金魚きんぎょ)” の例文
その金魚きんぎょともだちもなく、おやや、兄弟きょうだいというものもなく、まったくのひとりぼっちで、さびしそうに水盤すいばんなかおよぎまわっていました。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたして島本しまもとは、とくに注意ちゅういはしなかつたけれど、金魚きんぎょたつていいました。そして、ひらひらしていてうつくしかつた、といつたんです
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
「さァ、んでござんしょう。おおかた金魚きんぎょねらう、泥棒猫どろぼうねこかもれませんよ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
その揚句あげく、乱暴にも僕を溺死させたが、まだそれにあきたらないで僕を実験動物と呼び、そしてその僕をもっと金魚きんぎょさけのまねをさせようといっているのである。溺死はもうたくさんだ。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
にいさん、この金魚きんぎょは、ほんとうにつよ金魚きんぎょですこと。たった一つになっても、元気げんきよくあそんでいますのね。」と、いもうとがいいました。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
小鳥ことりつたこともないという、ごうつくばりの因業いんごうおやじが、なぜ金魚きんぎょになつたか、そのてんにも問題もんだいがないことはない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
こうなると、鉢の中に入れられた金魚きんぎょかめの子同然だ。金魚や亀の子なら、水中ですまして生きていられる。しかし僕は人間だ。空気を吸わねば生きていられない。これはいよいよ溺死できしまきか。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あるのこと、おじいさんは、金魚きんぎょのおけをかついで、「金魚きんぎょやい、金魚きんぎょやい——。」とびながら、ちいさなまちへはいってきました。
金魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、またおかしかつたのはれい平松刑事ひらまつけいじが、相変あいかわらず金魚きんぎょのことをにしていたことである。よほどの金魚好きんぎょずきにちがいない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
正雄まさおかんがえましたが、なるほど、この金魚きんぎょりのいうことは、ありそうなことでした。そこで、あおいボタンを一つけてやりました。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
じめじめした、いやな天気てんきがつづきました。生活力せいかつりょくとぼしい金魚きんぎょは、みんなよわってんでしまったけれど、どじょうは元気げんきでした。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おなんかやればんでしまう。きみ金魚きんぎょだって、おなかへいれればんでしまうだろう?」と、相手あいて少年しょうねんは、いいました。
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
泉水せんすいなかに、こいと金魚きんぎょが、たのしそうにおよいでいました。しかし、くろいねこが、よくねらっていますので、ゆだんができませんでした。
こいのぼりと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、くろいねこが泉水せんすいちかくをあるいていると、コケッコ、コケッコといって、泉水せんすいなか金魚きんぎょや、こいにも、注意ちゅういをしたのであります。
こいのぼりと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金魚きんぎょよりか、あいきょうがあるし、おどりもするし、ずっとおもしろいや。」と、子供こどもは、びんをあるいて、ともだちに吹聴ふいちょうしたのです。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まえからいた金魚きんぎょは、相手あいてにならないで、やはりすましたふうでおよいでいますと、乱暴者らんぼうものは、ますます意地悪いじわるくそのあといかけたのです。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
金魚きんぎょは、みずなかから、にわさきに、いろいろのいたはなをながめました。また、あるはやわらかにらすつきひかりをながめました。
金魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
正雄まさおは、うちまえあそんでいますと、金魚きんぎょりがとおりました。金魚きんぎょりは、みんなをると、金魚きんぎょのはいっているおけをろしました。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それは、ぼくにもわかるよ。なぜって、ちいさなものなかへ、金魚きんぎょをたくさんれておくと、だんだんんでしまうものね。」
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いけなかには、黄色きいろなすいれんがいていました。金魚きんぎょあか姿すがたが、みずうえいたりまるい葉蔭はかげかくれたりしていました。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いけないわ。ちょうせんぶななんかれては金魚きんぎょをみんなってしまうじゃないの。」と、ときさんは反対はんたいしました。
ぼっちゃん、この金魚きんぎょは、いい金魚きんぎょですけれど、すこしよわっていますよ。」と、おじいさんは、ほそくしてこたえました。
金魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
辰夫たつおくんとおねえさんは、あかるい金魚屋きんぎょやまえちました。たくさんのいろとりどりの金魚きんぎょあさいおけのなかおよいでいました。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなは、そのまわりにあつまって、金魚きんぎょをのぞいてたのです。ながいのや、まるいのや、またくろ金色きんいろのまだらなどの金魚きんぎょおよいでいました。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年しょうねん金魚きんぎょをちょっとただけで、やはり、熱心ねっしん熱帯魚ねったいぎょをながめていました。そして、こころからそうおもうもののごとく
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしんだ金魚きんぎょをどぶのなかてるにはなれませんでした。あなってをしき、そのうえへのせて、またをかけてつちにうめてやりました。
兄と魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まあちゃんは、ひとり幼稚園ようちえんからのかえりに、じっとちどまって、金魚きんぎょがあさいみずおよいでいるのをながめたのです。
秋のお約束 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けてから、金魚きんぎょや、こいがうえますと、おおきなこいのぼりは、あめにぬれてやぶれてかげもありませんでした。
こいのぼりと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なんとなく、金魚きんぎょ場合ばあいとは、ちがったようなもして、うたがわれましたので、先生せんせいいてみることにいたしました。
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なんで、このかわなか金魚きんぎょなんかがいるもんか、きっとひごいだろう。」と、ほかの子供こどもがいいました。
赤い魚と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「かわいそうだもの、ぼく金魚きんぎょをほしくないよ。」といって、辰夫たつおくんは、そのまえからはなれたのでした。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、金魚きんぎょわずに、うみほおずきをってかえったら、きっとおにいさんがわらうとはおもったけれど、辰夫たつおくんは、やはり、金魚きんぎょをいじめたくなかったのでした。
草を分けて (新字新仮名) / 小川未明(著)
三郎さぶろうは、ひといぬばかりでないねこもかわいがりました。また、小鳥ことりや、金魚きんぎょなどをもかわいがりました。なんでもちいさな、自分じぶんよりよわ動物どうぶつあいしたのであります。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どうしたの、たけちゃん?」と、こんどは、そのそばへとはしりました。ブリキかんのなかには、一ぴき金魚きんぎょが、あおむけになって、ぱくぱく、くちをやっていました。
夢のような昼と晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりののぞくあたまのあいだから、太陽たいようものぞくように、ひかりはかんのなかこんで、金魚きんぎょのからだが、さんらんとして、真紅しんく金粉きんぷんをちらすがごとくもえるのでした。
夢のような昼と晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうしたらあれをることができるかな。うまくといっしょにかれたなら、うちってかえって、金魚きんぎょはいっている水盤すいばんえようと空想くうそうしていたのでした。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんな、どじょうなんかなんだい、この金魚きんぎょたかいのだぜ。」といって、相手あいてにしませんでした。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あか金魚きんぎょ黄色きいろなめだか、うすずみいろをした、ふなのは、おもおもいにおよぎまわっていました。
川へふなをにがす (新字新仮名) / 小川未明(著)
ゆうちゃんは、いかにも金魚きんぎょたちがたのしそうにあそんでいるのをぼんやりながめていました。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たけちゃん! 金魚きんぎょったの。」と、少年しょうねんはそっちをいて、おおきなこえでいいました。
夢のような昼と晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかトラはひとうちはいんで、はじめのうちは、金魚きんぎょをとったり、カナリヤをべたり、おぜんについているおさかなをさらったりしたくらいのものですが、だんだんいたずらがつのって
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正吉しょうきちは、学校がっこうからかえると、道順みちじゅんから、青木あおき小田おださそいにくるのをあいだ金魚きんぎょみずえたりしていました。やがて、そと二人ふたりこえがしたので、正吉しょうきちは、いえたのであります。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今年ことしも、金魚きんぎょって水盤すいばんれると、あたらしく仲間入なかまいりをした金魚きんぎょは、さすがにざかなだけあって、あわてずゆうゆうと、ながをふりながら、はなくすいれんのかげを、いったり
川へふなをにがす (新字新仮名) / 小川未明(著)
あか金魚きんぎょあか着物きものをきたさるのように、それがえたのも不思議ふしぎがありません。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉雄よしおは、なるほどとおもいました。いくらさむくたって、金魚きんぎょをおなかにいれることはできない。そのかわり、たとえみずがこおっても、金魚きんぎょは、きていることを、おもったのであります。
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼり金魚きんぎょやこいがながされたろう。みずいたら田圃たんぼへいってみようよ。」
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みせには、金魚きんぎょや、めだかなど、いろいろならべてあったが、そのなかでも、ガラスのいれものにはいった熱帯魚ねったいぎょがめずらしいので、みんなは、このまえって、うつくしい姿すがたとれていました。
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねこはよくやってきて、三郎さぶろう大事だいじにしておいた金魚きんぎょころしたり、またお勝手かってにあったさかなったりしたことが、たびたびありました。けれど、三郎さぶろうねこをいじめたことがありませんでした。
少年の日の悲哀 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんながわたしたちを、金魚きんぎょよりきれいだといって、ほめてくれますし、めずらしいので、貴重品きちょうひんあつかいにして、あたいたかくつけ、大事だいじにしてくれますから、くにに、いたときのことをかんがえれば
つばめと魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くちわるい、ぼっちゃんたちは、おはなに、金魚きんぎょというあだをつけました。けれど、おはなは、そんなことをにかけるような性質せいしつでなく、いつも、田舎いなかにいた時分じぶんのように、いきいきしていました。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)