“裳層”の読み方と例文
読み方割合
もこし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
金堂の外まわりに取りついている差掛けようなもの、これは裳層もこしとかいうのだそうであるが、あれは後代に附加したもので、当時には無かったのである。
壁画摸写 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
東塔は周知のごとく三重の塔ではあるが、各層に裳層もこしがついているので六重の塔のようにみえる。そしてこの裳層のひろがりが塔に音調と陰翳いんえいを与えている。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
三重の屋根の一々に短い裳層もこしをつけて、あたかも大小伸縮した六層の屋根が重なっているように、輪郭の線の変化を異様に複雑にしている。何となく異国的な感じがあるのはそのためであろう。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)