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斬
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き
ふりがな文庫
“
斬
(
き
)” の例文
寶鼎
(
はうてい
)
金虎
(
きんこ
)
を
存
(
そん
)
し、
芝田
(
しでん
)
白鴉
(
はくあ
)
を
養
(
やしな
)
ふ。
一瓢
(
いつぺう
)
に
造化
(
ざうくわ
)
を
藏
(
ざう
)
し、
三尺
(
さんじやく
)
妖邪
(
えうじや
)
を
斬
(
き
)
り、
逡巡
(
しゆんじゆん
)
の
酒
(
さけ
)
を
造
(
つく
)
ることを
解
(
かい
)
し、また
能
(
よ
)
く
頃刻
(
けいこく
)
の
花
(
はな
)
を
開
(
ひら
)
かしむ。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おいおい、あれを見ろ。あのとおり、腕をひき
裂
(
さ
)
きやがった。一度
斬
(
き
)
りつけただけでは足りないで、
三筋
(
みすじ
)
も四筋も斬りつけてある」
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
若松屋惣七が、しんから愉快そうに笑い出すと、磯五は、野犬がほえるようにわめいて、いきなり、若松屋惣七へ
斬
(
き
)
りつけていった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
竹童
(
ちくどう
)
みたいな
小僧
(
こぞう
)
には
斬
(
き
)
りまくられ、
旅僧
(
たびそう
)
ににらまれればすぐ
逃
(
に
)
げだすなんて、いくら
町人
(
ちょうにん
)
にしても、あまり
度胸
(
どきょう
)
がなさすぎるね」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから上野が
斬
(
き
)
られて犬のようにころがるだけでなく、もう少し恐怖と
狼狽
(
ろうばい
)
とを示す簡潔で有力な幾コマかをフラッシュで見せたい。
映画雑感(Ⅲ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
しかしチユウヤは、勇敢に戦つて、捕手を
二人
(
ふたり
)
斬
(
き
)
り殺した。けれども、とうとう
多勢
(
たぜい
)
に
無勢
(
ぶぜい
)
で、捕手のために逮捕されてしまつた。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
倭文子が飛びしさったのも
尤
(
もっと
)
もだ。これよりむごたらしく殺しようはないと思われる程、残酷に
斬
(
き
)
りさいなまれた、死人の写真なのだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『と仰しゃるとつまり、その時はみんなが往来で相手かまわず
斬
(
き
)
って捨ててもいいわけですね?』と聞き返すといった調子だった。
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「この野郎!」そう思いながら、
脇差
(
わきざし
)
の
柄
(
つか
)
を、左の手で、グッと握りしめた。もう、一言云って見ろ、抜打ちに
斬
(
き
)
ってやろうと思った。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「紀久ちゃんが寝床の中へ入ってるところへ、蔦が短刀で
斬
(
き
)
りつけてくるようにするんだから、寝床の中へ入っていてくれったら」
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
かねてから勝負の時には第一撃に敵を
斬
(
き
)
ってしまわねば勝てるものではない、それには互いに抜き合って身構えてからではおそい。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
四十男のヒポコンデリイ患者がね、八つになる男の子が食事のたんびに浴びせる
嘲弄
(
ちょうろう
)
に堪え兼ねて、その子供を
斬
(
き
)
り殺したという話さ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「ここから走っていって、あの竹を二つに
斬
(
き
)
り割るのだ、拙者がやってみせるから見ろ」みんな
眸子
(
ひとみ
)
を凝らして見まもっている。
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
竹腰はそう云い云い己に向って来た
壮
(
わか
)
い近侍の一人を
斬
(
き
)
り
斃
(
たお
)
して、ひらりと庭に飛びおり、池の傍から崖の木立の方へ逃げて姿を消した。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その出会いがしらに、思いもかけぬ経蔵の裏の闇から、
僧形
(
そうぎょう
)
の人の姿が現われて、妙に
鷹揚
(
おうよう
)
な
太刀
(
たち
)
づかいで先登の者を
斬
(
き
)
って
棄
(
す
)
てました。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
政教子曰く、日本にて斬髪所に入るもの、斬髪師に命じて曰く、わが
天窓
(
あたま
)
を
斬
(
き
)
れと。斬髪師その命のごとく頭を斬らばいかん。
欧米各国 政教日記
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
((莊賈ノ使者))
既
(
すで
)
に
往
(
ゆ
)
き、
未
(
いま
)
だ
反
(
かへ
)
るに
及
(
およ
)
ばず。((穰苴))
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
遂
(
つひ
)
に
莊賈
(
さうか
)
を
斬
(
き
)
り、
以
(
もつ
)
て三
軍
(
ぐん
)
に
徇
(
とな
)
ふ。三
軍
(
ぐん
)
の
士
(
し
)
皆
(
みな
)
(一九)
振慄
(
しんりつ
)
せり。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
王騎射
尤
(
もっと
)
も
精
(
くわ
)
し、追う者王を
斬
(
き
)
るを
敢
(
あえ
)
てせずして、王の射て殺すところとなる多し。
適々
(
たまたま
)
高煦
(
こうこう
)
、
華衆
(
かしゅう
)
等を率いて至り、追兵を撃退して去る。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
昔は京都ではこの木を獄舎の門に
栽
(
う
)
えてあって、罪人の首を
斬
(
き
)
ってこれに
懸
(
か
)
けたことが、『源平盛衰記』その他の軍書に何箇所も見えている。
アテヌキという地名
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
けれども王さまはお聞き入れにならないで、ぜひともつれて来い、それが出来ないなら、この場でお前を
斬
(
き
)
ってしまうとお言いになりました。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
野呂勘兵衛が小栗
美作
(
みまさか
)
を討つため、日雲閣へ
斬
(
き
)
りこんだのも、やはり月見の宴の折だったそうな。総じて
館
(
やかた
)
の討入りには、順法と逆法がある。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あたかも利刃を
揮
(
ふる
)
って泥土を
斬
(
き
)
るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は終に力負け
根
(
こん
)
負けがして
草臥
(
くたび
)
れてしまった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
斬
(
き
)
った
張
(
は
)
ったの境に甲野さんを置いて、ははあ、こんな人かと
合点
(
がてん
)
するようでは親子といえどもいまだしである。兄弟といえども他人である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
足音は襖の前に止ったが、襖は
辷
(
すべ
)
りよくむしろ何気なく開いたような様子だった。女は肩さきを
斬
(
き
)
られたように驚いて、冷汗を
掻
(
か
)
いて
仰向
(
あおむ
)
いた。
三階の家
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
首を
斬
(
き
)
られる時なぞも、尋常に斬られる。女は尋常に服従したそうだ。無論小川君の
好嫖致
(
はおぴやおち
)
な所も、女の
諦念
(
あきらめ
)
を容易ならしめたには相違ないさ。
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その時私は
脇差
(
わきざし
)
を一本
挟
(
さ
)
して居たから、
若
(
も
)
し
追付
(
おいつ
)
かるようになれば
後向
(
うしろむい
)
て
進
(
すすん
)
で
斬
(
き
)
るより
外
(
ほか
)
仕方
(
しかた
)
がない。
斬
(
きっ
)
ては誠に
不味
(
まず
)
い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
出し抜けに船長を
斬
(
き
)
ったりするやつは、彼も見たことがあったが、口も手も、これほど達者なやつは見たことがなかった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
お銀が逃げて来てからも、始終跡を追っかけまわしていたそこの
子息
(
むすこ
)
が、このごろ刀でとかく折合いの悪い継母を
斬
(
き
)
りつけたとかいう話であった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
斬
(
き
)
って捨てるべきじゃ——いや、少くとも」と阿賀妻は云った、「われもまた兵を備えてじゃね、その赤えびすどもに対抗せずばなりますまい」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「帝劇の女優が楽屋から帰り道に、車から引ずりおろされて脚を
斬
(
き
)
られたことがあった。犯人はわからずじまいだ。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
丁度首
斬
(
き
)
り場のあたりだったというところの柳の木が、
厠
(
はばかり
)
の小窓から見える
古帳面屋
(
ふるちょうめんや
)
の友達のうちから帰って来て、あたしが話したつづきからだった。
旧聞日本橋:17 牢屋の原
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
佐山のナイフで
斬
(
き
)
られたアゴの一文字のキズからふきだした血が、かたまって黒く見える。サツのパスパスパスという音と、どこかで水のしたたる音。
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
成程舊い
道徳
(
どうとく
)
の
繩
(
なわ
)
では、親は子供の體を縛ツて家の番人にして置くことが出來るかも知れぬが、藝術の權威を
遵奉
(
じゆんぽう
)
する自分の思想は其の繩をぶち
斬
(
き
)
る。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「しかし」と、それでも子路はなお
逆襲
(
ぎゃくしゅう
)
する気力を失わない。南山の竹は
揉
(
た
)
めずして自ら直く、
斬
(
き
)
ってこれを用うれば
犀革
(
さいかく
)
の厚きをも通すと聞いている。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
孫はきっと天国で梨の実を盗んでるところを庭師に
捕
(
つか
)
まって、首を
斬
(
き
)
られたに違いない。ああ、わしはどうして孫をあんな恐ろしい所へ
遣
(
や
)
ったんだろう。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
時々突っ立った太股の林が揺らめくと、射し込んだ夕日が、魚の波頭で
斬
(
き
)
りつけた刃のように
鱗光
(
りんこう
)
を
閃
(
ひら
)
めかした。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
その注進におどろかされて、おせきの両親は要次郎と一緒にそこへ
駈
(
か
)
け着けてみると、おせきは右の肩から
袈裟斬
(
けさぎり
)
に
斬
(
き
)
られて往来のまん中に倒れてゐた。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
時に彼三十一歳、その臨終の
遺偈
(
いげ
)
は、まことにりっぱなものであります。「四大
元
(
もと
)
主なし。五
陰
(
おん
)
本来空。
首
(
こうべ
)
を
以
(
もっ
)
て白刃に臨めば、
猶
(
なお
)
し春風を
斬
(
き
)
るが如し」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
『
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
彩色
(
いろど
)
れ』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
金切聲
(
かなきりごゑ
)
で
叫
(
さけ
)
ばれました。『
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
斬
(
き
)
れ!
其
(
そ
)
の
福鼠
(
ふくねずみ
)
を
法廷
(
はふてい
)
から
逐
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
せ!それ、
抑
(
おさ
)
えよ!そら
抓
(
つね
)
ろ!
其
(
そ
)
の
髯
(
ひげ
)
を
引
(
ひ
)
ッ
張
(
ぱ
)
れ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それが私のおかしな意地であったが、とにかく、象牙彫りをやって、それを
風呂敷
(
ふろしき
)
に包んで牙商の店頭へ売りに行くなぞは身を
斬
(
き
)
られても
嫌
(
いや
)
なことであった。
幕末維新懐古談:39 牙彫りを排し木彫りに固執したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
人形
(
にんぎょう
)
は
新
(
あたら
)
しいものとは
思
(
おも
)
われないほどに
古
(
ふる
)
びていましたけれど、
額
(
ひたい
)
ぎわを
斬
(
き
)
られて
血
(
ち
)
の
流
(
なが
)
れたのや、また
青
(
あお
)
い
顔
(
かお
)
をして、
口
(
くち
)
から
赤
(
あか
)
い
炎
(
ほのお
)
を
吐
(
は
)
いている
女
(
おんな
)
や、また
空色の着物をきた子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斬
(
き
)
られたのでもなければ、絞殺されたのでもなく、しかも死体が紛失したのですから、先刻も、川上糸子が仮死に陥ったのではないかしらと申しあげたのです。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そのうちにとうとう、一人はバアと音がして
肩
(
かた
)
から胸から
腰
(
こし
)
へかけてすっぽりと
斬
(
き
)
られて、からだがまっ二つに分れ、バランチャンと
床
(
ゆか
)
に
倒
(
たお
)
れてしまいました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
八人の野武士も刀を抜き、既に問答無益とばかり、右門と山吹を取りこめて、ここにかしこに
斬
(
き
)
り結んだ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ぼくがもし
身体
(
からだ
)
がこんなにチビでなかったら、もう少し腕に力があったら、悪いやつを片っ端から
斬
(
き
)
ってやりたいと思うことがあります、身体が小さくて貧乏で
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
その方がずっと派手で勇ましく、重吉を十倍も強い勇士に仕立てた。田舎小屋の舞台の上で重吉は縦横無尽に
暴
(
あば
)
れ廻り、ただ一人で三十人もの支那兵を
斬
(
き
)
り殺した。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
何処
(
どこ
)
で堀主水の三百余人に、追いつくか知らないが華々しく闘って、骨細者の非力とうたわれた腕から、どのくらいの
斬
(
き
)
れ味が出るかを見せつけてやろうと思った。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「橋本と
頼
(
らい
)
は幕に
憚
(
はばか
)
りて
斬
(
き
)
ったも
尤
(
もっと
)
もなれども、
飯泉
(
いいずみ
)
喜内を斬ったは無益の殺生、それはとまれ喜内を斬るほどでは、回も斬られずとも遠島は免れずと覚悟致し候」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
けれども、今夜吉良邸へ
斬
(
き
)
りこんだら、それこそ本当に十が十の死だ! 公儀の手に
召捕
(
めしと
)
られて、お
仕置場
(
しおきば
)
へ引きだされたら、どんなことがあっても
免
(
のが
)
れようはない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
とても何々女史のように一刀両断、バッタバッタと右に左に
藁人形
(
わらにんぎょう
)
を
斬
(
き
)
り倒すように行かない。
インチキ文学ボクメツ雑談
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
斬
常用漢字
中学
部首:⽄
11画
“斬”を含む語句
打斬
斬殺
据物斬
斬死
斬合
斬新
辻斬
斬首
首斬
斬込
撫斬
膾斬
斬付
斬髪
斬口
袈裟斬
斬倒
斬衰
斬払
斬首台
...