トップ
>
片方
>
かたほう
ふりがな文庫
“
片方
(
かたほう
)” の例文
遠
(
とお
)
い、
遠
(
とお
)
い、
昔
(
むかし
)
のこと、ある
武士
(
ぶし
)
が、この
浜
(
はま
)
でかもめを
射
(
い
)
ました。しかし、
矢
(
や
)
は、すこし
外
(
はず
)
れて、
片方
(
かたほう
)
の
翼
(
つばさ
)
を
傷
(
きず
)
つけたばかしです。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
馬鹿
(
ばか
)
なペンペは
欺
(
だま
)
されるとも
知
(
し
)
らずに、また
片方
(
かたほう
)
の
眼玉
(
めだま
)
をたべてしまつた。もう四千メートルに
近
(
ちか
)
い
霧
(
きり
)
の
中
(
なか
)
だ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
この
二
(
ふた
)
つの
歌
(
うた
)
について
見
(
み
)
ると、
片方
(
かたほう
)
は、4・6・4・5・7といふへんな
形
(
かたち
)
になつてゐるが、
大體
(
だいたい
)
、
短歌
(
たんか
)
の5・7・5・7・7といふのと、
句
(
く
)
の
數
(
かず
)
も
似
(
に
)
てゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
次に今一つ、棒の
片方
(
かたほう
)
の
端
(
はし
)
に荷物をしかとくくりつけて、それをななめに肩にかけることがあった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
けれども
閾
(
しきい
)
を
跨
(
また
)
ぐ
時
(
とき
)
に、
片方
(
かたほう
)
の
上沓
(
うわぐつ
)
が
脱
(
ぬ
)
げたので、
片足
(
かたあし
)
には、
上沓
(
うわぐつ
)
を
穿
(
は
)
き、
片足
(
かたあし
)
は、
沓下
(
くつした
)
だけで、
前垂
(
まえだれ
)
を
掛
(
か
)
け、
片手
(
かたて
)
には、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
、
片手
(
かたて
)
には、ヤットコを
持
(
も
)
って、
街
(
まち
)
の
中
(
なか
)
へ
跳出
(
とびだ
)
しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
片方
(
かたほう
)
はいままではいていた
長靴
(
ながぐつ
)
で、片方はさっきもらったばかりの長靴だ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
よしッ、とばかりモンクスは、いきなり
富田
(
とみた
)
六
段
(
だん
)
の
片方
(
かたほう
)
の足へ飛びついて、
小脇
(
こわき
)
に
抱
(
だ
)
きかかえた! すかさず右の手をのばして、
弾丸
(
だんがん
)
のような
顎打
(
アッパー・カット
)
の
打撃
(
だげき
)
、がんとあごへ飛ぼうとしたそのときだ。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
「
片方
(
かたほう
)
に三日かかるそうですから、一週間入院しなければなりません」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
小太郎
(
こたろう
)
は、すが
目
(
め
)
でありました。
自分
(
じぶん
)
にもあまり
覚
(
おぼ
)
えのない
時分
(
じぶん
)
に、どうして
片方
(
かたほう
)
の
目
(
め
)
をつぶしてしまったのかわかりません。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いまごろ
気
(
き
)
がついたか。おれも
腹
(
はら
)
が
減
(
へ
)
つてきたので、
自分
(
じぶん
)
の
眼玉
(
めだま
)
を
片方
(
かたほう
)
抉
(
えぐ
)
りだして
喰
(
く
)
つてるのだ。それにしばらくすると、また
元
(
もと
)
どほりに
眼玉
(
めだま
)
がちやんと
出来
(
でき
)
てくるから
奇妙
(
きめう
)
なものさ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
あたかも
歳
(
とし
)
の
暮
(
くれ
)
にて、春のいそぎの
門松
(
かどまつ
)
を、まだ
片方
(
かたほう
)
はえ立てぬうちに
早
(
はや
)
元日になりたればとて、今もこの家々にては吉例として門松の片方を地に伏せたるままにて、
標縄
(
しめなわ
)
を引き渡すとのことなり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
片方
(
かたほう
)
は、
高
(
たか
)
いがけになって、ちょうど
切
(
き
)
り
落
(
お
)
とされたように、
赤
(
あか
)
い
地
(
じ
)
はだを
静
(
しず
)
かな
水
(
みず
)
の
面
(
おもて
)
にうつしていました。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして
格別
(
かくべつ
)
の
味
(
あぢ
)
だと
言
(
い
)
はんばかりに
喉
(
のど
)
を
鳴
(
な
)
らした。
寒
(
さむ
)
さも
寒
(
さむ
)
さだが、
自分
(
じぶん
)
の
眼玉
(
めだま
)
がたべられるなんて
聞
(
き
)
いたので、
思
(
おも
)
わずブルルッと
身震
(
みぶる
)
ひしたペンペは、さつそく
片方
(
かたほう
)
の
眼玉
(
めだま
)
をたべてみた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
「よせ、おまえがわるいのだ。」と、
仲間
(
なかま
)
が
少年
(
しょうねん
)
を
引
(
ひ
)
き
離
(
はな
)
そうとしました。
片方
(
かたほう
)
から、どこかのおじさんが
中学へ上がった日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまえは
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
に
片方
(
かたほう
)
の
目
(
め
)
がいけなくて
入
(
い
)
れ
目
(
め
)
をしていたが、ほんとうの
小太郎
(
こたろう
)
なら
目
(
め
)
が
悪
(
わる
)
いはずだ。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
太郎
(
たろう
)
は、このからすの
群
(
む
)
れの
中
(
なか
)
に、ただ一
羽
(
わ
)
、
片方
(
かたほう
)
の
翼
(
つばさ
)
が
傷
(
いた
)
んでいる、
哀
(
あわ
)
れなからすを
発見
(
はっけん
)
しました。
翼の破れたからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正二
(
しょうじ
)
くんは、おじいさんの
持
(
も
)
っていられた
眼鏡
(
めがね
)
を
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
に
受
(
う
)
け
取
(
と
)
って、
片方
(
かたほう
)
についているねじを
見
(
み
)
ました。それは、
小
(
ちい
)
さな、
平
(
たい
)
らな
頭
(
あたま
)
に
溝
(
みぞ
)
のついているものでした。
小さなねじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
村
(
むら
)
の
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
の
片方
(
かたほう
)
の
枝
(
えだ
)
は、
冬
(
ふゆ
)
、
大雪
(
おおゆき
)
が
降
(
ふ
)
ったときに
折
(
お
)
れたものでした。
旅人
(
たびびと
)
は、なつかしそうに、ひじょうにそれとよく
姿
(
すがた
)
の
似
(
に
)
ている、
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
にきて
休
(
やす
)
みました。
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小西
(
こにし
)
は、
青木
(
き
)
の
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
した
眼鏡
(
めがね
)
を
見
(
み
)
つめました。なるほど、
片方
(
かたほう
)
の
玉
(
たま
)
に
白
(
しろ
)
いひびが
入
(
はい
)
っています。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そんなとき、どうするかというに、
火
(
ひ
)
のもえていく
何
(
なん
)
十メートルか
先
(
さき
)
の
林
(
はやし
)
を
切
(
き
)
りはらって、あきちをつくるのだ。そして、
火事
(
かじ
)
のある
森
(
もり
)
の
片方
(
かたほう
)
のはしへ
火
(
ひ
)
をつけるのだ。
赤土へくる子供たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いままで
遊
(
あそ
)
びに
気
(
き
)
をとられていた
子供
(
こども
)
らは、
目
(
め
)
を
丸
(
まる
)
くしてそのじいさんの
周囲
(
しゅうい
)
に
集
(
あつ
)
まって、
片方
(
かたほう
)
の
箱
(
はこ
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
てたいろいろの
小旗
(
こばた
)
や、
不思議
(
ふしぎ
)
な
人形
(
にんぎょう
)
などに
見入
(
みい
)
ったのです。
空色の着物をきた子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このごろ
母
(
はは
)
ばちの
片方
(
かたほう
)
の
羽
(
はね
)
がすこし
破
(
やぶ
)
れているのを
考
(
かんが
)
えると、
胸
(
むね
)
が
痛
(
いた
)
くなるのを
感
(
かん
)
じました。
ある夏の日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あちらの
空
(
そら
)
は、
真
(
ま
)
っ
青
(
さお
)
で
海
(
うみ
)
の
色
(
いろ
)
をし、また
片方
(
かたほう
)
の
空
(
そら
)
は
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
で、
日
(
ひ
)
が
沈
(
しず
)
みかけていました。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は
教
(
おし
)
えられた
牛乳店
(
ぎゅうにゅうてん
)
へいきましたが、
店
(
みせ
)
さきに、
西日
(
にしび
)
が
当
(
あ
)
たってテーブルの
上
(
うえ
)
には、
新聞
(
しんぶん
)
が
拡
(
ひろ
)
げられていました。そして
片方
(
かたほう
)
のたなには
空
(
あ
)
きびんがずらりと
並
(
なら
)
んでいました。
野菊の花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
新
(
しん
)
ちゃんは
腰
(
こし
)
に
長
(
なが
)
いものさしをさし、
片方
(
かたほう
)
の
目
(
め
)
をつぶって、
片方
(
かたほう
)
の
手
(
て
)
をうしろにかくしながら、
頭
(
あたま
)
をちょっとかしげて、みんながお
話
(
はなし
)
をしているところへ、いばって
出
(
で
)
てきました。
片目のごあいさつ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「なにしろ、
小
(
ちい
)
さいものだから、ちょっとわからないだろう。」と、おじいさんは、
片方
(
かたほう
)
のつるがはずれて、かけられなくなった
眼鏡
(
めがね
)
を
持
(
も
)
ちながら、
困
(
こま
)
った
顔
(
かお
)
つきをしていられました。
小さなねじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
きよは、
困
(
こま
)
ってしまいました。
障子
(
しょうじ
)
の
破
(
やぶ
)
れからのぞくと、
子供
(
こども
)
は、
病気
(
びょうき
)
とみえて、
床
(
とこ
)
について、ねていました。そのまくらもとには、
片方
(
かたほう
)
の
車
(
くるま
)
のとれたタンクが、ころがっていました。
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
街
(
まち
)
はずれの
空
(
あ
)
き
地
(
ち
)
で、
黒
(
くろ
)
い
支那服
(
しなふく
)
を
着
(
き
)
た
親方
(
おやかた
)
は、
太
(
ふと
)
い
鉄棒
(
てつぼう
)
をぶんぶんと
振
(
ふ
)
りまわしたり、それを
空
(
そら
)
へ
高
(
たか
)
く
投
(
な
)
げ
上
(
あ
)
げて、
上手
(
じょうず
)
に
受
(
う
)
け
取
(
と
)
ったり、また、
片方
(
かたほう
)
の
茶
(
ちゃ
)
わんに
隠
(
かく
)
した、
赤
(
あか
)
や
白
(
しろ
)
の
玉
(
たま
)
を
春風の吹く町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あいつが、
植木鉢
(
うえきばち
)
に
小便
(
しょうべん
)
をかけたし、いつかくつが
片方
(
かたほう
)
失
(
な
)
くなったのも、きっとあいつがどこかへくわえていったのだ。」と、
叔父
(
おじ
)
は、
答
(
こた
)
えたが、なんの
理由
(
りゆう
)
もつけずにいじめるのは
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
子
(
こ
)
が、このあいだから、
手
(
て
)
が
痛
(
いた
)
いといいますので、
今日
(
きょう
)
きて
見
(
み
)
てもらいますと、もうておくれになっているので、すぐに
片方
(
かたほう
)
の
腕
(
うで
)
を
切
(
き
)
りとってしまわなければ、
命
(
いのち
)
がないとおっしゃいます。
きつねをおがんだ人たち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「よく
似
(
に
)
た
木
(
き
)
もあったものだ。やはり、
片方
(
かたほう
)
の
技
(
えだ
)
が
折
(
お
)
れていたっけが。」
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まっかな
洋服姿
(
ようふくすがた
)
のおどり
子
(
こ
)
の
人形
(
にんぎょう
)
が、
片方
(
かたほう
)
の
足
(
あし
)
を
上
(
あ
)
げて
立
(
た
)
っていました。
空にわく金色の雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
片方
(
かたほう
)
の
中
(
なか
)
には、あめが
入
(
はい
)
っていると
思
(
おも
)
われました。みんなは、これまで
村
(
むら
)
へたびたびやってきたあめ
売
(
う
)
りのじいさんを
知
(
し
)
っています。しかし、そのじいさんはどうしたか、このごろこなくなりました。
空色の着物をきた子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“片”で始まる語句
片
片隅
片手
片端
片頬
片時
片側
片膝
片足
片唾