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こころざし
ふりがな文庫
“
志
(
こころざし
)” の例文
もちろん、
老人
(
ろうじん
)
の
志
(
こころざし
)
も
無
(
む
)
とならなかったばかりか、
B医師
(
ビーいし
)
は、
老人
(
ろうじん
)
の
好
(
す
)
きだったらしいすいせんを
病院
(
びょういん
)
の
庭
(
にわ
)
に
植
(
う
)
えたのでありました。
三月の空の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
下
(
くだ
)
れる世に立って、わが真を貫徹し、わが善を
標榜
(
ひょうぼう
)
し、わが美を提唱するの際、
拖泥帯水
(
たでいたいすい
)
の
弊
(
へい
)
をまぬがれ、
勇猛精進
(
ゆうもうしょうじん
)
の
志
(
こころざし
)
を固くして
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一度ありたりとて自ら
已
(
すで
)
に大悟徹底したるが如く思はば、
野狐禅
(
やこぜん
)
に
堕
(
お
)
ちて
五百生
(
ごひゃくしょう
)
の間
輪廻
(
りんね
)
を免れざるべし。
志
(
こころざし
)
は
大
(
だい
)
にすべき事なり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
このふた品を持って、北条
安房
(
あわ
)
どのを訪れ、幕府への御推挙を仰ぐとも、また一刀流を称して他に一家を構えようとも
志
(
こころざし
)
どおりにいたせ
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嫌だからとて「
瓢箪
(
ひょうたん
)
の
川流
(
かわなが
)
れ」のごとく浮世のまにまに流れて行くことは
志
(
こころざし
)
ある者の
快
(
こころよ
)
しとせざるところ、むしろ
愧
(
は
)
ずるところである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
そしておなじ
志
(
こころざし
)
のポオ助教授と帆村荘六とが、いまは博士の下で、『ガン星およびガン人の研究』という論文をつくっているという話だ。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
志
(
こころざし
)
を立てて自分の生活を開拓せんとするものにとって、特に、学問で身を立てようとするものにとって、東京ほど魅力のある誘惑はない。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
時々あわて者が現われて、一
時
(
じ
)
の
昂奮
(
こうふん
)
から要路の大官を狙ったりなどするのは、
畢竟
(
ひっきょう
)
大鵬
(
たいほう
)
の
志
(
こころざし
)
を知らざる
燕雀
(
えんじゃく
)
の行いである。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
少小より尊攘の
志
(
こころざし
)
早く決す、
蒼皇
(
そうこう
)
たる
輿馬
(
よば
)
、情
何
(
いずく
)
んぞ紛せんや。
温清
(
おんせい
)
剰
(
あま
)
し得て兄弟に
留
(
とど
)
む、
直
(
ただ
)
ちに東天に向って怪雲を掃わん
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
人が
独
(
ひと
)
りの力ではどうすることもできぬことでも、多数の
志
(
こころざし
)
を集めるならば何とかなるということを、
千人針
(
せんにんばり
)
というものはよくみとめている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
谷川から上って来さしった時、手足も顔も人じゃから、おらあ
魂消
(
たまげ
)
たくらい、お前様それでも感心に
志
(
こころざし
)
が
堅固
(
けんご
)
じゃから助かったようなものよ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは一旦取りましたが必要のない物ですから折角下すった
志
(
こころざし
)
は確かに受けたがこれは入用がないからお還し申すと言って還して遣りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
立派に
熨斗
(
のし
)
をつけて進上するから、ねえ、宗さん、後になっていざこざのないように一筆書いておくんなさいよ。その代りこれはわたしの
志
(
こころざし
)
さ。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
秀吉
(
ひでよし
)
の
志
(
こころざし
)
大
(
おほ
)
いなるも、
一四七
はじめより
天地
(
あめつち
)
に満つるにもあらず。
一四八
柴田と
丹羽
(
には
)
が富貴をうらやみて、羽柴と云ふ
氏
(
うぢ
)
を設けしにてしるべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「ねえ、ゴルドン君、おたがいにゆずりあってもはてしがない、連盟の第一義は
協力一致
(
きょうりょくいっち
)
だ、平和だ、親愛だ、その
志
(
こころざし
)
について考えてくれたまえ」
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
中川さんにも今そう申して来ました。お受け下さらんと僕の
志
(
こころざし
)
が無になります。これはわざわざ
貴嬢
(
あなた
)
に差上げるつもりで近頃新製の珍らしい半襟を
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お前は、
俺
(
わし
)
の子として、父の
志
(
こころざし
)
を継ぐことを、名誉だとは思わないのか、俺の志を継いで、俺が年来の望みを、果させて呉れようとは思わないのか。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
かく
志
(
こころざし
)
を
貫
(
つらぬ
)
く
能
(
あた
)
わずして、再び帰郷するの
止
(
や
)
むなきに至れるは、
卿
(
おんみ
)
に対しまた
朋友
(
ほうゆう
)
に対して面目なき次第なるも、
如何
(
いかん
)
せん両親の慈愛その度に過ぎ
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
どうしても建築学を研究する
志
(
こころざし
)
でお店を手伝ひ
乍
(
なが
)
らも独学で一生懸命店裏で本を読んだり暇を見ては方々の街の有名な建築を見て歩いたりしていらしつた。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
「ここに
井戸
(
いど
)
を
掘
(
ほ
)
って
旅
(
たび
)
の
人
(
ひと
)
にのんでもらおうと
思
(
おも
)
います。
志
(
こころざし
)
のある
方
(
かた
)
は一
銭
(
せん
)
でも五
厘
(
りん
)
でも
喜捨
(
きしゃ
)
して
下
(
くだ
)
さい。」
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
氏は新政府に出身して
啻
(
ただ
)
に口を
糊
(
のり
)
するのみならず、
累遷
(
るいせん
)
立身
(
りっしん
)
して特派公使に任ぜられ、またついに大臣にまで昇進し、
青雲
(
せいうん
)
の
志
(
こころざし
)
達
(
たっ
)
し得て
目出度
(
めでた
)
しといえども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
志
(
こころざし
)
の末通りけるか、万里の外なる蘇武が旅寝に故郷の砧きこえしとなり。
妾
(
わらは
)
も思ひ慰むと、とてもさみしきくれはとり、綾の衣を砧にうちて心慰まばやと思ひ候
謡曲と画題
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
見物は
残
(
のこ
)
らず見て聞いてかっさいをしたあとで、いくらでもお
志
(
こころざし
)
しだいにはらえばいいというのである。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
殿におかれて、お
志
(
こころざし
)
があれば、まだしものことですが、日々の登営すら
懶
(
ものう
)
く思われ、内書にあずかることさえ
疎
(
うと
)
んじらるるようでは、この先のことが案じられます。
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
楽堂の片隅に身を
狭
(
せば
)
めながら自分相応の小さな楽器を執って有名無名の多数の楽手が人生を
奏
(
かな
)
でる大管絃楽の
複音律
(
シンフォニイ
)
に
微
(
かす
)
かな一音を添えようとするのが私の
志
(
こころざし
)
である。
鏡心灯語 抄
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
今に至り初めて大に悟る所あり。自ら
顧
(
かえりみ
)
るときは不徳
※才
(
ひさい
)
事
(
こと
)
志
(
こころざし
)
と
違
(
たが
)
うこと多しと雖、
而
(
しか
)
も寸善を積みて止まざるときは、
何
(
いず
)
れの日
乎
(
か
)
必成
(
ひっせい
)
の期あるべきを信ずる事深し。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
成程小さい——が、折角の
志
(
こころざし
)
を無にするも何だから、借りて置く事にして、礼をいって
窓下
(
まどした
)
に据えると、雪江さんが、それよか入口の方が明るくッて好かろうという。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
等
(
ひと
)
しく時の政府に
反抗
(
はんこう
)
したるものにして、
若
(
も
)
しも西郷が
志
(
こころざし
)
を得て
実際
(
じっさい
)
に新政府を
組織
(
そしき
)
したらんには、これを認むることなお
維新政府
(
いしんせいふ
)
を認めたると同様なりしならんのみ。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
一に、その
志
(
こころざし
)
を罰し、
災
(
わざわい
)
を事前にふせぎ、世の禍根を除くため、であろうと、まず推測いたすな。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
故人の弟達や縁者の
志
(
こころざし
)
だと云って、代々木の酒屋の
屋号
(
やごう
)
のついた一升徳利が四本持ち出された。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「芳江殿のお
志
(
こころざし
)
は、有難くお受けは致しますものの、私はあなたのお父上より、職を解かれた者でござれば、もはや一刻もこの国には、止どまり兼ねるのでござりまする」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「酒までたくさんそろええてくれた
志
(
こころざし
)
に
免
(
めん
)
じて、今晩はお前の家で
酒盛
(
さかも
)
りをするとしよう」
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
其傍に
光輝
(
こうき
)
燦爛
(
さんらん
)
たるものあるを
見
(
み
)
しものありと、此等の
迷霧
(
めいむ
)
を
霽
(
はら
)
さしめんとの
志
(
こころざし
)
は一行の胸中に
勃然
(
ぼつぜん
)
たり、
此挙
(
このきよ
)
や数年前より
県庁内
(
けんちやうない
)
に於て
行
(
おこな
)
はんとの
議
(
ぎ
)
ありしも
常
(
つね
)
に
其機
(
そのき
)
を得ず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
子
(
し
)
亟
(
すみや
)
かに
去
(
さ
)
れ、
我
(
われ
)
を
汙
(
けが
)
すこと
無
(
な
)
かれ。
我
(
われ
)
寧
(
むし
)
ろ
(三七)
汙涜
(
をとく
)
の
中
(
うち
)
に
遊戲
(
いうぎ
)
して
自
(
みづか
)
ら
快
(
こころよ
)
うせん。
國
(
くに
)
を
有
(
たも
)
つ
者
(
もの
)
に
(三八)
覊
(
き
)
せらるること
無
(
な
)
からん。
終身
(
しうしん
)
仕
(
つか
)
へず、
以
(
もつ
)
て
吾
(
わ
)
が
志
(
こころざし
)
を
快
(
こころよ
)
うせんかな
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
真に
然
(
しか
)
り、真に然り、君の
苦衷
(
くちゅう
)
察するにあまりあり。君のごとき
志
(
こころざし
)
を抱いて、世に出でし最初の秋をかくさびしく暮らすを思へば、われらは不平など言ひてはをられぬはずに候。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
哲人はいった、「三軍もその帥をうばうべし、
匹夫
(
ひっぷ
)
もその
志
(
こころざし
)
をうばうべからず。」
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
珠運
(
しゅうん
)
梅干渋茶に夢を
拭
(
ぬぐ
)
い、朝
飯
(
はん
)
平常
(
ふだん
)
より
甘
(
うま
)
く食いて
泥
(
どろ
)
を踏まぬ
雪沓
(
ゆきぐつ
)
軽
(
かろ
)
く、
飄々
(
ひょうひょう
)
と
立出
(
たちいで
)
しが、折角
吾
(
わが
)
志
(
こころざし
)
を彫りし
櫛
(
くし
)
与えざるも残念、家は宿の
爺
(
おやじ
)
に
聞
(
きき
)
て街道の
傍
(
かたえ
)
を
僅
(
わずか
)
折り曲りたる所と知れば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これは少しだけれど、ほんの、わたしたちの
志
(
こころざし
)
、どうぞ納めておいて下さい。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
抽斎の家には
食客
(
しょっかく
)
が絶えなかった。少いときは二、三人、多いときは十余人だったそうである。大抵諸生の中で、
志
(
こころざし
)
があり才があって自ら給せざるものを選んで、寄食を許していたのだろう。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そして、一遍うちのなかを外国人に見せるたびに、シュミット爺さんは、案内して来たものからいくらかの
志
(
こころざし
)
をもらうのだろうと思った。ウィーンは心づけのこまごまといるところだったから。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
志
(
こころざし
)
はあったが、結婚後は手が廻り兼ねた。両親も察して、それには及ばないと言ってくれたのを幸い、その中俸給が上ってからと心掛けていたら、長男が生れた。以来一年置きに人口が
繁殖
(
はんしょく
)
した。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
尊王攘夷
(
そんのうじょうい
)
という言葉は御隠居自身の筆に成る水戸弘道館の碑文から来ているくらいで、最初のうちこそ御隠居も外国に対しては、なんでも一つ
撃
(
う
)
ち
懲
(
こら
)
せという方にばかり
志
(
こころざし
)
を向けていたらしいが
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
志
(
こころざし
)
は有難いが、ろくな御馳走はないぜ」
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
奇特の
志
(
こころざし
)
天晴れである。
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
志
(
こころざし
)
成ると銀河を仰ぎけり
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「おまえの
志
(
こころざし
)
は、よくお
父
(
とっ
)
さんにとどいたと
思
(
おも
)
います。もうろうそくがなくなったから、さあ
休
(
やす
)
みましょう。」と、
母親
(
ははおや
)
はいいました。
ろうそくと貝がら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
己
(
おの
)
れを
捨
(
す
)
つるには、その
疑
(
うたが
)
いを処するなかれ。その疑いを処すればすなわち
捨
(
しゃ
)
を
用
(
もち
)
うるの
志
(
こころざし
)
多く
愧
(
は
)
ず。人に
施
(
ほどこ
)
すにはその
報
(
ほう
)
を
責
(
せ
)
むるなかれ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
折から
山県蔦之助
(
やまがたつたのすけ
)
もかけつけた。あらためて
伊那丸
(
いなまる
)
に
志
(
こころざし
)
をのべ、一同にも引きあわされて、一
党
(
とう
)
のうちへ加わることになった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おい、あんちゃん。わしが王先生と醤買石の寝室を
覗
(
のぞ
)
きにいったことは、内緒にしておいてくれ。これはわしの
志
(
こころざし
)
ぢゃ」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうすると通行人のなかから、荷物はなくて信心の
志
(
こころざし
)
のある者が、二里でも三里でもお社の方角へ送って行くのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“志”の意味
《名詞》
(こころざし)何かをしたいと思うこと。特に、将来に対する希望や願望をかなえようとする決意。
(出典:Wiktionary)
志
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“志”を含む語句
意志
同志
志望
志操
御志
志斐嫗
芳志
中臣志斐媼
首里天加那志
御芳志
女同志
同志討
所志
立志
志都
篤志
志賀
聊斎志異
高志
志願
...