“蓄髯”の読み方と例文
読み方割合
ちくぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一個ひとり洋服の扮装いでたちにて煙突帽をいただきたる蓄髯ちくぜんおとこ前衛して、中に三人の婦人を囲みて、あとよりもまた同一おなじ様なる漢来れり。渠らは貴族の御者なりし。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
対の扮装いでたちそでを連ねて侍女こしもとにん陪乗し、馭者ぎょしゃ台には煙突帽をいただきたる蓄髯ちくぜんおのこあり、晏子あんしの馭者の揚々たるにて主公の威権おもうべし。浅葱あさぎ裏を端折りたる馬丁べっとうにん附随つきしたがい、往来狭しとむちを挙げぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)