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一個
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ひとり
ふりがな文庫
“
一個
(
ひとり
)” の例文
一四一
他
(
かれ
)
善果
(
ぜんくわ
)
に
基
(
もとづ
)
きて
遷化
(
せんげ
)
せしとならば、
一四二
道に
先達
(
せんだち
)
の師ともいふべし。又活きてあるときは
一四三
我がために
一個
(
ひとり
)
の
徒弟
(
とてい
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
そこへ……いまお道さんが下りました、草にきれぎれの石段を、
攀
(
よ
)
じ攀じ、ずッと
上
(
あが
)
って来た、
一個
(
ひとり
)
、
年紀
(
とし
)
の
少
(
わか
)
い
紳士
(
だんな
)
があります。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、縁者の
一個
(
ひとり
)
が
殉職
(
じゅんしょく
)
などは取るに足りません。憂うるところは、これが天下に及ぼす騒乱の
緒
(
ちょ
)
をなしては一大事と存ずるのです。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを昇は、あだかも
自家
(
うぬ
)
一個
(
ひとり
)
の課長のように、課長々々とひけらかして、頼みもせぬに「一
臂
(
び
)
の力を仮してやろう、橋渡しをしてやろう」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
殺さば殺さるゝ其條目は
脱
(
のが
)
れ難し如何はせんと計りにて
霎時
(
しばし
)
思案
(
しあん
)
に
暮
(
くれ
)
たるがやう/\思ひ
附
(
つく
)
ことありてや
一個
(
ひとり
)
點頭
(
うなづき
)
有司
(
いうし
)
に命じ庄兵衞の母お
勝
(
かつ
)
。
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
は
何氣
(
なにげ
)
なく
衣袋
(
ポツケツト
)
を
探
(
さぐ
)
つて、
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
を
取出
(
とりいだ
)
し、
度
(
ど
)
を
合
(
あは
)
せて
猶
(
な
)
ほよく
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
を
見
(
み
)
やうとする、
丁度
(
ちやうど
)
此時
(
このとき
)
先方
(
むかふ
)
の
船
(
ふね
)
でも、
一個
(
ひとり
)
の
船員
(
せんゐん
)
らしい
男
(
をとこ
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其を救ふ為めの
一個
(
ひとり
)
の
証人
(
あかしびと
)
にならねばならぬと申したれば、貴女は身を
粉
(
こ
)
に砕いても致しますと固く約束なされたでせう
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
袋棚
(
ふくろだな
)
と障子との
片隅
(
かたすみ
)
に
手炉
(
てあぶり
)
を囲みて、
蜜柑
(
みかん
)
を
剥
(
む
)
きつつ
語
(
かたら
)
ふ男の
一個
(
ひとり
)
は、彼の横顔を
恍惚
(
ほれぼれ
)
と
遙
(
はるか
)
に見入りたりしが、
遂
(
つひ
)
に
思堪
(
おもひた
)
へざらんやうに
呻
(
うめ
)
き
出
(
いだ
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いくら新聞では見、ものの本では読んでいても、まさかに自分が、このいまわしい言葉と、眼前直接の交渉を生じようと予想した者は、
一個
(
ひとり
)
もあるまい。
死刑の前
(新字新仮名)
/
幸徳秋水
(著)
忠一は
引返
(
ひっかえ
)
して
燐寸
(
まっち
)
を擦ろうとする時、
一個
(
ひとり
)
の小さい人間が闇に紛れてひらりと飛び込んで来た。重太郎は縁の下に潜んで内の様子を窺っていたのである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夢
(
ゆめ
)
に
一個
(
ひとり
)
の
風采
(
ふうさい
)
堂々
(
だう/\
)
たる
丈夫
(
ますらを
)
が
現
(
あらは
)
れて、自分は
石清虚
(
せきせいきよ
)
といふものである、
決
(
けつ
)
して
心配
(
しんぱい
)
なさるな、君と
別
(
わか
)
れて居るのは一年
許
(
ばかり
)
のことで、明年八月二日、
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
海岱門
(
かいたいもん
)
に
詣
(
まう
)
で
見給
(
みたま
)
へ
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
折から向ふより庵僧とも覺しき
一個
(
ひとり
)
の僧の通りかゝれるに、横笛、
渡
(
わたり
)
に舟の思ひして
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
一個
(
ひとり
)
の壮年入り来たり炉の傍の敷居に腰かけぬ、彼は洗濯衣を
着装
(
きかざ
)
り、
裳
(
すそ
)
を端折り
行縢
(
むかばき
)
を着け
草鞋
(
わらじ
)
をはきたり、彼は今両手に取れる
菅笠
(
すげがさ
)
を
膝
(
ひざ
)
の上にあげつつ、いと決然たる調子にて
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
今度
(
こんど
)
發見
(
はつけん
)
された
駒岡附近
(
こまをかふきん
)
にも、
既
(
すで
)
に
已
(
すで
)
に
澤山
(
たくさん
)
横穴
(
よこあな
)
が
開發
(
かいはつ
)
されてあるのだが、
扨
(
さ
)
て、
果報
(
くわはう
)
なのは
今回
(
こんくわい
)
のお
穴樣
(
あなさま
)
で、
意外
(
いぐわい
)
の
人氣
(
にんき
)
を
一個
(
ひとり
)
で
背負
(
せお
)
つて、
眞
(
まこと
)
に
希代
(
きたい
)
の
好運兒
(
かううんじ
)
、
否
(
いな
)
、
好運穴
(
かううんけつ
)
といふべきである。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
然
(
さ
)
れども彼は元来
一個
(
ひとり
)
の侠骨男子、芸人の卑下なる根性を
有
(
も
)
たぬが自慢なれば、あたらしき才芸を自ら埋没して、中年家に帰り父祖の産を継ぎたりしかど、生得の奇骨は
鋤犂
(
じより
)
に用ゆべきにあらず
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
靄
(
もや
)
が分れて、
海面
(
うなづら
)
に
兀
(
こつ
)
として
聳
(
そび
)
え立った、
巌
(
いわ
)
つづきの見上ぐる上。草蒸す頂に人ありて、目の下に声を懸けた、
樵夫
(
きこり
)
と覚しき
一個
(
ひとり
)
の
親仁
(
おやじ
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それではかう云ふのですな、貴方は
勤
(
つとめ
)
を為てをつても、外の客には出ずに、この人
一個
(
ひとり
)
を守つて——さうですね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
薦
(
すゝむ
)
る物から親子ともに
下戸
(
げこ
)
なればとて手にだも
觸
(
ふれ
)
ず
詮方
(
せんかた
)
なければ
一個
(
ひとり
)
にて傾けながら
四方八方
(
よもやま
)
の
話
(
はなし
)
の中に
容子
(
ようす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
が、これが安行でないとすると、
何処
(
いずこ
)
の何者であろう。たとい角川家の主人
其人
(
そのひと
)
にあらずとも、
一個
(
ひとり
)
の人間が惨殺されて
此処
(
ここ
)
に
横
(
よこた
)
わっているのは事実である。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
他
(
た
)
の
一個
(
ひとり
)
は
天女
(
てんによ
)
の
如
(
ごと
)
き
絶世
(
ぜつせ
)
の
佳人
(
かじん
)
!
誰
(
たれ
)
か
知
(
し
)
らん、
此
(
この
)
二人
(
ふたり
)
は、四
年
(
ねん
)
以前
(
いぜん
)
にネープルスで
別
(
わか
)
れた
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
と
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
御存知の通り文三は
生得
(
しょうとく
)
の親おもい、母親の写真を視て、我が辛苦を
甞
(
な
)
め
艱難
(
かんなん
)
を忍びながら定めない浮世に
存生
(
なが
)
らえていたる、自分
一個
(
ひとり
)
の
為
(
ため
)
而已
(
のみ
)
でない事を
想出
(
おもいいだ
)
し
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
檣の陰より現われしは
一個
(
ひとり
)
の大男なり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
高岡
石動
(
いするぎ
)
間の乗り合い馬車は今ぞ
立野
(
たての
)
より福岡までの途中にありて走れる。乗客の
一個
(
ひとり
)
は
煙草火
(
たばこび
)
を
乞
(
か
)
りし人に向かいて、雑談の口を開きぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ビイルを
冷
(
ひや
)
せだ事のと、あの狭い内へ
一個
(
ひとり
)
で幅を
為
(
し
)
やがつて、なかなか
動
(
いご
)
きさうにも為ないんぢやありませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
座敷の
中
(
うち
)
が
俄
(
にわか
)
にぱッと明るくなったので、私も驚いて飛び
起
(
お
)
きる、その途端に
何処
(
どこ
)
から来たか知らぬが
一個
(
ひとり
)
の人かげが、この広い座敷の隅の方からふらふらと現われ出た。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
如何
(
いか
)
にも
古風
(
こふう
)
らしい
一個
(
ひとり
)
の
英國人
(
エイこくじん
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
を
)
つたが、
此
(
この
)
活劇
(
ありさま
)
を
見
(
み
)
るより、ぶるぶると
身慄
(
みぶるひ
)
して
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それも
己
(
うぬ
)
一個
(
ひとり
)
で鼻に掛けて、
己
(
うぬ
)
一個
(
ひとり
)
でひけらかして、
己
(
うぬ
)
と
己
(
うぬ
)
が
愚
(
ぐ
)
を
披露
(
ひろう
)
している分の事なら空家で棒を振ッたばかり、当り触りが無ければ文三も黙ッてもいよう、立腹もすまいが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
遣
(
やり
)
たき物なりと
然
(
さる
)
大家とは知ざれば
一個
(
ひとり
)
意
(
こゝろ
)
に思ひゐたるが息子殿には
不束
(
ふつゝか
)
なる娘お光を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
三個が、手足を
突張
(
つっぱ
)
らかして、箸の折れたように、踊るふりで行くと、ばちゃばちゃと音がして、水からまた
一個
(
ひとり
)
這上
(
はいあが
)
った。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
畚が中途まで
下
(
さが
)
って来た時、暗い岩穴の奥から
一個
(
ひとり
)
の怪しい者が現われた。彼は刃物を
振翳
(
ふりかざ
)
して、綱を切って落そうと試みたが、綱は案外に強いので、容易に刃が
立
(
たた
)
なかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一個
(
ひとり
)
洋服の
扮装
(
いでたち
)
にて煙突帽を
戴
(
いただ
)
きたる
蓄髯
(
ちくぜん
)
の
漢
(
おとこ
)
前衛して、中に三人の婦人を囲みて、
後
(
あと
)
よりもまた
同一
(
おなじ
)
様なる漢来れり。渠らは貴族の御者なりし。
外科室
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取巻きの
芸妓
(
げいしゃ
)
たち、三人五人の手前もある。やけに土砂を振掛けても、
突張
(
つッぱり
)
返った洋服の亡者
一個
(
ひとり
)
、
掌
(
てのひら
)
に
引丸
(
ひんまろ
)
げて、
捌
(
さばき
)
を附けなけりゃ立ちますまい。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かく言いつつ他の
一個
(
ひとり
)
はその庖丁を白糸の前に
閃
(
ひらめ
)
かせば、四
挺
(
ちょう
)
の出刃もいっせいに
晃
(
きらめ
)
きて、女の
眼
(
め
)
を脅かせり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
公子 (
爽
(
さわやか
)
に)獄屋ではない、大自由、大自在な領分だ。歎くもの悲しむものは無論の事、
僅少
(
きんしょう
)
の
憂
(
うれい
)
あり、不平あるものさえ一日も
一個
(
ひとり
)
たりとも国に置かない。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
枕した
頭
(
つむり
)
の
傍
(
わき
)
に、薬瓶かと思う、小さな包を置いて、悠々と休んでいた
一個
(
ひとり
)
の青年を見た。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かかる異様なのが、
一個
(
ひとり
)
々々、多津吉等の一行と同じ影を
這
(
は
)
わせて
歩行
(
ある
)
いた。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
良心に
逐
(
お
)
われて
恐惶
(
きょうこう
)
せる盗人は、発覚を予防すべき用意に
遑
(
いとま
)
あらざりき。渠が塀ぎわに
徘徊
(
はいかい
)
せしとき、
手水口
(
ちょうずぐち
)
を
啓
(
ひら
)
きて、家内の
一個
(
ひとり
)
は早くすでに白糸の姿を認めしに、渠は
鈍
(
おそ
)
くも知らざりけり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(不審立聴く)
一個
(
ひとり
)
の
婀娜的
(
あだもの
)
、三枚
襲
(
がさね
)
に
肩掛
(
ショオル
)
を着て
縮緬
(
ちりめん
)
の頭巾
目深
(
まぶか
)
なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一個
(
ひとり
)
の
幼児
(
おさなご
)
を抱きたるが、
夜深
(
よふ
)
けの人目なきに心を許しけん、帯を解きてその幼児を膚に引き
緊
(
し
)
め、着たる
襤褸
(
らんる
)
の綿入れを
衾
(
ふすま
)
となして、少しにても多量の暖を与えんとせる、母の心はいかなるべき。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
卓子
(
テエブル
)
を
傍
(
わき
)
に椅子に
倚
(
かか
)
って、
一個
(
ひとり
)
の貴夫人と
対向
(
さしむか
)
いで居た。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一個
(
ひとり
)
年若き佳人にござ候。
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“一個”の意味
《名詞・形容動詞》
物が一つであること。
人がひとりであること。
水田などの流水量の単位。毎秒一立方尺。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
個
常用漢字
小5
部首:⼈
10画
“一個”で始まる語句
一個人
一個々々
一個撃
一個住
一個子
一個宛
一個月
一個一個
一個孤椿
一個息子