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麦
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むぎ
ふりがな文庫
“
麦
(
むぎ
)” の例文
旧字:
麥
それから、清水で
巾
(
きん
)
をしぼって、そっと、側へすすめたり、
煎
(
い
)
り
麦
(
むぎ
)
のさまし湯を上げたりしたが、長話のうち、一度も手にしなかった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると
麦
(
むぎ
)
ばたけで、
破
(
やぶ
)
れがさをかぶって
手足
(
てあし
)
をひろげた、
鳥追
(
とりお
)
いのかかしが、
夜
(
よる
)
も
休
(
やす
)
まずに、
番
(
ばん
)
をするのを、
弟
(
おとうと
)
が、まねているのでした。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すると、お母さんは、よく みのっている うつくしい
麦
(
むぎ
)
のほを、ひとつかみ むしりとって、それで、子どものふくをふいてやりました。
麦の ほ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
男は、ほっとしたようにつぶやき、
麦
(
むぎ
)
わらや
空籠
(
あきかご
)
、
空箱
(
あきばこ
)
で、すっかり
部屋
(
へや
)
が
汚
(
よご
)
れてしまったのも、気かつかぬようだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
たぬきがしばられてぶら
下
(
さ
)
げられている下で、おばあさんは
臼
(
うす
)
を
出
(
だ
)
して、とんとん
麦
(
むぎ
)
をついていました。そのうち
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
米の
飯
(
めし
)
より
麦
(
むぎ
)
の飯、
魚
(
さかな
)
よりも揚豆腐が好きで、主人を見真似たか梨や
甜瓜
(
まくわ
)
の喰い残りをがり/\
噛
(
かじ
)
ったり
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
麻
(
あさ
)
や
米
(
こめ
)
麦
(
むぎ
)
などの内陸の産物と、交易したものがもっとも有名で、わたしたちはこれをボッカと呼んでいた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これから私たちにはまだ
麦
(
むぎ
)
こなしの仕事が
残
(
のこ
)
っています。天気が
悪
(
わる
)
くてよく
乾
(
かわ
)
かないで
困
(
こま
)
ります。麦こなしは
芒
(
のぎ
)
がえらえらからだに入って大へんつらい仕事です。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
純次は食卓から胸にかけて
麦
(
むぎ
)
たくさんなためにぽろぽろする飯をこぼし散らかすと、母は丹念にそれを拾って自分の口に入れた。母はいい母だがまったく教育がない。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
家内を見れば
稿筵
(
わらむしろ
)
のちぎれたるをしきならべ(
稲
(
いね
)
麦
(
むぎ
)
のできぬ所ゆゑわらにとぼしく、いづれのいへもふるきむしろ也)
納戸
(
なんど
)
も
戸棚
(
とだな
)
もなし、たゞ
菅縄
(
すげなは
)
にてつくりたる
棚
(
たな
)
あるのみ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一度御相談してからと思っていますうちに、だんだん
麦
(
むぎ
)
も色づきだしましたし、
麦刈
(
むぎか
)
りが近づくにつれ、しだいにむつかしくなりそうでしたので、大いそぎ私たちでとりきめました。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
菜
(
な
)
の
花畠
(
はなばたけ
)
、
麦
(
むぎ
)
の畠、そらまめの花、
田境
(
たざかい
)
の
榛
(
はん
)
の木を
籠
(
こ
)
める
遠霞
(
とおがすみ
)
、村の
児
(
こ
)
の
小鮒
(
こぶな
)
を
逐廻
(
おいまわ
)
している
溝川
(
みぞかわ
)
、
竹籬
(
たけがき
)
、
薮椿
(
やぶつばき
)
の落ちはららいでいる、
小禽
(
ことり
)
のちらつく、何ということも無い田舎路ではあるが
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
夫婦に三人の子供あれば一日に少なくも白米一升五合より二升は入用なるゆえ、現に一月二、三斗の不足なれども、内職の
所得
(
しょとく
)
を以て
麦
(
むぎ
)
を買い
粟
(
あわ
)
を買い、
或
(
あるい
)
は
粥
(
かゆ
)
或は
団子
(
だんご
)
、
様々
(
さまざま
)
の
趣向
(
しゅこう
)
にて
食
(
しょく
)
を
足
(
た
)
す。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
むこうは、こちらからぶんどった
麦
(
むぎ
)
わら
帽子
(
ぼうし
)
を持ってきました。
草
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
長崎の
麦
(
むぎ
)
の
秋
(
あき
)
なるくもり日にわれひとりこそこころ
安
(
やす
)
けれ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
麦
(
むぎ
)
の
畠
(
はたけ
)
のかなたに日はかくれ
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
麦
(
むぎ
)
の
上
(
うへ
)
をば
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
く。
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
麦
(
むぎ
)
搗
(
つ
)
きや臼の蔭で
おさんだいしよさま
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
野原
(
のはら
)
には
圃
(
はたけ
)
がありました。
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いています。また、
麦
(
むぎ
)
がしげっています。そのほか、えんどうの
花
(
はな
)
や、いろいろの
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いていました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
弾力性
(
だんりょくせい
)
のある
麦
(
むぎ
)
ワラの上なので、どっちもじゅうぶんに力がはいらず、目へチリをいれたり、ほこりを
吸
(
す
)
いこんで、むせたりしているうちに
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これからは、もう、
麦
(
むぎ
)
のくきには、ほがつかないようにしてやろう。
人間
(
にんげん
)
どもは、もうこれからさき、
天
(
てん
)
のおくりものを もらうねうちがない。」
麦の ほ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
じれったそうに、
間
(
あいだ
)
につめた
麦
(
むぎ
)
わらをほうりだし、中のガラスびんをひとつずつ、だいじそうにとりだした。どのびんにも
液体
(
えきたい
)
や
粉末
(
ふんまつ
)
がつまっている。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
むかし、むかし、ある
家
(
いえ
)
のお
倉
(
くら
)
の中に、お
米
(
こめ
)
を
持
(
も
)
って、
麦
(
むぎ
)
を
持
(
も
)
って、
粟
(
あわ
)
を
持
(
も
)
って、
豆
(
まめ
)
を
持
(
も
)
って、たいそうゆたかに
暮
(
く
)
らしているお
金
(
かね
)
持
(
も
)
ちのねずみが
住
(
す
)
んでおりました。
ねずみの嫁入り
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ある避難の家族は、
麦
(
むぎ
)
がまずいと云うて、「贅沢な」と百姓から、頭ごなしに叱りつけられました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
丁度一
学期
(
がっき
)
の
試験
(
しけん
)
が
済
(
す
)
んでその
採点
(
さいてん
)
も
終
(
おわ
)
りあとは三十一日に
成績
(
せいせき
)
を
発表
(
はっぴょう
)
して
通信簿
(
つうしんぼ
)
を
渡
(
わた
)
すだけ、
私
(
わたくし
)
のほうから
云
(
い
)
えばまあそうです、
農場
(
のうじょう
)
の
仕事
(
しごと
)
だってその日の午前で
麦
(
むぎ
)
の
運搬
(
うんぱん
)
も終り
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
春陽の頃はつもりし雪も
昼
(
ひる
)
の内は
軟
(
やはらか
)
なるゆゑ、夜な/\狐の
徘徊
(
はいくわい
)
する所へ
麦
(
むぎ
)
など
舂杵
(
つくきね
)
を雪中へさし入て二ツも三ツもきねだけの
穴
(
あな
)
を作りおけば、夜に入りて此
穴
(
あな
)
も
凍
(
こほ
)
りて岩の穴のやうになるなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
麦
(
むぎ
)
の
香
(
か
)
に
酔
(
え
)
ひ
野草
(
のぐさ
)
をふみて
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
麦
(
むぎ
)
の
畑
(
はたけ
)
を風がふく。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「
学校
(
がっこう
)
の
先生
(
せんせい
)
は、からすは
害鳥
(
がいちょう
)
だ。まいた
豆
(
まめ
)
や
麦
(
むぎ
)
をほじくりだして
食
(
た
)
べるから、
畑
(
はたけ
)
へきたら、
追
(
お
)
っぱらえといったよ。」
高い木とからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのころは、こくもつが、
今
(
いま
)
よりも ずっとずっと よく みのりました。
麦
(
むぎ
)
のほも、五十や六十 ばかりではありません。四
百
(
ひゃく
)
も五
百
(
ひゃく
)
も ついていました。
麦の ほ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
なにをつめてあるのか、中の物がこわれぬように
麦
(
むぎ
)
わらをぎゅうぎゅう
間
(
あいだ
)
につめこんだ
籠
(
かご
)
が十二、三
個
(
こ
)
。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
は
大
(
たい
)
へんよろこんで、さっそく
旅
(
たび
)
の
支度
(
したく
)
にかかりました。まずおかあさんにぬい
針
(
ばり
)
を一
本
(
ぽん
)
頂
(
いただ
)
いて、
麦
(
むぎ
)
わらで
柄
(
え
)
とさやをこしらえて、
刀
(
かたな
)
にして
腰
(
こし
)
にさしました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
其れに
喚
(
よ
)
び出される様に、
麦
(
むぎ
)
がつい/\と伸びて
穂
(
ほ
)
に出る。子供がぴいーッと吹く
麦笛
(
むぎぶえ
)
に、武蔵野の日は永くなる。三寸になった玉川の
鮎
(
あゆ
)
が、密漁者の手から
窃
(
そっ
)
と旦那の勝手に運ばれる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
麦
(
むぎ
)
青
(
あお
)
む
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田
(
た
)
の
中
(
なか
)
では、かえるの
声
(
こえ
)
が
夢
(
ゆめ
)
のようにきこえて、
圃
(
はたけ
)
はすっかり
耕
(
たがや
)
されてしまい、
麦
(
むぎ
)
はぐんぐん
伸
(
の
)
びていました。
百姓の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
言
(
い
)
いながら、おばあさんのきねを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて、
麦
(
むぎ
)
をつくふりをして、いきなりおばあさんの
脳天
(
のうてん
)
からきねを
打
(
う
)
ち
下
(
お
)
ろしますと、「きゃっ。」という
間
(
ま
)
もなく、おばあさんは目をまわして
かちかち山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「かわいい
子供
(
こども
)
が、あの
黄色
(
きいろ
)
くなりかけた
麦
(
むぎ
)
のはたけにいますので、
私
(
わたし
)
たちは、
心配
(
しんぱい
)
で、どこへもいくことができないのですよ。」と、
野
(
の
)
のひばりが、こたえました。
ひばりのおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
地震
(
じしん
)
のありました、すぐ
後
(
あと
)
のことであります。
町
(
まち
)
には、
米
(
こめ
)
や、
豆
(
まめ
)
や、
麦
(
むぎ
)
などがなくなりました。それで、
人々
(
ひとびと
)
は、
争
(
あらそ
)
って、すこしでも
残
(
のこ
)
っているのを
買
(
か
)
おうとしました。
ごみだらけの豆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おじいさん、これは、やはり
麦
(
むぎ
)
を
挽
(
ひ
)
いた
粉
(
こな
)
ですよ。うちのせがれは、
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
から、
不思議
(
ふしぎ
)
な
子
(
こ
)
で、こうせんが
大好
(
だいす
)
きだったから、こんなものを
送
(
おく
)
ってよこしたのですよ。
片田舎にあった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
道
(
みち
)
の
両
(
りょう
)
がわに、
家
(
いえ
)
が
建
(
た
)
っていました。それらの
中
(
なか
)
には、
店屋
(
みせや
)
がまじっていました。そして、ところどころあるあき
地
(
ち
)
は
畑
(
はたけ
)
となって、
麦
(
むぎ
)
や、ねぎが、
青々
(
あおあお
)
としげっていました。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ちょうど、
丘
(
おか
)
の
下
(
した
)
は、
麦
(
むぎ
)
ばたけでした。ふさふさした
穂
(
ほ
)
が、
風
(
かぜ
)
のために、
波打
(
なみう
)
っていました。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
(
ひ
)
がくれかかると、
野
(
の
)
のひばりは、
麦
(
むぎ
)
ばたけの
巣
(
す
)
の
中
(
なか
)
へ
帰
(
かえ
)
りました。そこには、かわいい
子
(
こ
)
ひばりが、お
母
(
かあ
)
さんや、お
父
(
とう
)
さんの
帰
(
かえ
)
るのを
待
(
ま
)
っていました。ひとり
取
(
と
)
りのこされたかごのひばりは
ひばりのおじさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ここは、いいところだな。」と、
良吉
(
りょうきち
)
は、
思
(
おも
)
いました。
良吉
(
りょうきち
)
のほかにも、
日
(
ひ
)
ごとにここで
休
(
やす
)
んで、いった
人
(
ひと
)
があったとみえて、タバコの
空
(
あ
)
き
箱
(
ばこ
)
や、
破
(
やぶ
)
れた
麦
(
むぎ
)
わら
帽子
(
ぼうし
)
などが、
捨
(
す
)
ててありました。
隣村の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いまごろ、
麦
(
むぎ
)
の
青々
(
あおあお
)
とした
圃
(
はたけ
)
では、ひばりがさえずっているだろう。
気にいらない鉛筆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“麦”の意味
《名詞》
(むぎ)イネ科食用作物の総称。狭義にはコムギとオオムギのみを指す。
(出典:Wiktionary)
“麦(ムギ)”の解説
麦(むぎ)とは、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバクなど外見の類似するイネ科穀物やその子実の総称。ただし、単に「麦」というときはオオムギとコムギを言うことが多い。
(出典:Wikipedia)
麦
常用漢字
小2
部首:⿆
7画
“麦”を含む語句
麦酒
蕎麦
燕麦
麦稈
蕎麦掻
麦飯
麦門冬
麦藁
麦藁帽
麦稈帽
瞿麦
麦秋
麦稈帽子
蕎麦切
麦畑
蕎麦饅頭
菽麦
蕎麦餅
挽割麦
麦粉
...