感謝かんしや)” の例文
けれども貴殿あなたがそういふことをまうされるのも要之つまりぼくが一のちひさな小學校せうがくかう出身しゆつしんであることをほこるとか、感謝かんしやするとかふのは
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あはれむだらうか? いとふだらうか? それともまた淺猿あさましがるだらうか? さうしてあの可憐いぢらしくも感謝かんしや滿ちた忠實ちうじつ愛情あいぢやう
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
非常ひじやうなもんだよ。きみこといてくれた。おれ頭腦づなう明晰めいせきを一層確實そうかくじつ證據しようこだてる機會きくわいあたへてくれたこときみ感謝かんしやするね。ちたまへ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
わたくしいまやまた軍艦ぐんかんのみならず一度いちどうしなつたとおもつた日出雄ひでををもくにさゝぐること出來できるやうになつたこと感謝かんしやします。
なにかくさう、唯今たゞいま雲行くもゆきに、雷鳴らいめいをともなひはしなからうかと、氣遣きづかつたところだから、土地とち天氣豫報てんきよはうの、かぜはれ、に感謝かんしやへうしたのであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
政府せいふ當局者たうきよくしやとしてはこの國民こくみん努力どりよくたいしてふか感謝かんしやへうするのであるが、國民こくみんとしても自分じぶん努力どりよく結果けつくわ
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
どもたちをおもひあいすることによつて、わたしはわたしの苦惱くるしみにみちみてる生涯しやうがいきよく、そしてうつくしい日々ひゞとしてすごすでせう。これはおほきな感謝かんしやであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
宗助そうすけこゝろのうちで、このまめやかな細君さいくんあたらしい感謝かんしやねんいだくと同時どうじに、かうぎる結果けつくわが、一度いちど身體からださはやうさわぎでもおこしてれなければいがと心配しんぱいした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれはハヾトフが昨日きのふことおくびにもさず、にもけてゐぬやうな樣子やうすて、心中しんちゆう一方ひとかたならず感謝かんしやした。這麼非文明的こんなひぶんめいてき人間にんげんから、かゝ思遣おもひやりをけやうとは、まつた意外いぐわいつたので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
やつとのことで現今いまれう以前いぜん幾分いくぶんの一のおほきさに再建さいこんされるまでにはたな無残むざんのこぎりかゝつてたのである。それでも、老人等としよりら念佛ねんぶつ復活ふくくわつしたことに十ぶん感謝かんしや滿足まんぞくとをつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夫人ふじん言葉ことばに、病人びやうにん感謝かんしやするやうに、素直すなほうなづいた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
じつ感謝かんしやえません。』とわたくし不測そゞろ憘涙うれしなみだながるゝをきんなかつた。無邪氣むじやきなる日出雄少年ひでをせうねんをまんまるにして、武村兵曹たけむらへいそう肩上かたをどると。
わたしは、好意かうい感謝かんしやしながら、ちおもりのしたよくぢて、やせたつゑをついて、うつむいて歩行あるした。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『そしてほこりますか。そして其出身そのしゆつしんたることを感謝かんしやしますか』とへした兒玉こだま口調くてうはやゝげきしてた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彼女かのぢよはレースいと編物あみものなかいろめたをつと寫眞しやしんながめた。あたかもそのくちびるが、感謝かんしやいたはりの言葉ことばによつてひらかれるのをまもるやうに、彼女かのぢよこゝろをごつてゐた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「わし自分じぶんぢや什麽どんな襤褸ぼろだつてかまあねえがれであまにやねえ、わしもこんでお内儀かみさんにまでにや心配しんぺえしあんしたよ」勘次かんじわづかおびのことがおほきな事件じけん解決かいけつでもあたへられたやうにこゝろそこからいきほひづいて内儀かみさんのまへ感謝かんしやした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女房にようばうでは、まるでとしちがふ。むすめか、それとも因果いんぐわなにとかめかけであらうか——なににしろ、わたしは、みゝかくしであつたのを感謝かんしやする。……島田髷しまだでは遣切やりきれない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なるほどわかりました、ちからです、です、そしてじつまた希望きばうです、ぼく貴殿あなた大島小學校おほしませうがくかう出身しゆつしんであることを感謝かんしやし、ほこらるゝことを、當然たうぜんおもひます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
日出雄少年ひでをせうねんをば眞個しんこ海軍々人かいぐんぐんじんゆだねんとせしかれちゝこゝろざしが、いま意外いぐわい塲所ばしよで、意外いぐわいひとよつたつせらるゝこのうれしき運命うんめいに、おもはず感謝かんしやなみだ兩眼りようがんあふれた。
ぼく批評家ひゝやうか御注文ごちゆうもんおうずべく神樣かみさまぼくおよ人類じんるゐつくつてれなかつたことを感謝かんしやする。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
きやく歡迎くわんげいする主人しゆじんたいして、感謝かんしやへうするがごときものであつた。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)