トップ
>
何卒
>
どうぞ
ふりがな文庫
“
何卒
(
どうぞ
)” の例文
「実は、今、あの話を三吉さんにしましたところですよ」とお倉は力を入れて、「
何卒
(
どうぞ
)
まあ
事業
(
しごと
)
の方も好い具合にまいりますと……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
然
(
しか
)
し
私
(
わたし
)
は
少
(
すこ
)
しも
身體
(
からだ
)
に
異状
(
いじやう
)
は
無
(
な
)
いです、
壯健
(
さうけん
)
です。
無暗
(
むやみ
)
に
出掛
(
でか
)
ける
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ません、
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたし
)
の
友情
(
いうじやう
)
を
他
(
た
)
の
事
(
こと
)
で
何
(
なん
)
とか
證
(
しよう
)
させて
下
(
くだ
)
さい。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
よくお帰りで、
何卒
(
どうぞ
)
今晩一晩お泊め下されば有難い事で、追々夜が更けますから、何卒一晩
何様
(
どん
)
な処でも寝かして下されば宜しいので
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
上気せる美くしき梅子のあどけなき
面
(
かほ
)
を銀子は女ながらに
惚
(
ほ
)
れ
惚
(
ぼ
)
れと眺め「私が悪るかつたの、梅子さん、
何卒
(
どうぞ
)
聴かして下ださいな」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
紫縮緬
(
むらさきぢりめん
)
の被布を買つて貰つた嬉しさと、少し薄暗いやうな部屋に、ピカ/\光る着物を着た番頭に「
何卒
(
どうぞ
)
こちらへ」と案内されて
買ひものをする女
(新字旧仮名)
/
三宅やす子
(著)
▼ もっと見る
『今の中ですもの、
何卒
(
どうぞ
)
お供をさせてやって下さいまし。もう十八ですから、お役にこそ立て、決して足手纒いにはなりますまい』
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「藍丸王様。
青眼爺
(
あおめじい
)
で御座います。お召しに依って参りました。何の御用で入らせられまするか。
何卒
(
どうぞ
)
何なりと御仰せ付けを願います」
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
恥
(
はず
)
かしながら
私
(
わたくし
)
は一
時
(
じ
)
は
神様
(
かみさま
)
も
怨
(
うら
)
みました……
人
(
ひと
)
を
呪
(
のろ
)
いもいたしました……
何卒
(
どうぞ
)
その
頃
(
ころ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
丈
(
だけ
)
は
差控
(
さしひか
)
えさせて
戴
(
いただ
)
きます……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と、しんみり云つて聴かせてから、襖を締めて立たうとすると、「待つて下さい、
何卒
(
どうぞ
)
そこにゐて下さい」とでも云ふやうに、又
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ヂュリ ほんに
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢゃ、
氣分
(
きぶん
)
が
惡
(
わる
)
うてはなァ。したが、
乳母
(
うば
)
、
乳母
(
うば
)
や、
乳母
(
うば
)
いなう、
何卒
(
どうぞ
)
言
(
い
)
うてたも、
戀人
(
こひゞと
)
が
何
(
なん
)
と
被言
(
おッしゃ
)
った?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さるゝも
嫌
(
いや
)
さに
默止
(
もだし
)
居
(
ゐ
)
れば
駕籠舁
(
かごかき
)
共は夫婦に向ひもし旦那
戻
(
もどり
)
駕籠ゆゑ
御安直
(
おやすく
)
參りやす
何卒
(
どうぞ
)
お
乘
(
のり
)
なされといひけるに浪人夫婦は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
左樣
(
さう
)
でせう、確かに左樣だらうと思つた、サ、
何卒
(
どうぞ
)
お二階にお上り下さい、實は東京からあなたを
探
(
たづ
)
ねていらした方があるのです、と言ふ。
熊野奈智山
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
何卒
(
どうぞ
)
ゆっくりお
寝
(
やす
)
みになって下さい。今女中にお床をのべさせますから、本当にこんな所で先生に御目にかかれようとは思いませんでした。
I駅の一夜
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「
何卒
(
どうぞ
)
いつまでも/\殿様になつてゐて下さい。」と申しましたが、万作は頭を横に振つて、さつさと御殿を出て行きました。
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
父も母も宜しく申しましたというと、又「はい」という。
何卒
(
どうぞ
)
何分願いますというと、一段声を
張揚
(
はりあ
)
げて、「はアい」という。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何卒
(
どうぞ
)
一緒に連れて行て
呉
(
く
)
れないかと
云
(
いっ
)
た所が、連れて行こうと云うことになって、私は小野に
随従
(
ずいじゅう
)
して行くことになりました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何卒
(
どうぞ
)
わたしを罪にして下さい……そして
彼
(
あれ
)
のためには『情状酌量』をお願いいたします……重々悪うございました、判事様
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
『や、小川さんですか。』と
計量器
(
メートルグラス
)
を持つた儘で、『さ
何卒
(
どうぞ
)
お上り下さいまし。』と、無理に
擬
(
ま
)
ねた様な
訛言
(
なまり
)
を使つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
此方
(
こちら
)
でそう言うと、此度は向から優しく出るの。そうして
何卒
(
どうぞ
)
これまでのようになっていてくれというの。……私は、『厭だ!』と言ってやった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「まあ、何をなさるんでございます、
何卒
(
どうぞ
)
お静かに、お師匠様もお静かに、おかみさんも手荒いことをなさらずに」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(
何
(
なに
)
、いけませんければ
跣足
(
はだし
)
になります
分
(
ぶん
)
のこと、
何卒
(
どうぞ
)
お
構
(
かま
)
ひなく、
嬢様
(
ぢやうさま
)
に
御心配
(
ごしんぱい
)
をかけては
済
(
す
)
みません。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
した。主人の
俺
(
わし
)
が
斯
(
こ
)
う手をついてあやまるから、
何卒
(
どうぞ
)
内済
(
ないさい
)
にしてくれ。其かわり君の将来は必俺が面倒を見る。
屹度
(
きっと
)
成功さす。これで一先ず内地に帰ってくれ
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「あの、
何卒
(
どうぞ
)
お構いなく」娘は
赫
(
あか
)
くなって下を向いた。その
生
(
う
)
ぶな優しさがフリント君の心を捕えた。
夜汽車
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
其時
(
そのとき
)
村
(
むら
)
の
内
(
うち
)
に
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
としより
)
がありまして、
其塲
(
そのば
)
に
驅
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
參
(
まい
)
り、
錢
(
おあし
)
を
呑
(
の
)
んだと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
を
聞
(
きい
)
たが
就
(
つい
)
ては、
私
(
わたくし
)
が
實驗
(
じつけん
)
があるから、
其
(
そ
)
れをば
何卒
(
どうぞ
)
行
(
や
)
ツて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れ、
其法
(
そのはう
)
と
申
(
まう
)
すは
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
『エミルもクレエルも僕も空には何んにもない事がよく分りました。それから、もつと
何卒
(
どうぞ
)
。』
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
その時大方
魔酔剤
(
ますいざい
)
を
嗅
(
かが
)
されたものと見えます。
何卒
(
どうぞ
)
一刻も早く、旅館へ連れていって下さい。
斯
(
こ
)
うしている間にも、父様の上にどんな恐ろしい事が起るかも知れないのです。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
夫
(
そ
)
れはお
前
(
まへ
)
が
嫌
(
い
)
やだといふのも
知
(
し
)
れてるけれども
何卒
(
どうぞ
)
我
(
お
)
れの
肩
(
かた
)
を
持
(
も
)
つて、
横町組
(
よこてうぐみ
)
の
耻
(
はじ
)
すゝぐのだから、ね、おい、
本家本元
(
ほんけほんもと
)
の
唱歌
(
しようか
)
だなんて
威張
(
ゐば
)
りおる
正太郎
(
しようたらう
)
を
取
(
とつ
)
ちめて
呉
(
く
)
れないか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
就いてはこの暮にでも結婚させたいと思ひますが、
何卒
(
どうぞ
)
そこの所をお
掬
(
く
)
み下すつて……
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてその時わたしは
何卒
(
どうぞ
)
貴方のお
死
(
しに
)
なさる時、今一
度
(
ど
)
お側へ来たいと心に祈って死にました。それは貴方に怖い思をさせたり、貴方を
窘
(
いじ
)
めたりしようというのではございませぬ。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
どうぞ、
何卒
(
どうぞ
)
、大将にはおっしゃらないで下さい、お願いです、と何度も同じことを繰り返し、蟇口から十円紙幣を三枚出して餉台の上に置き、立ち上り、悄然として出て行った。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
『さうとも、
兒玉
(
こだま
)
さん
僕
(
ぼく
)
の
言
(
い
)
つたことはお
氣
(
き
)
に
觸
(
さは
)
らんやうに
願
(
ねが
)
ひます。
何卒
(
どうぞ
)
その
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
のことを
話
(
はな
)
して
貰
(
もら
)
ひたいものです』とハーバードは
前言
(
ぜんげん
)
のお
謝罪
(
わび
)
にオックスホードに
贊成
(
さんせい
)
した。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今あなたがそんな事を云つては芝居がやれなくなりますから
何卒
(
どうぞ
)
我慢してやつて頂きたい。あなたの技藝は我々が始終賞めてゐるのですから、我々の爲にと思つて一とつ是非奮發して頂きたい。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
お浪は女の物やさしく、幸ひ傷も肩のは浅く大した事ではござりませねば
何卒
(
どうぞ
)
お案じ下されますな、態〻御見舞下されては
実
(
まこと
)
に恐れ入りまする、と如才なく口はきけど言葉遣ひのあらたまりて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
何卒
(
どうぞ
)
はあ、
決
(
けつ
)
してやりませんから、へえお
内儀
(
かみ
)
さんどうぞ」
勘次
(
かんじ
)
は
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
うて
前屈
(
まへかゞみ
)
になつた
身體
(
からだ
)
を
幾度
(
いくど
)
か
屈
(
かゞ
)
めていつた。
涙
(
なみだ
)
が
又
(
また
)
ぼろ/\と
衣
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
から
跳
(
は
)
ねてほつ/\と
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
に
點
(
てん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「さあ、
何卒
(
どうぞ
)
御覧下さい」と云いながら彼は手袋を探偵に渡した。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
愛の
冷
(
ひえ
)
きつた世でござる、
何卒
(
どうぞ
)
箙
(
えびら
)
の矢をとつて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「これは御丁寧なる。
何卒
(
どうぞ
)
御打ち下されい」
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
何もございませんがここで
何卒
(
どうぞ
)
御寛
(
ごゆる
)
り
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『
何卒
(
どうぞ
)
お願ひします。』
監獄挿話 面会人控所
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
「叔母さん、すこし
吾家
(
うち
)
も片付きました。ちと
何卒
(
どうぞ
)
被入
(
いらし
)
って下さい。
経師屋
(
きょうじや
)
を頼みまして、二階から
階下
(
した
)
まですっかり張らせました」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
つい此の小僧に心が引かされて、お兄様やお母様に不孝を致します、せめて此の與之助が
四歳
(
よっつ
)
か
五歳
(
いつゝ
)
に成ります迄
何卒
(
どうぞ
)
お待ち遊ばして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何卒
(
どうぞ
)
青眼先生、是非その悪魔を退治て下さい。貴方は病気の事ばかりでなく悪魔の事までも詳しく御存じだ。
何卒
(
どうぞ
)
何卒御頼みします
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
アヽ、梅子さん、
何卒
(
どうぞ
)
我国に
於
(
お
)
ける、社会主義の
母
(
マザア
)
となつて下ださい、
母
(
マザア
)
となつて下ださい、是れが篠田長二
畢生
(
ひつせい
)
の御願であります
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
と、しんみり云つて聴かせてから、襖を締めて立たうとすると、「待つて下さい、
何卒
(
どうぞ
)
そこにゐて下さい」とでも云ふやうに、又
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何卒
(
どうぞ
)
是非
(
ぜひ
)
一つ
聽
(
き
)
いて
頂
(
いたゞ
)
きたい、と
云
(
い
)
ふのは、
實
(
じつ
)
は
然云
(
さうい
)
ふ
譯
(
わけ
)
であるから、
寧
(
むしろ
)
君
(
きみ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
入
(
はひ
)
られた
方
(
はう
)
が
得策
(
とくさく
)
であらうと
考
(
かんが
)
へたのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すべて
天狗
(
てんぐ
)
に
限
(
かぎ
)
らず、
幽界
(
ゆうかい
)
の
住人
(
じゅうにん
)
は
化
(
ばけ
)
るのが
上手
(
じょうず
)
でございますから、あなた
方
(
がた
)
も
何卒
(
どうぞ
)
そのおつもりで、
私
(
わたくし
)
の
物語
(
ものがたり
)
をきいて
戴
(
いただ
)
き
度
(
と
)
う
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
『や、小川さんですか。』と計量器を持つた儘で、『さ
何卒
(
どうぞ
)
お上り下さいまし。』と無理に
擬
(
ま
)
ねた樣な
訛言
(
なまり
)
を使つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
打まもり夫は又
聞
(
きこ
)
えぬ
仰
(
おほせ
)
ぞや御前に別れて
外々
(
ほか/\
)
へ
縁付
(
えんづく
)
やうな私ぢやない氣の
弱
(
よわ
)
い事を云ず共コレ
父樣
(
とゝさま
)
何卒
(
どうぞ
)
九助が
命乞
(
いのちごひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今までだッてもそうだ、
何卒
(
どうぞ
)
マア文さんも首尾よく立身して、早く
母親
(
おっか
)
さんを
此地
(
こっち
)
へお呼び申すようにして上げたいもんだと思わない事は唯の一日も有ません。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私がその者に云うに、
何卒
(
どうぞ
)
その言葉を忘れて
呉
(
く
)
れるな、見て居る前で福澤の一家残らず
裸体
(
はだか
)
になって出て行くから、七十万で
買
(
かっ
)
て貰いたい、財産は帳面のまゝ渡して
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
卒
常用漢字
小4
部首:⼗
8画
“何卒”で始まる語句
何卒々々