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此子
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このこ
ふりがな文庫
“
此子
(
このこ
)” の例文
教会の
老爺
(
じい
)
さんの子か知ら。今考えて見ると此の子は悪い処にいあわせたもんだ。乃公は
此子
(
このこ
)
を
賺
(
すか
)
して凧糸を其胸へ巻きつけた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
涙
(
なみだ
)
をかくして
見出
(
みいだ
)
せば
此子
(
このこ
)
、おゝ
宜
(
よ
)
く
來
(
き
)
たとも
言
(
い
)
はれぬ
仕義
(
しぎ
)
を
何
(
なん
)
とせん、
姉
(
あね
)
さま
這入
(
はい
)
つても
叱
(
し
)
かられはしませぬか、
約束
(
やくそく
)
の
物
(
もの
)
は
貰
(
もら
)
つて
行
(
ゆ
)
かれますか
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お辰
素性
(
すじょう
)
のあらまし
慄
(
ふる
)
う筆のにじむ墨に
覚束
(
おぼつか
)
なく
認
(
したた
)
めて守り袋に父が書き
捨
(
すて
)
の
短冊
(
たんざく
)
一
(
ひ
)
トひらと共に
蔵
(
おさ
)
めやりて、明日をもしれぬ
我
(
わ
)
がなき後頼りなき
此子
(
このこ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
フムと感心のコナシありて、
此子
(
このこ
)
なか/\話せるワエと、
忽
(
たちま
)
ち
詩箋
(
しせん
)
に
龍蛇
(
りうだ
)
はしり、
郵便箱
(
いうびんばこ
)
に
金玉
(
きんぎよく
)
の
響
(
ひゞき
)
ある
事
(
こと
)
になるとも、
我
(
われ
)
また
其夜
(
そのよ
)
の
思寝
(
おもひね
)
に
和韻
(
わゐん
)
の一
詩
(
し
)
をすら/\と
感得
(
かんとく
)
して
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
餅
(
もち
)
が
閊
(
つか
)
へたか……さア
大変
(
たいへん
)
だ……泣きながら
喫
(
たべ
)
るから
閊
(
つか
)
へるのだ困つたものだ……お待ちなさい……
此子
(
このこ
)
が心配する……
私
(
わし
)
が
脊
(
せなか
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
上
(
あ
)
げる……
宜
(
よ
)
いかい……
失礼
(
しつれい
)
だが
叩
(
たゝ
)
きますよ。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
『
若
(
も
)
し
私
(
わたし
)
が
此子
(
このこ
)
を一
緒
(
しよ
)
に
伴
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
かなかつたならば』と
思
(
おも
)
ふや
愛
(
あい
)
ちやんは
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それよ
今宵
(
こよひ
)
よりは
一時
(
いちじ
)
づゝの
仕事
(
しごと
)
を
延
(
の
)
ばして
此子
(
このこ
)
が
爲
(
ため
)
の
收入
(
しうにふ
)
を
多
(
おほ
)
くせんと
仰
(
おほ
)
せられしなりき、
火氣
(
くわき
)
の
滿
(
みち
)
たる
室
(
しつ
)
にて
頸
(
くび
)
やいたからん、
振
(
ふり
)
あぐる
槌
(
つち
)
に
手首
(
てくび
)
や
痛
(
いた
)
からん。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
少しは
紛
(
まぎ
)
れて貧家に
温
(
ぬく
)
き
太陽
(
ひ
)
のあたる
如
(
ごと
)
く
淋
(
さび
)
しき中にも貴き
笑
(
わらい
)
の唇に動きしが、さりとては
此子
(
このこ
)
の愛らしきを
見様
(
みよう
)
とも
仕玉
(
したま
)
わざるか
帰家
(
かえら
)
れざるつれなさ、子供心にも親は恋しければこそ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此子
(
このこ
)
は子供のくせに
生意気
(
こしゃく
)
である。「旦那様お召替をなさいませんか」なんて、乃公の古い服を持って来たり、「今晩は何時にお帰りですか」なんて、何処へ行くともいわないのに聞く。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
余
(
あんま
)
り
生地
(
いくぢ
)
が
無
(
な
)
さ
過
(
すぎ
)
る、そんな
生地
(
いくぢ
)
のない人と
連添
(
つれそ
)
つてゐるのは
嫌
(
いや
)
だ、
此子
(
このこ
)
はお
前
(
まへ
)
さんの
子
(
こ
)
だからお前さんが育てるが
宜
(
い
)
い、
私
(
わたし
)
はもつと
気丈
(
きぢやう
)
な人のところへ
縁付
(
かたづ
)
くから、といふ
薄情
(
はくじやう
)
な
言
(
い
)
ひ
分
(
ぶん
)
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これから
身
(
み
)
一つになつて
仕
(
し
)
たいまゝの
道樂
(
だうらく
)
なり
何
(
なに
)
なりお
盡
(
つく
)
しなされ、
最
(
も
)
ういくら
此子
(
このこ
)
を
欲
(
ほ
)
しいと
言
(
い
)
つても
返
(
かへ
)
す
事
(
こと
)
では
御座
(
ござ
)
んせぬぞ、
返
(
かへ
)
しはしませぬぞと
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
して
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
綽名
(
あだな
)
でも何でも
此子
(
このこ
)
が付ける。小使の金さんは
彼
(
あれ
)
は生存競争に落伍した落胆の顔だそうだ。校長は少くとも日清戦争時代の人間で、
今日
(
こんにち
)
の時勢には気の毒ながら少々
後
(
おく
)
れているのだそうだ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
さあお
前
(
まへ
)
さん
此子
(
このこ
)
をもいれて
遣
(
や
)
つて
下
(
くだ
)
され、
何
(
なに
)
をぐたりと
爲
(
し
)
てお
出
(
いで
)
なさる、
暑
(
あつ
)
さにでも
障
(
さわ
)
りはしませぬか、さうでなければ一
杯
(
ぱい
)
あびて、さつぱりに
成
(
な
)
つて
御膳
(
ごぜん
)
あがれ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
は
憎
(
に
)
くかろうと
此子
(
このこ
)
に
免
(
めん
)
じて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
され、
謝
(
あやま
)
りますとて
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
いて
泣
(
な
)
けども、イヤ
何
(
ど
)
うしても
置
(
お
)
かれぬとて
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
言
(
い
)
はず
壁
(
かべ
)
に
向
(
むか
)
ひてお
初
(
はつ
)
が
言葉
(
ことば
)
は
耳
(
みゝ
)
に
入
(
い
)
らぬ
體
(
てい
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
無器用
(
ぶきよう
)
なお
前樣
(
まへさま
)
が
此子
(
このこ
)
いぢくる
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
くまじ、お
歸
(
かへ
)
りに
成
(
な
)
るまで
私
(
わたし
)
が
乳
(
ちゝ
)
を
上
(
あ
)
げませうと、
有
(
あり
)
さまを
見
(
み
)
かねて、
隣
(
となり
)
の
妻
(
つま
)
の
子
(
こ
)
を
抱
(
だ
)
いて
行
(
ゆ
)
くに、
何分
(
なにぶん
)
お
頼
(
たの
)
み
申
(
まをし
)
ますと
言
(
い
)
ひながら
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
通
(
とほ
)
りまで
買物
(
かひもの
)
に
行
(
い
)
つて
來
(
き
)
まする、
歸
(
かへ
)
りまで
此子
(
このこ
)
の
世話
(
せわ
)
をお
頼
(
たの
)
みと
仰
(
おつ
)
しやつて、
唯
(
たゞ
)
しばらくの
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
ひしに、二
時
(
じ
)
になれども三
時
(
じ
)
はうてども、
音
(
おと
)
も
無
(
な
)
くて
今
(
いま
)
まで
影
(
かげ
)
の
見
(
み
)
えられぬは
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ふさ
付
(
つ
)
き
帽子
(
ぼうし
)
面
(
おも
)
もちゆたかに
洋服
(
ようふく
)
かる/″\と
花々敷
(
はな/″\しき
)
を、
坊
(
ぼつ
)
ちやん
坊
(
ぼつ
)
ちやんとて
此子
(
このこ
)
の
追從
(
ついしよう
)
するもをかし、
多
(
おほ
)
くの
中
(
なか
)
に
龍華寺
(
りうげじ
)
の
信如
(
しんによ
)
とて、千
筋
(
すぢ
)
となづる
黒髮
(
くろかみ
)
も
今
(
いま
)
いく
歳
(
とせ
)
のさかりにか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私
(
わたし
)
の
此子
(
このこ
)
は
言
(
い
)
はゞ
私
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
の
守
(
まも
)
り
神
(
がみ
)
で、
此樣
(
こん
)
な
可愛
(
かあい
)
い
笑顏
(
ゑがほ
)
をして、
無心
(
むしん
)
な
遊
(
あそび
)
をして
居
(
ゐ
)
ますけれど、
此無心
(
このむしん
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
が
私
(
わたし
)
に
教
(
をし
)
へて
呉
(
く
)
れました
事
(
こと
)
の
大層
(
たいそう
)
なは、
殘
(
のこ
)
りなく
口
(
くち
)
には
言
(
い
)
ひ
盡
(
つ
)
くされませぬ
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此子
(
このこ
)
は
誰
(
た
)
れにも
指
(
ゆび
)
もさゝせぬ、これは
私
(
わたし
)
の
物
(
もの
)
と
抱
(
だ
)
きしめたで
御座
(
ござ
)
りましやう。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此子
(
このこ
)
の
笑顏
(
ゑがほ
)
のやうに
直接
(
ぢか
)
に、
眼前
(
まのあたり
)
、かけ
出
(
だ
)
す
足
(
あし
)
を
止
(
とゞ
)
めたり、
狂
(
くる
)
ふ
心
(
こゝろ
)
を
靜
(
しづ
)
めたはありませぬ、
此子
(
このこ
)
が
何
(
なん
)
の
氣
(
き
)
も
無
(
な
)
く
小豆枕
(
あづきまくら
)
をして、
兩手
(
りやうて
)
を
肩
(
かた
)
のそばへ
投出
(
なげだ
)
して
寢入
(
ねい
)
つて
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
の
其顏
(
そのかほ
)
といふものは
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其樣
(
そん
)
な
處
(
ところ
)
へ
歸
(
かへ
)
るに
當
(
あた
)
るものか
些
(
ちつ
)
とも
怕
(
おつ
)
かない
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いから
私
(
わたし
)
が
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
なさい、みんなも
心配
(
しんぱい
)
する
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
何
(
なん
)
の
此子
(
このこ
)
位
(
ぐらゐ
)
のもの
二人
(
ふたり
)
や
三人
(
さんにん
)
や
臺所
(
だいどころ
)
へ
板
(
いた
)
を
並
(
なら
)
べてお
飯
(
まんま
)
を
喰
(
た
)
べさせるに
文句
(
もんく
)
が
入
(
い
)
るものか
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一身
(
いつしん
)
つかれて
痩
(
や
)
せに
痩
(
や
)
せし
姿
(
すがた
)
、
見
(
み
)
る
兄君
(
あにきみ
)
の
心
(
こヽろ
)
やみに
成
(
な
)
りて、
醫藥
(
いやく
)
の
手當
(
てあて
)
に
手
(
て
)
づからの
奔走
(
ほんそう
)
いよいよ
悲
(
かな
)
しく、
果
(
はて
)
は
物言
(
ものい
)
はず
泣
(
なみだ
)
のみ
成
(
な
)
りしが、
八月
(
やつき
)
の
壽命
(
じゆみやう
)
此子
(
このこ
)
にあれば、
月足
(
つきた
)
らずの、
聲
(
こゑ
)
いさましく
揚
(
あ
)
げて
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“此子”で始まる語句
此子供