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殊勝
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しゆしよう
ふりがな文庫
“
殊勝
(
しゆしよう
)” の例文
殊勝
(
しゆしよう
)
らしく
聞
(
きこ
)
えて
如何
(
いかゞ
)
ですけれども、
道中
(
だうちう
)
、
宮
(
みや
)
、
社
(
やしろ
)
、
祠
(
ほこら
)
のある
處
(
ところ
)
へは、
屹
(
きつ
)
と
持合
(
もちあは
)
せた
藥
(
くすり
)
の
中
(
なか
)
の、
何種
(
なにしゆ
)
のか、
一包
(
ひとつゝみ
)
づゝを
備
(
そな
)
へました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
掛られけるとぞ此元は皆全く師の竹本政太夫のお
蔭
(
かげ
)
なりとて
猶更
(
なほさら
)
是をも大切にして兩人の
母
(
はゝ
)
へ孝行を
盡
(
つく
)
しけるこそ
殊勝
(
しゆしよう
)
なれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夕
(
ゆふ
)
げ
終
(
おは
)
りての
宵々
(
よひ/\
)
家
(
いゑ
)
を
出
(
いで
)
ては
御寺參
(
おんてらまい
)
り
殊勝
(
しゆしよう
)
に、
觀音
(
くわんをん
)
さまには
合掌
(
がつしよう
)
を申て、
我
(
わ
)
が
戀人
(
こひびと
)
のゆく
末
(
すゑ
)
を
守
(
まも
)
り
玉
(
たま
)
へと、お
志
(
こゝろざ
)
しのほどいつまでも
消
(
き
)
えねば
宜
(
よ
)
いが。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
細
(
ほそ
)
い
竹
(
たけ
)
を
袖
(
そで
)
に
通
(
とほ
)
して、
落
(
お
)
ちない
樣
(
やう
)
に、
扇骨木
(
かなめ
)
の
枝
(
えだ
)
に
寄
(
よ
)
せ
掛
(
か
)
けた
手際
(
てぎは
)
が、
如何
(
いか
)
にも
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
の
所作
(
しよさ
)
らしく
殊勝
(
しゆしよう
)
に
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
▼ もっと見る
世を恨み義に勇みし
源三位
(
げんざんみ
)
、數もなき白旗
殊勝
(
しゆしよう
)
にも宇治川の
朝風
(
あさかぜ
)
に飜へせしが、
脆
(
もろ
)
くも破れて空しく一族の
血汐
(
ちしほ
)
を
平等院
(
びやうどうゐん
)
の
夏草
(
なつくさ
)
に染めたりしは、諸國源氏が
旗揚
(
はたあげ
)
の先陣ならんとは
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
また
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
の
令妹
(
れいまい
)
なる
彼
(
かれ
)
の
夫人
(
ふじん
)
にはまだ
面會
(
めんくわい
)
はせぬが、
兄君
(
あにぎみ
)
の
病床
(
やまひ
)
を
見舞
(
みま
)
はんが
爲
(
た
)
めに、
暫時
(
しばし
)
でも
其
(
その
)
良君
(
おつと
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げ、
幼
(
いとけな
)
き
兒
(
こ
)
を
携
(
たづさ
)
へて、
浪風
(
なみかぜ
)
荒
(
あら
)
き
萬里
(
ばんり
)
の
旅
(
たび
)
に
赴
(
おもむ
)
くとは
仲々
(
なか/\
)
殊勝
(
しゆしよう
)
なる
振舞
(
ふるまひ
)
よと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
保吉も前後にこの時だけは甚だ
殊勝
(
しゆしよう
)
に返事をした。
あばばばば
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
看護婦が又
殊勝
(
しゆしよう
)
な女で小さい聲で一度か二度呼ばれると快よい優しい「はい」と云ふ受け答へをして、すぐ起きた。さうして患者の爲に何かしてゐる樣子であつた。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
決し
在所
(
ざいしよ
)
の永正寺と云
尼寺
(
あまでら
)
へ入
翠
(
みどり
)
の
黒髮
(
くろかみ
)
を
剃
(
そり
)
て
念佛
(
ねんぶつ
)
三
昧
(
まい
)
に
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
りし事こそ
殊勝
(
しゆしよう
)
なれ
然
(
され
)
ば長庵を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
坊
(
ばう
)
やはいゝ
兒
(
こ
)
だ
寢
(
ねん
)
ねしな。」……と
口
(
くち
)
の
裡
(
うち
)
で
子守唄
(
こもりうた
)
は、
我
(
われ
)
ながら
殊勝
(
しゆしよう
)
である。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何事
(
なにごと
)
引
(
ひ
)
き
出
(
いで
)
られんも
知
(
し
)
るべからず、
打明
(
うちあ
)
けられしだけ
殊勝
(
しゆしよう
)
なり、
萬
(
よろつ
)
は
母
(
はゝ
)
が
胸
(
むね
)
にあり
任
(
まか
)
せたまへと
子
(
こ
)
故
(
ゆゑ
)
の
闇
(
やみ
)
に、ある
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
墓參
(
ぼさん
)
の
戻
(
もど
)
り、
槖繩師
(
うゑきや
)
許
(
がり
)
くるまを
寄
(
よ
)
せて、
入
(
い
)
りもせぬ
鉢
(
はち
)
ものゝ
買上
(
かひあ
)
げ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰彼時
(
たそがれどき
)
に
紛
(
まぎ
)
れて只〻一人、うかれ出でけるこそ
殊勝
(
しゆしよう
)
なれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
差掛
(
さしかけ
)
させ
沓
(
くつ
)
しと/\と
踏鳴
(
ふみなら
)
し靜々とぞ
歩行
(
あゆみ
)
ける
附從
(
つきした
)
がふ
小姓
(
こしやう
)
の面々には
麻上下
(
あさがみしも
)
の
股立
(
もゝだち
)
を取て左右を
守護
(
しゆご
)
しける
引續
(
ひきつゞ
)
いて常樂院
天忠和尚
(
てんちうをしやう
)
は
紫
(
むらさき
)
の衣に白地の
袈裟
(
けさ
)
を掛け
殊勝
(
しゆしよう
)
げに手に
念珠
(
ねんじゆ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
息子
(
むすこ
)
の
性
(
せい
)
は
善
(
ぜん
)
にして、
鬼神
(
きじん
)
に
横道
(
わうだう
)
なしと
雖
(
いへど
)
も、
二合半
(
こなから
)
傾
(
かたむ
)
けると
殊勝
(
しゆしよう
)
でなく
成
(
な
)
る。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さればとて
香爐峯
(
かうろほう
)
の
雪
(
ゆき
)
に
簾
(
みす
)
をまくの
才女
(
さいぢよ
)
めきたる
行
(
おこな
)
ひはいさゝかも
無
(
な
)
く
深窓
(
しんそう
)
の
春
(
はる
)
深
(
ふか
)
くこもりて
針仕事
(
はりしごと
)
に
女性
(
によしやう
)
の
本分
(
ほんぶん
)
を
盡
(
つく
)
す
心懸
(
こゝろが
)
け
誠
(
まこと
)
に
殊勝
(
しゆしよう
)
なりき、
家
(
いへ
)
に
居
(
ゐ
)
て
孝順
(
かうじゆん
)
なるは
出
(
いで
)
て
必
(
かな
)
らず
貞節
(
ていせつ
)
なりとか
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
越中
(
ゑつちう
)
つく/″\
聞
(
き
)
いて、
見
(
み
)
かけは
弁慶
(
べんけい
)
とも
言
(
い
)
ふべき
人柄
(
ひとがら
)
なれども
心
(
こゝろ
)
だての
殊勝
(
しゆしよう
)
さは、
喜撰法師
(
きせんはふし
)
にも
劣
(
おと
)
るまじと
誉
(
ほ
)
め、それより
道
(
みち
)
づれして、
野寺
(
のでら
)
の
観音堂
(
くわんおんだう
)
へ
近
(
ちか
)
くなりて、
座頭
(
ざとう
)
傍
(
かたはら
)
の
石
(
いし
)
に
躓
(
つまづ
)
きて
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二
代
(
だい
)
の
奉仕
(
ほうし
)
たゆみなく、一
町
(
ちやう
)
餘
(
あま
)
りなる
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
より、
雪
(
ゆき
)
にも
雨
(
あめ
)
にも
朝夕
(
てうせき
)
二
度
(
ど
)
の
機嫌
(
きげん
)
きゝ
怠
(
おこた
)
らぬ
心
(
こゝろ
)
殊勝
(
しゆしよう
)
なり、
妻
(
つま
)
もたずやと
進
(
すゝ
)
むる
人
(
ひと
)
あれど、
何
(
なん
)
の
我
(
わ
)
がこと
措
(
お
)
き
給
(
たま
)
へ
夫
(
それ
)
よりは
孃
(
ぢやう
)
さまの
上
(
うへ
)
氣
(
き
)
づかはしゝ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「それ、
山伏
(
やまぶし
)
と
言
(
い
)
つぱ
山伏
(
やまぶし
)
なり、
何
(
なん
)
と
殊勝
(
しゆしよう
)
なか。」と
先
(
ま
)
づ
威張
(
ゐば
)
つて、
兜巾
(
ときん
)
を
傾
(
かたむ
)
け、いらたかの
數珠
(
じゆず
)
を
揉
(
も
)
みに
揉
(
も
)
んで、
祈
(
いの
)
るほどに、
祈
(
いの
)
るほどに、
祈
(
いの
)
れば
祈
(
いの
)
るほど、
大
(
おほき
)
な
茸
(
きのこ
)
の、あれ/\
思
(
おも
)
ひなしか
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
待合
(
まちあひ
)
なんといふ
家業
(
かげふ
)
は、
厭
(
いや
)
だといふ
殊勝
(
しゆしよう
)
な
思慮
(
かんがへ
)
。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“殊勝”の意味
《名詞》
殊勝(しゅしょう)
特に優れていること。
健気であること。感心であること。
(出典:Wiktionary)
殊
常用漢字
中学
部首:⽍
10画
勝
常用漢字
小3
部首:⼒
12画
“殊勝”で始まる語句
殊勝気
殊勝氣