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盤
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ばん
ふりがな文庫
“
盤
(
ばん
)” の例文
「ねえ、おかよや、おまえ、この
子守唄
(
こもりうた
)
をきいたことがあって?」といって、
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
から一
枚
(
まい
)
のレコードを
抜
(
ぬ
)
いて、
盤
(
ばん
)
にかけながら
谷にうたう女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
赤シャツの農夫は、
窓
(
まど
)
ぶちにのぼって、時計の
蓋
(
ふた
)
をひらき、針をがたがた
動
(
うご
)
かしてみてから、
盤
(
ばん
)
に書いてある小さな字を読みました。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
曹丕は、八
盤
(
ばん
)
の大礼という儀式の後、台にのぼって玉璽をうけ、帝は大小の旧朝臣を従えて、御涙をかくしながら階下に
降
(
くだ
)
られた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尤も私の方からは參つたことはございません。檜木樣のところには良い
盤
(
ばん
)
がないからと仰しやつて、毎度私のところにいらつしやいますが
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
湯はお
湯
(
ゆ
)
でない、王様の名だ、
盤
(
ばん
)
はたらいだ、たらいに格言をほりつけたのだ、人間は毎日顔を洗い口をすすいでわが身を新たにするごとく
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
とうとう二、三
盤
(
ばん
)
打
(
う
)
つことにした。人間も
糟谷
(
かすや
)
のような
境遇
(
きょうぐう
)
に
落
(
お
)
つるとどっちへむいても
苦痛
(
くつう
)
にばかり
出会
(
であ
)
うのである。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その色青みありて黒く甚だなめらかなり、
農夫
(
のうふ
)
これをもつて
藁
(
わら
)
をうつ
盤
(
ばん
)
となす、其夜妻
庭
(
には
)
に
出
(
いで
)
しに
燦然
(
さんぜん
)
として光る物あり、妻
妖怪
(
ばけもの
)
なりとして
驚
(
おどろき
)
叫
(
さけぶ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
高一少年は、すばやくきかいのかばんをかたにかけると、その
目
(
め
)
もり
盤
(
ばん
)
を、うごかしてみました。すると、電気鳩がつつみのなかから出てきました。
電気鳩
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
……こゝでは
町
(
まち
)
も、
森
(
もり
)
も、ほとんど
一浦
(
ひとうら
)
のなぎさの
盤
(
ばん
)
にもるが
如
(
ごと
)
く、
全幅
(
ぜんぷく
)
の
展望
(
てんばう
)
が
自由
(
じいう
)
だから、
瀬
(
せ
)
も、
流
(
なが
)
れも、
風
(
かぜ
)
の
路
(
みち
)
も、
鳥
(
とり
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
知
(
し
)
れるのである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
古いころの双六は今ある
一枚刷
(
いちまいず
)
りの
道中双六
(
どうちゅうすごろく
)
などとはちがって、
碁
(
ご
)
や
将棋
(
しょうぎ
)
と同じような
盤
(
ばん
)
の上の競技であった。そうしてその遊びをすることを打つといっていた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
向日葵
(
ひまわり
)
、
毎幹
(
まいかん
)
の
頂上
(
ちょうじょう
)
に
只
(
ただ
)
一花
(
いっか
)
あり、
黄弁大心
(
おうべんたいしん
)
、
其
(
そ
)
の形
盤
(
ばん
)
の
如
(
ごと
)
く、太陽に
随
(
したが
)
いて回転す、
如
(
も
)
し日が東に
昇
(
のぼ
)
れば
則
(
すなわ
)
ち花は東に
朝
(
むか
)
う、日が天に
中
(
なか
)
すれば
則
(
すなわ
)
ち花
直
(
ただ
)
ちに上に
朝
(
むか
)
う
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
するともうひとりが、その糸をしめらして、三人めの女がそれをぐるぐるまわして、指でうけ
盤
(
ばん
)
をたたきました。そして、この女がたたくたびに、いくらかのより
糸
(
いと
)
が下へおちました。
三人の糸くり女
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
電人Mは、またスイッチ
盤
(
ばん
)
の前に立って、いくつかのスイッチを入れました。
電人M
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その焼餅を盛った
盤
(
ばん
)
にしたがって、一つの黒い物が入り込んで来た。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
盤
(
ばん
)
は三たび、床上に跳りぬ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
その日と時間に合わせて
盤
(
ばん
)
をまわすと、そのとき出ているそらがそのまま
楕円形
(
だえんけい
)
のなかにめぐってあらわれるようになっており
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、朶思大王も孟獲も、有頂天によろこんで、いよいよ大量に
酒瓶
(
さかがめ
)
を開き、肉を
盤
(
ばん
)
に盛り、血を杯にそそいで夜に入るまで歓呼していた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
時計
(
とけい
)
の
針
(
はり
)
が
白
(
しろ
)
い
盤
(
ばん
)
の
面
(
おもて
)
を
動
(
うご
)
いていました。そのときはまだ、
昼前
(
ひるまえ
)
でありましたが、
著
(
いちじる
)
しく
日
(
ひ
)
の
長
(
なが
)
くなったのが
子供
(
こども
)
にも
感
(
かん
)
じられました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
平次はさう言つて、一と握りの
黒石
(
くろ
)
を、ガチヤリと
盤
(
ばん
)
の上へ叩き付けました。御用聞には
惜
(
を
)
しい人柄、碁さへ打たなきア、全く大した男前です。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その色青みありて黒く甚だなめらかなり、
農夫
(
のうふ
)
これをもつて
藁
(
わら
)
をうつ
盤
(
ばん
)
となす、其夜妻
庭
(
には
)
に
出
(
いで
)
しに
燦然
(
さんぜん
)
として光る物あり、妻
妖怪
(
ばけもの
)
なりとして
驚
(
おどろき
)
叫
(
さけぶ
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
はじめ
二目
(
にもく
)
三目
(
さんもく
)
より、
本因坊
(
ほんいんばう
)
膏汗
(
あぶらあせ
)
を
流
(
なが
)
し、
額
(
ひたひ
)
に
湯煙
(
ゆけむり
)
を
立
(
た
)
てながら、
得
(
え
)
たる
祕法
(
ひはふ
)
を
試
(
こゝろ
)
むるに、
僅少
(
わづかに
)
十餘子
(
じふよし
)
を
盤
(
ばん
)
に
布
(
し
)
くや、
忽
(
たちま
)
ち
敗
(
ま
)
けたり。
即
(
すなは
)
ち
踞
(
ひざまづ
)
いて
教
(
をしへ
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
湯
(
とう
)
の
盤
(
ばん
)
の
銘
(
めい
)
に
曰
(
いわ
)
く、まことに日に新たにせば日々に新たにし又日に新たにせん……こう読むのだ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
盤
(
ばん
)
は三度び、
床上
(
しようじよう
)
に跳りぬ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
榧
(
かや
)
の
柾目
(
まさめ
)
の
盤
(
ばん
)
が三面、行儀よく
並
(
なら
)
んでいた。床の間へ寄った一面は空いていて、紫ちりめんの座ぶとんだけがある。
那智石
(
なちいし
)
の白へ手を突っ込んで
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日
(
ひ
)
が
短
(
みじか
)
くて、
時計
(
とけい
)
の
針
(
はり
)
が、
白
(
しろ
)
い
盤
(
ばん
)
をわずかばかりしか
刻
(
きざ
)
まないうちに、もう
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れかかるのでありました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
老女
(
らうぢよ
)
ようちなつた
*6
といひつゝ木の
盤
(
ばん
)
の上に長き草をおきて
木櫛
(
きくし
)
のやうなるものにて
掻
(
かき
)
て
解分
(
ときわく
)
るさま也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そしてその地図の立派なことは、夜のようにまっ黒な
盤
(
ばん
)
の上に、一一の停車場や
三角標
(
さんかくひょう
)
、泉水や森が、青や
橙
(
だいだい
)
や緑や、うつくしい光でちりばめられてありました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(
可
(
いゝ
)
塩梅
(
あんばい
)
に
今日
(
けふ
)
は
水
(
みづ
)
がふへて
居
(
を
)
りますから、
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
りませんでも
此上
(
このうへ
)
で
可
(
よ
)
うございます。)と
甲
(
かう
)
を
浸
(
ひた
)
して
爪先
(
つまさき
)
を
屈
(
かゞ
)
めながら、
雪
(
ゆき
)
のやうな
素足
(
すあし
)
で
石
(
いし
)
の
盤
(
ばん
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
豪奢
(
ごうしゃ
)
をこらした城内の一室へ迎え入れたのです。多くの、後宮の女には、
粉黛
(
ふんたい
)
をさせ、珠をかざらせ、
楽
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
し、
盤
(
ばん
)
には、山海の珍味を盛って。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてその地図の
立派
(
りっぱ
)
なことは、夜のようにまっ黒な
盤
(
ばん
)
の上に、一々の
停車場
(
ていしゃば
)
や
三角標
(
さんかくひょう
)
、
泉水
(
せんすい
)
や森が、青や
橙
(
だいだい
)
や
緑
(
みどり
)
や、うつくしい光でちりばめられてありました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
(いい
塩梅
(
あんばい
)
に今日は水がふえておりますから、中へ入りませんでもこの上でようございます。)と甲を
浸
(
ひた
)
して
爪先
(
つまさき
)
を
屈
(
かが
)
めながら、雪のような素足で石の
盤
(
ばん
)
の上に立っていた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
要するに藤吉郎自身、藤吉郎という人間をよくよく
検
(
あらた
)
めてみると、途方もない
大慾
(
たいよく
)
の
容器
(
いれもの
)
なのである。喜怒哀楽とよぶ愚かなものはみんな盛り上げている
盤
(
ばん
)
である。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四辺
(
あたり
)
を
眴
(
みまは
)
し、
衣紋
(
えもん
)
を
直
(
なほ
)
して、
雪枝
(
ゆきえ
)
に
向
(
むか
)
つて、
背後向
(
うしろむ
)
きに、
双六巌
(
すごろくいは
)
に、
初
(
はじ
)
めは
唯
(
と
)
腰
(
こし
)
を
掛
(
か
)
ける
姿
(
すがた
)
と
見
(
み
)
えたが、
褄
(
つま
)
を
放
(
はな
)
して、
盤
(
ばん
)
の
上
(
うへ
)
へ、
菫
(
すみれ
)
鼓草
(
たんぽゝ
)
の
駒
(
こま
)
を
除
(
よ
)
けて、
采
(
さい
)
を
取
(
と
)
つて
横
(
よこ
)
に
寐
(
ね
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時計屋
(
とけいや
)
の店には明るくネオン
燈
(
とう
)
がついて、一
秒
(
びょう
)
ごとに石でこさえたふくろうの赤い
眼
(
め
)
が、くるっくるっとうごいたり、いろいろな
宝石
(
ほうせき
)
が海のような色をした
厚
(
あつ
)
い
硝子
(
ガラス
)
の
盤
(
ばん
)
に
載
(
の
)
って
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「オオ。何やらちと退屈をおぼえた、そちを相手に、
象戯
(
しょうぎ
)
でもさそうかと思うて。
盤
(
ばん
)
をこれへもて」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……
坊主
(
ばうず
)
の
法衣
(
ころも
)
は、
大巌
(
おほいは
)
の
色
(
いろ
)
の
乱
(
みだ
)
れた
双六
(
すごろく
)
の
盤
(
ばん
)
を
蔽
(
おほ
)
ふて、
四辺
(
あたり
)
は
墨
(
すみ
)
よりも
蔭
(
かげ
)
が
黒
(
くろ
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一秒ごとに石でこさえたふくろうの赤い
眼
(
め
)
が、くるっくるっとうごいたり、いろいろな宝石が海のような色をした厚い
硝子
(
ガラス
)
の
盤
(
ばん
)
に
載
(
の
)
って星のようにゆっくり
循
(
めぐ
)
ったり、また向う側から
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やがて
焙
(
あぶ
)
り肉や
羹
(
あつもの
)
も出来、
飴煮
(
あめに
)
も皿に盛られ、婆はほどよいころと、料理
盤
(
ばん
)
を持って、二階部屋をそっと開けた。……ところがである、婆の哲学は、案に相違していた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はい、また、大きな
蛋白石
(
たんぱくせき
)
の
盤
(
ばん
)
のようでございます」
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、さっそく、
盤
(
ばん
)
にたいして、
烏鷺
(
うろ
)
を
闘
(
たたか
)
わせ始めた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“盤”の意味
《名詞》
(バン)皿の形をした板。
(バン)ディスク。円盤型記憶媒体。
(出典:Wiktionary)
盤
常用漢字
中学
部首:⽫
15画
“盤”を含む語句
鍵盤
羅針盤
水盤
常盤
盤石
盤面
石盤
地盤
吸盤
常盤津
音盤
玉盤
盤渦
盤居
十露盤
杯盤
常盤木
杯盤狼藉
常盤橋
常盤座
...