“かぶりもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
被物55.6%
冠物44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薩摩絣さつまがすりあわせ小倉こくらはかま穿いて、同じ絣の袷羽織を着ている。被物かぶりものは柔かい茶褐ちゃかつの帽子で、足には紺足袋に薩摩下駄を引っ掛けている。当前あたりまえの書生の風俗ではあるが、何から何まで新しい。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
空車を挽いて、車夫は被物かぶりものなしに駈けるのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
深い饅頭笠まんじゆうがさで顏を隱した、腰法衣こしごろもの修行者が訪ねて來て冠物かぶりもののまゝ阿波屋の使ひの者だがと私を呼出し、いきなり一と當て當身を喰はせて眼を廻させてしまひました。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
一月ひとつきも冠った冠物かぶりものが暑い夏の日にけ、リボンも砂埃に汚れていた。お島はその冠物の肩までかかった丸い脊をこごめて、夕暗のなかを、小野田についていてもらって、ハンドルをることを学んだ。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)