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こふう
ふりがな文庫
“
古風
(
こふう
)” の例文
大きなお
城
(
しろ
)
がそびえ立ち、
低
(
ひく
)
い
壁
(
かべ
)
と
離
(
はな
)
れ
屋
(
や
)
にかこまれた中庭には、美しく石がしきつめてあって、
古風
(
こふう
)
な
庭園
(
ていえん
)
はいかにも
優雅
(
ゆうが
)
です。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
そして一目見ると
直
(
すぐ
)
に、
少
(
すこ
)
しあけツ
放
(
はな
)
しの
點
(
てん
)
のある
代
(
かはり
)
には、こせつかぬ、おツとりとした、
古風
(
こふう
)
な
顔立
(
かほだて
)
であることを見て取ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ソーンフィールドも好きです、その
古風
(
こふう
)
さ
閑寂
(
かんじやく
)
さ、古い、
鴉
(
からす
)
の木や
枳殼
(
からたち
)
の木、灰色の
建物
(
たてもの
)
の正面、また鋼鐵色の空を
映
(
うつ
)
す暗い窓の線などもね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
蕎麥
(
そば
)
、お
汁粉
(
しるこ
)
等
(
など
)
、
一寸
(
ちよつと
)
入
(
はひ
)
ると、一ぜんでは
濟
(
す
)
まず。二ぜんは
當前
(
あたりまへ
)
。だまつて
食
(
た
)
べて
居
(
ゐ
)
れば、あとから/\つきつけ
裝
(
も
)
り
出
(
だ
)
す
習慣
(
しふくわん
)
あり。
古風
(
こふう
)
淳朴
(
じゆんぼく
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
非常
(
ひじやう
)
に
變
(
へん
)
な
心地
(
こゝち
)
がしたので、
寧
(
むし
)
ろ
此
(
この
)
塲
(
ば
)
を
立去
(
たちさ
)
らんと、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
を
見返
(
みか
)
へると、
夫人
(
ふじん
)
も
今
(
いま
)
の
有樣
(
ありさま
)
と
古風
(
こふう
)
なる
英國人
(
エイこくじん
)
の
獨言
(
ひとりごと
)
には
幾分
(
いくぶん
)
か
不快
(
ふくわい
)
を
感
(
かん
)
じたと
見
(
み
)
へ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
その行灯がまた
古風
(
こふう
)
な陰気なもので、いっそ吹き消して
闇
(
くら
)
がりにした方が、
微
(
かす
)
かな光に照らされる無気味さよりはかえって心持が好いくらいだった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
注文の多い料理店はその十二
巻
(
かん
)
のセリーズの中の
第一冊
(
だいいっさつ
)
でまずその
古風
(
こふう
)
な
童話
(
どうわ
)
としての
形式
(
けいしき
)
と地方色とをもって
類集
(
るいしゅう
)
したものであって
次
(
つぎ
)
の九
編
(
へん
)
からなる。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
黒いラシャの
古風
(
こふう
)
な三つ
揃
(
ぞろ
)
いの背広をきちんと身につけているのに対し、あとからあらわれた針目博士の方は、よごれたカーキー色の労働服をつけていた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その第四の昔話というのは、前の三つのどれよりも、かんたんでまた
古風
(
こふう
)
であった。あまりかんたんなためにこの頃では、
後先
(
あとさき
)
におまけのついたものが多い。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
赤熊百合
(
しやぐまゆり
)
、王の
御座所
(
ござしよ
)
の
天幕
(
てんと
)
の
屋根飾
(
やねかざり
)
、夢を
鏤
(
ちりば
)
めた
笏
(
しやく
)
、
埃及王
(
ばろ
)
の
窮屈
(
きゆうくつ
)
な禮服を無理に
被
(
き
)
せられた
古風
(
こふう
)
な
女王
(
ぢよわう
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これも、
歌
(
うた
)
には
少
(
すく
)
ない
材料
(
ざいりよう
)
で、
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
の
霞
(
かす
)
んで
果
(
は
)
てがなく
感
(
かん
)
じられる
上
(
うへ
)
に、
皆
(
みんな
)
の
心
(
こゝろ
)
ののんびりしてゐる
氣持
(
きも
)
ちが、よく
出
(
で
)
てゐて、しかも
非常
(
ひじよう
)
に
古風
(
こふう
)
に
上品
(
じようひん
)
に
出來
(
でき
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
古風
(
こふう
)
に
出
(
で
)
るが
袖
(
そで
)
ふり
合
(
あ
)
ふもさ、こんな
商賣
(
しやうばい
)
を
嫌
(
いや
)
だと
思
(
おも
)
ふなら
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
打明
(
うちあ
)
けばなしを
爲
(
す
)
るが
宜
(
い
)
い、
僕
(
ぼく
)
は
又
(
また
)
お
前
(
まへ
)
のやうな
氣
(
き
)
では
寧
(
いつそ
)
氣樂
(
きらく
)
だとかいふ
考
(
かんが
)
へで
浮
(
う
)
いて
渡
(
わた
)
る
事
(
こと
)
かと
思
(
おも
)
つたに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これらも又輴哥をうたうてかへるなど、
質朴
(
しつぼく
)
の
古風
(
こふう
)
今
目前
(
もくぜん
)
に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ちょうどいま、小人は長持の中から
縫取
(
ぬいとり
)
のしてある
胸着
(
むなぎ
)
を取りだして、感心した顔つきでその
古風
(
こふう
)
なつくりかたを
眺
(
なが
)
めています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
古風
(
こふう
)
な、
薄
(
うす
)
い、
小
(
ちひ
)
さな
髷
(
まげ
)
に
結
(
ゆ
)
つたのが、
唐銅
(
からかね
)
の
大
(
おほき
)
な
青光
(
あをびか
)
りのする
轆轤
(
ろくろ
)
に
井戸繩
(
ゐどなは
)
が、づつしり……
石築
(
いしづき
)
の
掘井戸
(
ほりゐど
)
。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
見付出
(
みつけだ
)
した
家
(
いへ
)
からが
寂
(
さび
)
た
土塀
(
どべい
)
を
二方
(
にはう
)
に
回
(
めぐ
)
らして、
既
(
すで
)
に
古風
(
こふう
)
に
片付
(
かたづ
)
いてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
安井
(
やすゐ
)
から、
其所
(
そこ
)
の
主人
(
しゆじん
)
はもと
加茂神社
(
かもじんじや
)
の
神官
(
しんくわん
)
の
一人
(
ひとり
)
であつたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いよいよこの運送法の
変遷
(
へんせん
)
のために、あの
古風
(
こふう
)
な形をやめなければならぬ時に、出あっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
如何
(
いか
)
にも
古風
(
こふう
)
らしい
一個
(
ひとり
)
の
英國人
(
エイこくじん
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
つたが、
此
(
この
)
活劇
(
ありさま
)
を
見
(
み
)
るより、ぶるぶると
身慄
(
みぶるひ
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
これらも又輴哥をうたうてかへるなど、
質朴
(
しつぼく
)
の
古風
(
こふう
)
今
目前
(
もくぜん
)
に
存
(
そん
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
古風
(
こふう
)
な町である。が、町の向うに青い海が見える。港町だ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(ひとつの
古風
(
こふう
)
な信仰です)
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そこには、赤い
布地
(
きれじ
)
でつくった
古風
(
こふう
)
な
百姓
(
ひゃくしょう
)
の着物——
短
(
みじか
)
い
胴着
(
どうぎ
)
、ひだのあるスカート、
真珠
(
しんじゅ
)
の
飾
(
かざ
)
りのついた
胸着
(
むなぎ
)
——がいくつか入れてありました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
舟はようやく町らしいなかへ
這入
(
はい
)
る。腰障子に
御肴
(
おんさかな
)
と書いた居酒屋が見える。
古風
(
こふう
)
な
縄暖簾
(
なわのれん
)
が見える。材木の置場が見える。人力車の音さえ時々聞える。
乙鳥
(
つばくろ
)
がちちと腹を返して飛ぶ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
後に東北のイタコの数珠や、アイヌの
頸飾
(
くびかざ
)
りなどを見るようになって、ジュズとは呼びながらも我々の真似ていたのは、もっと
古風
(
こふう
)
な、また国風なものだったことに心づいたことである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
弦月丸
(
げんげつまる
)
出港
(
しゆつかう
)
のみぎりに
檣燈
(
しやうとう
)
の
微塵
(
みじん
)
に
碎
(
くだ
)
けたのを
見
(
み
)
て『
南無阿彌陀佛
(
なむあみだぶつ
)
、
此
(
この
)
船
(
ふね
)
には
魔
(
ま
)
が
魅
(
みい
)
つて
居
(
を
)
るぜ。』と
呟
(
つぶや
)
いた
英國
(
エイこく
)
の
古風
(
こふう
)
な
紳士
(
しんし
)
は
甲板
(
かんぱん
)
から
自分
(
じぶん
)
の
船室
(
へや
)
へ
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
まんとて
昇降口
(
しようかうぐち
)
から
眞逆
(
まつさかさま
)
に
滑落
(
すべりお
)
ちて
腰
(
こし
)
を
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
○
秋山
(
あきやま
)
の
古風
(
こふう
)
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
手紙
(
てがみ
)
は
古風
(
こふう
)
な
状箱
(
じようばこ
)
の
中
(
うち
)
にあつた。
其
(
その
)
赤塗
(
あかぬり
)
の
表
(
おもて
)
には
名宛
(
なあて
)
も
何
(
なに
)
も
書
(
か
)
かないで、
真鍮
(
しんちう
)
の
環
(
くわん
)
に
通
(
とほ
)
した
観世撚
(
かんじんより
)
の
封
(
ふう
)
じ
目
(
め
)
に
黒
(
くろ
)
い
墨
(
すみ
)
を着けてあつた。代助は
机
(
つくえ
)
の
上
(
うへ
)
を
一目
(
ひとめ
)
見て、此手紙の
主
(
ぬし
)
は
嫂
(
あによめ
)
だとすぐ
悟
(
さと
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
何
(
なん
)
ですね、
御米
(
およね
)
さん、
此
(
この
)
御部屋
(
おへや
)
は
夏
(
なつ
)
は
涼
(
すゞ
)
しさうで
結構
(
けつこう
)
だが、
是
(
これ
)
からはちと
寒
(
さむ
)
う
御座
(
ござ
)
んすね」と
云
(
い
)
つた。
叔母
(
をば
)
は
癖
(
くせ
)
のある
髮
(
かみ
)
を、
奇麗
(
きれい
)
に
髷
(
まげ
)
に
結
(
い
)
つて、
古風
(
こふう
)
な
丸打
(
まるうち
)
の
羽織
(
はおり
)
の
紐
(
ひも
)
を、
胸
(
むね
)
の
所
(
ところ
)
で
結
(
むす
)
んでゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“古風”の意味
《名詞》
古 風(こふう)
思考ややり方、様式などが古めかしいさま。
人柄が奥ゆかしいさま。
漢詩で古い形の詩のこと。
(出典:Wiktionary)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
“古風”で始まる語句
古風作者
古風土記
古風実体