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危
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あぶな
ふりがな文庫
“
危
(
あぶな
)” の例文
いつまでそこの藝者屋にもゐられないし、それにもう塔の澤は一體に
危
(
あぶな
)
くなつたから、今度は
湯本
(
ゆもと
)
の
福住
(
ふくずみ
)
へ逃げるんだつて言ふのよ。
梅龍の話
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
で、どこまで一所になるか、……
稀有
(
けう
)
な、妙な事がはじまりそうで、
危
(
あぶな
)
っかしい
中
(
うち
)
にも、内々少からぬ期待を持たせられたのである。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや
斯
(
か
)
ういふ
処
(
ところ
)
に
病
(
やまひ
)
は多くあるものだからな、
是
(
これ
)
から一つ
打診器
(
だしんき
)
で
肺部
(
はいぶ
)
を
叩
(
たゝ
)
いて見てやらう。登「いや
夫
(
それ
)
は
何
(
ど
)
うも
危
(
あぶな
)
うございます。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうも
危
(
あぶな
)
いので、
思
(
おも
)
ふやうに
動
(
うご
)
かせませなんだが、それでもだいぶ
創
(
きず
)
が
附
(
つ
)
きましたやうで、
鏡
(
かゞみ
)
は
見
(
み
)
ませんが、
血
(
ち
)
が
浸染
(
にじ
)
んで
居
(
を
)
りますか。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
まったく、ばかな
狸
(
たぬき
)
です。汽車にばけるなんて、よくそんな
危
(
あぶな
)
っかしいことができたものです。むてっぽうにも
程
(
ほど
)
がありますよ。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
泣
(
な
)
かない⁉ それは
強
(
つよ
)
い! けれど
今
(
いま
)
は
危
(
あぶな
)
いからいけません、
追付
(
おつつ
)
け
成長
(
おほきく
)
なつたら、
大佐
(
たいさ
)
の
叔父
(
おぢ
)
さんも
喜
(
よろこ
)
んで
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さるでせう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いまにもクマに
食
(
く
)
われそうになりながら、そのクマが人間にねらわれていることを教えてやって、
危
(
あぶな
)
いところを
救
(
すく
)
ってやったり
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
思ひ違ひ、言ひ違ひ、曖昧な返答、
下手
(
へた
)
な口籠り、云ひ方一つで善くも
悪
(
わる
)
くも取れるやうなことは、余程注意しないと
危
(
あぶな
)
いぞ。
クロニック・モノロゲ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
母
危
(
あぶな
)
いとこへいくんじゃないよ。花火やよっぱらいのそばにいっちゃ、いけませんよ。そして、暗くならないうちに帰ってくるんですよ。
病む子の祭
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
お見舞いくださいました本人は、今日も
危
(
あぶな
)
いようでございまして、ただ今から皆で山の寺へ移ってまいるところでございます。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
油断をすると
此方
(
こっち
)
の方が
危
(
あぶな
)
いぞ、馬鹿な
奴
(
やつ
)
だあれを知らぬかなどゝ、
宜
(
い
)
い加減に
饒舌
(
しゃべ
)
れば、書生の
素人
(
しろうと
)
の
拙
(
へた
)
囲碁
(
ご
)
で、
助言
(
じょげん
)
は
固
(
もと
)
より勝手次第で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
でもな、
眞實
(
ほんたう
)
に
小額
(
こびたひ
)
の
處
(
ところ
)
に
雛鷄
(
ひよっこ
)
のお
睾丸程
(
きんたまほど
)
の
大
(
おほ
)
きな
腫瘤
(
こぶ
)
が
出來
(
でき
)
ましたぞや、
危
(
あぶな
)
いことよの、それで
甚
(
きつ
)
う
啼入
(
なきい
)
らッしゃった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「
何
(
ど
)
うさ、往来の真中で吸殻あ手の平やあ載けて悠々閑々と煙草を喫んでいるだあもの。気をつけなせやあよ、
危
(
あぶな
)
やあに」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
こんな日の続いて行く中で、座敷牢にいる人が火いじりの
危
(
あぶな
)
さを考えると、
炬燵
(
こたつ
)
一つ入れてやって凍えたからだを
温
(
あたた
)
めさせる
術
(
すべ
)
もないとしたら。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところが、この官選弁護士ってのが、そう云っちゃアなんですが、ひどく事務的でしてね、どうも、洗濯屋の立場が
危
(
あぶな
)
っかしくなって来たんです。
あやつり裁判
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
危
(
あぶな
)
い場合に平衡を立て直して船を新たに躍進せしむる
櫂
(
かい
)
の一撃であるところの、不断の反動的な感情——それによって、クリストフの心の中には
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「おいおい
危
(
あぶな
)
い!」腕に青い
布
(
きれ
)
をつけた巡査がそう言って、留吉を電車線路から押しだして、
路
(
みち
)
よりもすこし小高くなった敷石の上へ連れていって
都の眼
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
「まあそうやって、後生大事に働いてるが
可
(
い
)
いや。私も
危
(
あぶな
)
く
瞞
(
だま
)
されるところだったよ。
養母
(
おっか
)
さんたちは人がわるいからね」お島も
棄白
(
すてぜりふ
)
でそこを出た。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼も大小の岩を飛び越えねばならなかった、
山蔦
(
やまづた
)
に
縋
(
すが
)
って
危
(
あぶな
)
い綱渡りをせねばならなかった。洋服
扮装
(
でたち
)
の彼は、
草鞋
(
わらじ
)
を
穿
(
は
)
いて来なかったのを悔いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小使の
爺
(
じじい
)
は二人の前に、
危
(
あぶな
)
っかしい手附きで茶を
注
(
つ
)
いで出すと、何遍もお辞儀しいしい禿頭を光らせて出て行った。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ステッキ一本の余は、降ったり止んだりする
危
(
あぶな
)
げな空を眺め〻〻行く。田無街道を突切って、荻窪停車場に来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
銃と
背嚢
(
はいのう
)
とを二人から受け取ったが、それを背負うと
危
(
あぶな
)
く倒れそうになった。眼がぐらぐらする。胸がむかつく。脚がけだるい。頭脳ははげしく旋回する。
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
道
(
みち
)
はお
爺
(
じい
)
さんが
先
(
さ
)
きに
立
(
たつ
)
て
案内
(
あんない
)
して
下
(
くだ
)
さるので、
少
(
すこ
)
しも
心配
(
しんぱい
)
なことはありませぬが、それでもところどころ
危
(
あぶな
)
つかしい
難所
(
なんしょ
)
だと
思
(
おも
)
ったこともございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私などもまだ
播州
(
ばんしゅう
)
にいたころ、大きな
西洋釘
(
せいようくぎ
)
に紙の
総
(
ふさ
)
を附けたものを、地面に
打付
(
うちつ
)
けているのを見たことがあるが、
危
(
あぶな
)
いといって持つことを許されなかった。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そしてこれが恐るべき空魔艦の一味に盗み聞かれるとは知らず、大佐はだんだんと重大な話を隠されたマイクロフォンの前に始めようとする。ああ
危
(
あぶな
)
い危い。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
火
(
ひ
)
を
弄
(
いぢ
)
ることが
危
(
あぶな
)
いので
與吉
(
よきち
)
は
獨
(
ひと
)
りで
竈
(
かまど
)
へ
手
(
て
)
をつけることは
禁
(
きん
)
ぜられて
居
(
ゐ
)
る。
灰
(
はひ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れたばかりで
與吉
(
よきち
)
は
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かうした仕事を彼等は Camouflage と呼んでゐるが、
暢気
(
のんき
)
なやうで実はなか/\
危
(
あぶな
)
つかしい。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
でも感情に溺れはしません。またこの即答の針でもつてあなたをも
危
(
あぶな
)
い
瀬戸際
(
せとぎは
)
から守つて差上げるのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ラヴィニアったら、私が裾を泥んこにしているって、嗤うのよ。私、思わずかっとして、
危
(
あぶな
)
く何かやり返してやるところだったけど——でも、やっと我慢したの。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
「
危
(
あぶな
)
ぃがった。危ぃがった。
向
(
むこ
)
うさ
降
(
お
)
りだらそれっ切りだったぞ。さあ
達二
(
たつじ
)
。
団子
(
だんご
)
喰
(
た
)
べろ。ふん。まるっきり馬こみだぃに食ってる。さあさあ、こいづも食べろ。」
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
危
(
あぶな
)
い」と車掌が飛んできて、後から引き
下
(
おろ
)
した。叔母は泣いていた。母も祖父も、それとは別に遠ざかってゆく叔父の振る帽子に合図して、夢中に
手拭
(
てぬぐい
)
を振っていた。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
危
(
あぶな
)
くわしの霊魂を地獄に堕す所だつたが、幸にも神の恵と、わしを加護してくれた聖徒の扶けとによつて、遂にわしは、わしに附いてゐた悪魔の手から免れる事が出来た。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
もしもお上人様までが塔
危
(
あぶな
)
いぞ十兵衛呼べと云わるるようにならば、十兵衛一期の大事、死ぬか生きるかの
瀬門
(
せと
)
に乗っかかる時、天命を覚悟して駈けつけましょうなれど
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それには、さすがの天皇もこわくおなりになって、おそばに立っていたはんのきへ、大急ぎでお
逃
(
に
)
げのぼりになり、それでもって、やっと
危
(
あぶな
)
いところをお助かりになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「おい、
寢
(
ね
)
ちやあ
危
(
あぶな
)
いぞ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
度毎
(
たびごと
)
にハラハラして
彼
(
かれ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たた
)
き
著
(
つ
)
けた。が、
瞬間
(
しゆんかん
)
にひよいと
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
いて
足元
(
あしもと
)
を
堅
(
かた
)
めるだけで、また
直
(
す
)
ぐにひよろつき
出
(
だ
)
すのであつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そして
幾箇
(
いくつ
)
の橋を渡ツて幾度道を回ツたか知らぬが、ふいに、石か何かに
躓
(
つまづ
)
いて、よろ/\として、
危
(
あぶな
)
く
轉
(
ころ
)
びさうになるのを、
辛而
(
やつと
)
踏止
(
ふみとま
)
ツたが、それですツかり
眼
(
め
)
が覺めて了ツた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「おお、すんでのところ。
小
(
ちつ
)
ぽけでも、たつた一つきやねえ
生命
(
いのち
)
だ。
危
(
あぶな
)
い。あぶない」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「やあこりゃ、自分のことも少し気をつけないと
危
(
あぶな
)
いぞ。」とボートルレは呟いた。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
第一こう云う大雪の
夜
(
よ
)
に、庭先へ誰か
坊主
(
ぼうず
)
が来ている、——それが不思議ではありませんか? わたしはしばらく思案した
後
(
のち
)
、たとい
危
(
あぶな
)
い芸当にしても、とにかくもう一度茶室の外へ
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ままよと度胸を
極
(
き
)
めたが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
一人では
危
(
あぶな
)
い。私は私立探偵を頼む事にした。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
楽屋口へ這入ると「今日終演後ヴァラエテー第二景第三景練習にかかります。」だの、何だのと、さまざまな掲示の
貼出
(
はりだ
)
してある板壁に沿い、すぐに
塵芥
(
ごみ
)
だらけな
危
(
あぶな
)
ッかしい階段が突立っている。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
同時に、僕は風船の繩梯子を弾丸で撃ち切り、折枝を墜落させました。僕は射撃の名人だけれど、まさか初めから繩梯子を狙った訳じゃない。あれはまぐれ当りですよ。オットどっこい。
危
(
あぶな
)
い危い
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
暇
(
ひま
)
は十分にある。彼女は歩を
緩
(
ゆる
)
める。
側
(
そば
)
へ寄れるだけ寄る。姉のエルネスチイヌは、これ以上近寄ると、棒がはね返って来た時に
危
(
あぶな
)
いと思い、行動の中心地帯を境として、その線上に立ち止まる。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
子供の
危
(
あぶな
)
い生命を、全身で縋りついてでも、取り止めようとするような此の母親の姿を見ると、雄吉は悲哀と敬虔と尊敬とが、交って居るような心持で、いた/\しく見詰めずには居られなかった。
神の如く弱し
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あヽ云ふ若い美くしい
和上
(
わじやう
)
さんの
来
(
こ
)
られたのは
危
(
あぶな
)
いもんだ。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「
危
(
あぶな
)
い。」とおりかはいって幸子を受けた。
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
あつ!
危
(
あぶな
)
い! お父さん
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
時にあふぎの
危
(
あぶな
)
かりけり
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「
危
(
あぶな
)
い出ろ。」
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
離すと、
可
(
い
)
いことに、あたり近所の、
我朝
(
わがちょう
)
の
姉様
(
あねさま
)
を
仰向
(
あおむけ
)
に
抱込
(
だきこ
)
んで、
引
(
ひっ
)
くりかへりさうで
危
(
あぶな
)
いから、不気味らしくも手からは落さず……
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“危”の意味
《名詞》
(キ)危ないこと。
(出典:Wiktionary)
危
常用漢字
小6
部首:⼙
6画
“危”を含む語句
危険
危殆
危險
危急
危篤
危懼
危難
危惧
危機
危気
危坐
危急存亡
安危
危害
危機一髪
危巌
御危篤
危地
草茅危言
危険々々
...