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冠物
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かぶりもの
ふりがな文庫
“
冠物
(
かぶりもの
)” の例文
奴国の月は
田鶴
(
たず
)
のように
冠物
(
かぶりもの
)
を冠っている。爾は奴国の月を眺めて、我とともに
山蟹
(
やまがに
)
と
雁
(
かり
)
とを
食
(
くら
)
え。奴国の山蟹は赤い卵を
胎
(
はら
)
んでいる。爾は赤い卵を食え。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
色
(
いろ
)
が
真蒼
(
まつさを
)
で、
目
(
め
)
も
血走
(
ちばし
)
り、
伸
(
の
)
びた
髪
(
かみ
)
が
額
(
ひたひ
)
に
被
(
かゝ
)
つて、
冠物
(
かぶりもの
)
なしに、
埃塗
(
ほこりまみ
)
れの
薄汚
(
うすよご
)
れた、
処々
(
ところ/″\
)
釦
(
ボタン
)
の
断
(
ちぎ
)
れた
背広
(
せびろ
)
を
被
(
き
)
て、
靴
(
くつ
)
足袋
(
たび
)
もない
素跣足
(
すはだし
)
で、
歩行
(
ある
)
くのに
蹌踉々々
(
よろ/\
)
する。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
深い
饅頭笠
(
まんじゆうがさ
)
で顏を隱した、
腰法衣
(
こしごろも
)
の修行者が訪ねて來て
冠物
(
かぶりもの
)
のまゝ阿波屋の使ひの者だがと私を呼出し、いきなり一と當て當身を喰はせて眼を廻させてしまひました。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一月
(
ひとつき
)
の
余
(
よ
)
も冠った
冠物
(
かぶりもの
)
が暑い夏の日に
焦
(
や
)
け、リボンも砂埃に汚れていた。お島はその冠物の肩までかかった丸い脊を
屈
(
こご
)
めて、夕暗のなかを、小野田についていて
貰
(
もら
)
って、ハンドルを
把
(
と
)
ることを学んだ。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
冠
常用漢字
中学
部首:⼍
9画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“冠物”で始まる語句
冠物附外衣