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奇妙
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きみょう
ふりがな文庫
“
奇妙
(
きみょう
)” の例文
もっとも
山
(
やま
)
一つ
越
(
こ
)
せば、
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
らないのに、こちらは、
雪
(
ゆき
)
が四
尺
(
しゃく
)
も五
尺
(
しゃく
)
もあるのだから、まったく
自然
(
しぜん
)
の
現象
(
げんしょう
)
ばかりは
奇妙
(
きみょう
)
なものだ。
風雨の晩の小僧さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
子家鴨
(
こあひる
)
はみんなが
連
(
つ
)
れだって、
空
(
そら
)
高
(
たか
)
くだんだんと
昇
(
のぼ
)
って
行
(
い
)
くのを
一心
(
いっしん
)
に
見
(
み
)
ているうち、
奇妙
(
きみょう
)
な
心持
(
こころもち
)
で
胸
(
むね
)
がいっぱいになってきました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
しかし
奇妙
(
きみょう
)
なことには、重吉は目から鼻へ
抜
(
ぬ
)
けるほどの
利口者
(
りこうもの
)
でしたが、六兵衛は
反対
(
はんたい
)
に何をやらせても、のろまで
馬鹿
(
ばか
)
でした。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ぼくは
其処
(
そこ
)
のところが、
奇妙
(
きみょう
)
に好きで、誰もいないのを幸い、何遍も何遍もかけ直しては、面をたれて、歌をきいていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ふしぎや、
小文治
(
こぶんじ
)
の
槍
(
やり
)
も民部の太刀も、その
奇妙
(
きみょう
)
な
構
(
かま
)
えを、どうしても破ることができない。ところへ、同時にかけあつまったまえの三人。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
お
百姓
(
ひゃくしょう
)
はふしぎに
思
(
おも
)
って、そっとそばに
寄
(
よ
)
ってみますと、それは
奇妙
(
きみょう
)
な
顔
(
かお
)
をして、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
逆立
(
さかだ
)
った、
体
(
からだ
)
の
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
な、
子供
(
こども
)
のような
形
(
かたち
)
のものでした。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『これは
奇妙
(
きみょう
)
な
妄想
(
もうぞう
)
をしたものだ。』と、
院長
(
いんちょう
)
は
思
(
おも
)
わず
微笑
(
びしょう
)
する。『では
貴方
(
あなた
)
は
私
(
わたくし
)
を
探偵
(
たんてい
)
だと
想像
(
そうぞう
)
されたのですな。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
父はわたしに、
奇妙
(
きみょう
)
な
影響力
(
えいきょうりょく
)
を持っていたし、そう言えば、
互
(
たが
)
いの関係にしたところで、やはり奇妙なものだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
それは
奇妙
(
きみょう
)
な音色をあげつつ、かわっていった。と、二人は
俄
(
にわか
)
に
胸
(
むな
)
さきがわるくなって、はきそうになった。
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それが
奇妙
(
きみょう
)
で、学校の門を出るとすぐに題が心に浮んで、わずかの道の中ですっかり
姿
(
すがた
)
が
纏
(
まと
)
まりました。」
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私
(
わたくし
)
は
何
(
なに
)
やら
奇妙
(
きみょう
)
な
感
(
かん
)
じ……
予
(
かね
)
て
考
(
かんが
)
えていたのとはまるきり
異
(
ちが
)
った、
何
(
なに
)
やらしみじみとせぬ、
何
(
なに
)
やら
物足
(
ものた
)
りない
感
(
かん
)
じに、はっと
愕
(
おどろ
)
かされたのでございます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ところが、
奇妙
(
きみょう
)
な男がやってきてからというものは、おかみさんも
主人
(
しゅじん
)
のホールもすっかり
落
(
お
)
ちつきをなくしてしまい、ともすれば
暗
(
くら
)
い気もちにおそわれるのだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
その顔は「面」のように作られ、
奇妙
(
きみょう
)
に清らかな「死相」を感じさせる。天空の
彼方
(
かなた
)
から吹き来たる風が、衣裳の
袂
(
たもと
)
や、手にした竹の枝葉をかすかに揺らしている。……
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
真珠
(
しんじゅ
)
の眼玉を持ってる小鳥のことだの、空いっぱいにまっ赤な花を開いた大きな草のことだの、
奇妙
(
きみょう
)
な声で歌いながら踊る虫のことだの、五色の息を吐く怪物のことだの
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼もまた死人を見たいと云う、人間に特有な
奇妙
(
きみょう
)
な、好奇心に
囚
(
とら
)
われてしまった。彼は
幾何
(
いくばく
)
かの
強力
(
ごうりき
)
をもって、群衆の層の中へと、自分の身を
割込
(
わりこ
)
ませて行ったのである。
死者を嗤う
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
富士男はトンネルの奥で、しきりに
壁
(
かべ
)
をほっていると、どこやらに
奇妙
(
きみょう
)
なうなり声をきいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そうした
奇妙
(
きみょう
)
な日本語は、時にしばしば、家庭内のユーモラスな流行語となったであろう。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
私自身も初めてこの村へ来た当時は、何度も道に迷ってしまった位ではあったし、それにまたそんなことからして一人の少女と私との
奇妙
(
きみょう
)
な近づきが始まったりしたので、私は
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
この一週間は、塾生たちにとっては、まったく
奇妙
(
きみょう
)
な感じのする一週間だった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
曇
(
くも
)
っていた空は少しずつ晴れまを見せ、ま昼の太陽は海の上にぎらぎらしていた。二階はまぶしいほどのあかるさなのに、山に面した北窓のほうは今にも降ってきそうな、
奇妙
(
きみょう
)
な
空模様
(
そらもよう
)
である。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
父は、
奇妙
(
きみょう
)
な声で、風琴を鳴らしながら
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その
奇妙
(
きみょう
)
な岩の名の由来は分らなかった。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
奇妙
(
きみょう
)
な形の マントをひいて
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
この
奇妙
(
きみょう
)
なものは、バケツの
中
(
なか
)
で、たがいに
押
(
お
)
しくらまんじゅうをして、バケツのまわりに
頭
(
あたま
)
をつけています。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いや
入
(
い
)
らん、もう
死
(
し
)
ぬまで、ズボンや、チョッキ、
長靴
(
ながぐつ
)
には
用
(
よう
)
が
無
(
な
)
いのかも
知
(
し
)
れん。しかし
奇妙
(
きみょう
)
な
成行
(
なりゆき
)
さ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と、探偵は歯をくいしばって、博士の手のひらにのっている
奇妙
(
きみょう
)
な
幾何模型
(
きかもけい
)
みたいなものを見すえた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
日がたつにつれて、ジナイーダは、いよいよますます
奇妙
(
きみょう
)
な、えたいの知れない
娘
(
むすめ
)
になっていった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ところが、きのうあたりから、あの
蛾次郎
(
がじろう
)
が、
団子
(
だんご
)
や
焼餅
(
やきもち
)
などをたずさえて、チョクチョク白旗の森にすがたを見せ、竹童のごきげんとりをやりだしたのも
奇妙
(
きみょう
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
時間
(
じかん
)
あまりもトーマスはベンチにすわって、こんな
奇妙
(
きみょう
)
なことをくりかえしてやっていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ややもすれば
年老
(
としお
)
いて女の役の無くなる
頃
(
ころ
)
に
臨
(
のぞ
)
むと
奇妙
(
きみょう
)
にも
心状
(
こころ
)
が
焦躁
(
じれ
)
たり
苛酷
(
いらひど
)
くなったりしたがるものであるから、この女もまたそれ
等
(
ら
)
の時に臨んでいたせいででもあろうか
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
お察しの通りです。わたしは
恋
(
こい
)
をしているのです。でもそれは
奇妙
(
きみょう
)
な恋でございます。お聞きください。わたしと女とは小さい頭を
総角
(
あげまき
)
にゆっているころから知りあっていました。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
あなたは
驚
(
おどろ
)
いたように顔をあげて、ぼくをみた、
真面目
(
まじめ
)
になった、あなたの顔が、月光に、青白く輝いていた。それは、童女の
貌
(
かお
)
と、成熟した女の貌との
混淆
(
こんこう
)
による
奇妙
(
きみょう
)
な
魅力
(
みりょく
)
でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
それは
思
(
おも
)
わず
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
を
車
(
くるま
)
か
何
(
なん
)
ぞの
様
(
よう
)
に
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
な
)
げかけ、
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
くみんなの
方
(
ほう
)
に
向
(
むか
)
って
首
(
くび
)
をさし
伸
(
の
)
べ、
大
(
おお
)
きな
声
(
こえ
)
で
叫
(
さけ
)
びますと、それは
我
(
われ
)
ながらびっくりしたほど
奇妙
(
きみょう
)
な
声
(
こえ
)
が
出
(
で
)
たのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えませんが、大ぜい
寄
(
よ
)
り
集
(
あつ
)
まって、
何
(
なに
)
かむしゃむしゃ、
食
(
た
)
べたり
飲
(
の
)
んだりしている
様子
(
ようす
)
です。そのうちにだんだん、そうぞうしくなってきて、
奇妙
(
きみょう
)
な
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
いながら
踊
(
おど
)
り
出
(
だ
)
しました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
いつか、その
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
は、
自分
(
じぶん
)
を
見
(
み
)
て、
遠
(
とお
)
くはなれている
父親
(
ちちおや
)
のことを
思
(
おも
)
うといったが、これは、またなんという
奇妙
(
きみょう
)
なことであろうと、
男
(
おとこ
)
は
考
(
かんが
)
えたのでした。
窓の下を通った男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人は、三角岳研究所の見えるところまで来たけれども、研究所の建物の
奇妙
(
きみょう
)
な形を見ると、おそろしさが急にこみあげて来て、そっちへ廻って行くのはやめにした。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ちょうどその夜、わたしは
奇妙
(
きみょう
)
な
恐
(
おそ
)
ろしい
夢
(
ゆめ
)
をみた。わたしは、
天井
(
てんじょう
)
の低い暗い部屋へ入って行くところだった。……と父が、鞭を手に
仁王立
(
におうだ
)
ちになって、足を
踏
(
ふ
)
み鳴らしていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「やア、
奇妙
(
きみょう
)
奇妙」竹童は
嬉
(
うれ
)
しさのあまり、手をたたき、踊りをおどって狂喜した。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或時
(
あるとき
)
徒然
(
つれづれ
)
なるに
任
(
まか
)
せて、
書物
(
しょもつ
)
の
明細
(
めいさい
)
な
目録
(
もくろく
)
を
編成
(
へんせい
)
し、
書物
(
しょもつ
)
の
背
(
せ
)
には
札
(
ふだ
)
を一々
貼付
(
はりつ
)
けたが、こんな
機械的
(
きかいてき
)
な
単調
(
たんちょう
)
な
仕事
(
しごと
)
が、
却
(
かえ
)
って
何故
(
なにゆえ
)
か
奇妙
(
きみょう
)
に
彼
(
かれ
)
の
思想
(
しそう
)
を
弄
(
ろう
)
して、
興味
(
きょうみ
)
をさえ
添
(
そ
)
えしめていた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
むろん、その
事件
(
じけん
)
を調べたその土地の
警察
(
けいさつ
)
からである。
奇妙
(
きみょう
)
な事件であった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そうしたとき、
奇妙
(
きみょう
)
に強く、想われるのはやはりあなたの
面影
(
おもかげ
)
でした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
さっきからのさわぎに、少年たちは寝台をけって起き、
奇妙
(
きみょう
)
な少女を見物していたのであった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、
熱心
(
ねっしん
)
に
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いていますと、一つ一つの
穴
(
あな
)
から
出
(
で
)
るものは、
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もない
音
(
ね
)
ではなくて、たしかに、いろいろ
奇妙
(
きみょう
)
な
姿
(
すがた
)
をした、
一人
(
ひとり
)
一人
(
ひとり
)
の
人間
(
にんげん
)
であるように
思
(
おも
)
われました。
赤い船のお客
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その鞄の中から、赤い
紐
(
ひも
)
が二本ぶらぶらと
垂
(
た
)
れているのが、甚だ
奇妙
(
きみょう
)
であったのと、その鞄が地面へつくと同時に、あたりが急にへんに
臭
(
くさ
)
くなったことが特記せらるべきだった。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
暗
(
くら
)
い、
夜
(
よる
)
のことであります。この
年
(
とし
)
とった
男
(
おとこ
)
は、ランプの
下
(
した
)
で
仕事
(
しごと
)
をしていますと、
急
(
きゅう
)
にじっとしていたあほう
鳥
(
どり
)
が
羽
(
は
)
ばたきをして、
奇妙
(
きみょう
)
な
声
(
こえ
)
をたてて、
室
(
しつ
)
の
中
(
なか
)
をかけまわりました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おや、機械人間が、ひとりでこっちへ歩いて来るぞ。これは
奇妙
(
きみょう
)
だ」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一つのバケツには、かにや、かめの
子
(
こ
)
が
入
(
はい
)
っていました。のぞくと、むずむずと
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
ったり、ぶつぶつとあわを
吹
(
ふ
)
いています。
他
(
た
)
の一つのバケツには、それこそ
奇妙
(
きみょう
)
なものが
入
(
はい
)
っていました。
真昼のお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どこからともなく、
北国
(
ほっこく
)
に、
奇妙
(
きみょう
)
な
男
(
おとこ
)
が
入
(
はい
)
ってきました。
薬売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“奇妙”の解説
奇妙
(出典:Wikipedia)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
妙
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
“奇妙”で始まる語句
奇妙々々
奇妙頂礼
奇妙な幕間狂言