トップ
>
持主
>
もちぬし
ふりがな文庫
“
持主
(
もちぬし
)” の例文
「いやいや、この鷲はわたしの
飼
(
か
)
い鳥でもない、
持主
(
もちぬし
)
といえば、
武田家
(
たけだけ
)
にご
由緒
(
ゆいしょ
)
のふかい鳥ゆえ、まず伊那丸君の物とでももうそうか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それも八月の
末
(
すえ
)
には、みんなめいめいの
持主
(
もちぬし
)
に
戻
(
もど
)
ってしまうのです。なぜなら、九月には、もう原の草が
枯
(
か
)
れはじめ
水霜
(
みずしも
)
が下りるのです。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
、
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
!
赫奕
(
かくやく
)
たる
此
(
こ
)
の
明星
(
みやうじやう
)
の
持主
(
もちぬし
)
なる、(
應
(
おう
)
)の
巨魁
(
きよくわい
)
が
出現
(
しゆつげん
)
の
機
(
き
)
熟
(
じゆく
)
して、
天公
(
てんこう
)
其
(
そ
)
の
使者
(
ししや
)
の
口
(
くち
)
を
藉
(
か
)
りて、
豫
(
あらかじ
)
め
引
(
いん
)
をなすものならむか。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
林
(
はやし
)
の
持主
(
もちぬし
)
に
請
(
こ
)
うて
掘
(
ほ
)
つたのである。それでも
餘
(
あま
)
りに
人
(
ひと
)
の
口
(
くち
)
が
八釜敷
(
やかましい
)
ので
主人
(
しゆじん
)
は
只
(
たゞ
)
幾分
(
いくぶん
)
でも
將來
(
しやうらい
)
の
警
(
いまし
)
めをしようと
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
清「此の観音さまは見た事があるが、
慥
(
たし
)
か
持主
(
もちぬし
)
は上州前橋の清水という
御用達
(
ごようたし
)
で、助右衞門様のであったが、何うしてこれがお前の手に
入
(
はい
)
ったえ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
バルメラ男爵!かのクリューズ県のエイギュイユ城の
持主
(
もちぬし
)
であったバルメラ男爵!、少年が父を救い出すために力を貸してもらったバルメラ男爵!
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
姉
(
あね
)
は
小柄
(
こがら
)
の、
美
(
うつく
)
しい
愛
(
あい
)
らしい
体
(
からだ
)
と
顔
(
かほ
)
の
持主
(
もちぬし
)
であつた。
嫻
(
みやび
)
やかな
落着
(
おちつ
)
いた
態度
(
たいど
)
や
言語
(
げんご
)
が、
地方
(
ちはう
)
の
物持
(
ものもち
)
の
深窓
(
しんそう
)
に
人
(
ひと
)
となつた
処女
(
しよぢよ
)
らしい
感
(
かん
)
じを、
竹村
(
たけむら
)
に
与
(
あた
)
へた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかるに文政のころ此地の
邦君
(
はうくん
)
風雅
(
ふうが
)
をこのみ玉ひしゆゑ、かの二枚
持主
(
もちぬし
)
より奉りければ、吉兵ヱヘ
常信
(
つねのぶ
)
の三幅対に白銀五枚、かの寺へもあつき賜ありて
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それ
故
(
ゆえ
)
か、少青年期間に
於
(
お
)
ける氏は、かなりな
美貌
(
びぼう
)
の
持主
(
もちぬし
)
であったにかかわらず、単に肉欲の対象以上あまり女性との深い恋愛関係などは持たなかった相です。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いやもう羨ましい
天恵
(
てんけい
)
を享受している次第で! 大概の上流の紳士は、こういう中流どころの紳士が持っているような胃の腑の
持主
(
もちぬし
)
になることが出来さえすれば
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
しかし水に映る顔が二つで、今や二つの鏡を引揚げた以上、その顔の
持主
(
もちぬし
)
とこの鏡の持主とのあいだに、なにかの関係があることだけは、誰にも容易に想像された。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あたりに人はいない、
金貨
(
きんか
)
は
持主
(
もちぬし
)
がいるようではなし、ちょうど手のとどくところをとんでいるんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ロミオ すりゃ、
其
(
その
)
名前
(
なまへ
)
に
胸板
(
むないた
)
を
射拔
(
いぬ
)
かれたやうに
思
(
おも
)
うて、
其
(
その
)
名前
(
なまへ
)
の
持主
(
もちぬし
)
が
大事
(
だいじ
)
の
近親
(
うから
)
を
殺
(
ころ
)
したゆゑ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それで、すぐに、その船長のところへ行って、そのこうりの
持主
(
もちぬし
)
はだれです、と聞いてみました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
能
(
よ
)
く/\原因を聞いて見ると、
今
(
いま
)
の
持主
(
もちぬし
)
が高利貸で、
家賃
(
やちん
)
を
無暗
(
むやみ
)
に
上
(
あ
)
げるのが、
業腹
(
ごうはら
)
だと云ふので、与次郎が
此方
(
こつち
)
から
立退
(
たちのき
)
を宣告したのださうだ。それでは与次郎に責任がある訳だ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
相当
(
さうたう
)
な
身柄
(
みがら
)
の
家
(
いへ
)
に
育
(
そだ
)
つただけに青木さん
夫婦
(
ふうふ
)
は
相方
(
さうはう
)
共に品のいい十人
並
(
なみ
)
な
容姿
(
ようし
)
の
持主
(
もちぬし
)
で、
善良
(
ぜんりやう
)
な
性格
(
せいかく
)
ながらまた
良家
(
りやうか
)
の子らしい、矜
持
(
ぢ
)
と、
幾
(
いく
)
らか
見
(
み
)
えを
張
(
は
)
るやうな
氕質
(
きしつ
)
もそなへてゐた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
これが子爵の心の奥に
潜
(
ひそ
)
めた響であツた。要するに周三は、子爵の爲に、また勝見家の爲に
種馬
(
たねうま
)
の資格となツたのだ。好い
馬
(
うま
)
を生ませる爲に、種馬の
持主
(
もちぬし
)
は誰にしても種馬を大事にする。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
この
夫婦
(
ふうふ
)
の
家
(
うち
)
の
後方
(
うしろ
)
には、
小
(
ちい
)
さな
窓
(
まど
)
があって、その
直
(
す
)
ぐ
向
(
むこ
)
うに、
美
(
うつく
)
しい
花
(
はな
)
や
野菜
(
やさい
)
を一
面
(
めん
)
に
作
(
つく
)
った、きれいな
庭
(
にわ
)
がみえるが、
庭
(
にわ
)
の
周囲
(
まわり
)
には
高
(
たか
)
い
塀
(
へい
)
が
建廻
(
たてまわ
)
されているばかりでなく、その
持主
(
もちぬし
)
は
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
魔力
(
まりょく
)
はそれをはなった
持主
(
もちぬし
)
の
怒気
(
どき
)
をうけて、ブウーンと
独楽
(
こま
)
の
心棒
(
しんぼう
)
に
生命力
(
せいめいりょく
)
をよみがえらし、
蛾次郎
(
がじろう
)
の顔へうなりをあげておどってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魔物
(
まもの
)
で
無
(
な
)
くて、
魔物
(
まもの
)
で
無
(
な
)
くて、
汝
(
おのれ
)
、
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
が
漕出
(
こぎだ
)
して、
濠
(
ほり
)
の
中
(
なか
)
で
自然
(
しぜん
)
に
焼
(
や
)
ける……
不思議
(
ふしぎ
)
な
船
(
ふね
)
の
持主
(
もちぬし
)
が
有
(
あ
)
るものか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかるに文政のころ此地の
邦君
(
はうくん
)
風雅
(
ふうが
)
をこのみ玉ひしゆゑ、かの二枚
持主
(
もちぬし
)
より奉りければ、吉兵ヱヘ
常信
(
つねのぶ
)
の三幅対に白銀五枚、かの寺へもあつき賜ありて
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
畑
(
はたけ
)
には
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
麥
(
むぎ
)
が
青
(
あを
)
く
生
(
は
)
えて
居
(
ゐ
)
たが、それでも
持主
(
もちぬし
)
は
畑
(
はたけ
)
が
減
(
へ
)
るだけ
田
(
た
)
の
面積
(
めんせき
)
が
増
(
ま
)
す
理由
(
わけ
)
なのと、
土
(
つち
)
の
分量
(
ぶんりやう
)
も
格別
(
かくべつ
)
の
事
(
こと
)
でないのとで
切
(
き
)
り
取
(
と
)
ることを
否
(
いな
)
まなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
前の
持主
(
もちぬし
)
の時代からここに祭られてあったのだが、もう大変にいたんでいるのと、新しい持主は稲荷さまなどというものに対してちっとも尊敬心を抱いていないのとで
月の夜がたり
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
持主
(
もちぬし
)
の
老婆
(
ろうば
)
が、ねこを
探
(
さが
)
しにきて、『わたしのねこが、こちらにきているでしょう。たしかになき声がしていましたよ』と、がなりたて、
部屋
(
へや
)
の中をじろじろとのぞきこんだが
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
神伝
(
しんでん
)
の
火独楽
(
ひごま
)
がいかにおそるべき
魔力
(
まりょく
)
をもっているかということは、だれよりも同じ
水独楽
(
みずごま
)
の
持主
(
もちぬし
)
蛾次郎はよく知っているので、あいつを
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
以前
(
いぜん
)
の
持主
(
もちぬし
)
、
二度目
(
にどめ
)
のはお
取次
(
とりつぎ
)
、
一人
(
ひとり
)
も
仕込
(
しこ
)
んだ
覺
(
おぼ
)
えはないから、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
たちは
無論
(
むろん
)
の
事
(
こと
)
、
港
(
みなと
)
へ
出入
(
ではひ
)
る、
國々
(
くに/″\
)
島々
(
しま/″\
)
のものに
尋
(
たづ
)
ねても、まるつきし
通
(
つう
)
じない、
希有
(
けう
)
な
文句
(
もんく
)
を
歌
(
うた
)
ふんですがね
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わたしは夫人の若いときを知らないが、今から察して、彼女の若盛りには人並以上の美貌の
持主
(
もちぬし
)
であったことは容易に想像されるのである。その上に相当の教養もある、家庭も裕福であるらしい。
鰻に呪われた男
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
枯
(
かれ
)
た
雀枝
(
すゞめえだ
)
を
採
(
と
)
ることは
何處
(
どこ
)
の
林
(
はやし
)
でも
持主
(
もちぬし
)
が
八釜敷
(
やかましく
)
いはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
猿
(
さる
)
は、
誰
(
だれ
)
が
持主
(
もちぬし
)
といふのでもない、
細引
(
ほそびき
)
の
麻繩
(
あさなは
)
で
棒杭
(
ばうくひ
)
に
結
(
ゆわ
)
えつけてあるので、あの、
占治茸
(
しめぢたけ
)
が、
腰弁当
(
こしべんたう
)
の
握飯
(
にぎりめし
)
を
半分
(
はんぶん
)
与
(
や
)
つたり、
坊
(
ばつ
)
ちやんだの、
乳母
(
ばあや
)
だのが
袂
(
たもと
)
の
菓子
(
くわし
)
を
分
(
わ
)
けて
与
(
や
)
つたり
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
背中
(
せなか
)
がぞつと
寒
(
さむ
)
く
成
(
な
)
る……
背後
(
うしろ
)
を
見
(
み
)
る、と
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に
袖畳
(
そでだゝ
)
みをした
女
(
をんな
)
の
羽織
(
はおり
)
、わがねた
扱帯
(
しごき
)
、
何
(
なに
)
となく
色
(
いろ
)
が
冷
(
つめた
)
く
成
(
な
)
つて
紀念
(
かたみ
)
のやうに
見
(
み
)
えて
来
(
き
)
た、——
持主
(
もちぬし
)
が
亡
(
な
)
くなると、
却
(
かへ
)
つてそんなものが
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
係合
(
かゝりあひ
)
にも
何
(
なん
)
にも、
私
(
わし
)
船
(
ふね
)
の
持主
(
もちぬし
)
でがすよ。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
持
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
“持主”で始まる語句
持主署名