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光景
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ありさま
ふりがな文庫
“
光景
(
ありさま
)” の例文
三
人
(
にん
)
は
一人
(
ひとり
)
ずつその
屋台
(
やたい
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、
小
(
ちい
)
さな
穴
(
あな
)
をのぞいてみました。すると、それには
不思議
(
ふしぎ
)
な、ものすごい
光景
(
ありさま
)
が
動
(
うご
)
いて
見
(
み
)
ました。
夕焼け物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これまで私が君に話したことで、君は浅間山脈と
蓼科
(
たでしな
)
山脈との間に展開する大きな深い谷の
光景
(
ありさま
)
を
略
(
ほぼ
)
想像することが出来たろうと思う。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私
(
わたくし
)
はその
時
(
とき
)
、きっとこの
女
(
ひと
)
はこの
男
(
おとこ
)
の
手
(
て
)
にかかって
死
(
し
)
んだのであろうと
思
(
おも
)
いましたが、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
こんな
苛責
(
かしゃく
)
の
光景
(
ありさま
)
を
見
(
み
)
るにつけても
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
此物語に引き入れらるゝ
虞
(
おそれ
)
なく、詩趣ゆたかなる
四圍
(
あたり
)
の
光景
(
ありさま
)
は、十分に我心胸に徹して、平生の苦辛はこれによりて全く排せられ
畢
(
をはん
)
ぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
胡麻塩羅紗
(
ごましほらしや
)
の地厚なる
二重外套
(
にじゆうまわし
)
を
絡
(
まと
)
へる
魁肥
(
かいひ
)
の老紳士は
悠然
(
ゆうぜん
)
として
入来
(
いりきた
)
りしが、内の
光景
(
ありさま
)
を見ると
斉
(
ひとし
)
く胸悪き色はつとその
面
(
おもて
)
に
出
(
い
)
でぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
家から家へ火が移つて、村一面に焔の海となつて、見覺えのある村の者共が顏や手足を燒け焦がして泣き叫んでゐる
光景
(
ありさま
)
を彼れは夢みた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
かゝる
光景
(
ありさま
)
は雪にまれなる
暖
(
だん
)
国の
風雅人
(
ふうがじん
)
に見せたくぞおもはるゝ。
凡
(
およそ
)
ちゞみを
晒
(
さらす
)
には
種々
(
しゆ/″\
)
の
所為
(
しわざ
)
あれども、こゝには其
大略
(
たいりやく
)
をしるすのみ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
先方
(
むこう
)
でも声に応じて駈けて来た。が、惨憺たる
此場
(
このば
)
の
光景
(
ありさま
)
を見て、
何
(
いず
)
れも
霎時
(
しばらく
)
は
呆気
(
あっけ
)
に取られた。巡査は
剣鞘
(
けんざや
)
を握って進み出た。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
車の窓に身をもだえて、すみれ色のハンケチを投げしその時の
光景
(
ありさま
)
は、歴々と眼前に浮かびつ。武男は目を上げぬ。前にはただ墓標あり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼は、
成人
(
おとな
)
と成人が利慾の上から夫々唯物的な主張を持つて、反目のまゝ、対坐する
光景
(
ありさま
)
は想つても冷汗が流れるのであつた。
村のストア派
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
さるほどに、
山
(
やま
)
又
(
また
)
山
(
やま
)
、
上
(
のぼ
)
れば
峰
(
みね
)
は
益
(
ます/\
)
累
(
かさな
)
り、
頂
(
いたゞき
)
は
愈々
(
いよ/\
)
聳
(
そび
)
えて、
見渡
(
みわた
)
せば、
見渡
(
みわた
)
せば、
此處
(
こゝ
)
ばかり
日
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
を、
雪
(
ゆき
)
が
封
(
ふう
)
ずる
光景
(
ありさま
)
かな。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
萌黄の
帷子
(
かたびら
)
。水色の
透綾
(
すきや
)
。境内は雜然としてかんてらの
燈火
(
あかり
)
が
四邊
(
あたり
)
一面の
光景
(
ありさま
)
を花やかに、闇の地に浮模樣を染め出した。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
けれど時には夫の留守などに窓側へよりかかって、自分が一生に一番美しかったあの夜の
光景
(
ありさま
)
を思い浮かべて果敢ない追憶に耽けることもある。
頸飾り
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
しかもなお、彼等は首を引込めようとはしなかった。おそらく眼の前の
光景
(
ありさま
)
が彼等の総身を麻痺させてしまったのだろう。
臨時急行列車の紛失
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
私
(
わたくし
)
は
此時
(
このとき
)
まで
殆
(
ほと
)
んど
喪心
(
そうしん
)
の
有樣
(
ありさま
)
で、
甲板
(
かんぱん
)
の
一端
(
いつたん
)
に
屹立
(
つゝた
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
此
(
この
)
慘憺
(
さんたん
)
たる
光景
(
ありさま
)
に
眼
(
まなこ
)
を
注
(
そゝ
)
いで
居
(
を
)
つたが、ハツと
心付
(
こゝろつ
)
いたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
數「うん岩越、ひょろ/\歩くと危いぞ池へ
落
(
おっ
)
こちるといかん、あゝ妙だ、
家根
(
やね
)
は
惣体
(
そうたい
)
葺屋
(
ふきや
)
だな、とんと
在体
(
ざいてい
)
の
光景
(
ありさま
)
だの」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殺人者が目の前にいるとも知らず血みどろになって狂い廻る
断末魔
(
だんまつま
)
の
光景
(
ありさま
)
、最初の間、それらが、どんなにまあ私を有頂天にして呉れたことでしょう。
赤い部屋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
暗き穴より飛び来たりし一矢深くかれが心を貫けるを知るものなし、まして暗き穴に潜める
貴嬢
(
きみ
)
が白き手をや、一座の
光景
(
ありさま
)
わが目にはげに不思議なりき。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
トいう
光景
(
ありさま
)
で、母親も叔父夫婦の者も
宛
(
あて
)
とする所は思い思いながら一様に今年の
晩
(
く
)
れるを
待詫
(
まちわ
)
びている
矢端
(
やさき
)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
四十八 まず日が没したので休戦の許しを得た様なものだ、この後の太陽の
光景
(
ありさま
)
は見る事が出来ぬけれど
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
私は今でもあの夜の
光景
(
ありさま
)
を思い出すとゾットする。それは東京に大地震があって間もない頃であった。
琥珀のパイプ
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
僅
(
わずか
)
に通う息、美しい貞女は、夢心地に眼を開いて、
漲
(
みなぎ
)
る明りの中に、この異様な
光景
(
ありさま
)
を見廻しました。
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
東町奉行所で
白刃
(
はくじん
)
の
下
(
した
)
を
脱
(
のが
)
れて、瀬田
済之助
(
せいのすけ
)
が此屋敷に駆け込んで来た時の屋敷は、決して此出来事を
青天
(
せいてん
)
の
霹靂
(
へきれき
)
として聞くやうな、平穏無事の
光景
(
ありさま
)
ではなかつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
続いて残る九人の
生命
(
いのち
)
が相次ぎて
磔刑柱
(
はりつけばしら
)
の上に消え行く
光景
(
ありさま
)
を、眼も離さず見居りたるわれは、思はず総身水の如くなりて、身ぶるひ、胴ぶるひ得堪へむ
術
(
すべ
)
もあらず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
憎々
(
にくにく
)
しい鴨田の声に、須永が尚も懸命に争っている
裡
(
うち
)
に、いつの間に開いたか、入口の
扉
(
ドア
)
が開かれ、そこには此の場の
光景
(
ありさま
)
を
微笑
(
ほほえ
)
ましげに眺めている帆村の姿があった。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その時船中で二人がベッドに寐る時の
光景
(
ありさま
)
をはっきりと記憶している。宮島までは四、五時間の航路であると思うが、二人はその間を一等の切符を買って乗ったものである。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
土人乙女はその時まで私の側に立っていたが、部落の
光景
(
ありさま
)
を眺めるや否や、やはり足を空へ上げて
狂気
(
きちがい
)
のように踊り出した。そして私を引っ張りながら部落の方へ走り出した。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此の
光景
(
ありさま
)
を
看
(
み
)
て取つたる松本常吉「議長、満場別に異議ないやうです、採決を願ひませう」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
恰も此の潮の初に當つて風雨の加はると同じ樣な
光景
(
ありさま
)
に、生理的の血行に心理的の種々のものが加はるのは、其の那方が那方を誘ひ起すのか知らぬが、觀察に値する事實である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
洋風
擬
(
まが
)
ひの
家屋
(
うち
)
の離れ/″\に列んだ——そして
甚麽
(
どんな
)
大きい建物も
見涯
(
みはて
)
のつかぬ大空に圧しつけられてゐる様な、石狩平原の
中央
(
ただなか
)
の都の
光景
(
ありさま
)
は、やゝもすると私の目に浮んで来て
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今でも実に何ともかとも申されぬなずかしきその時の
光景
(
ありさま
)
を
追懐
(
ついかい
)
いたします。実に月日の過ぎ行くのは早いもので御座いまして、もはや当地に参りましてから年の半分は立ちました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
どの部屋もの
光景
(
ありさま
)
が隅々まであり/\と見えた。広間の、夏は
塞
(
ふさ
)
いである炉の蓋の上に小猫が眠つて居るのまで見えた。此の
閑
(
しづ
)
かな空つぽの家を、奥の間の仏壇が留守して居る様に思はれた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
血につながる
叔父
(
おじ
)
甥
(
おい
)
の間柄として、そんな
無惨
(
むざん
)
な
光景
(
ありさま
)
を横目で眺めてすましているわけにもゆくまいから、ひとつ、ふんぱつして、この
度
(
たび
)
にかぎり、手前があなたのいのちを助けてあげます。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
この物凄い
光景
(
ありさま
)
を見て、とりのぼせたのでしょうな、林は、このまま出たら、てっきり自分に嫌疑がかかると思いこんで、なんとかして、少しでも、死体の発見をおくれさせる必要があると思い
予審調書
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
少し離れた処からこの
光景
(
ありさま
)
を横目で見ながら、静かに狒々の毛皮を脱いで一と
休息
(
やすみ
)
しようとしている男があった。上品な立派な容貌と、スポーツマンのような美事な風采とに私達は目を見張った。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
先刻から大分元気付いて来た晴次と光雄はこの
光景
(
ありさま
)
を見ると
月世界跋渉記
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
そこにはまったく意外な
光景
(
ありさま
)
があらわれていたのであります。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
何にもあれわが
故郷
(
ふるさと
)
の
光景
(
ありさま
)
を
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
巨大な墓石の並び立つ別の
光景
(
ありさま
)
がまたその小山の上に
展
(
ひら
)
けた。そこには全く世間というものから離れたかのような静かさがあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と見ると、雲の黒き下に、次第に
不知火
(
しらぬい
)
の消え行く
光景
(
ありさま
)
。行方も分かぬ三人に、遠く遠く
前途
(
ゆくて
)
を示す、それが光なき十一の緋の炎と見えた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
眼
(
ま
)
のあたり、
斯
(
こ
)
うした
荘厳無比
(
そうごんむひ
)
の
光景
(
ありさま
)
に
接
(
せっ
)
した
私
(
わたくし
)
は、
感極
(
かんきわま
)
りて
言葉
(
ことば
)
も
出
(
い
)
でず、
覚
(
おぼ
)
えず
両手
(
りょうて
)
を
合
(
あ
)
わせて、その
場
(
ば
)
に
立
(
た
)
ち
尽
(
つく
)
したことでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「窮屈だらうな……」などと彼は呟いたが、彼女にそんな親切をされる
光景
(
ありさま
)
を思ふと、忽ち無分別な
感覚派
(
エピキユリアン
)
になつた。
小川の流れ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
世間の事を考へるどころではない彼れも、
嘗
(
かつ
)
て見たことのある力士の顏形や、國技館の土俵の
光景
(
ありさま
)
を念頭に浮べた。
仮面
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
私は今でも、その当時の
光景
(
ありさま
)
を覚えている。遥か彼方に二本の杉の木が見えて、右手に
藁屋
(
わらや
)
が見える……その向うの方から一人の白装束をした男が来た。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
、
喚
(
わめ
)
く
聲
(
こえ
)
、
哀
(
あはれ
)
に
救助
(
たすけ
)
を
求
(
もと
)
むる
聲
(
こゑ
)
は、
悽
(
すさ
)
まじき
怒濤
(
どとう
)
の
音
(
おと
)
と
打交
(
うちまじ
)
つて、
地獄
(
ぢごく
)
の
光景
(
ありさま
)
もかくやと
思
(
おも
)
はるゝばかり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
その
)
元日も此雪国の元日も
同
(
おなじ
)
元日なれども、
大都会
(
たいとくわい
)
の
繁花
(
はんくわ
)
と
辺鄙
(
へんひ
)
の雪中と
光景
(
ありさま
)
の
替
(
かは
)
りたる事
雲泥
(
うんでい
)
のちがひなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この意外なる
光景
(
ありさま
)
に
胆
(
きも
)
を
挫
(
ひし
)
がれて、余の人々は
唯
(
ただ
)
動揺
(
どよ
)
めくばかり、差当り
何
(
ど
)
うするという分別も出なかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私は当夜の物々しい
光景
(
ありさま
)
を想像して思わずふき出しそうになったのを、やっとこらえました。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
我等は詞もあらで、此
光景
(
ありさま
)
を眺め居たり。事果てゝ後顧みれば、かの媼は在らざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
早くもお勢を救い得た
後
(
のち
)
の楽しい
光景
(
ありさま
)
が
眼前
(
めさき
)
に
隠現
(
ちらつ
)
き、払っても去らん事が度々有る。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
“光景”の意味
《名詞》
光 景(こうけい)
目に見える景色や様子。
情景。場面。
(context、dated)日光。自然光。
(出典:Wiktionary)
光
常用漢字
小2
部首:⼉
6画
景
常用漢字
小4
部首:⽇
12画
“光”で始まる語句
光
光沢
光明
光線
光芒
光琳
光子
光輝
光澤
光悦