど
)
ってニースまで行き着こう、と、二人で固く誓いを立て、また
蹌踉
(
そうろう
)
たる前進を続けるのであった。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
其方儀
養子
(
やうし
)
又七に
疵
(
きず
)
付
(
つけ
)
剩
(
あまつ
)
さへ不義の申
掛
(
かけ
)
致候樣下女きくに申
付
(
つけ
)
る段人に
母
(
はゝ
)
たるの
行
(
おこな
)
ひに
非
(
あら
)
ず
不埓
(
ふらち
)
至極
(
しごく
)
に
付
(
つき
)
遠島
(
ゑんたう
)
申
付
(
つく
)
る
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は十七八の少年か何かのように、我にも
非
(
あら
)
ず、頬が熱くほてるのを感じた。夫人に対して、張り詰めていた心持が、ともすれば揺ぎ始めようとする。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ヘルンの文学に出る日本婦人のモデルは、多くその妻に
非
(
あら
)
ずば姑の老婦人だといわれてるが、すくなくともヘルンは、この点での好運にめぐまれていた。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
呉羽之介は我にも
非
(
あら
)
ず
戦慄
(
せんりつ
)
しました。そして今迄の自分の罪悪が
呪
(
のろ
)
わしく、その呪わしい罪の源となった、かの絵姿が堪えがたく呪わしく成るのでした。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それから最後に、「いずれその中に行く」と私が書いたに対して、「
謀面
(
ぼうめん
)
は今時機に
非
(
あら
)
ず、やがて折あるべし、」
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
公平とは読んで字の如く一見甚だ明かなるが如くなれど、細かに考ふれば真に公平を保つは容易のことに
非
(
あら
)
ず。
仏教史家に一言す
(新字旧仮名)
/
津田左右吉
、
小竹主
(著)
忍びて捨ておくべきに
非
(
あら
)
ず。また大君(将軍)は已に糸を産せざる南方の大名と不和を起したれば、今また此方の勢ある大名の言を用ひざる事を得ざるべし
尊攘戦略史
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
己
(
おのれ
)
の
珠
(
たま
)
に
非
(
あら
)
ざることを
惧
(
おそ
)
れるが
故
(
ゆえ
)
に、
敢
(
あえ
)
て刻苦して
磨
(
みが
)
こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、
碌々
(
ろくろく
)
として
瓦
(
かわら
)
に伍することも出来なかった。
山月記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
未熟
(
みじゅく
)
ながらも妾が代りて師匠となりいかにもして彼が望みを達せしめんと欲する
也
(
なり
)
、汝等が知る所に
非
(
あら
)
ず
疾
(
と
)
くこの場を去るべしと
毅然
(
きぜん
)
として云い放ちければ
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この権太は大和国下市村の男なるに、芝居にて江戸風の大いなせにすることにつきては、
已
(
すで
)
に前人も不審を懐きし所なるが、
开
(
ひらき
)
は深く
咎
(
とが
)
むべきにも
非
(
あら
)
ざるべし。
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
足袋
(
たび
)
股引
(
もゝひき
)
の
支度
(
したく
)
ながらに答へたるに
人々
(
ひと/\
)
其
(
その
)
しをらしきを感じ合ひしがしをらしとは
本
(
もと
)
此世
(
このよ
)
のものに
非
(
あら
)
ずしをらしきが
故
(
ゆゑ
)
に
此男
(
このをとこ
)
の
此世
(
このよ
)
の
車夫
(
しやふ
)
とは落ちしなるべし。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
人類に本具の良智良能、換言すれば、その理性自然の命ずる法則に従ってかくの如き雑婚が決して人類の発達を助くるゆえんのものに
非
(
あら
)
ざるを
悟了
(
ごりょう
)
するに至った。
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
“非”を含む語句
非常
非道
似而非
非難
是非
非業
非人
非常時
非情
検非違使庁
非常梯子
人非人
似非
検非違使
非番
先非
似而非者
理非曲直
非曲
野非人
...