トップ
>
鶏
>
にわとり
ふりがな文庫
“
鶏
(
にわとり
)” の例文
旧字:
鷄
そして
鶏
(
にわとり
)
だけには、
星
(
ほし
)
のものをいうことがよくわかりました。また、
鶏
(
にわとり
)
の
鳴
(
な
)
いていろいろなことを
話
(
はな
)
すのも、
星
(
ほし
)
にはよくわかりました。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのうちずんずん
空
(
そら
)
は
明
(
あか
)
るくなってきて、
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
が
薄赤
(
うすあか
)
く
染
(
そ
)
まってくると、どこかの
村
(
むら
)
で
鶏
(
にわとり
)
の
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てる
声
(
こえ
)
がいさましく
聞
(
き
)
こえました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
雛
(
ひよ
)
ッ子を育てるような金網の籠に犬は犬、猫は猫と二三匹か四五匹
宛
(
ずつ
)
入れた奴がズーッと奥の方まで並んでいる。
鶏
(
にわとり
)
も居るし小羊も居る。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのうちに髪の白い男が
真先
(
まっさき
)
に立つて、ほかの三人がそのあとに附いて、この町内の角を曲つて行きましたが、やがて
鶏
(
にわとり
)
が鳴き始めました。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ヤ、あの
鶏
(
にわとり
)
は実に見事に出来ましたネ。私もあの鶏のような作がきっと出来るというのなら、イヤも
鉄砲
(
てっぽう
)
も有りはしなかったのですがネ。」
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
昔、井戸を掘ると、
地
(
じ
)
の下に
犬
(
いぬ
)
鶏
(
にわとり
)
の鳴く
音
(
ね
)
、人声、
牛車
(
ぎゅうしゃ
)
の
軋
(
きし
)
る音などが聞えたという話があります。それに似ておりますな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
料理人は左の手にフークを
執
(
と
)
り右の手に料理用のナイフを持ち先ずフークを以て
鶏
(
にわとり
)
の体を抑えナイフを腰に
当
(
あ
)
てて軽く腰の
番
(
つが
)
い
目
(
め
)
を
截放
(
きりはな
)
しぬ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「恭一はな」と、
鶏
(
にわとり
)
に
餌
(
えさ
)
をやりに出てきたおばさんが、きかしてくれました。「ちょっとわけがあってな、
三河
(
みかわ
)
の親類へ
昨日
(
きのう
)
、あずけただがな」
小さい太郎の悲しみ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
鵞鳥
(
がちょう
)
が増えたこと、
百歩蛇
(
ひゃっぽだ
)
が
鶏
(
にわとり
)
と喧嘩したこと、誰それが転勤になって平地に降りたこと、——熱に浮かされたように
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
その
証拠
(
しょうこ
)
にはご覧なさい
鶏
(
にわとり
)
では強制肥育ということをやる、鶏の
咽喉
(
のど
)
にゴム管をあてて食物をぐんぐん
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んでやる。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
下人はとうとう、老婆の腕をつかんで、無理にそこへ
扭
(
ね
)
じ倒した。丁度、
鶏
(
にわとり
)
の脚のような、骨と皮ばかりの腕である。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「それはこうだ。その
鶏
(
にわとり
)
という
奴
(
やつ
)
はトッテクーと鳴くのだ。取って食うと鳴いたら
最後
(
さいご
)
、どんなものでも取って食ってしまうのだ。
恐
(
おそ
)
ろしい奴だ。」
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ふと耳をすますと、いつの間にか、隣室のやかましい物音がやんで、底知れぬ静寂の中から、殆んど信じ得られぬ様な、
朗
(
ほがら
)
かな
鶏
(
にわとり
)
の声が聞えて来た。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鶏
(
にわとり
)
に
孵
(
かえ
)
させると、かれらは何かにおどろくとたちまち飛び散ってそのまま行きがた知れずになってしまうそうである。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
それから
鬼
(
おに
)
が集まってきて
博奕
(
ばくち
)
をうつという条でも、一方は地蔵に言われて遠慮をしいしいその肩に乗り、好い頃あいを見て
鶏
(
にわとり
)
の鳴声をまねすると
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いつも独りで工場裏の
葦
(
あし
)
の生えた沼地のへりに立っているか、または工場主の鶏舎の前にかがみこんで
鶏
(
にわとり
)
の動作をつくねんと
見戍
(
みまも
)
っているらしかった。
蛮人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この頃の
空癖
(
そらくせ
)
で空は低く
鼠色
(
ねずみいろ
)
に曇り、あたりの樹木からは
虫噛
(
むしば
)
んだ青いままの
木葉
(
このは
)
が絶え間なく落ちる。
烏
(
からす
)
や
鶏
(
にわとり
)
の
啼声
(
なきごえ
)
鳩
(
はと
)
の
羽音
(
はおと
)
が
爽
(
さわや
)
かに力強く聞える。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
彼は焦燥しながら
鶴
(
つる
)
と
鶏
(
にわとり
)
と
山蟹
(
やまがに
)
の卵を食べ続けるかたわら、その
苛立
(
いらだ
)
つ感情の制御しきれぬ時になると、必要なき偵察兵を
矢継早
(
やつぎば
)
やに
耶馬台
(
やまと
)
へ向けた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
パナマ帽に黒の
上衣
(
うわぎ
)
は脱いで、抱えて、ワイシャツの片手には
鶏
(
にわとり
)
の首のついたマホガニーの農民美術のステッキをついてゆく、その子の父の私であった。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
馴合
(
なれあい
)
の
中人
(
ちゅうにん
)
が段々
取持
(
とりも
)
つような風をして、果ては坊主の代りに酒や
鶏
(
にわとり
)
を買わして、一処に飲みながら又
冷
(
ひや
)
かして
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
鶏
(
にわとり
)
の足に似た細長い首にはフランネルのぼろがまきつけられ、肩からはこの暑いのに、一面にすり切れて黄色くなった毛皮の上着がだらりと下がっている。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「それのみか、門前町から山上の途中でも、見晴らしの
亭
(
ちん
)
を打ちこわし、附近の娘どもを見れば、狼が
鶏
(
にわとり
)
でも追うように、追っかけ廻して歩いてきたとか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生きている
兎
(
うさぎ
)
だの
鶏
(
にわとり
)
だのには、
冥途
(
めいど
)
ゆきの
赤札
(
あかふだ
)
をぶら下げるだけですが、その
外
(
ほか
)
のは必ず頭のある魚を揃えたり馬肉の目方をはかって適当の大きさに截断し
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
学校の宿直室に先生のとまっているのを知って、あんころ餅を重箱にいっぱい持って来てくれるのもあれば、
鶏
(
にわとり
)
を一羽料理して持って来てくれるものもある。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
恋猫
(
こいねこ
)
、
恋犬
(
こいいぬ
)
、
鶏
(
にわとり
)
は出しても/\
巣
(
す
)
につき、
雀
(
すずめ
)
は夫婦で
無暗
(
むやみ
)
に人の
家
(
うち
)
の
家根
(
やね
)
に穴をつくり、木々は芽を吐き、花をさかす。犬のピンの
腹
(
はら
)
ははりきれそうである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
土間の
隅
(
すみ
)
に片寄せてある
臼
(
うす
)
の上に、ふくれていた
鶏
(
にわとり
)
が、驚ろいて眼をさます。ククク、クククと騒ぎ出す。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、その年の暮れには、
鶏
(
にわとり
)
に卵を生ませ、畑に冬ごしの野菜ものさえいくらか育てていたのである。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
鶏
(
にわとり
)
の丸焼きだの
凝血腸詰
(
プウダン
)
などを喰べて、寝るにも起きるにもまるで普通の人間と少しも違わないのよ。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ヒンヒンというのは馬の啼き声、ワンワンというのは犬の啼き声、ニャンニャンというのは猫の啼き声、コケコッコーと申しますのは、
鶏
(
にわとり
)
の啼き声にございます」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なにがしという一人の家を
囲
(
かこ
)
みたるおり、
鶏
(
にわとり
)
の
塒
(
ねぐら
)
にありしが、驚きて鳴きしに、主人すは
狐
(
きつね
)
の来しよと、
素肌
(
すはだか
)
にて起き、戸を出ずる処を、
名乗掛
(
なのりか
)
けて
唯
(
ただ
)
一槍
(
ひとやり
)
に殺しぬ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
何貫目ぐらいの豚、たいでも何百
匁
(
もんめ
)
のたい、というふうに行かねばならぬ。
鶏
(
にわとり
)
でも年
老
(
と
)
ったのは
不味
(
まず
)
い。卵を生む前のが美味い。かように鶏といっても千差万別である。
味覚馬鹿
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
カバレット・ポンペアの低い嬉びに、世界各国の
鶏
(
にわとり
)
の歌奏でるユダの主人、私はシャンパン、緑色の天井、進撃勇ましい、桃色の月、見上げて、十人のコウカサスの女に接吻する。
恋の一杯売
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
田楽刺
(
でんがくざ
)
しにしてやることが、
却
(
かえ
)
って娘夫婦のためだと思った。故に老巧な治部太夫は、必殺の構えをつけた、
鶏
(
にわとり
)
を
割
(
さ
)
くに牛刀をつかう恨みを、心のうちに感じながらも、着実に進退した。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
一山もある、
濡
(
ぬ
)
れた洗濯物を車に積んで
干場
(
ほしば
)
へ運んで
行
(
ゆ
)
く事もある。何羽いるか知れない程の
鶏
(
にわとり
)
の世話をしている事もある。古びた自転車に乗って、郵便局から郵便物を受け取って帰る事もある。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
というのは
鶏
(
にわとり
)
は食い過ぎたり発熱したりしやすく、なかなか長寿を得難いからだ。しかもその中の一羽は、エロシンコ君が北京滞在中作った唯一の小説、「小鶏の悲劇」の中の主人公とさえなった。
鴨の喜劇
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
ドミエの漫画! 何とコッケイな、何とちぐはぐな
鶏
(
にわとり
)
の姿!
放浪記(初出)
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「
金桂鳥
(
きんけいちょう
)
は
唐
(
から
)
の
鶏
(
にわとり
)
——と。」
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
鶏
(
にわとり
)
の
空時
(
そらどき
)
つくる
野分
(
のわき
)
かな
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「いま、
寒
(
さむ
)
い
風
(
かぜ
)
が、あちらの
遠
(
とお
)
い
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
で
騒
(
さわ
)
いでいる。」と、
鶏
(
にわとり
)
に
告
(
つ
)
げますと、
鶏
(
にわとり
)
は、うなだれて
体
(
からだ
)
じゅうを
円
(
まる
)
くしてちぢむのでした。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どちらも
負
(
ま
)
けず
劣
(
おと
)
らぬえらい
力
(
ちから
)
でしたから、えいやえいや、
両方
(
りょうほう
)
で
頭
(
あたま
)
の
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
りこをしているうちに、
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けかかって、
鶏
(
にわとり
)
が
鳴
(
な
)
きました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「それは
葱
(
ねぎ
)
を百本、玉葱を百個、大根を百本、
薩摩芋
(
さつまいも
)
を百斤、それから豚と牛とを十匹、七面鳥と
鶏
(
にわとり
)
を十羽ずつ買って来い」
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
わたしはもう一度、表へ出てみると、往来には一人も通らず、夜の更けるに連れて月がます/\冴えてゐるばかりです。
鶏
(
にわとり
)
や犬はまだ鳴いてゐる。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「犯人は、
只者
(
ただもの
)
じゃない。チャン爺さんを殺すことなんか、
鶏
(
にわとり
)
の首をしめるほどにも感じなかったんだろう」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それからまだあるのは、この日月のお形の下に、一方には
鶺鴒
(
せきれい
)
という小鳥、他の一方には
鶏
(
にわとり
)
が彫り入れてあることで、説明がないとこれだけはよく解らない。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
只
(
ただ
)
謝
(
あやま
)
るだけで済めば
宜
(
よ
)
いが、酒を五
升
(
しょう
)
に
鶏
(
にわとり
)
と魚か何かを
持
(
もっ
)
て来て、それで手を
拍
(
うっ
)
て塾中で
大
(
おおい
)
に飲みました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
外では寒そうな
鶏
(
にわとり
)
の声がしているが、
折角
(
せっかく
)
これを書き上げても、いやに気のふさぐのはどうしたものだ。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
やがて、空は少しずつ青味を加え、星屑は徐々にその光を薄くし、
鶏
(
にわとり
)
の声があちこちに聞え始めました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この県は戦争中の取立と近年にない
飢饉
(
ききん
)
とで、見た通り
鶏
(
にわとり
)
の
啼
(
な
)
き声一つしなくなっているとも云った。
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも
所々
(
ところどころ
)
宅地の隅などに、
豌豆
(
えんどう
)
の
蔓
(
つる
)
を竹にからませたり、
金網
(
かなあみ
)
で
鶏
(
にわとり
)
を囲い飼いにしたりするのが閑静に
眺
(
なが
)
められた。市中から帰る
駄馬
(
だば
)
が仕切りなく
擦
(
す
)
れ違って行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
年
(
とし
)
とったお
母
(
かあ
)
さんは
隣
(
となり
)
の
鶏
(
にわとり
)
が
今日
(
きょう
)
はじめて
卵
(
たまご
)
をうんだが、それはおかしいくらい
小
(
ちい
)
さかったこと、
背戸
(
せど
)
の
柊
(
ひいらぎ
)
の
木
(
き
)
に
蜂
(
はち
)
が
巣
(
す
)
をかけるつもりか、
昨日
(
きのう
)
も
今日
(
きょう
)
も
様子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
に
来
(
き
)
たが
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
“鶏”の意味
《名詞》
(にわとり)セキショクヤケイの家畜亜種。最も代表的な家禽。
(とり)鶏肉の略称。
(出典:Wiktionary)
“鶏(ニワトリ)”の解説
ニワトリ(鶏、庭鳥、学名:Gallus gallus domesticus)は、キジ科に属する鳥類の1種で、代表的な家禽として世界中で飼育されている。
ニワトリを飼育することを養鶏と呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
鶏
常用漢字
中学
部首:⿃
19画
“鶏”を含む語句
雄鶏
雛鶏
軍鶏
牝鶏
鶏鳴
闘鶏
鶏肉
家鶏
鶏舎
水鶏
矮鶏
鶏小舎
軍鶏籠
鶏卵
鶏頭
雌鶏
葉鶏頭
牡鶏
一番鶏
鶏小屋
...