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伐
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き
ふりがな文庫
“
伐
(
き
)” の例文
それが
前
(
まへ
)
に
言
(
い
)
つたように
人間
(
にんげん
)
が
多
(
おほ
)
くなるにつれて
木材
(
もくざい
)
がいよ/\
多
(
おほ
)
く
必要
(
ひつよう
)
となり、どんどん
伐
(
き
)
るため、
村落
(
そんらく
)
に
近
(
ちか
)
い
山
(
やま
)
の
木
(
き
)
はもとより
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
借りた方は
精々
(
せっせっ
)
と
樹
(
き
)
を
伐
(
き
)
り出して、
貸元
(
かしもと
)
の店へ材木を並べるばかり。追っかけられて見切って売るのを、安く買い込んでまた
儲
(
もう
)
ける。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
農夫は畠か森で、耕したり木を
伐
(
き
)
ったりして終日ひとりで働きしかも孤独を感じないですむ。それは彼が仕事をしているからである。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
京橋尻の、もと梅賀がいた家の近くに、河に添って広い空地があり、
伐
(
き
)
り残された
団栗林
(
どんぐりばやし
)
のわきに、軒傾いた木賃宿が二、三軒ある。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小木
(
せうぼく
)
は
枝
(
えだ
)
諸共
(
もろとも
)
に
伐
(
き
)
り
倒
(
たほ
)
して
猛進
(
まうしん
)
するのであるから、
如何
(
いか
)
なる
險山
(
けんざん
)
深林
(
しんりん
)
に
會
(
くわい
)
しても、
全
(
まつた
)
く
進行
(
しんかう
)
を
停止
(
ていし
)
せらるゝやうな
患
(
うれひ
)
はないのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
帰路
(
きろ
)
余は少し一行に
後
(
おく
)
れて、
林中
(
りんちゅう
)
にサビタのステッキを
伐
(
き
)
った。足音がするのでふっと見ると、
向
(
むこ
)
うの
径
(
こみち
)
をアイヌが三人歩いて来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その周囲には
春楡
(
はるにれ
)
や
山毛欅
(
ぶな
)
などの巨大な樹木が自然のままに
伐
(
き
)
り残されていて、ひと棟の白壁の建物が樹木の間に見え隠れていた。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
其
(
そ
)
れ
程
(
ほど
)
ならば
何故
(
なぜ
)
彼
(
かれ
)
は
蜀黍
(
もろこし
)
の
穗
(
ほ
)
を
伐
(
き
)
ることを
敢
(
あへ
)
てしたのであつたらうか。
彼
(
かれ
)
は
此
(
こ
)
れまでも
畑
(
はたけ
)
の
物
(
もの
)
を
盜
(
と
)
つたのは一
度
(
ど
)
や二
度
(
ど
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
我々、老人は、もうこの山の上では、必要ではなくなりました。富岡技官も、まづ、木を
伐
(
き
)
るよりも、弁論家にならなければ駄目ですな
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
沢川の根というところは少しく平になっている、数年前会社で木を
伐
(
き
)
り出した時に、六尺幅ほどの林道を作ったその跡だという。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
その寺はすでに駒込へ移ることになっており、境内の木などもおおかた
伐
(
き
)
られていたが、そこにある橋は、まだ吉祥寺橋と呼ばれていた。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
十数畳の大広間片側に金屏風を
繞
(
めぐ
)
らし、十四、五の少女一枝の牡丹を
伐
(
き
)
り来りてこれを
花瓶
(
かびん
)
に
挿
(
はさ
)
まんとすれば
頻
(
しき
)
りにその名を呼ぶ者あり
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
阿父
(
おやぢ
)
の大事な桜の木を
伐
(
き
)
つて、嘘一つ
吐
(
つ
)
き得なかつたジヨオージ・ワシントンが先づそれで、食事をするにはいつも
肉刀
(
ナイフ
)
で済ましてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「なんだと、にせものだからにせものと云つたんだ。生意気いふと、あした
斧
(
をの
)
をもつてきて、片つぱしから
伐
(
き
)
つてしまふぞ。」
かしはばやしの夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
試みに南天の幹を
伐
(
き
)
って見ると、必ずその切口の下の方にある用意の芽から、時こそ来れと新しく
芽出
(
めだ
)
って来るのを見受ける。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それから、附近を
詮索
(
せんさく
)
して水道の工事があり、やがて開墾にとりかかって、草木を焼き、或いは
伐
(
き
)
り、開くあとから種を
蒔
(
ま
)
きはじめました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
十二月の十三日に、山に入って木を
伐
(
き
)
って来る習わしがあるか。この日を正月支度の始めとする慣例または言い伝えがあるか。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いま、
人間
(
にんげん
)
は、ひじょうな
勢
(
いきお
)
いで、いたるところで
木
(
き
)
を
伐
(
き
)
り
倒
(
たお
)
している。いつ、この
林
(
はやし
)
の
方
(
ほう
)
へも
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せてくるかしれない。
あらしの前の木と鳥の会話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あいにくこの事実がわかったころには同時にこの肝心の材料がおおかた
伐
(
き
)
り尽くされてなくなった事がわかったそうである。
災難雑考
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
城の前には、
能美河
(
のうみがわ
)
、
新道
(
しんどう
)
河が流れ、この二つの川の落ち合うところは、大木を
伐
(
き
)
って
逆茂木
(
さかもぎ
)
とし、水流をせき止めるために杭を打ち渡した。
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
山の木を
伐
(
き
)
ったり、土を掘りくりかえしたり——つまり、これは一人前だ、と、そう認める
膂力
(
りょりょく
)
であった。労働に耐え得る体格であったのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「昔はこの木曾山の木一本
伐
(
き
)
ると、首一つなかったものだぞ」なぞと言って、陣屋の役人から
威
(
おど
)
されたのもあの時代だ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
猟師は楓の細木を
伐
(
き
)
り
朴
(
たお
)
し、枝葉を払わないままで、柱を立て、私たちの用意して来た、二畳敷ほどな油紙二枚を、人字形に懸けて、家根を作る。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
これらは皆チベット政府の属領ですが、この辺から樹を
伐
(
き
)
り出したところでチベット内地に持って行くことは出来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「それは、僕の望むところだ、」と彼は
獨語
(
ひとりごと
)
のやうに云つた。「それこそ僕の望むところだ。道には色々の障りがある。それは
伐
(
き
)
り倒すばかりだ。 ...
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
なお行くと、林から
伐
(
き
)
って来た樹を、そのまんま門にして、緑の葉っぱで飾った凱旋門みたいなものが行手に見えた。
ソヴェトのピオニェールはなにして遊ぶか
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
己
(
おれ
)
はずっと昔から山奥の
洞穴
(
ほらあな
)
で、
神代
(
かみよ
)
の夢ばかり見ていたが、お前が木を
伐
(
き
)
りに来始めてからは、その笛の音に誘われて、毎日面白い思をしていた。
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
甲斐守は之を
指
(
ゆびさ
)
し藩中の士を顧みて、この木はわが幽閉の紀念である。今は用なければ
伐
(
き
)
って
薪木
(
たきぎ
)
にでもせられたがよいと言って笑ったそうである。
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
吾家に
錫
(
しゃく
)
を
止
(
とど
)
め給ひてその巻物を
披見
(
ひけん
)
せられ、仏前に
引摂結縁
(
いんじょうけちえん
)
し給ひて
懇
(
ねんごろ
)
に
読経供養
(
どきょうくよう
)
を賜はりし
後
(
のち
)
、裏庭に在りし
大栴檀樹
(
だいせんだんじゅ
)
を
伐
(
き
)
つて其の
赤肉
(
せきにく
)
を選み
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「そうだ。首
伐
(
き
)
りをすればいい。首を伐って武勇を示せば、人々の尊敬をかち得るし、あわよくば再び女までも手に入れることが出来るかもしれない」
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
譬
(
たと
)
えば大樹を
伐
(
き
)
るに、先ず
附枝
(
ふし
)
を
剪
(
き
)
るが如し、親藩既に滅びなば、朝廷孤立し、奸臣志を得んには、
社稷
(
しゃしょく
)
危
(
あやう
)
からん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
別
(
べつ
)
に
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
ちもしませぬ……。
枝振
(
えだぶ
)
りを
直
(
なお
)
す
為
(
た
)
めに
伐
(
き
)
るのと、
悪戯
(
いたずら
)
で
伐
(
き
)
るのとは、
気持
(
きもち
)
がすっかり
異
(
ちが
)
います。
私達
(
わたくしたち
)
にはその
気持
(
きもち
)
がよく
判
(
わか
)
るのです……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
罹災者
(
りさいしや
)
は
直
(
たゞち
)
にまた
自
(
みづか
)
ら
自然林
(
しぜんりん
)
から
樹
(
き
)
を
伐
(
き
)
つて
來
(
き
)
て
咄嗟
(
とつさ
)
の
間
(
ま
)
にバラツクを
造
(
つく
)
るので、
毫
(
がう
)
も
生活上
(
せいくわつじやう
)
に
苦痛
(
くつう
)
を
感
(
かん
)
じない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
田地
(
でんち
)
を買ふ約束をしたり、
家
(
いへ
)
を
建
(
たて
)
る
木材
(
きざい
)
を山から
伐
(
き
)
り
出
(
だ
)
すやうにしたり、ちやんと
手筈
(
てはず
)
を
付
(
つ
)
けて
江戸
(
えど
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
ると、
塩原多助
(
しほばらたすけ
)
が
死
(
し
)
んでゐた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伐
(
き
)
られた山にはもう一度いつとなしに又草が茂り木が生ひ立ってきた。松茸山には小松が一斉に伸び立ちはじめ、雑木山には夥しい漆の若木が茂って来た。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
ジヨホオルでの
護謨
(
ゴム
)
栽培は一年の借地料が一エエカア五十銭だ。
先
(
ま
)
づ山地の密林を
伐
(
き
)
り開いて無数の大木を焼棄するのに費用が
要
(
い
)
る。
此
(
この
)
焼棄が容易で無い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
墓地は昔と比べては
頗
(
すこぶ
)
る明るくなつてゐるのをかれは見た。それも先住がその
後
(
うしろ
)
の杉森を
伐
(
き
)
つた為めであつた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
坂本は大川に面した
北手
(
きたて
)
の展望を害する梅の木を
伐
(
き
)
ること、
島町
(
しままち
)
に面した南手の
控柱
(
ひかへばしら
)
と松の木とに丸太を結び附けて、
武者走
(
むしやばしり
)
の板をわたすことを建議した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
移せるような木はここの庭へもって来たが、大きいのは仕方がないので
伐
(
き
)
ってしまって、それで冬の日は殆んど毎日、盆だの像だのを刻んでいるのであった。
由布院行
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「兄さん、あの、竹を二十本ばかり
伐
(
き
)
らしてくれつて、熊川のおじさんが来てなさるが、どうしましよう?」
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
アーニャ (ドアの口で)ママのお願いなんだけど、出かけるまでは、庭の木を
伐
(
き
)
らないでくださいって。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ほかの誰がやっても、こう安くはできんが、第一、進駐軍用材の名で買いつけてガソリンを貰って、原木を他人に
伐
(
き
)
りださせたとあっては、オレのコレが危いわい
現代忍術伝
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
すると
先刻
(
さっき
)
見た
梧桐
(
ごとう
)
の先がまた
眸
(
ひとみ
)
に映った。延びようとする枝が、
一所
(
ひとところ
)
で
伐
(
き
)
り詰められているので、
股
(
また
)
の根は、
瘤
(
こぶ
)
で
埋
(
うず
)
まって、
見悪
(
みにく
)
いほど窮屈に力が
入
(
い
)
っている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
林で誰か木を
伐
(
き
)
っている。カーン、カーンとその音が秋の空気へ響き渡り、
湯槽
(
ゆぶね
)
へ落ちる湯の音が、トコトコトコトコと聞こえて来る。山里らしい静けさである。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
池のはたの杉の木が、すっかり
伐
(
き
)
り払われて、何かこれから工事でもはじめられる土地みたいに、へんにむき出しの寒々した感じで、昔とすっかり変っていました。
ヴィヨンの妻
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
二十人ばかりの
日傭人
(
ひやとひにん
)
がそこへ入りこんで、林檎や葡萄や
実桜
(
さくらんぼ
)
の
樹
(
き
)
を片つぱしから
伐
(
き
)
り倒してゐるのだ。樹は
何
(
いづ
)
れも衰へて
痩
(
や
)
せてゐたが、まだ枯れては居なかつた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
豊雄是を見て、只
一八三
あきれにあきれゐたる。武士らかけ
廻
(
めぐ
)
りて、
一八四
ちかきとなりを召しあつむ。
一八五
木
(
き
)
伐
(
き
)
る
老
(
をぢ
)
、
一八六
米
(
よね
)
かつ男ら、恐れ
惑
(
まど
)
ひて
一八七
跪
(
うずすま
)
る。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
だから、ぼくはまた斜面を
這
(
は
)
いあがると、横ざまに倒れ青空の奥をみつめたまま、ちょうど山から
伐
(
き
)
り出されてきた材木のような姿勢をとり、またしてもころげ落ちる。
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
太い杉の樹を
伐
(
き
)
り
仆
(
たふ
)
して、美しく皮を
剥
(
む
)
いたのがあつたので、二人は其の上に並んで腰をかけた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
前の年に
伐
(
き
)
らせてお置きになりまして、その年の夏の洪水に自然と流れ出るように計らわれたと申すくらい、なおその上にも六人の奉行に加増の御沙汰がござりまして
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
伐
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“伐”を含む語句
誅伐
伐採
朝鮮征伐
伐倒
討伐
木伐
殺伐
征伐
伐木
伐出
濫伐
北伐
間伐
伐開
背伐
伐口
伐取
東伐
私伐
賄征伐
...