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力
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りき
ふりがな文庫
“
力
(
りき
)” の例文
然
(
しか
)
し
崖丈
(
がけだけ
)
は
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
です。どんな
事
(
こと
)
があつたつて
壞
(
く
)
えつこはねえんだからと、
恰
(
あたか
)
も
自分
(
じぶん
)
のものを
辯護
(
べんご
)
でもする
樣
(
やう
)
に
力
(
りき
)
んで
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
改
(
あらた
)
めて
伺
(
うかゞ
)
ひに
出
(
で
)
やうとして
居
(
ゐ
)
ましたといふ、
夫
(
そ
)
れは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
だ、
貴君
(
あなた
)
のお
名
(
な
)
をさと
揚
(
あ
)
げられて、
馬鹿
(
ばか
)
/\お
力
(
りき
)
が
怒
(
おこ
)
るぞと
大景氣
(
おほけいき
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ひどく
力
(
りき
)
んで「あの番組へ出ると誰でも泣くんだ。あれは“鐘は鳴る”ではなくッて——ここに彼は泣く——という番組なんですからね」
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
モウ一盃、これでお
仕舞
(
しまい
)
と
力
(
りき
)
んでも、
徳利
(
とくり
)
を
振
(
ふっ
)
て見て音がすれば我慢が出来ない。とう/\
三合
(
さんごう
)
の酒を皆
飲
(
のん
)
で
仕舞
(
しまっ
)
て、又翌日は五合飲む。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
鎧袖一触的
(
がいしゅういっしょくてき
)
にやってみたいのだが、鎧袖一触も用いようによっては大笑いの種ですから、あまり
力
(
りき
)
まないのがよいと思いました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
女にしては
力
(
りき
)
んだ眉をひそめて、
団扇
(
うちわ
)
を片手に低い溜息をついたのは、浅草
金龍山
(
きんりゅうざん
)
下に
清元
(
きよもと
)
の師匠の
御神燈
(
ごしんとう
)
をかけている清元
延津弥
(
のぶつや
)
であった。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ついそのお上品なとこを見せようってんで、ああして
力
(
りき
)
み返るんでさ、それだけのことですよ! なあに、却ってもう可愛いくらいのもので。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
こうなると
為朝
(
ためとも
)
一人
(
ひとり
)
いかに
力
(
りき
)
んでもどうもなりません。
例
(
れい
)
の二十八
騎
(
き
)
もちりぢりになってしまったので、ただ
一人
(
ひとり
)
近江
(
おうみ
)
の
方
(
ほう
)
へ
落
(
お
)
ちて行きました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
門の外まで出て来て、『お
力
(
りき
)
い、お力い。』と体を
屈
(
こご
)
めねばならぬ程の高い声を出して友達を呼んでゐる女の子もあつた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
声に出して、そういってみて、(どんなことになったって、知らんぞ)と、マンが、そこにいるかのように、
力
(
りき
)
みかえる。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「よし、おれが、
今日
(
きょう
)
はしとめてくれるぞ。」と
力
(
りき
)
んで、
猟師
(
りょうし
)
は
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
んで、
近
(
ちか
)
よって、そのようすをうかがいました。ところがどうでしょう。
猟師と薬屋の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
馬
(
うま
)
を
附
(
つ
)
けるのに
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れるとかと
力
(
りき
)
んで、
上句
(
あげく
)
には、
何
(
いつ
)
も
黙
(
だま
)
れとか、
彼
(
か
)
れこれ
云
(
い
)
うな、とかと
真赤
(
まっか
)
になって
騒
(
さわぎ
)
を
返
(
かえ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こう認めた、たしかにこうだと、
力
(
りき
)
んで証明するものがあるとしたとても、それすら、二人の心からは門外漢である。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
祭礼の雑踏の中で
力
(
りき
)
んでまた叩かれ、逃げだしたところをうしろから斬りかけられ、大きな傷を背負って帰ってきた。
うすゆき抄
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
排便時に
力
(
りき
)
んだところ、心臓部に五十分以上に亙って激しい締めつけるような疼痛がおこり、最寄りの医師の往診を受けたが翌日の心電図検査に依り
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何かにつけて緑雨は万年博士を
罵
(
ののし
)
って、
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
いやア万年泣拝という手紙を何本も発表してやると
力
(
りき
)
んでいた。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
本人は、しかし、それでてれた様子はすこしもなく、相変わらず
力
(
りき
)
みかえって、朝倉先生の顔を見すえていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「
汝
(
われ
)
こた
怒
(
おこ
)
んねえのか」
小柄
(
こがら
)
な
爺
(
ぢい
)
さんは
與吉
(
よきち
)
の
隱
(
かく
)
さぬ
言辭
(
ことば
)
に
少
(
すこ
)
し
力
(
りき
)
んだ
勢
(
いきほ
)
ひが
拔
(
ぬ
)
けたやうになつて
斯
(
か
)
ういつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何分とのさまがえるは三十がえる
力
(
りき
)
あるのですし、くさりかたびらは着ていますし、それにあまがえるはみんな舶来ウェスキーでひょろひょろしてますから
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
男子も人ならば女子も人なり。男子の為すところなんぞ女子に為し
能
(
あた
)
わざるの訳あらんやと
力
(
りき
)
んでみても、その体質の上からして女子は軍務に不向きである。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
と
力
(
りき
)
んだのは数月前のことだったが、その小杉君がアメリカへ着かない中にもう撚りが戻って、又やめる必要を認めたのである。片岡君は年に三四回思い立つ。
一年の計
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昔の小説家が主観的な
力
(
りき
)
みで、そういう
箇
(
ママ
)
性の範囲での闊達さに到達した、そういうのではない内容での闊達さ、美、簡素な力、そういうものが本当に欲しい。
獄中への手紙:04 一九三七年(昭和十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
手術と決ってはいたが、手術するまえに体に
力
(
りき
)
をつけておかねばならず、
舶来
(
はくらい
)
の薬を毎日二本ずつ入れた。一本五円もしたので、
怖
(
こわ
)
いほど病院代は嵩んだのだ。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
何よりも、
力
(
りき
)
み
返
(
かえ
)
ること、
大声
(
おおごえ
)
を立てることが
嫌
(
きら
)
いです。どんなことでも、静かに話せばわかり、また、静かに
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
わなければ
面白
(
おもしろ
)
くないという
主義
(
しゅぎ
)
なのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
「わかったよ。でも、そんなに毎日、怖い顔をして
力
(
りき
)
んでいなくてもいいじゃないか。このごろ少し
痩
(
や
)
せたようだぜ。あとで、マタイの六章を読んであげよう。」
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
こまかいきれいな歯をくいしばって
力
(
りき
)
んでいて、
上唇
(
うわくちびる
)
に長い二本の
髭
(
ひげ
)
をはやし、下唇に二本の短い髭をはやし、そのくせ、ごく小さなかわいい目でいつも笑っており
山の別荘の少年
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
河伯も気の毒かつその短気に恐縮し三度まで投げ帰したので、
一旦
(
いったん
)
見切った物を取り納むるような男じゃねーぞと滅明滅多無性に
力
(
りき
)
み散らし、璧を
毀
(
こわ
)
して去ったと出づ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
最後に
夏目漱石
(
なつめそうせき
)
先生の
南山松竹
(
なんざんしようちく
)
を見て、同じく又敬意を表した。先生は生前、「
己
(
おれ
)
は画でも
津田
(
つだ
)
に頭を下げさせるやうなものを
描
(
か
)
いてやる」と
力
(
りき
)
んでゐられたさうである。
俳画展覧会を観て
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いつも薩摩大がすりの被布、四角ばった顔に
力
(
りき
)
んだ口もと、なんといっても輪郭は大きい。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
「
由
(
よし
)
さあも、
熊
(
くま
)
さあも、
金
(
きん
)
さあも、
鹿
(
しか
)
あんも今年はもう行かねえそうだ。
力
(
りき
)
やんと
加平
(
かへい
)
が、行こか行くまいかと大分迷っとったがとにかくも一ぺん行って見ようといっとったよ」
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
笑うまいと
力
(
りき
)
んで口を固く結んでいても、しぜん、ほぐれて、笑い出してしまう。生れつき、笑いの神様がちゃんと胸の中に
鎮座
(
ちんざ
)
していらっしゃるのだと、福子自身は
諦
(
あきら
)
めている。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
巨人軍の川上という岩のように立派な身体の選手が、
力
(
りき
)
が足りない、もっと力が欲しいと嘆いてる始末じゃないか。まず第一に長助の背丈を延ばして、ふとらせなくちゃアいけない。
町内の二天才
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
お
力
(
りき
)
と呼ばれたるは中肉の
背恰好
(
せかっこう
)
すらりつとして洗ひ髪の
大嶋田
(
おおしまだ
)
に新わらのさわやかさ、
頸元
(
えりもと
)
ばかりの白粉も
栄
(
は
)
なく見ゆる天然の色白をこれみよがしに
乳
(
ち
)
のあたりまで胸くつろげて
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
庭に在る、
苔
(
こけ
)
むした怪しげな古い石や、不自然に
力
(
りき
)
みかえっている年老いた樹木やは、彼に対して皮肉な、不明瞭な説明を試みた。否、説明ではない、それはむしろ毒々しい嘲笑であった。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
彼は緊張して眺め、さつと顔を紅らめ、
力
(
りき
)
んだやうになり、それから急に下こゞみになつて水洗ひの仕事にかゝつたが、明かに上の空だつた。彼は始終落ちつきなく対岸の路を眺めやつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
大吉の小さなからだは
櫓
(
ろ
)
といっしょに、海にのめりこみそうに見えたりする。そのけんめいさは、小舟とともに大吉の小さなからだにあふれていて、見ているこちらもしぜんに
力
(
りき
)
んできた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
此の時権八は自分の母親が好いあんばいに私をがなりつけるのに
力
(
りき
)
んで
何時
(
いつ
)
の間にか、そこの土間にある下駄を振り上げて私に打つてかかつた。私はそこでは手出しをせずに打たれてやつた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「あゝ、
左様
(
さう
)
とも。
真実
(
ほんたう
)
にお前さんは出世しましたわね。どうして、お
力
(
りき
)
さんはナカ/\の遣り手だなんて、よく
吾家
(
うち
)
へ来る人がお前さんの噂サ、その度に、私は自分の鼻が高くなりますよ。」
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「そうや。どうも法律を知っているといって、
力
(
りき
)
んでいるそうやさかえ」
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
お前は腕ずくで
強淫
(
ごういん
)
をする積りか、馬鹿な事をする怖い人だ、いやだよと云って
行
(
ゆ
)
こうとすると、そうはやらぬと私の
裾
(
すそ
)
を押えて離さない処へ、お
兼
(
かね
)
さんやお
力
(
りき
)
さんが出て参りまして取押える拍子に
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おい、
己
(
おれ
)
を、まあ、何だと思う。浅草
田畝
(
たんぼ
)
に巣を持って、観音様へ羽を
伸
(
の
)
すから、
隼
(
はやぶさ
)
の
力
(
りき
)
と
綽名
(
あだな
)
アされた、
掏摸
(
すり
)
だよ、
巾着切
(
きんちゃくきり
)
だよ。はははは、これからその気で附合いねえ、こう、頼むぜ、小父さん。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
今更
(
いまさら
)
逃げようたって逃すもんか」彼は
力
(
りき
)
み
声
(
ごえ
)
をふりしぼった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この一件が持上るに及び、忽ち
本氣
(
むき
)
になつて
力
(
りき
)
み出した。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
これらは独り
相撲
(
ずもう
)
で
力
(
りき
)
んでおる人である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
うんと
力
(
りき
)
み返り
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
力
(
りき
)
んでいるだ
母の手紙
(新字新仮名)
/
中野鈴子
(著)
あゝ
貴君
(
あなた
)
のやうにもないお
力
(
りき
)
が
無理
(
むり
)
にも
商買
(
しようばい
)
して
居
(
ゐ
)
られるは
此力
(
このちから
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
さぬか、
私
(
わたし
)
に
酒氣
(
さかけ
)
が
離
(
はな
)
れたら
坐敷
(
ざしき
)
は三
昧堂
(
まいどう
)
のやうに
成
(
な
)
りませう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ああ、染吉か。」とわたしは二十三四の、色の白い、眉の
力
(
りき
)
んだ、右の目尻に大きい
黒子
(
ほくろ
)
のある女の顔をあたまに描いた。
鴛鴦鏡
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
場代が高いと言ってしりごみをして、この珍しいものを見ないで帰るのは、たしかに江戸っ児の
沽券
(
こけん
)
に
触
(
さわ
)
ると
力
(
りき
)
み出すものが多くありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どうかなるって、ただ貴公のように、
力
(
りき
)
んでばかりいたってどうもならん。まず、一郡の士を持たんとするには、一旗の兵がいる。一旗の兵を
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
“力”を含む語句
苦力
助力
角力
努力
速力
強力
勢力
合力
眼力
能力
力士
人力車
魅力
腕力
精力
効力
全速力
加特力
人力
威力
...