“山蟹”の読み方と例文
読み方割合
やまがに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は焦燥しながらつるにわとり山蟹やまがにの卵を食べ続けるかたわら、その苛立いらだつ感情の制御しきれぬ時になると、必要なき偵察兵を矢継早やつぎばやに耶馬台やまとへ向けた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
と見ると、その朝にかぎって、扇形おうぎなり貯水池ちょすいちには小さなハヤや大きな山女やまめが、白いはらかせて死んでいるのだ。あの強そうな赤い山蟹やまがにまで、へろへろして水ぎわに弱っていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奴国の月は田鶴たずのように冠物かぶりものを冠っている。爾は奴国の月を眺めて、我とともに山蟹やまがにかりとをくらえ。奴国の山蟹は赤い卵をはらんでいる。爾は赤い卵を食え。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)