“蓼科”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たでしな50.0%
たてしな50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたりや繁殖の状態を調べるために、春は富士の裾野すその、夏は蓼科たでしなという工合に、年じゅう小鳥のあとばかり追っかけてあるいている。
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
荒船山の右の肩から奥の方に、雪まだらの豪宕ごうとうの山岳が一つ、誰にも気づかれぬかに黙然と座している。これが、信州南佐久の蓼科たでしなだ。
わが童心 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
後ろを振りむくと、青緑色の山の額や肩や腰が、深い雲霧の隙をぬすんで私達の足の疲れをねぎらつてくれる。多分それは大笹峰や蝶々深山てふてふみやま、車山、蓼科たてしな山などであつたろう。
霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
信州蓼科たてしな山麓の豊平とよひら村に疎開していた私たちは、配給の砂糖さえ思うにまかせぬ状態であったので、子供の頃を思い出し、砂糖黍の種子を手に入れて栽培してみたことがあった。
甘い野辺 (新字新仮名) / 浜本浩(著)