鴛鴦鏡おしどりかがみ
Y君は語る。 これは明治の末年、わたしが東北のある小さい町の警察署に勤めていた時の出来事と御承知ください。一体それは探偵談というべきものか、怪談というべきものか、自分にもよく判らない。こんにちの流行詞でいえば、あるいは怪奇探偵談とでもいうべ …