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指先
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ゆびさき
ふりがな文庫
“
指先
(
ゆびさき
)” の例文
番
(
ばん
)
ごと
喧嘩
(
けんくわ
)
をして
遣
(
や
)
り
込
(
こ
)
めてやるのだが
隨分
(
ずゐぶん
)
おもしろいよと
話
(
はな
)
しながら、
鐵網
(
かなあみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
餅
(
もち
)
をのせて、おゝ
熱々
(
あつ/\
)
と
指先
(
ゆびさき
)
を
吹
(
ふ
)
いてかゝりぬ。
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかし、あまり
鳥
(
とり
)
が
美
(
うつく
)
しいので、つかまえる
手
(
て
)
がにぶったか、
指先
(
ゆびさき
)
が、
尾
(
お
)
にふれんとした
瞬間
(
しゅんかん
)
、
急
(
きゅう
)
に
鳥
(
とり
)
は、おどろいて
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
ちました。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こう
武士
(
ぶし
)
はつぶやくと、法師のりょう耳は、いきなり
鉄棒
(
てつぼう
)
のような
指先
(
ゆびさき
)
で、ひきちぎられました。けれど法師は、声もだせませんでした。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
本堂の中にと消えた若い芸者の
姿
(
すがた
)
は再び階段の下に
現
(
あらは
)
れて
仁王門
(
にわうもん
)
の
方
(
はう
)
へと、
素足
(
すあし
)
の
指先
(
ゆびさき
)
に
突掛
(
つゝか
)
けた
吾妻下駄
(
あづまげた
)
を
内輪
(
うちわ
)
に軽く踏みながら歩いて
行
(
ゆ
)
く。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
が
心
(
こころ
)
に
乗
(
の
)
って、
愈
(
いよいよ
)
調子
(
ちょうし
)
づいたのであろう。
茶代
(
ちゃだい
)
いらずのその
上
(
うえ
)
にどさくさまぎれの
有難
(
ありがた
)
さは、たとえ
指先
(
ゆびさき
)
へでも
触
(
さわ
)
れば
触
(
さわ
)
り
得
(
どく
)
と
考
(
かんが
)
えての
悪戯
(
いたずら
)
か。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
そして、それらの
人間
(
にんげん
)
の
骨
(
ほね
)
はほとんど
完全
(
かんぜん
)
に、
指先
(
ゆびさき
)
の
骨
(
ほね
)
まで
遺
(
のこ
)
つてゐる
場合
(
ばあひ
)
がすくなくないのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
初
(
はじ
)
め
彼
(
かれ
)
は
寒氣
(
さむけ
)
を
身
(
み
)
に
覺
(
おぼ
)
え、
吐氣
(
はきけ
)
を
催
(
もよほ
)
して、
異樣
(
いやう
)
な
心地惡
(
こゝちあ
)
しさが
指先
(
ゆびさき
)
に
迄
(
まで
)
染渡
(
しみわた
)
ると、
何
(
なに
)
か
胃
(
ゐ
)
から
頭
(
あたま
)
に
突上
(
つきあ
)
げて
來
(
く
)
る、
而
(
さう
)
して
眼
(
め
)
や
耳
(
みゝ
)
に
掩
(
おほ
)
ひ
被
(
かぶ
)
さるやうな
氣
(
き
)
がする。
青
(
あを
)
い
光
(
ひかり
)
が
眼
(
め
)
に
閃付
(
ちらつ
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
歸
(
かへ
)
りたいだらう。
生
(
なま
)
ぬるい、
青
(
あを
)
んぶくれのやうな
人間
(
にんげん
)
どもが、
年中
(
ねんぢう
)
指先
(
ゆびさき
)
でも、
眼
(
め
)
の
中
(
なか
)
でも
算盤
(
そろばん
)
を
彈
(
はじ
)
いて、
下卑
(
げび
)
たことばかり
考
(
かんが
)
へてゐるこの
土地
(
とち
)
に、まことの
人間
(
にんげん
)
らしい
人間
(
にんげん
)
はとても
居
(
を
)
られないね。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
襟
(
えり
)
をあとへ、
常夏
(
とこなつ
)
を
指
(
ゆび
)
で
少
(
すこ
)
し
引
(
ひ
)
いて、きやしやな
撫肩
(
なでがた
)
をやゝ
斜
(
なゝめ
)
に
成
(
な
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんの
顔
(
かほ
)
は、
睫
(
まつげ
)
を
濃
(
こ
)
く、
凝然
(
じつ
)
と
視
(
み
)
ながら
片手
(
かたて
)
を
頬
(
ほゝ
)
に
打招
(
うちまね
)
く。……
撓
(
しな
)
ふ、
白
(
しろ
)
き
指先
(
ゆびさき
)
から、
月
(
つき
)
のやうな
影
(
かげ
)
が
流
(
なが
)
れた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幸運にも宝石が
指先
(
ゆびさき
)
にかかったのであった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
姉
(
あね
)
は、ずっと
脊
(
せい
)
が
高
(
たか
)
かった。そして、
黒
(
くろ
)
い
髪
(
かみ
)
が、
長
(
なが
)
く
肩頭
(
かたさき
)
から
垂
(
た
)
れていました。
彼女
(
かのじょ
)
は、
指先
(
ゆびさき
)
でその
髪
(
かみ
)
をいじっていました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そういいながら、
指先
(
ゆびさき
)
を
器用
(
きよう
)
に
動
(
うご
)
かした
春重
(
はるしげ
)
は、
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
の
口
(
くち
)
を
解
(
と
)
くと、まるで
金
(
きん
)
の
粉
(
こな
)
でもあけるように、
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
掌
(
てのひら
)
へ、三つばかりを、
勿体
(
もったい
)
らしく
盛
(
も
)
り
上
(
あ
)
げた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
初
(
はじ
)
め
彼
(
かれ
)
は
寒気
(
さむけ
)
を
身
(
み
)
に
覚
(
おぼ
)
え、
吐気
(
はきけ
)
を
催
(
もよお
)
して、
異様
(
いよう
)
な
心地悪
(
ここちあ
)
しさが
指先
(
ゆびさき
)
にまで
染渡
(
しみわた
)
ると、
何
(
なに
)
か
胃
(
い
)
から
頭
(
あたま
)
に
突上
(
つきあ
)
げて
来
(
く
)
る、そうして
眼
(
め
)
や
耳
(
みみ
)
に
掩
(
おお
)
い
被
(
かぶ
)
さるような
気
(
き
)
がする。
青
(
あお
)
い
光
(
ひかり
)
が
眼
(
め
)
に
閃付
(
ちらつ
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いやに
文字
(
もんじ
)
の
間
(
あひだ
)
をくツ付けて
模様
(
もやう
)
のやうに太く書いてある
名題
(
なだい
)
の
木札
(
きふだ
)
を
中央
(
まんなか
)
にして、その左右には
恐
(
おそろ
)
しく顔の
小
(
ちひさ
)
い、眼の
大
(
おほき
)
い、
指先
(
ゆびさき
)
の太い人物が、
夜具
(
やぐ
)
をかついだやうな
大
(
おほき
)
い着物を着て
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
九
月
(
ぐわつ
)
の
末
(
すゑ
)
よりなれば
此月
(
このつき
)
は
何
(
ど
)
うでも
約束
(
やくそく
)
の
期限
(
きげん
)
なれど、
此中
(
このなか
)
にて
何
(
なん
)
となるべきぞ、
額
(
ひたい
)
を
合
(
あは
)
せて
談合
(
だんがう
)
の
妻
(
つま
)
は
人仕事
(
ひとしごと
)
に
指先
(
ゆびさき
)
より
血
(
ち
)
を
出
(
いだ
)
して
日
(
ひ
)
に
拾錢
(
じつせん
)
の
稼
(
かせ
)
ぎも
成
(
な
)
らず、三
之
(
の
)
助
(
すけ
)
に
聞
(
き
)
かするとも
甲斐
(
かひ
)
なし
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ここを
離
(
はな
)
れて、だんだん
寂
(
さび
)
しい
野原
(
のはら
)
にさしかかると
雪
(
ゆき
)
が
深
(
ふか
)
くなりました。
手足
(
てあし
)
は
寒
(
さむ
)
さに
凍
(
こご
)
えて、ことに
踏
(
ふ
)
む
足
(
あし
)
の
指先
(
ゆびさき
)
は、
切
(
き
)
れて
落
(
お
)
ちそうに、
痛
(
いた
)
みを
感
(
かん
)
じたのであります。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
指輪
(
ゆびわ
)
のかゝやく
白
(
しろ
)
き
指先
(
ゆびさき
)
を、
籐編
(
とあ
)
みの
火鉢
(
ひばち
)
の
縁
(
ふち
)
にぞ
懸
(
か
)
けたる。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しわの
寄
(
よ
)
ったてのひらに
銭
(
ぜに
)
を
並
(
なら
)
べて、
細
(
ほそ
)
い
指先
(
ゆびさき
)
で
勘定
(
かんじょう
)
しては、
前垂
(
まえだ
)
れの
中
(
なか
)
に
移
(
うつ
)
していました。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
指先
(
ゆびさき
)
でつまんで、これが、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
にいる
時分
(
じぶん
)
の
姿
(
すがた
)
を
想像
(
そうぞう
)
して、
空中
(
くうちゅう
)
を
泳
(
およ
)
がしてみました。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
味方
(
みかた
)
の
陣営
(
じんえい
)
に
向
(
む
)
かって、いきかけたのであるが、またなにを
思
(
おも
)
ったか、
引
(
ひ
)
き
返
(
かえ
)
してきて、
戦友
(
せんゆう
)
の
腕
(
うで
)
についている
時計
(
とけい
)
のゆるんだねじを
巻
(
ま
)
きました。
彼
(
かれ
)
は、
指先
(
ゆびさき
)
を
動
(
うご
)
かしながら
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
英
(
ひで
)
ちゃんの
飼
(
か
)
っているやまがらは、それは、よく
馴
(
な
)
れて、かごから
出
(
で
)
ると
指先
(
ゆびさき
)
にとまったり、
頭
(
あたま
)
の
上
(
うえ
)
にとまったり、また、
耳
(
みみ
)
にとまったりするので、みんなからかわいがられていました。
山へ帰ったやまがら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これらの
人々
(
ひとびと
)
は、こうして、なにか
問題
(
もんだい
)
が
起
(
お
)
こるとたがいに
口
(
くち
)
をききあうが、そうでもなければ一
軒
(
けん
)
の
家
(
いえ
)
でも、めったに
話
(
はなし
)
すらせずに
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
指先
(
ゆびさき
)
をみつめながら
仕事
(
しごと
)
をしているのでした。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
指
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“指”で始まる語句
指
指環
指図
指揮
指輪
指頭
指貫
指示
指金
指物師