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安否
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あんぴ
ふりがな文庫
“
安否
(
あんぴ
)” の例文
「ああ、だれかに、ご
安否
(
あんぴ
)
をたずねてみたいが、めったなものに、そんなことをきけば、みずから人のうたがいを
招
(
まね
)
くようなものだし……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女體の額の小さい夜光石の
紛失
(
ふんしつ
)
は、幾らか氣が樂になりましたが、男體の額の大きい夜光石の
安否
(
あんぴ
)
も一度は見定めて置く必要があつたのです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうです。博士の
安否
(
あんぴ
)
をたしかめるほかに、他のいろいろな道をも行ってみます。そのひとつとして、わたしは金属Qを
追跡
(
ついせき
)
しているのです」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あかりのついた、お
附合
(
つきあひ
)
の
隣
(
となり
)
の
窓
(
まど
)
から、
岩
(
いは
)
さんの
安否
(
あんぴ
)
を
聞
(
き
)
かうとしでもしたのであらう。
格子
(
かうし
)
をあけた
婦
(
をんな
)
があつたが、
何
(
なん
)
にも
女房
(
にようばう
)
には
聞
(
きこ
)
えない。……
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前がこの島に
止
(
とど
)
まっていれば、姫の
安否
(
あんぴ
)
を知らせるのは、誰がほかに勤めるのじゃ? おれは一人でも不自由はせぬ。まして
梶王
(
かじおう
)
と云う
童
(
わらべ
)
がいる。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
しかもきっと不幸と
恥辱
(
ちじょく
)
との中に。有王よ、わしは妻子の
安否
(
あんぴ
)
を気づかった時、いつもお前のことを頼みにしていた。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
音羽町へ
遣
(
やり
)
たりしが此時
已
(
すで
)
に家主は殺され
父子
(
おやこ
)
は
行衞
(
ゆくゑ
)
の
知
(
しれ
)
ぬとて長家は
鼎
(
かなへ
)
の
沸
(
わく
)
が如く
混雜
(
こんざつ
)
なせば
詮方
(
せんかた
)
なく立返へりつゝ云々と
三個
(
みたり
)
に告て
諸共
(
もろとも
)
にお光の
安否
(
あんぴ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私
(
わたくし
)
の
隠
(
かく
)
れていた
所
(
ところ
)
は
油壺
(
あぶらつぼ
)
の
狭
(
せま
)
い
入江
(
いりえ
)
を
隔
(
へだ
)
てた
南岸
(
なんがん
)
の
森
(
もり
)
の
蔭
(
かげ
)
、そこにホンの
形
(
かた
)
ばかりの
仮家
(
かりや
)
を
建
(
た
)
てて、一
族
(
ぞく
)
の
安否
(
あんぴ
)
を
気
(
き
)
づかいながら
侘
(
わび
)
ずまいをして
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれど、それと
同時
(
どうじ
)
に、
第一
(
だいいち
)
に
吾等
(
われら
)
の
胸
(
むね
)
を
打
(
う
)
つたのは、
櫻木大佐等
(
さくらぎたいさら
)
の
乘込
(
のりこ
)
める
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
安否
(
あんぴ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
けっして品物の
安否
(
あんぴ
)
を無視したわけではないが、結果から見て、その行為は品物の安否を無視したことになり、所有者の
恨
(
うら
)
みを買いこそすれ、感謝されはしないであろう。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
尤
(
もつと
)
も
最後
(
さいご
)
の
三四日
(
さんよつか
)
に
於
(
おけ
)
る
宗助
(
そうすけ
)
は
早
(
はや
)
く
安井
(
やすゐ
)
に
會
(
あ
)
ひたいと
思
(
おも
)
ふよりも、
少
(
すこ
)
し
事情
(
じじやう
)
があるから、
失敬
(
しつけい
)
して
先
(
さき
)
へ
立
(
た
)
つとわざ/\
通知
(
つうち
)
しながら、
何時迄
(
いつまで
)
待
(
ま
)
つても
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
せない
彼
(
かれ
)
の
安否
(
あんぴ
)
を
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただおまえの
安否
(
あんぴ
)
がわかればいいので、この
後
(
のち
)
は、
毎日
(
まいにち
)
送
(
おく
)
ることは
見合
(
みあ
)
わせてください。
母の心
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先日七の
家
(
うち
)
から
茄子苗
(
なすなえ
)
を買ったら、今朝七の
母者
(
ははじゃ
)
がわざ/\茄子の
安否
(
あんぴ
)
を見に来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
〔譯〕人は皆身の
安否
(
あんぴ
)
を
問
(
と
)
ふことを知つて、而かも心の安否を問ふことを知らず。宜しく自ら能く
闇室
(
あんしつ
)
を
欺
(
あざむ
)
かざるや
否
(
いな
)
や、能く
衾影
(
きんえい
)
に
愧
(
は
)
ぢざるや否や、能く
安穩
(
あんおん
)
快樂
(
くわいらく
)
を得るや否やと問ふべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
便
(
たよ
)
りまつ
間
(
ま
)
の
一日
(
ひとひ
)
二日
(
ふたひ
)
嬉
(
うれ
)
しきやうな
氣
(
き
)
づかひな
八重
(
やへ
)
に
遠慮
(
ゑんりよ
)
は
入
(
い
)
らぬものゝ
又
(
また
)
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すかと
思
(
おも
)
はるゝも
恥
(
はづ
)
かしくじつと
堪
(
こら
)
ゆる
返事
(
へんじ
)
の
安否
(
あんぴ
)
もしやと
思
(
おも
)
へば
萬一
(
もし
)
やになるなり
八重
(
やへ
)
は
大丈夫
(
だいじやうぶ
)
と
受合
(
うけあ
)
へど
夫
(
それ
)
は
氣
(
き
)
やすめの
詞
(
ことば
)
なるべし
彼
(
あ
)
の
文
(
ふみ
)
とても
御受取
(
おうけとり
)
になりしやならずや
其塲
(
そのば
)
で
其
(
その
)
ま〻
御突
(
おつ
)
き
戻
(
もど
)
しになりたるを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その消息は不明であるが、玉太郎は
安否
(
あんぴ
)
を知りたい人のあとについて今おいかけていることはまちがいないと知り、元気をくわえたのであった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いや決してそんなことはあるまい。わしの
安否
(
あんぴ
)
も
定
(
き
)
まらぬうちに、自害する勇気はとてもあるまい。それに
有王
(
ありおう
)
がついている。あの忠実な勇敢な
下僕
(
しもべ
)
が。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
『では、
貴君
(
きくん
)
は、
若
(
も
)
しや
我
(
わ
)
が
娚
(
おい
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
安否
(
あんぴ
)
を——。』と
言
(
い
)
ひかけて、
急
(
いそ
)
ぎ
艦尾
(
かんび
)
なる
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
と
春枝夫人
(
はるえふじん
)
とに
眸
(
ひとみ
)
を
移
(
うつ
)
すと、
彼方
(
かなた
)
の
二人
(
ふたり
)
も
忽
(
たちま
)
ち
私
(
わたくし
)
の
姿
(
すがた
)
を
見付
(
みつ
)
けた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
親分さんのお力で、伜を取戻して頂くなり、それが出來なければ、せめて伜の
安否
(
あんぴ
)
も知り、逢つた上で此先武家奉公するものか、得心づくで事を決め度いと存じます。
銭形平次捕物控:173 若様の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
亭主に引合はせぬ徳右衞門は一大事と
尚
(
なほ
)
も
然氣
(
さりげ
)
なく善六に答へし如く此者どもにも
咄
(
はなし
)
たり
然
(
さら
)
ばとて十人の内より三人を鎌倉の
尼寺
(
あまでら
)
へ
遣
(
つか
)
はし殘り七人は
其儘
(
そのまゝ
)
龜屋に
宿
(
やど
)
りて鎌倉の
安否
(
あんぴ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしはとうとうMと云う家へ行き、彼女の
安否
(
あんぴ
)
を尋ねることにした。しかしMの主人もまた彼女のことは知らなかった。わたしはいよいよ不安になり、彼女の宿所を教えて貰った。
夢
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
実
(
じつ
)
に
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
のことで、あの
子
(
こ
)
の
安否
(
あんぴ
)
を
気遣
(
きづか
)
い、そのため、
私
(
わたし
)
は、やせてしまった。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は平岡の
安否
(
あんぴ
)
を
気
(
き
)
にかけてゐた。まだ
坐食
(
ゐぐひ
)
の不安な境遇に
居
(
お
)
るに
違
(
ちがひ
)
ないとは思ふけれども、或は
何
(
ど
)
の方面かへ、生活の
行路
(
こうろ
)
を切り開く手掛りが
出来
(
でき
)
たかも知れないとも想像して見た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただならぬ
怪影
(
かいえい
)
を見つけた
砦
(
とりで
)
の
番士
(
ばんし
)
は、なにかとおどろいて、
変
(
へん
)
を
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
につげた、その夜、
自然城
(
しぜんじょう
)
の
山曲輪
(
やまぐるわ
)
には、
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
と
山県蔦之助
(
やまがたつたのすけ
)
も、虫の知らせか、しきりに
伊那丸
(
いなまる
)
の
安否
(
あんぴ
)
や
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、知っているとも。だから、いっそうきみの
安否
(
あんぴ
)
を心配していたんだ。この星が、いまアドロ彗星に追いかけられているというのだろう」
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
成経 母は父の
安否
(
あんぴ
)
ばかり心配して泣いていました。そしてなぜわしがかかる恐ろしいことを
企
(
くわだ
)
てたかをかきくどきました。父はその朝院に
出仕
(
しゅっし
)
する途中を
捕
(
とら
)
えられたのです。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
嘔氣
(
はきけ
)
を
催
(
もよほ
)
すやうな不愉快な心持になりましたが、お靜の
安否
(
あんぴ
)
が心もとないので、もう一度ギヤーマンの穴から覗くと、廣間は廣々と取片付けられて、白日の光が一杯にさし込み
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大佐
(
たいさ
)
の
令妹
(
れいまい
)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
の
安否
(
あんぴ
)
——
其
(
その
)
良君
(
をつと
)
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
の
消息
(
せうそく
)
——それより
前
(
さき
)
に
私
(
わたくし
)
から
語
(
かた
)
らねばならぬのは(
大佐
(
たいさ
)
は
屹度
(
きつと
)
死
(
し
)
んだと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
るだらう)
※去
(
くわこ
)
三
年
(
ねん
)
の
間
(
あひだ
)
、
私
(
わたくし
)
と
共
(
とも
)
に
朝日島
(
あさひじま
)
の
月
(
つき
)
を
眺
(
なが
)
めて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
出立致し讃州丸龜へ
罷越
(
まかりこし
)
候事に候へば
舊冬
(
きうとう
)
屑屋
(
くづや
)
一同御呼出しの節は御當地に罷り在り申さず
漸々
(
やう/\
)
一昨日江戸表へ立歸り私し妻より
舊冬
(
きうたう
)
屑屋
(
くづや
)
一同御呼出しの樣子を承まはり候に
付
(
つき
)
文右衛門の
安否
(
あんぴ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そうとも、死をいとうのではないが、こんど、
木隠
(
こがくれ
)
とこの
忍剣
(
にんけん
)
がお
供
(
とも
)
をしてきて、
首尾
(
しゅび
)
よう
大殿
(
おおとの
)
のご
安否
(
あんぴ
)
をつきとめねば、
小太郎山
(
こたろうざん
)
にのこっている、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
や
咲耶子
(
さくやこ
)
や
小文治
(
こぶんじ
)
などにも笑われ草……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昨夜はついにかえらなかった玉太郎たちの
安否
(
あんぴ
)
をたしかめ、必要なら救助作業をしてもらいたいものだと申入れた。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
警部としては一秒たりともはやく少年の告白を聞いて、メリー号の
安否
(
あんぴ
)
をただしたいのであった。しかしかれの希望は、すっかりじゃまされてしまった。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
捜査は、とくに針目博士の
安否
(
あんぴ
)
に
重点
(
じゅうてん
)
をおいておこなわれたが、前にのべたように博士のすがたは発見できなかった。また
人骨
(
じんこつ
)
の
一片
(
いっぺん
)
すら見あたらなかった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正吉のそんな話を、みんなはおもしろく聞いた。そしてモウリ博士の
安否
(
あんぴ
)
はいずれしらべてあげましょう。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そしてモーリ博士の
安否
(
あんぴ
)
はいずれしらべてあげましょう。それはそれとして、まず久しぶりにかるい食事をなさいといって、正吉を食堂へ案内して
流動食
(
りゅうどうしょく
)
をごちそうした。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手元へ飛びこんで
組打
(
くみうち
)
とも考えたが、船長と格闘することよりも、自分に親切にしてくれたハルクの
安否
(
あんぴ
)
をはやく見てやりたいとおもったので、歯をくいしばって我慢した。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
玉太郎の胸の中は残して来て、別れ別れになった人々の
安否
(
あんぴ
)
を気づかう気持で、一杯だった。だから、ダビットのようにあたりまえの景色に気をつかうだけの余裕はなかった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
古谷局長は、さっきからだまりこくって、二号艇の
無慚
(
むざん
)
な光景にむかっていた。彼は、あの二号艇にのりこんでいた部下の丸尾技士の
安否
(
あんぴ
)
について、いろいろと考えていたのだ。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(ああそうだ。そのうち折をみて、帆村さんに、あたしの両親の行方とその
安否
(
あんぴ
)
をしらべてもらおうかしら。ああ、それがいい。あたしは、いい人とお友だちになったものだ!)
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
時計のことよりも、この屋敷へはいって行方不明になった北岸さんなんかの
安否
(
あんぴ
)
を
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
老人の知りたいのは、春木君の
安否
(
あんぴ
)
であったようである。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
勇敢なる大尉及び同乗者等の
安否
(
あんぴ
)
は、極めて
憂慮
(
ゆうりょ
)
さる”
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
艇長の
安否
(
あんぴ
)
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“安否”の解説
安否
(出典:Wikipedia)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
否
常用漢字
小6
部首:⼝
7画
“安”で始まる語句
安
安堵
安心
安房
安全
安芸
安穏
安土
安宅
安達