かゝ)” の例文
ヂュリ れぢゃぶは? かゝさまからぬ。おそうまでねぶらいでか、はやうからさましてか? 何事なにごとがあって、えたやら?
今日までろくに口もきかないが、其様そんなに私が気に入らなければ、おかゝさんに話を附けて貰って離縁状を書いて下さいよ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その父親てゝおやはやくにくなつてか、はあかゝさんが肺結核はいけつかくといふをわづらつてなくなりましてから一週忌しうきぬほどにあとひました、いまりましてもだ五十
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かゝしやま/\と悲鳴を揚げつゝ竹矢来の外へ引かれ行けば、並居る役人も其の後よりゾロ/\と引上げ行く模様さま、今日の調べはたゞ初花太夫一人の為めなりし体裁ていたらくなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
娘ははやく見たく物をしかけたるをもうちおきてひらき見れば、いかにしてかぜにほどなるすゝいろのしみあるをみて、かゝさまいかにせんかなしやとてちゞみかほにあてゝ哭倒なきたふれけるが、これより発狂きちがひとなり
露「新三郎さま、是はわたくしかゝさまから譲られました大事な香箱こうばこでございます、どうか私の形見と思召おぼしめしお預り下さい」
太郎樣たらうさまへの朝參あさまゐりはかゝさんが代理だいりしてやれば御免ごめんこふむれとありしに、いゑ/\ねえさんの繁昌はんじようするやうにとわたしぐわんをかけたのなれば、まゐらねばまぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ 大空おほぞらくもなかにもこの悲痛かなしみそこ見透みとほ慈悲じひいか? おゝ、かゝさま、わたしを見棄みすてゝくださりますな! この婚禮こんれいのばしてくだされ、せめて一月ひとつき、一週間しうかん
「……かゝしやま……済みませぬツ」
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
多「こりゃアまア魂消たなア、おかゝさん誰がそんな事を云いやんした、分家の娘と浮気狂いをした覚えはがんせん」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それは成程なるほどやはらかひ衣類きものきて手車てぐるまりあるくとき立派りつぱらしくもえませうけれど、とゝさんやかゝさんにうしてあげやうとおもこと出來できず、いはゞ自分じぶん皮一重かはひとゑ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
乳母 さいな、あのかたはッしゃるには、行儀ぎゃうぎもよければ深切しんせつでもあり、男振をとこぶりはよし、器量人きりゃうじんでもあり、流石さすが身分みぶんのある殿方とのがたらしう……おかゝさまは何處どこにぢゃ?
いまびたからとて甲斐かひはなしと覺悟かくごして、太吉たきち太吉たきちそばんで、おまへとゝさんのそばかゝさんと何處どちらい、ふてろとはれて、おいらはおとつさんはきら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
多「お母様かゝさま/\、今此処え出ておかゝさんの手を持って引張ひっぱり込んだ人は誰だえ、お母様しやお父様とっさまではござりやせんかえ、お母様/\、お父様かえ/\/\」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
祖五郎如何いかにもお気の毒なことで、おかゝさまには確か早く別れたから、大概織江殿の手一つで育てられた、其の父が何者かに討たれあまつさえ急にお暇になって見れば
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あれ三ちやんで有つたか、さても好い處でと伴なはれて行くに、酒やと芋やの奧深く、溝板がた/\と薄くらき裏に入れば、三之助は先へ驅けて、とゝさん、かゝさん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれ三ちやんでつたか、さてもところでとともなはれてくに、さかやといもやの奧深おくふかく、溝板どぶいたがた/\とうすくらきうられば、三すけさきけて、とゝさん、かゝさん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ワア/\なえてる処へおらア旦那が通り掛り、飛んだことだが、みんな因縁だ、泣くなと、あにさんと云いあねさんと云いかゝさままでもそういうしにざまをするというのは約束事だから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おもつていてはたれど今頃いまごろさましてかゝさんかゝさんと婢女をんなどもを迷惑めいわくがらせ、煎餅おせんやおこしのたらしもかで、皆々みな/\いておにはすとおどかしてゞもやう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一体おさむれえなんてえ者は田舎へ来れば、こら百姓……なんて威張るだが、私のような者に手を下げて、心得違こゝろえちげえをして屋敷を出ましたが、他に知って居る者もねえ、かゝさまア腹も立とうが
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太吉たきちはがた/\と溝板どぶいたおとをさせてかゝさんいまもどつた、おとつさんもれてたよと門口かどぐちから呼立よびたつるに、大層たいそうおそいではないかおてらやまへでもゆきはしないかとくらいあんじたらう
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
下の皿を一枚いちめえ毀して置いたから、ず恋の意趣晴しをして嬉しいと思い、実は土間で腕を組んで悦んでいると、此のかゝさまが飛んで来て、わしが病苦を助けてえとあぶねえ奉公と知りながら参って
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かゝさんれをつても御座ござんすかとたづねて、針箱はりばこ引出ひきだしから反仙ゆふぜんちりめんのはしをつかみし、庭下駄にはげたはくももどかしきやうに、でゝ縁先えんさき洋傘かうもりさすよりはや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昨日きのふ午後ごゝより谷中やなかかゝさんが急病きうびやう癪氣しやくけ御座ござんすさうな、つよく胸先むなさきへさしみまして、一はとても此世このよものではるまいとふたれど、お醫者いしやさまの皮下注射ひかちうしややらなにやらにて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしこと女郎じよらう女郎じよらう長吉ちようきちづらにはせるのもおまへ指圖さしづ女郎じよらうでもいではいか、ちりぽんまへさんが世話せわにはらぬ、わたしにはとゝさんもありかゝさんもあり、大黒屋だいこくや旦那だんなあねさんもある
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あのんだかゝさんのかほたい、と御新造ごしんぞれいつて毒舌どくぜつをみがきぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
左樣さういふてれねばうれしうい、流石さすがをとこぴき、そのくらゐかんがへつてれるであらう、るほどるほどと面白おもしろくも默頭うなづきやうをくさ、美尾みをかゝさんそのやうなことふてくださりますな
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かゝさんに無理むりをいふてこまらせてはりませぬとをしゆれば、こまらせるどころか、おみねいてれ、としは八つなれど身躰からだおほきしちからもある、わしてからはかせなしの費用いりめかさなる、四かねたやら
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)