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冠物
読み方 | 割合 |
かぶりもの | 80.0% |
かむりもの | 20.0% |
奴国の月は
田鶴のように
冠物を冠っている。爾は奴国の月を眺めて、我とともに
山蟹と
雁とを
食え。奴国の山蟹は赤い卵を
胎んでいる。爾は赤い卵を食え。
色が
真蒼で、
目も
血走り、
伸びた
髪が
額に
被つて、
冠物なしに、
埃塗れの
薄汚れた、
処々釦の
断れた
背広を
被て、
靴足袋もない
素跣足で、
歩行くのに
蹌踉々々する。
もしこの
冠物が黒かったら、余り
頬が白くって、病人らしく見えたであろう。