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厄介
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やくかい
ふりがな文庫
“
厄介
(
やくかい
)” の例文
取ても卅二歳
少々
(
ちと
)
婆々
(
ばゝ
)
過
(
すぎ
)
ますけれども其代り
姑
(
しうと
)
も
厄介
(
やくかい
)
も子供も
無
(
なく
)
内
(
うち
)
は其女獨りにて若
御内儀
(
おかみ
)
さんに成ならば其こそ/\
貞女
(
ていぢよ
)
で
御亭主
(
ごていしゆ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼此
(
かれこれ
)
と
種々
(
いろ/\
)
優
(
すぐ
)
れた
簡便
(
かんべん
)
な
方法
(
はうはふ
)
を
稽
(
かんが
)
へては
見
(
み
)
たものゝ、
只
(
たゞ
)
厄介
(
やくかい
)
な
事
(
こと
)
には
何
(
ど
)
うして
其
(
そ
)
れを
實行
(
じつこう
)
すべきかと
云
(
い
)
ふ
名案
(
めいあん
)
を
持
(
も
)
たなかつたことです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「待て/\八、お前一人ぢや六づかしい、それに、今夜は何んか
厄介
(
やくかい
)
なことが起りさうな氣がしてならねえ、俺も一緒に行つてやらうよ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
併し周三は、實に
厄介
(
やくかい
)
極
(
きは
)
まる
伜
(
せがれ
)
であツた。奈何なる
威壓
(
ゐあつ
)
を加へても
頑
(
ぐわん
)
として動かなかツた。威壓を加へれば加へるほど
反抗
(
はんかう
)
の度を
昂
(
たか
)
めて來た。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
それも決して幸福な時代ではなく、新らしい規則や馴れない學課に自分を
慣
(
な
)
らすといふ
厄介
(
やくかい
)
な困難と鬪はねばならなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
元来愛郷心なるものは、県人会の世話にもならず、旧藩主の
厄介
(
やくかい
)
にもならない限り、云はば無用の長物である。東京を愛するのもこの例に
洩
(
も
)
れない。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
元々の楽天家だつたから、彼は普通の授業のほかに少年寮の副寮長などといふ、大抵の者ならば
先
(
ま
)
づ
厄介
(
やくかい
)
がる役目までも二つ返事で承諾してしまつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
お
暇
(
いとま
)
ともならば
彌々
(
いよ/\
)
病人
(
びやうにん
)
の
伯父
(
おぢ
)
に
心配
(
しんぱい
)
をかけ、
痩世帶
(
やせせたい
)
に一日の
厄介
(
やくかい
)
も
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なり、
其内
(
そのうち
)
にはと
手紙
(
てがみ
)
ばかりを
遣
(
や
)
りて、
身
(
み
)
は
此處
(
こゝ
)
に
心
(
こゝろ
)
ならずも
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
りける。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
兄
(
あに
)
の
家
(
いへ
)
に
厄介
(
やくかい
)
になりながら、もう
少
(
すこ
)
し
立
(
た
)
てば
都合
(
つがふ
)
が
付
(
つ
)
くだらうと
慰
(
なぐさ
)
めた
安之助
(
やすのすけ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
じて、
學校
(
がくかう
)
は
表向
(
おもてむき
)
休學
(
きうがく
)
の
體
(
てい
)
にして
一時
(
いちじ
)
の
始末
(
しまつ
)
をつけたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
し
病氣
(
びやうき
)
は
馬
(
うま
)
に
飮
(
の
)
ませる
藥
(
くすり
)
の
赤玉
(
あかだま
)
では
直
(
すぐ
)
には
癒
(
なほ
)
らなかつた。それで
彼
(
かれ
)
はお
品
(
しな
)
の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
な
)
る
積
(
つもり
)
で、
次
(
つぎ
)
の
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
朋輩
(
ほうばい
)
の
背
(
せ
)
に
運
(
はこ
)
ばれた。
卯平
(
うへい
)
は
澁
(
しぶ
)
り
切
(
き
)
つた
顏
(
かほ
)
で
迎
(
むか
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『いえ、あなたは、
私
(
わたし
)
といふ
女
(
をんな
)
が、あなたの
足手纒
(
あしてまと
)
ひになる
厄介
(
やくかい
)
な
女
(
をんな
)
だと
思
(
おも
)
つて、その
癖
(
くせ
)
に
今
(
いま
)
まで……』
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
あの震災当時をばさんと一緒に
潰
(
つぶ
)
され、
幸
(
さいはひ
)
にお
怪我
(
けが
)
もなくて出て、僕もさうだつたんだが、どこを頼ることもできず、僕の
厄介
(
やくかい
)
になつてをる招寿軒だからと思つて
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
ひどく
風采
(
ふうさい
)
がわるいので、どうせこの寺に
厄介
(
やくかい
)
になつてゐる
雲水
(
うんすゐ
)
坊主位のものだらう、と思つて
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
こりゃアちょっと
厄介
(
やくかい
)
だね、ねえワトソン君。どうもよほどむずかしい事件らしいよ。訪ねて来たと云う男がイライラしていたと云うことから推察しても、重大な事らしいね。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
三年前から妻子をつれて佐世保へ
出稼
(
でかせ
)
ぎに来てゐたのである。私は此の人に出逢つたおかげで、あと三里の道を歩かずにすんだ。その上私は当分此の人の家に
厄介
(
やくかい
)
になることにさへなつた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「自分は非常に
厄介
(
やくかい
)
な職業だと思ふ」と答へた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
聞
(
きゝ
)
成程
(
なるほど
)
何時
(
いつ
)
迄當院の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
なつ
)
ても居られず何分にも宜しくと頼みければ感應院も承知なして
早速
(
さつそく
)
彼
(
かの
)
片町の醫師方へ
往
(
ゆき
)
右
(
みぎ
)
の
咄
(
はなし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
暫
(
しばら
)
く
立停
(
たちどま
)
り、
其兩面
(
そのりやうめん
)
を
知
(
し
)
らうとして一
心
(
しん
)
に
菌
(
きのこ
)
を
眺
(
なが
)
めて
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
みました、それが
全
(
まつた
)
く
眞圓
(
まんまる
)
だつたので、これは
甚
(
はなは
)
だ
厄介
(
やくかい
)
な
難問題
(
なんもんだい
)
だと
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「いや
弟
(
おとゝ
)
などを
有
(
も
)
つてゐると、
隨分
(
ずゐぶん
)
厄介
(
やくかい
)
なものですよ。
私
(
わたくし
)
も
一人
(
ひとり
)
やくざなのを
世話
(
せわ
)
をした
覺
(
おぼえ
)
がありますがね」と
云
(
い
)
つて、
自分
(
じぶん
)
の
弟
(
おとうと
)
が
大學
(
だいがく
)
にゐるとき
金
(
かね
)
の
掛
(
かゝ
)
つた
事
(
こと
)
抔
(
など
)
を
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
中働
(
なかはたら
)
きの
福
(
ふく
)
かねてあら/\
心組
(
こゝろぐ
)
みの、
奧樣
(
おくさま
)
お
着下
(
きおろ
)
しの
本結城
(
ほんゆふき
)
、あれこそは
我
(
わ
)
が
物
(
もの
)
の
頼
(
たの
)
み
空
(
むな
)
しう、いろ/\
千葉
(
ちば
)
の
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
なり
)
たればとて、これを
新年着
(
はるぎ
)
に
仕立
(
した
)
てゝ
遣
(
つか
)
はされし
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
厄介
(
やくかい
)
な、不注意な子だこと! そして、何をしてゐるの? すつかり
眞赧
(
まつか
)
になつてまるでおいたをしようとしてゐたやうぢやないの? 窓を
開
(
あ
)
けて、何をするつもりだつたの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「もう一人
厄介
(
やくかい
)
なのがゐますよ。菊屋の主人と無二の仲で、
猫又法印
(
ねこまたほふいん
)
佐多田無道軒」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後
(
あと
)
で
厄介
(
やくかい
)
に
成
(
な
)
らなくちや
成
(
な
)
らないんだから
子供
(
こども
)
の
面倒
(
めんだう
)
は
見
(
み
)
ないな
間違
(
まちがひ
)
だよ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
以て
取續
(
とりつゞ
)
きの
出來
(
できる
)
樣
(
やう
)
頼み申度尤も
丸々
(
まる/\
)
貴樣の
厄介
(
やくかい
)
に
懸
(
かけ
)
ると
云
(
いふ
)
譯
(
わけ
)
には非ず是は
聊
(
いさゝ
)
かなれども何ぞ商賣でも初めさせて下されよと後藤は
用意
(
ようい
)
の金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
この
)
大
(
おほ
)
きな
庵
(
あん
)
を、たつた
一人
(
ひとり
)
で
預
(
あづ
)
かつてゐるさへ、
相應
(
さうおう
)
に
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れるのに、
其上
(
そのうへ
)
に
厄介
(
やくかい
)
が
増
(
ま
)
したら
嘸
(
さぞ
)
迷惑
(
めいわく
)
だらうと、
宗助
(
そうすけ
)
は
少
(
すこ
)
し
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
色
(
いろ
)
を
外
(
ほか
)
に
動
(
うご
)
かした。すると
宜道
(
ぎだう
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
針鼠
(
はりねずみ
)
は
他
(
た
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
と
鬪
(
たゝか
)
つてゐました、それが
愛
(
あい
)
ちやんには、二
疋
(
ひき
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
が
他
(
た
)
の一
疋
(
ぴき
)
の
針鼠
(
はりねずみ
)
を
好
(
い
)
いやうに
使
(
つか
)
つて、
互
(
たがひ
)
に
勝負
(
しやうぶ
)
を
爭
(
あらそ
)
つてるやうに
見
(
み
)
えました、
只一
(
たゞひと
)
つ
厄介
(
やくかい
)
な
事
(
こと
)
には
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
一番
厄介
(
やくかい
)
な、正式に這入つてゆく面倒を
避
(
さ
)
ける方法をお教へしませう。皆さまが
食卓
(
しよくたく
)
からお立ちにならない前に、誰もゐらつしやらない、お客間に這入つて行かなくてはなりません。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
桂次
(
けいじ
)
が
思
(
おも
)
ひやりに
比
(
く
)
べては
遙
(
はる
)
かに
落
(
おち
)
つきて
冷
(
ひや
)
やかなる
物
(
もの
)
なり、おぬひさむ
我
(
わ
)
れがいよ/\
歸國
(
きこく
)
したと
成
(
な
)
つたならば、あなたは
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふて
下
(
くだ
)
さろう、
朝夕
(
あさゆふ
)
の
手
(
て
)
がはぶけて、
厄介
(
やくかい
)
が
减
(
へ
)
つて
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「鎌の鼻——か、面白いな。ところで寅吉親分、
斯
(
か
)
う暗くなつちや、鎌や鍬で寸法を取つて歩くのも
厄介
(
やくかい
)
だ。今晩は親分のところへ厄介になつて、明日の朝うんと早く來て見るとしようか」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
野田
(
のだ
)
へ
行
(
い
)
けば
比較的
(
ひかくてき
)
に
不自由
(
ふじいう
)
のない
生活
(
せいくわつ
)
がして
行
(
い
)
かれるので
汝等
(
わつら
)
が
厄介
(
やくかい
)
には
成
(
な
)
らねえでも
俺
(
おれ
)
はまだ
立
(
たつ
)
て
行
(
い
)
かれると、
恁
(
か
)
うして
哀愁
(
あいしう
)
に
掩
(
おほ
)
はれた
心
(
こゝろ
)
の一
方
(
ぱう
)
には
老人
(
としより
)
の
僻
(
ひが
)
みと
愚癡
(
ぐち
)
とが
起
(
おこ
)
つたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その時皆んなが駈け付けて、主人が人手に掛つて死んだと知れては
厄介
(
やくかい
)
だから、あとの面倒がないやうに、首の細引を解き、手近の押入にあつた赤い
扱帶
(
しごき
)
を出して首に卷き、もう一度自殺に
拵
(
こしら
)
へた。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これがなか/\に
厄介
(
やくかい
)
な問題を含んで居さうです。
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
厄
常用漢字
中学
部首:⼚
4画
介
常用漢字
中学
部首:⼈
4画
“厄介”で始まる語句
厄介者
厄介物
厄介払
厄介事
厄介人
厄介女
厄介神
厄介視
厄介船
厄介千万