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裳
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もすそ
ふりがな文庫
“
裳
(
もすそ
)” の例文
はらはらとその壇の
許
(
もと
)
に、振袖、詰袖、揃って手をつく。階子の上より、まず水色の
衣
(
きぬ
)
の
褄
(
つま
)
、
裳
(
もすそ
)
を引く。すぐに
蓑
(
みの
)
を
被
(
かつ
)
ぎたる姿見ゆ。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おどろいて見ているうちに、白い
裳
(
もすそ
)
がひとゆれゆらりとゆれたと思うと、すらすらと台座から降りてきてわたしの前へ立ちはだかり
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
一条
(
ひとすぢ
)
の
山径
(
やまみち
)
草深くして、
昨夕
(
ゆうべ
)
の露なほ
葉上
(
はのうへ
)
にのこり、
褰
(
かゝ
)
ぐる
裳
(
もすそ
)
も
湿
(
ぬ
)
れがちに、
峡々
(
はざま/\
)
を越えて行けば、
昔遊
(
むかしあそび
)
の跡歴々として尋ぬべし。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その野は花の海で、花粉のためにさまざまな色にそまったおかあさんの白い
裳
(
もすそ
)
のまわりで、花どもが細々とささやきかわしていました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
露の深い路地、下水に半分身を落して、乙女の身体は斜に歪み、
裳
(
もすそ
)
の
紅
(
くれない
)
と、蒼白くなった
脛
(
はぎ
)
が、浅ましくも天に
冲
(
ちゅう
)
して居るのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
もっと、今の感激をつきつめて、髪を
剃
(
おろ
)
し、袖も
裳
(
もすそ
)
も、
断
(
た
)
ちきって、清楚な
尼
(
あま
)
のすがたになりきってしまいたい念だけがあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は努めてそれを善意に解釈して、あらゆる才女もいよいよ
我
(
が
)
を折って、玉藻の
裳
(
もすそ
)
をささげに来たものと認めようとしていた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
肉づきのいい大柄な此の娘は真白なセイラーの
裳
(
もすそ
)
を川風にひるがへして、
甲板
(
かんぱん
)
に立つて
舵
(
かじ
)
を操つた。彼女は花子と呼ばれた。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
この騒ぎに少女が前なりし酒は
覆
(
くつが
)
へりて、
裳
(
もすそ
)
を
浸
(
ひた
)
し、卓の上にこぼれたるは、蛇の如く
這
(
は
)
ひて、人々の前へ流れよらむとす。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鼈甲
(
べつかふ
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
かうがい
)
を円光の如くさしないて、地獄絵を
繍
(
ぬ
)
うた
襠
(
うちかけ
)
の
裳
(
もすそ
)
を長々とひきはえながら、天女のやうな
媚
(
こび
)
を
凝
(
こら
)
して、夢かとばかり眼の前へ現れた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しごきの
縮緬
(
ちりめん
)
裂いて
襷
(
たすき
)
凛々敷
(
りゝしく
)
あやどり、ぞろりとしたる
裳
(
もすそ
)
面倒と、クルリ
端折
(
はしを
)
つてお花の水仕事、兼吉の母は
彼方
(
あちら
)
向いて
竈
(
へつつひ
)
の下せゝりつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
投げ
出
(
いだ
)
したる足の、長き
裳
(
もすそ
)
に隠くるる末まで明かに写る。水は元より動かぬ、女も動かねば影も動かぬ。只弓を
擦
(
す
)
る右の手が糸に沿うてゆるく
揺
(
うご
)
く。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
パッと
裳
(
もすそ
)
を蹴散らかしバタバタと縁へ走り出たがガラリと開けた雨戸の隙から、掛声もなく突き出された十手!
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
冠
(
かんむり
)
みたいな帽子をかぶった髪の長い男や、桃色の美しい
裳
(
もすそ
)
を旅疲れたようによれよれにしている若い女などが、荷物に腰かけてバナナを喰ったりしていた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
殺風景の代わりに、清い女の声が流れ、看護服の
裳
(
もすそ
)
がサラサラと鳴った。薬のにおいの中に、看護婦の顔からは、化粧水の芳香が、
蜘蛛
(
くも
)
の糸のようにあとを引いて流れた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
折
(
をり
)
ふし
鵞鳥
(
がてう
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で
唱
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
す
歌
(
うた
)
の
調
(
しら
)
べは
左迄
(
さまで
)
妙手
(
じやうず
)
とも
思
(
おも
)
はれぬのに、
唱
(
うた
)
ふ
當人
(
たうにん
)
は
非常
(
ひじやう
)
の
得色
(
とくしよく
)
で、やがて
彈奏
(
だんそう
)
が
終
(
をは
)
ると
小鼻
(
こばな
)
を
蠢
(
うごめ
)
かし、
孔雀
(
くじやく
)
のやうに
裳
(
もすそ
)
を
飜
(
ひるが
)
へして
席
(
せき
)
に
歸
(
かへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
二人の可愛らしい少年に
裳
(
もすそ
)
をとらせて、しずしずと祭壇の前に現われたが、丁度午後の日光が、高い窓のステインド・グラスを通して、薄絹の冠りものを、赤に緑に染めなし
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と叫んだが、直ぐ様、自分の着て居るシヤツの
裳
(
もすそ
)
の処をズボンの中から出して、それをビリビリ引き裂いて、葡萄樹の場所に繃帯を施してやツた。そして、つぶやく様に言つた。
馬鈴薯からトマト迄
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
まだこの
関路
(
せきじ
)
の
峡
(
かい
)
では、胆吹も、松尾も、南宮山も見えないと見るが正しい、しかし、それらの山の方角を指し、
裳
(
もすそ
)
をとらえたと見れば、当らずといえども遠からぬものがある。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
打水
(
うちみづ
)
のあと
輕
(
かろ
)
く
庭下駄
(
にはげた
)
にふんで、
裳
(
もすそ
)
とる
片手
(
かたて
)
はすかし
骨
(
ぼね
)
の
塗柄
(
ぬりえ
)
の
團扇
(
うちわ
)
に
蚊
(
か
)
を
拂
(
はら
)
ひつ、
流
(
なが
)
れに
臨
(
のぞ
)
んで
立
(
たつ
)
たる
姿
(
すがた
)
に、
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
恥
(
はぢ
)
らひてか
不圖
(
ふと
)
かゝる
行
(
ゆ
)
く
雲
(
くも
)
の
末
(
すゑ
)
あたり
俄
(
にわか
)
に
暗
(
くら
)
くなる
折
(
をり
)
しも
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一緒に寝ていた友人がその
故
(
わけ
)
を訊いた。竇はそこで夢の話を友人に告げた。友人も不思議がって一緒に起きて蜂を見た。蜂は竇の
袂
(
たもと
)
と
裳
(
もすそ
)
の間にまつわりついて払っても去らなかった。
蓮花公主
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
タッタ今まで新婚匆々時代の紅い服を着ていた黛子さんが、今度は今一つ昔の、可憐な宮女時代の姿に若返って、白い
裳
(
もすそ
)
を長々と引きはえている。
鬢鬟
(
びんかん
)
雲の如く、
清楚
(
せいそ
)
新花
(
しんか
)
に似たり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
影の手をもって私の一握の灰をつかむがいい。神秘に通じイシスの神の
裳
(
もすそ
)
をあげたる吾人をして真を語らしめよ、
曰
(
いわ
)
く、善もあるなく悪もあるなし、ただ生長あるのみ。真実を求むべきである。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
お高は、ちょっと
裳
(
もすそ
)
をからげて、草を分けて歩き出した。白い足に、
狐
(
きつね
)
いろに霜枯れのした草の葉がじゃれついて、やるまいとするようにからんだ。本堂の屋根を、
筑波颪
(
つくばおろし
)
がおどり越えてきた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして午後の物々しいひそかな空気は、ひるがへる白衣の人の
裳
(
もすそ
)
から廊下にみち、扉のかげから、病室のベッドの下にもはひよった。そして壁をへだてた看護婦室に物悲しい時計の音が一つ鳴った。
青白き夢
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
苔
(
こけ
)
を踏む君が歩みに君が
裳
(
もすそ
)
は鳴り響きて
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「緑の衣あり、緑の衣に黄の
裳
(
もすそ
)
せり」
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ひるがへるかの水色の
裳
(
もすそ
)
見えず。
佐藤春夫詩集
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
反身
(
そりみ
)
なる若き女の
裳
(
もすそ
)
を
反
(
かへ
)
す。
無題
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
しら雲の
裳
(
もすそ
)
を曳きながら
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と
眞紅
(
しんく
)
へ、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
をかけて、
新
(
あたら
)
しい
火
(
ひ
)
の
𤏋
(
ぱつ
)
と
移
(
うつ
)
る、
棟瓦
(
むねがはら
)
が
夕舂日
(
ゆふづくひ
)
を
噛
(
か
)
んだ
状
(
さま
)
なる
瓦斯暖爐
(
がすだんろ
)
の
前
(
まへ
)
へ、
長椅子
(
ながいす
)
を
斜
(
なゝめ
)
に、ト
裳
(
もすそ
)
を
床
(
ゆか
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
露の深い路地、下水に半分身を落して、乙女の身體は
斜
(
なゝめ
)
に
歪
(
ゆが
)
み、
裳
(
もすそ
)
の紅と、蒼白くなつた
脛
(
はぎ
)
が、淺ましくも天に
冲
(
ちゆう
)
してゐるのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして、
薄紅梅
(
うすこうばい
)
に、
青摺
(
あおずり
)
の
打衣
(
うちぎぬ
)
を襲ねた
裳
(
もすそ
)
からこぼれた得ならぬ薫りが、いつまでも、自分のあとを追ってくるような気もちにとらわれた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黄に透く秋風が彼女の
裳
(
もすそ
)
をくぐり抜けて遠慮なく皮膚を流れた。明子はその秋自分の皮膚が非常に薄くなつたのを感じた。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
しかし彼はその
途端
(
とたん
)
に、片手に岩角を
掴
(
つか
)
んだまま、「御待ちなさい。」と云うより早く、
後
(
うしろ
)
へ引き残した女の
裳
(
もすそ
)
を、片手にしっかり握りとめた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
裳
(
もすそ
)
を乱して一旦は倒れたが又
忽
(
たちま
)
ち
跳
(
は
)
ね起きて、
脱兎
(
だっと
)
の如くに表へ逃げ出そうとするのを、𤢖は飛び
蒐
(
かか
)
って又
引据
(
ひきす
)
えた。お葉も
既
(
も
)
う見ては
居
(
い
)
られぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
王を二尺左に離れて、
床几
(
しょうぎ
)
の上に、
纎
(
ほそ
)
き指を組み合せて、
膝
(
ひざ
)
より下は長き
裳
(
もすそ
)
にかくれて
履
(
くつ
)
のありかさえ定かならず。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
振り乱した髪、もつれた
裳
(
もすそ
)
、
肋
(
あばら
)
の露出したあお白い胸。……
懊悩地獄
(
おうのうじごく
)
の亡者であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それよりも意外に早かったことは、米友なればこそ一飛びに跳ね越えた二間有余の黒血川の流れを、
裳
(
もすそ
)
も濡らさずに渡って来たお銀様が、米友の
覗
(
のぞ
)
き込んだ面を、無遠慮に横取りしてしまって
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
真紅
(
しんく
)
へ、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
をかけて、新しい火の
※
(
ぱっ
)
と移る、
棟瓦
(
むねがわら
)
が
夕舂日
(
ゆうづくひ
)
を
噛
(
か
)
んだ
状
(
さま
)
なる
瓦斯暖炉
(
がすだんろ
)
の前へ、
長椅子
(
ながいす
)
を
斜
(
ななめ
)
に、ト
裳
(
もすそ
)
を
床
(
ゆか
)
。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
亂れた髮の上から、猿轡を
食
(
は
)
まされ舞臺の上に引据ゑられて、
紅
(
くれなゐ
)
の
裳
(
もすそ
)
を亂したお村は、顏色を變へてゾツと身顫ひしたやうです。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
部屋部屋を逃げまどい、廊を
奔
(
はし
)
り
欄
(
おばしま
)
を越えなどする彼女らの狂わしい
裳
(
もすそ
)
や
袂
(
たもと
)
は、その
暗澹
(
あんたん
)
を切って飛ぶ白い火、
紅
(
くれない
)
の火、紫の火にも見える。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
されば傾城もかくてはなるまじいと気を
苛
(
いらだ
)
つたか、つと地獄絵の
裳
(
もすそ
)
を
飜
(
ひるがへ
)
して、斜に隠者の膝へとすがつたと思へば
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いかに責められても、知らぬことは知らぬのじゃ」と、兼輔は笑いながら席をはずして立とうとすると、女房たちの白い手は右ひだりから彼の袂や
裳
(
もすそ
)
にからみついた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
薄紅
(
うすくれない
)
の一枚をむざとばかりに肩より投げ懸けて、白き二の腕さえ明らさまなるに、
裳
(
もすそ
)
のみは
軽
(
かろ
)
く
捌
(
さば
)
く
珠
(
たま
)
の
履
(
くつ
)
をつつみて、なお余りあるを後ろざまに石階の二級に垂れて登る。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は黒い靴下を
椅子
(
いす
)
の傍に
蛇
(
へび
)
のやうにうねうねさせて、窓ぎはに立つた。ひだの無い
裳
(
もすそ
)
が明子の
腿
(
もも
)
の線をふとぶとと描いた。彼女は肉体だけで立つてゐる様に見えた。疲れて。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
螢
(
ほたる
)
の
衝
(
つ
)
と
其
(
そ
)
の
裳
(
もすそ
)
に
忍
(
しの
)
び
褄
(
つま
)
に
入
(
い
)
りて、
上
(
うへ
)
の
薄衣
(
うすぎぬ
)
と、
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
間
(
あひだ
)
を
照
(
てら
)
して、
模樣
(
もやう
)
の
花
(
はな
)
に、
葉
(
は
)
に、
莖
(
くき
)
に、
裏
(
うら
)
透
(
す
)
きてすら/\と
移
(
うつ
)
るにこそあれ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
乱れた髪の上から、猿轡を
食
(
は
)
まされ舞台の上に引据えられて、
紅
(
くれない
)
の
裳
(
もすそ
)
を乱したお村は、顔色を変えてゾッと
身顫
(
みぶる
)
いしたようです。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
石秀がそれを持って、奥の法要の間へ急ぎかけると、二階の階段から、
花兎
(
はなうさぎ
)
の
刺繍
(
ぬい
)
の
鞋
(
くつ
)
に、淡紫の
裳
(
もすそ
)
を曳いた足もとが、音もなく降りて来て。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は今夜は
繍
(
ぬい
)
のある
裳
(
もすそ
)
に
竈
(
かまど
)
の灰を包んでいた。彼女の兄も、——いや彼女の兄ではない。
王命
(
おうめい
)
を奉じた金応瑞は
高々
(
たかだか
)
と
袖
(
そで
)
をからげた手に、
青竜刀
(
せいりゅうとう
)
を一ふり
提
(
さ
)
げていた。
金将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“裳”の解説
裳(も)は十二単を構成する着物の一つである。
(出典:Wikipedia)
裳
漢検準1級
部首:⾐
14画
“裳”を含む語句
衣裳
御裳
裳着
衣裳戸棚
衣裳箱
裳裾
衣裳箪笥
衣裳鞄
裳帯
霓裳
裳著
能衣裳
衣裳附
裳衣
裳層
赤裳
裳脱
衣裳葛籠
短裳
岩渓裳川
...