月の夜がたりつきのよがたり
E君は語る。 僕は七月の二十六夜、八月の十五夜、九月の十三夜について、皆一つずつの怪談を知っている。長いものもあれば、短いものもあるが、月の順にだんだん話していくことにしよう。 そこで、第一は二十六夜——これは或る落語家から聞いた話だが、な …