“牛蒡:ごぼう” の例文
“牛蒡:ごぼう”を含む作品の著者(上位)作品数
島崎藤村5
泉鏡花5
吉川英治4
佐藤垢石3
村井弦斎3
“牛蒡:ごぼう”を含む作品のジャンル比率
文学 > ドイツ文学 > その他のゲルマン文学(児童)15.4%
歴史 > 伝記 > 日本12.5%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸3.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
本邦にも、飛騨ひだ牛蒡ごぼう種てふ家筋あり、その男女が悪意もてにらむと、人は申すに及ばず菜大根すらしぼむ。
でも、幾分の期待をかけて、牛蒡ごぼうを抜くように引っぱり出してみると、それは人間のすねか腕らしい一本の白骨だった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてそのいえからずっと水際みずぎわあたりまで、おおきな牛蒡ごぼうしげっているのです。
あくもいいお天気てんきで、お日様ひさまあお牛蒡ごぼうにきらきらしてきました。
烏賊いか椎茸しいたけ牛蒡ごぼう、凍り豆腐ぐらいを煮〆にしめにしておひらに盛るぐらいのもの。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ああ、今日は朝から身体からだ菎蒻こんにゃくのように成っちゃった。牛蒡ごぼうのようにピンとして歩けん——」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
胡桃くるみと、飴煮あめにごりの鉢、鮴とせん牛蒡ごぼうの椀なんど、膳を前にした光景が目前めさきにある。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忽ち、縄でくくり上げられてしまった。張は、牛蒡ごぼうと大根とねぎを鍋に入れ、たぬき汁に煮て、家族と共に腹鼓をうった。
支那の狸汁 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「このお加減が大変いゝこと。ほんとに上手に出来ててよ。」と、おかみさんは牛蒡ごぼうのきんぴらを賞めて下さる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
人から聴けばへそせんじ、牛蒡ごぼうの種もいいと聴いて摺鉢すりばちでゴシゴシとつぶした。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
色を増した紅葉の間から、鮮やかな曲りで瑠璃色のあけびの実が垂れ、小豆の粒の艶麗な光沢と、毛ばだった牛蒡ごぼうの種とが板の間に並ぶ。
蟻にはもとより、かぶにならず、大根にならず、人参にならず、黒いから、大まけにまけた処が牛蒡ごぼうです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ソレカラ又家に客を招く時に、大根や牛蒡ごぼうを煮てくわせると云うことについて、必要があるから母の指図さしずに従て働て居た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その子の金平きんぴらも、きんぴら牛蒡ごぼうやきんぴら糊に名を残したばかりか、江戸初期の芝居や浄瑠璃には
梵雲庵漫録 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
ところで『六号室』(一八九二)の中の気の毒な医者は、百万年後の地球には牛蒡ごぼう一本生えまいと考えているが、あれは一体どうなるのだ。
瀬川せがわ鉄橋てっきょうを渡り牛蒡ごぼう甘藍かんらんが青白いうらをひるがえすはたけの間の細い道を通りました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ウアイー賛成! 賛成! 助かりや助かりや、有難や有難や、勿体なや、サンタ・マリア……一丁テレスコ天上界。八百屋の人参、牛蒡ごぼうえ——」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
瀬川の鉄橋を渡り牛蒡ごぼう甘藍キャベジが青白い葉の裏をひるがへす畑の間の細い道を通りました。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
牛蒡ごぼうたばねに、引括ひきくくつた両刀を背中に背負しょはせた、御番の衆は立ちかゝつて、左右から、曲者くせものの手を引張つて遠ざかつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
別に牛蒡ごぼうをササきにして半日ほど水へ漬けて度々たびたび水を取かえてアクを出します。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
と、やおら次郎は、鋭利な刃物のすげてある牛蒡ごぼうのような黒い棒を横に持って、三方に立った三人の人間を、どいつから先に突こうかと見廻しました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その液体の匂いであろうかそれとも鉢の花の匂いであろうか、こころよ牛蒡ごぼうにおいのような匂が脳にとおるように感じた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と僕は赤くなって詰問しようとすると、次のベルがなって、再び僕らはハンドルを執らせられる——と、Rが、蓮根れんこん牛蒡ごぼうかかえて現れ、
吊籠と月光と (新字新仮名) / 牧野信一(著)
止めたといってもその親爺が無言のまま、片手に吾輩の襟首を掴んで、喧嘩の中から牛蒡ごぼう抜きに宙に吊るしたまま下駄を穿かしてくれたので万事解決さ。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
調理台で、牛蒡ごぼうを切っていた吉永が、南京袋の前掛けをかけたまま入口へやって来た。
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
くめ子は柄鍋に出汁だしと味噌汁とを注いで、ささがし牛蒡ごぼうつまみ入れる。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
茄子なす、ぼうぶら(かぼちゃ)、人参、牛蒡ごぼう、瓜、黄瓜など、もとよりあった。
私の父 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
「……今までお話し申しあげましたように、万事、民政党のやり口というものは、ずるい。「人の法事で牛蒡ごぼうをする」ということわざがありますが、……」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
それで材料を買いに出たわけであるが、驚いたことには、この先生、道路の真ん中を悠然と歩きながら、「あの牛蒡ごぼうは食える」とか「あのこんにゃくはいい」とか言う。
面白味 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「そば粉三袋、牛蒡ごぼう、六はら村の長徳寺様より西町の芋七へ下さる」
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
隣りにすわって居る仙吉の方を横目で微かに見ると、顔中へ饂飩粉うどんこに似た白い塊が二三分の厚さにこびり着いて盛り上り、牛蒡ごぼうの天ぷらのような姿をしている。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
毛ば立った皮からむき出た牛蒡ごぼうの種の表面には、蒔絵に似た模様が巧緻な雲形の線を入れ、蝋燭豆のとろりと白い肌の傍に、隠元いんげんが黒黒とした光沢で並んでいる。
牛蒡ごぼう 七三・九三 三・二〇 一・〇三 二〇・六一 一・九四 〇・八二
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
今度もどうやら持ちこたえました。すると、三度目のあのつりです。とうとう牛蒡ごぼう抜きにやられてしまいました。いやはや、強いのなんのといって、とてもお話になりません。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
先ず牛蒡ごぼうをササきにしてしばらく水へ漬けてアクを抜きます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ジャガ薯煮つけ、刻み牛蒡ごぼう等で、昼、夜と二食同じ副食物がついた。
一九三二年の春 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
酒にもし人をして歌わしめ、牛蒡ごぼうを掘らしめる力が具わっているものならば、飲む者がことごとくそうなければならぬ道理であるが、世の中が開けるにつれてそのような人はなくなる。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
牛蒡ごぼうたせたつけな」といふものがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
牛蒡ごぼうの花とまだ青い小さい実の房などがささって居ります。
久住は、その、不思議な形をした、牛蒡ごぼうとも見える、魚の乾物のようなものを、しばらく、指で挾んでぶら下げて、何かしきりに考えていたが、いきなり、ぽいと、火の中へほうり込んで、
牛蒡ごぼう人参にんじんなどの好い野菜を出す土地だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あるものは牛蒡ごぼうを掘りに行ってこの雹にあったといい、あるものは桑畠くわばたけを掘る最中であったといい、あるものは引きかけた大根の始末をするいとまもなく馬だけ連れて逃げ帰ったという。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
牛蒡ごぼう柔煮やわらかに 春 第八十五 軽い鍋
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
牛蒡ごぼう天麩羅てんぷら 夏 第百四十 玉子料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
こう集ってみると、小作の女達は「汚な」かった。畑から抜いてきた牛蒡ごぼうのように、黒くて、土臭かった。——然し、そのどの顔もたった一つのこと、「食えるか」「食えないか」で、引きつッていた。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
町立病院ちょうりつびょういんにわうち牛蒡ごぼう蕁草いらぐさ野麻のあさなどのむらがしげってるあたりに、ささやかなる別室べっしつの一むねがある。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
花の痛いは種牛蒡ごぼう、勧進帳のすず懸けだ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
加役は牛蒡ごぼうを薄くそいだのがよろしかろう。
すっぽん (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
手先のきく清助は半蔵よりずっと器用に、冬菜ふゆな鶯菜うぐいすな牛蒡ごぼう人参にんじんなどの野菜を色どりよく取り合わせ、干しがきの類をも添え、台の上に載せて、その床の間を楽しくした。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
沢山な人が私のいったその家に集っていて、大皿や鉢に、牛蒡ごぼう人参にんじんや、鱈や、里芋などの煮つめたものが盛ってある間を、大きな肩の老人が担がれたまま、箱の中へ傾けて入れられるところだった。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
すなわ面長つらなが老猿ふるざるの面をかぶり、水干すいかん烏帽子えぼし事触ことぶれに似たるなりにて——大根だいこん牛蒡ごぼう太人参ふとにんじん大蕪おおかぶら
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さて、わが老妻は村上町から渡来した狸の肉を細かく刻み、これを鍋の水に入れて二、三時間たぎらせ、やわらかくなったところへ、そぎ牛蒡ごぼう、下仁田ねぎ、焼豆腐を加えて、味噌を落としたのである。
老狸伝 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
今でも牛蒡ごぼうを掘るという感じで使われているが、事によったらこのゴンボは酔っぱらいのことであったかも知れない。南大和のアカゴンボという名称なども、それだとその起源が大よそはわかって来るのである。
「どうれ、けえつて牛蒡ごぼうでもこせえべえ、明日あした天秤棒てんびんぼうかついで支障さはりにならあ」剽輕へうきん相手あひておもしたやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
牛蒡ごぼう、人参は縦にくわえる。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おい、天野あまの、魚を縦に切るやつがあるか。骨などあってもかまわんから、こう横にぶった切って、たたきこんでしまえ。おうい、瀬川せがわ! 貴様、大根を買いに行くと言って、これは牛蒡ごぼうではないか」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「うん、牛蒡ごぼういにか。」
馬鹿も底の知れねえ牛蒡ごぼう野郎だ
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに君如何どうだ、細君は殆んど僕等の喰ひあましの胡蘿蔔にんじん牛蒡ごぼうにもありつかずに平素しよつちう漬物ばかりをかぢつてる、一片ひときれだつて亭主の分前わけまへに預つたことはないよ。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
城下へ出てくる時には、いつも陣笠じんがさに馬乗りで、馬の背には、自分の菜園で作ったいも人参にんじん牛蒡ごぼうをくくりつけて来て、それはいつも泊ると極めている内蔵助の家への土産物みやげものとする。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牛蒡ごぼう 五十貫
藤山のおばあさんは玉子と牛蒡ごぼう、ジャガイモ等をもってきてくれました、重いものをこの頃の込む汽車で大変でしたから、咲枝が半衿をお礼に送ると言って居ります、もう買ってあるけれど、例によって、サイドボードの上にのっかって居ます
男「この衝立ついたての後に有合物ありあいもので一杯やって居ります、へー、碌な物は有りませんが、此のうちの婆さんは綺麗ずきで芋を煮ても牛蒡ごぼうを煮ても中々加減が上手でげす、それに綺麗好だから喰い心がようございます」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いゝや鰌汁の中に人参が這入って居る、これは感心でげす、牛蒡ごぼうで無い処が感心で、斯ういう処が閑静……旦那何しろ旨い、貴方あんた駕籠の上の葡萄酒をおろしましょうか、まア此方こっちって御覧なさい、話の種で丹誠なもので
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
前垂まえだれがけの下から八百屋で買って来た牛蒡ごぼう人参にんじんを出してテーブルの上へのせておいたまま「これはおかずです」とその野菜をいじりながら雑誌を一生懸命に読出したということや、他の生徒たちと一所に帰る道で煮豆やへ寄って
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
で、八百屋の店先などへは、唐芋とういもや八つがしらや蓮根などが、牛蒡ごぼう青蕪あおかぶと位置を争ってその存在を示すようになり、魚屋の店先へはかれいやひしこが、かじきまぐろはぜなどと並んで、同じように存在を示すようになる。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
路地の入り口で牛蒡ごぼう蓮根れんこんいも、三ツ葉、蒟蒻こんにゃく紅生姜べにしょうがするめ、鰯など一銭天婦羅てんぷらげて商っている種吉たねきちは借金取の姿が見えると、下向いてにわかに饂飩粉うどんこをこねる真似まねした。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ソラ来た、今度は牛蒡ごぼうの煮たの。煮たというのは名ばかりで、なまも同様だ。ソラ人参にんじんも来た。どっこい今度は焼豆腐か。この焼豆腐も少し怪しいよ。豆腐屋が売れ残りの豆腐を焼いたと見えてやっぱり虫が交っている。オヤ蒲鉾かまぼこって来た。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
もう久しくあたってない鳩羽色の、まず牛蒡ごぼうといった感じの二重顎にも、飛びだした眼にも、息ぎれの様子にも、不細工な無精たらしい姿全体にも、声音にも笑いごえにも言葉にも、その昔郡下の亭主どもをしてその妻を嫉妬させた、すらりとした美貌の話上手の面影はなかった。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
玉菜たまな赤茄子あかなすねぎ玉葱たまねぎ大根だいこんかぶ人参にんじん牛蒡ごぼう南瓜かぼちゃ冬瓜とうがん胡瓜きゅうり馬鈴薯ばれいしょ蓮根れんこん慈姑くわい生姜しょうが、三つ葉——あらゆる野菜に蔽われている。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「ナニ、タンポポの根というても別に喰い方というてはない。かないが塩でで、持って来よったようじゃが最初のうちは香気が高くてナカナカ美味おいしいものじゃよ。新牛蒡ごぼうのようなものじゃ。しかし二三日も喰いよると子供等が飽いて、ほかのものを喰いたがるのには困ったよ。ハッハッハッ」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうしてその町の右側に、一軒の小さな八百屋やおやがあって、あかる瓦斯ガスの燃えた下に、大根、人参にんじんねぎ小蕪こかぶ慈姑くわい牛蒡ごぼうがしら小松菜こまつな独活うど蓮根れんこん、里芋、林檎りんご、蜜柑の類がうずたかく店に積み上げてある。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)