トップ
>
鷺
>
さぎ
ふりがな文庫
“
鷺
(
さぎ
)” の例文
鷺
(
さぎ
)
なりと
僞
(
いつは
)
り
喰
(
くは
)
せ我を
癩病
(
らいびやう
)
になし妻子親族に
疎
(
うと
)
ませたり故に餘儀なく我古郷を立去て原の
白隱禪師
(
はくいんぜんし
)
の御弟子となり日毎に
禪道
(
ぜんだう
)
の
教化
(
けうげ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
片足
(
かたあし
)
は、
水
(
みづ
)
の
落口
(
おちくち
)
に
瀬
(
せ
)
を
搦
(
から
)
めて、
蘆
(
あし
)
のそよぐが
如
(
ごと
)
く、
片足
(
かたあし
)
は
鷺
(
さぎ
)
の
眠
(
ねむ
)
つたやうに
見
(
み
)
える。……
堰
(
せき
)
の
上
(
かみ
)
の
水
(
みづ
)
は
一際
(
ひときは
)
青
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んで
靜
(
しづか
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
乗ってるものはみな赤シャツで、てかてか光る
赤革
(
あかかわ
)
の
長靴
(
ながぐつ
)
をはき、
帽子
(
ぼうし
)
には
鷺
(
さぎ
)
の毛やなにか、白いひらひらするものをつけていた。
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
鷺
(
さぎ
)
と
鴉
(
からす
)
ぐらいの見分けは誰にだってつくさ、これでも念流と小野派を少しばかり
噛
(
かじ
)
っているからね、名を聞かせてもらえないか」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いつか榊原家から出たという武蔵の
鷺
(
さぎ
)
の図にも、鷺の
眸
(
ひとみ
)
にほんのわずかではあるが、
藍
(
あい
)
の淡彩が点じてあったということも聞いている。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
鷺
(
さぎ
)
の
宮
(
みや
)
のあの家は売つてしまつたよ。いまは池上に銀行家の家を買つて、教祖とうちのものと一緒に住んでゐるが、これは立派だ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
その森の梢にはたくさんの
鷺
(
さぎ
)
や
鵜
(
う
)
が棲んでいるが、
寒
(
かん
)
三十日のあいだは皆んな何処へか立ち去って、寒が明けると又帰って来る。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
およぎの出來る
兒
(
こ
)
にはもつて來いの遊び場だつた。舟を
繋
(
つな
)
いでおくにもよかつた。
川蝉
(
かわせみ
)
が居る、
鷺
(
さぎ
)
が居る、岸には水あふひが浮いてゐる。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
『太平記』に「雨の降るが如くに
射
(
い
)
ける矢、二人の者共が
鎧
(
よろい
)
に、蓑毛の如くにぞ立たりける」。一つは
鷺
(
さぎ
)
の
頸
(
くび
)
に垂れたる蓑の如き毛のこと。
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
しかもその空席のあるのは
丁度
(
ちやうど
)
僕の
右鄰
(
みぎどおり
)
である。
鷺
(
さぎ
)
は
姉
(
ねえ
)
さん相当にそつと右鄰へ腰を下した。
鴛鴦
(
をしどり
)
は勿論
姉
(
あね
)
の前の
吊
(
つ
)
り革に片手を托してゐる。
鷺と鴛鴦
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「露西亜との軍費を
捲
(
ま
)
き上げて、之を菊三郎への軍費に流用する所、好個の外務大臣だ」
誠
(
まこと
)
や筆を
執
(
と
)
つては
鷺
(
さぎ
)
を烏となし
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
多年の
揣摩
(
ずいま
)
一時の
宏弁
(
こうべん
)
、自然に備わる抑揚
頓挫
(
とんざ
)
、
或
(
あるい
)
は開き或は
闔
(
と
)
じて縦横自在に言廻わせば、
鷺
(
さぎ
)
も
烏
(
からす
)
に成らずには置かぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そのほか
大鼓
(
おおつづみ
)
の家元は誰とか、小鼓の家元は誰とか一々きまつて居る。狂言の方にも大蔵流、
鷺
(
さぎ
)
流などそのほかにもある。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
寒い
洲崎
(
すさき
)
のほうに
鷺
(
さぎ
)
の立っている姿があたりの景によき調和を見せてい、はるばると長い宇治橋が向こうにはかかり
源氏物語:53 浮舟
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
かれ
曙立
(
あけたつ
)
の王に
科
(
おほ
)
せて、うけひ白さしむらく
一〇
、「この大神を拜むによりて、
誠
(
まこと
)
に
驗
(
しるし
)
あらば、この
鷺
(
さぎ
)
の
巣
(
す
)
の池
一一
の樹に住める鷺を、うけひ落ちよ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
右ての小暗い葦のなかに
筌
(
うえ
)
がひとつうちよせられてるのでほかにもありはしないかと見まわしてたら
鷺
(
さぎ
)
が一羽あわただしくたって北浦のほうへ飛んでいった。
島守
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
池の真中の小島では大きな
鷺
(
さぎ
)
が、安心しきって
長閑
(
のどか
)
に一本脚で立っているのを見た時は、面白いなと思った。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
四、五位
鷺
(
さぎ
)
のプロムナアドは
泥鰌
(
どじょう
)
の悩み。
懇篤
(
こんとく
)
重厚なるジェルメエヌ後家の述懐、涙ぐましき苦業の数々。
ノンシャラン道中記:01 八人の小悪魔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鴨
(
かも
)
、
小鴨
(
こがも
)
、
山鳩
(
やまばと
)
、
兎
(
うさぎ
)
、
鷺
(
さぎ
)
、
五位鷺
(
ごいさぎ
)
、
鴛鴦
(
おしどり
)
なぞは五日目ないし六日目を食べ頃としますがその
中
(
うち
)
で鳩は腐敗の遅い鳥ですから七、八日目位になっても構いません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
孔
(
あな
)
のあいた五銭銅貨を一つ持つてゐるのさへ自慢する者がある世の中だから、大久保知事が電車で
鷺
(
さぎ
)
のやうに衝立つてゐるのを自慢したつて少しも
差支
(
さしつかへ
)
はない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは遠くもない
田舎
(
いなか
)
に、甚五郎が
隠
(
かく
)
れているのが知れたので、助命を願いに出たのである。源太夫はこういう話をした。甚五郎は
鷺
(
さぎ
)
を撃つとき蜂谷と
賭
(
かけ
)
をした。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
見定めると五六寸も積った
筈
(
はず
)
の雪の上へ、
鷺
(
さぎ
)
のような真白な女が、ふんわりと立って居るのでした。
猟色の果
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
島なき場所も
柳島
(
やなぎしま
)
三河島
(
みかはしま
)
向島
(
むかうじま
)
なぞと呼ばれ、森なき処にも
烏森
(
からすもり
)
、
鷺
(
さぎ
)
の
森
(
もり
)
の如き名称が残されてある。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
一郎は、そっと立っていって、
戸棚
(
とだな
)
の上の
剥製
(
はくせい
)
の鳥を持ってきました。それは、
鷺
(
さぎ
)
に似た白い鳥でしたが、不思議に、長いくちばしが頭の横っちょについていました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
背後
(
うしろ
)
へ倒れかかったらしく、そこにある白樺の太い幹へ、十字架にかかったような姿勢でよりかかって、痛そうに顔をしかめ、
鷺
(
さぎ
)
のように片足で立っているのだった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
聞けば初代の
鷺
(
さぎ
)
さくさんは
嘗
(
かつ
)
て南地の演舞場の師匠をしてい、あしべ踊の振付をしていた人なので
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
侍臣が王の命のままに持って来たのは羽の真白な
鷺
(
さぎ
)
のような鶉で、ただの鳥ではなかった。王成はその鶉を見てしょげてしまい、ひざまずいて
罷
(
や
)
めさしてくれといった。
王成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
そのてっぺんには
鳶
(
とび
)
だの
鷺
(
さぎ
)
だの、また
鸛
(
こう
)
の鳥だのの、巣をくったのが見られたということである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
失礼! と言い
度
(
た
)
い程加奈子には土が珍らしく踏むのが
勿体
(
もったい
)
ない。加奈子の
靴尖
(
くつさき
)
が地面の皮膚の下に静脈の通っていなそうな所を選んで
鷺
(
さぎ
)
のように、つつましく踏み立つ。
豆腐買い
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
賑やかな街の真中に、寒さに震えながら立ち
竦
(
すく
)
んだようにしている爺さんは、まるで、瀕死の
鷺
(
さぎ
)
が、目を瞑り汚れた羽毛をけば立てて、一本脚で立っているように見えた。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
但し是等は
食
(
くら
)
うべからず即ち
鵰
(
わし
)
、
黄鷹
(
くまたか
)
、
鳶
(
とび
)
、
鸇
(
はやぶさ
)
、
鷹
(
たか
)
、黒鷹の
類
(
たぐい
)
、
各種
(
もろもろ
)
の
鴉
(
からす
)
の
類
(
たぐい
)
、
鴕鳥
(
だちょう
)
、
梟
(
ふくろ
)
、
鴎
(
かもめ
)
、
雀鷹
(
すずめたか
)
の
類
(
たぐい
)
、
鸛
(
こう
)
、
鷺
(
さぎ
)
、白鳥、
鸅鸆
(
おすめどり
)
、大鷹、
鷀
(
う
)
、
鶴
(
つる
)
、
鸚鵡
(
おうむ
)
の
類
(
たぐい
)
、
鷸
(
しぎ
)
および
蝙蝠
(
こうもり
)
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
鶴や
鷺
(
さぎ
)
だってそうかも知れぬが立って歩くという感じにならない。とにかく黒のモーニングの
礼装
(
れいそう
)
したような
風態
(
ふうてい
)
で、それがチャップリンもどきの足つきである所が面白い。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
ムルタはまた蘆を吹いた、
鷺
(
さぎ
)
が七つ目の螺旋の線にとび上がるほどの時間であった。それで彼は吹きやめると、蘆を投げすてて緑色の中にながめ入りながら真直ぐに立った。
精
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
ついでに茶漬けとは別な話であるが、京都には「
鷺
(
さぎ
)
知らず」という美味い小ざかながある。
京都のごりの茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
洲
(
す
)
のあらわれた河原には白い
鷺
(
さぎ
)
がおりて、
納戸色
(
なんどいろ
)
になった水には寒い風が吹きわたった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
木蓮
(
もくれん
)
らしい白い花が夢のように浮き上っていて、その下の
水際
(
みずぎわ
)
から一羽の
鷺
(
さぎ
)
が今しも飛び立とうとしているところであるが、
朧
(
おぼ
)
ろな花や林にひきかえてその鷺一匹の生動の気力は
比叡
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
船が川の中程まで来たとき、川上の方を、白
鷺
(
さぎ
)
の群が低くとんでわたるのを、人々は見ました。それを見て、今までだまつてゐた人々が、「白鷺ぢや」「ほう」とささやきました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
重畳
(
ちょうじょう
)
した岩のぬめりを水は
湍
(
たぎ
)
ち、
碧
(
あお
)
く澄んで流れて、いうところの
鷺
(
さぎ
)
の瀬となる。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
さてセイロンのシンガリース人は林中で猴が死んでも屍を見せぬといい、その諺に「白い鳥と稲鳥(パッジー・バード、
鷺
(
さぎ
)
の一種)と直な椰樹と死んだ猴、それを見た人は死なぬはず」
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
故に一篇の詩に対する解釈は人各或は見を異にすべく、要は只類似の心状を喚起するに在りとす。例へば本書一〇二頁「
鷺
(
さぎ
)
の歌」を誦するに
当
(
あたり
)
て読者は種々の解釈を試むべき自由を有す。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
そうして
茨
(
いばら
)
だの
櫨
(
はぜ
)
だの
水松
(
みずまつ
)
だの、
馬酔木
(
あしび
)
だの、
満天星
(
どうだん
)
だの這い松だのの、潅木類は地面を這い、
鷺
(
さぎ
)
、
鶉
(
うずら
)
、
雉
(
きじ
)
、
梟
(
ふくろ
)
、
鷹
(
たか
)
、
鷲
(
わし
)
などの鳥類から、
栗鼡
(
りす
)
、
鼯鼡
(
むささび
)
、
𫠘
(
いたち
)
、
猯
(
まみ
)
、狐、穴熊、鹿などという
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
交
(
かわ
)
る
代
(
がわ
)
る足を上げて、
鷺
(
さぎ
)
のような恰好、
紅珊瑚
(
べにさんご
)
の爪さきを無心に拭いていると
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
庸三は見え隠れに
従
(
つ
)
いて行ったが、車の後になり先になりして、従いて行くのは葉子のトイレット・ケイスをぶら下げた少年詩人ばかりではなく、
鷺
(
さぎ
)
のように細い脚をした瑠美子もいたし
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
僕は近頃屡ば面会して当時の事情を詳しく聞ひたが、阪崎氏の「
汗血千里駒
(
かんけつせんりのこま
)
」や民友社の「阪本龍馬」などとは事実が余程違つて居る、符合した処も
幾干
(
いくばく
)
か有るが
鷺
(
さぎ
)
を
鴉
(
からす
)
と言ひ黒めた処も尠なからぬ。
千里駒後日譚
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
左右は
青田
(
あおた
)
である。
路
(
みち
)
は細い。
鷺
(
さぎ
)
の影が時々
闇
(
やみ
)
に差す。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
江
(
カウ
)
は
星影
(
ほしかげ
)
をひたして
鷺
(
さぎ
)
はすなごに眠れり。
放翁鑑賞:06 その六 ――放翁絶句十三首和訳(つけたり、雑詩七首)――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
わがいほは
鷺
(
さぎ
)
にやどかすあたりにて 野水
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
枯蘆
(
かれあし
)
に雪の残りや春の
鷺
(
さぎ
)
怒風
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
あら、
鷺
(
さぎ
)
が皆立つて
行
(
ゆ
)
きます
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
鷺
(
さぎ
)
の鳥ならば
野口雨情民謡叢書 第一篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
“鷺(サギ)”の解説
サギ(鷺)は、ペリカン目サギ科 (Ardeidae) に属する水鳥の総称である。雪客(せっかく)、白鳥(はくちょう)、雪鷺(せつろ)、糸禽(しきん)、舂鋤(しょうじょ)という異称もある。
(出典:Wikipedia)
鷺
漢検準1級
部首:⿃
24画
“鷺”を含む語句
蒼鷺
白鷺
五位鷺
青鷺
鷺草
鷺栖
鷺坂
虎豹鶴鷺
群鷺
白鷺城
朱鷺色
朱鷺
烏鷺
鷺娘
鷺山
鷺流
篦鷺
白鷺池
鷺水
鷺脚
...