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夜半
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よは
ふりがな文庫
“
夜半
(
よは
)” の例文
今かゝる哀れを見んことは、神ならぬ身の知る由もなく、嵯峨の奧に
夜半
(
よは
)
かけて迷ひ來りし時は我れ情なくも
門
(
かど
)
をば
開
(
あ
)
けざりき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
この美しき一組の燭臺、上より焔を放ちてその
燦
(
あざや
)
かなること澄みわたれる
夜半
(
よは
)
の空の
望月
(
もちづき
)
よりもはるかにまされり 五二—五四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
お村が
虐殺
(
なぶりごろし
)
に遭ひしより、
七々日
(
なゝなぬか
)
にあたる
夜半
(
よは
)
なりき。お春は
厠
(
かはや
)
に
起出
(
おきい
)
でつ、
帰
(
かへり
)
には
寝惚
(
ねぼ
)
けたる眼の
戸惑
(
とまど
)
ひして、
彼
(
かの
)
血天井の部屋へ
入
(
い
)
りにき。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
政宗の「さゝずとも誰かは越えん
逢坂
(
あふさか
)
の関の戸
埋
(
うず
)
む
夜半
(
よは
)
の
白雪
(
しらゆき
)
」などは関路
ノ
雪という題詠の歌では有ろうか知らぬが、
何様
(
どう
)
して中々素人では無い。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
必
(
かな
)
らず
深
(
ふか
)
き
子細
(
しさい
)
ありて
尋常
(
なみ
)
ならぬ
思
(
おも
)
ひを
振袖
(
ふりそで
)
に
包
(
つヽ
)
む
人
(
ひと
)
なるべし、
扨
(
さて
)
もゆかしや
其
(
その
)
ぬば
玉
(
たま
)
の
夜半
(
よは
)
の
夢
(
ゆめ
)
。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
木枯の吹き
荒
(
すさ
)
ぶ
夜半
(
よは
)
に、教會の建物のかげから忍び出て、おみつの家の廂に手がかゝると、身輕に屋根に飛上る。雨戸を押破つて忍び込む。誰も氣の付かないうちに娘を抱いて出て來る。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
夜半
(
よは
)
の寒さに身震ひして寢床の中へ
藻繰
(
もぐ
)
り込んで、燈火を消した。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
しんしんと家をめぐりて桜さくおぞけだちたり
夜半
(
よは
)
にめざめて
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
もろびとに
訣
(
わかれ
)
をつげて立ちしかど
夜半
(
よは
)
過ぎて心耐へがてなくに
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
*譬へば風無き
夜半
(
よは
)
の
空
(
そら
)
、澄める月球とりかこみ、 555
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
うぐひすのねぐらの枝も
靡
(
なび
)
くまでなほ吹き通せ
夜半
(
よは
)
の笛竹
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
野分
(
のわき
)
の
夜半
(
よは
)
こそ
愉
(
たの
)
しけれ。そは
懐
(
なつか
)
しく
寂
(
さび
)
しきゆふぐれの
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
何處
(
どこ
)
やらに
魚族奴等
(
いろくづめら
)
が涙する
燻製
(
くんせい
)
にほふ
夜半
(
よは
)
は
乾
(
かわ
)
きて
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
鮎
(
あゆ
)
くれてよらで過ぎ行く
夜半
(
よは
)
の
門
(
かど
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
春の星を落して
夜半
(
よは
)
のかざしかな
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
信一の心づかひや
夜半
(
よは
)
の春 万
春
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
水無月
(
みなづき
)
くらき
夜半
(
よは
)
の窓に
凭
(
よ
)
り
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この
夜半
(
よは
)
に
音
(
おと
)
なく響く
管絃楽
(
オケストラ
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夜半
(
よは
)
にはかかるくたら
野
(
の
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
あめふる
夜半
(
よは
)
をすごしぬ。
忘春詩集:02 忘春詩集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
小机
(
こづくゑ
)
に墨
摺
(
す
)
る音や
夜半
(
よは
)
の冬
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ひかりこめたるかの
夜半
(
よは
)
に
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
のそよげる
夜半
(
よは
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
われや忘れじ夏の
夜半
(
よは
)
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夜半
(
よは
)
にして
一点鐘
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
かの
夜半
(
よは
)
の
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
知ろしめされ賜うて
後水尾帝
(
ごみづをてい
)
の
御製
(
ぎよせい
)
に「あはれさよ
夜半
(
よは
)
に
捨子
(
すてご
)
の
泣
(
なき
)
やむは母にそへ
乳
(
ぢ
)
の
夢
(
ゆめ
)
や見つらん」とは
夜更
(
よふけ
)
て
外面
(
そとも
)
の方に
赤子
(
あかご
)
の
泣聲
(
なくこゑ
)
の聞えしは捨子にやあらんと最と
哀
(
あは
)
れに聞えたりしが兎角するうちに彼
泣聲
(
なきごゑ
)
の止たりしかば如何せしやらんと思ひぬるうち又もや泣出しける
程
(
ほど
)
に
扨
(
さて
)
は
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
泣止
(
なきやみ
)
しは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蕭
(
しを
)
れし今までの
容姿
(
すがた
)
忽ち變り、
屹
(
きつ
)
と
容
(
かたち
)
を改め、言葉さへ
雄々
(
をゝ
)
しく、『冷泉樣には、何の要事あれば
夜半
(
よは
)
には來給ひし』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
しばらくして
又
(
また
)
ばさりと
障
(
さは
)
つた、
恁
(
かゝ
)
る
時
(
とき
)
、
恁
(
かゝ
)
る
山家
(
やまが
)
に
雪
(
ゆき
)
の
夜半
(
よは
)
、
此
(
こ
)
の
音
(
おと
)
に
恐氣
(
おぢけ
)
だつた、
婦人氣
(
をんなぎ
)
はどんなであらう。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
晝の始めより第三時の終りに亙りてあらはるゝところと同じとみえたり、かしこは
夕
(
ゆふべ
)
こゝは
夜半
(
よは
)
なりき —六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
宜
(
よ
)
く
御存
(
ごぞん
)
じ
私
(
わた
)
しが
歸鴈
(
きがん
)
を
好
(
す
)
きと
云
(
い
)
ふは
我身
(
わがみ
)
ながら
何故
(
なぜ
)
か
知
(
し
)
らねど
花
(
はな
)
の
山
(
やま
)
の
曉月夜
(
あかつきづきよ
)
さては
春雨
(
はるさめ
)
の
夜半
(
よは
)
の
床
(
とこ
)
に
鳴
(
なき
)
て
過
(
す
)
ぎる
聲
(
こゑ
)
の
別
(
わか
)
れがしみ/″\と
身
(
み
)
にしみて
悲
(
かな
)
しい
樣
(
やう
)
な
淋
(
さび
)
しいやうな
又
(
また
)
來
(
く
)
る
秋
(
あき
)
の
契
(
ちぎ
)
りを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
雲の上の住みかを捨てて
夜半
(
よは
)
の月いづれの谷に影隠しけん
源氏物語:18 松風
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
諸友願はく我に聞け、尊き夢の靈
夜半
(
よは
)
に
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
新しき本を買ひ来て読む
夜半
(
よは
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
夜半
(
よは
)
に「秘密」の抜けいでて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夜半
(
よは
)
にはかかるくたら野に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夜半
(
よは
)
の
燈
(
ともし
)
に鬼氣青し
鬼哭寺の一夜
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
風吹くあした雨の
夜半
(
よは
)
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夜半
(
よは
)
の
風
(
かぜ
)
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
夜半
(
よは
)
のねざめに鐘の音ひゞきぬ。おもへばわれは
清見寺
(
せいけんじ
)
のふもとにさすらへる身ぞ。ゆかしの鐘の
音
(
ね
)
や。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
夜半
(
よは
)
近くまでおくれし月は、その形白熱の
釣瓶
(
つるべ
)
のごとく、星を我等にまれにあらはし 七六—七八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
キヤツと
叫
(
さけ
)
びて
倒
(
たふ
)
るゝを、
見向
(
みむ
)
きもやらず
通
(
とほ
)
りしは、
優
(
いう
)
にやさしき
人
(
ひと
)
の、
黄楊
(
つげ
)
の
櫛
(
くし
)
を
唇
(
くちびる
)
に
銜
(
くは
)
へしなり。うらぶれし
良家
(
りやうか
)
の
女
(
むすめ
)
の、
父
(
ちゝ
)
の
病氣
(
いたつき
)
なるに、
夜半
(
よは
)
に
醫
(
い
)
を
乞
(
こ
)
へる
道
(
みち
)
なりけり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
案
(
あん
)
じにくれては
寐
(
ね
)
ずに
明
(
あか
)
す
夜半
(
よは
)
もあり、
嫁入時
(
よめいりどき
)
の
娘
(
むすめ
)
もちし
母親
(
はゝおや
)
の
心
(
こゝろ
)
なんのものかは、
疵
(
きず
)
あらせじとの
心配
(
しんぱい
)
大方
(
おほかた
)
にはあらざりけり、
雪三
(
せつざう
)
かくまで
熱心
(
ねつしん
)
の
聟撰
(
むこゑら
)
みも、
糸子
(
いとこ
)
は
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
すぐる
雲
(
くも
)
とも
思
(
おも
)
はず
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
中絶えんものならなくに橋姫の片敷く
袖
(
そで
)
や
夜半
(
よは
)
に
濡
(
ぬ
)
らさん
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
蒲団
(
ふとん
)
の重き
夜半
(
よは
)
の
寝覚
(
ねざ
)
めに。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
なべてみな死にゆく
夜半
(
よは
)
を
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
連弾
(
つれひ
)
く
夜半
(
よは
)
のそらだき
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
君も、父も、戀も、
情
(
なさけ
)
も、さては世に
産聲
(
うぶごゑ
)
擧げてより二十三年の旦夕に疊み上げ折重ねし一切の衆縁、六尺の皮肉と共に
夜半
(
よは
)
の嵐に吹き籠めて、行衞も知らぬ雲か煙。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
然
(
しか
)
も
刈萱
(
かるかや
)
の
蓑
(
みの
)
いつしかに
露
(
つゆ
)
繁
(
しげ
)
く、
芭蕉
(
ばせを
)
に
灌
(
そゝ
)
ぐ
夜半
(
よは
)
の
雨
(
あめ
)
、やがて
晴
(
は
)
れて
雲
(
くも
)
白
(
しろ
)
く、
芙蓉
(
ふよう
)
に
晝
(
ひる
)
の
蛬
(
こほろぎ
)
鳴
(
な
)
く
時
(
とき
)
、
散
(
ち
)
るとしもあらず
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
、
斜
(
なゝめ
)
に
簾
(
すだれ
)
を
驚
(
おどろ
)
かせば、
夏痩
(
なつや
)
せに
尚
(
な
)
ほ
美
(
うつく
)
しきが、
轉寢
(
うたゝね
)
の
夢
(
ゆめ
)
より
覺
(
さ
)
めて
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
待つ身につらき
夜半
(
よは
)
の
置炬燵
(
おきごたつ
)
、それは恋ぞかし、
吹風
(
ふくかぜ
)
すずしき夏の夕ぐれ、ひるの暑さを風呂に流して、身じまいの姿見、母親が手づからそそけ髪つくろひて、我が子ながら美くしきを立ちて見
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“夜半”の意味
《名詞》
夜半(やはん、よわ)
夜中。
(出典:Wiktionary)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
“夜半”で始まる語句
夜半亭
夜半比
夜半過
夜半楽
夜半着
夜半近