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勢
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いきお
ふりがな文庫
“
勢
(
いきお
)” の例文
けれど、このすばらしい
勢
(
いきお
)
いで、
見物人
(
けんぶつにん
)
がみんなびっくりして、
声
(
こえ
)
をたてました。くまはそれをせめても
痛快
(
つうかい
)
がったのであります。
白いくま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
断雲
(
だんうん
)
は低くたれて、
奔馬
(
ほんば
)
のごとくとびきたり、とびさる、まだ
勢
(
いきお
)
いのおとろえない風のなかを、四人はたがいに腕をくんで浜辺に出た。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
わざわざ遠廻りしてまで
他所
(
よそ
)
の風呂へ行くといった様に、
勢
(
いきお
)
い、それは
好
(
す
)
き
好
(
ず
)
きのことではあるけれど、噂で持ちきっていたものである。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
すると、たちまち、ガチョウもニワトリも、ニールスのほうを
振
(
ふ
)
りむきました。そうして、みんなは、ものすごい
勢
(
いきお
)
いで
鳴
(
な
)
きたてました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
その
勢
(
いきお
)
いで
天子
(
てんし
)
さまの
体
(
からだ
)
にお
病
(
やまい
)
がおこるのだ。だからあの
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
を
追
(
お
)
い
出
(
だ
)
してしまわないうちは、
御病気
(
ごびょうき
)
は
治
(
なお
)
りっこないのだよ。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
「その
通
(
とお
)
り。——お
上
(
かみ
)
さん。
太夫
(
たゆう
)
の
人気
(
にんき
)
は
大
(
たい
)
したもんでげすぜ。これからァ、
何
(
な
)
んにも
恐
(
こわ
)
いこたァねえ、
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
勢
(
いきお
)
いでげさァ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
雨でも
降
(
ふ
)
ると、わたしたちは船室の中にはいって、
勢
(
いきお
)
いよく
燃
(
も
)
えた火を取り
巻
(
ま
)
いてすわる。病人の子どもがかぜをひかないためであった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
勢
(
いきお
)
いよく、月ノ宮の
境内
(
けいだい
)
からかけだしてきた
竹童
(
ちくどう
)
は、自分と
入
(
い
)
れかわりに、そこをすッ飛ぶように
逃
(
に
)
げだしていったうしろ
姿
(
すがた
)
へ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
津田が一定の時刻に
宅
(
うち
)
へ帰らないと、お延はきっとこういう質問を掛けた。
勢
(
いきお
)
い津田は何とか返事をしなければならなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの、今日、
牛乳
(
ぎゅうにゅう
)
が
僕
(
ぼく
)
※とこへ来なかったので、もらいにあがったんです」ジョバンニが一生けん
命
(
めい
)
勢
(
いきお
)
いよく
言
(
い
)
いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
勢
(
いきお
)
い神崎与五郎
東下
(
あずまくだ
)
りという一席になりますが、さてイヨ/\仇討の機運が熟して大石初め一味の者が江戸へ下ります。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
芍薬は
宿根性
(
しゅっこんせい
)
の
草本
(
そうほん
)
で、その根を薬用に
供
(
きょう
)
する。春に
根頭
(
こんとう
)
から
勢
(
いきお
)
いのよい赤い芽を出し、見てまことに気持がよい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それほど
恐
(
おそ
)
ろしい
勢
(
いきお
)
いで
母
(
かあ
)
さんから
引
(
ひ
)
いて
行
(
い
)
った
潮
(
しお
)
が——十五
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
になって——あの
母
(
かあ
)
さんと
生命
(
せいめい
)
の
取
(
と
)
りかえっこをしたような
人形娘
(
にんぎょうむすめ
)
に
差
(
さ
)
して
来
(
き
)
た。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
勢
(
いきお
)
いに乗った俊助は、もう一度
際
(
きわ
)
どい鎌をかけた。けれども大井は存外平然と、
薄笑
(
うすわらい
)
を唇に浮べながら
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勢
(
いきお
)
い村近くの地面の下に、彼ら鼠どもの隠れ里も有るということになって、正直爺さんがいかにしてそこを訪れたかが、いよいよ問題とならざるを得なかったろう。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
恒
(
つね
)
の
産
(
さん
)
なければ恒の心なく、
貧
(
ひん
)
すれば
乱
(
らん
)
すちょう事は人の
常情
(
じょうじょう
)
にして、
勢
(
いきお
)
い
已
(
や
)
むを得ざるものなり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「ようし、それでは
拙者
(
せっしゃ
)
がひとりで。」と言いながら危い足どりでその舟に乗り込み、「ちゃんとオールもございます。沼を一まわりして来るぜ。」
騎虎
(
きこ
)
の
勢
(
いきお
)
いである。
花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
が、
勢
(
いきお
)
いついた新吉の身は、わか姉さんの手をすり
抜
(
ぬ
)
け、ファットマンの頭にぶつかると、もんどり打って下の
板敷
(
いたじき
)
へ、まっさかさまにたたきつけられた、と思ったその
刹那
(
せつな
)
です。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おまけにその間を、自動車が、ブーッ、ブッと、すさまじい音をたてて、新開地のでこぼこ道を、がたがたゆれながら、
勢
(
いきお
)
いよく走っていきます。清造はまったくびっくりしてしまいました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
堪
(
たま
)
らず袖を巻いて唇を
蔽
(
おお
)
ひながら、
勢
(
いきお
)
ひ釵とともに、やゝ
白
(
しろ
)
やかな手の伸びるのが、
雪白
(
せっぱく
)
なる
鵞鳥
(
がちょう
)
の
七宝
(
しっぽう
)
の
瓔珞
(
ようらく
)
を掛けた
風情
(
ふぜい
)
なのを、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
で、チユツパと
啜込
(
すすりこ
)
むやうに、坊主は
犬蹲
(
いぬつくばい
)
に成つて
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
勢
(
いきおい
)
を制する人でなければ、人間一疋の通用が出来ぬけれど、私の様な
斗筲輩
(
やくざもの
)
になると、直ぐ其
勢
(
いきお
)
いに制せられて了って、吾は吾の吾ではなくなって、
勢
(
いきおい
)
の自由になる吾、
勢
(
いきおい
)
の吾になって了う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
樹そのものは弱りても、その境遇を
刷新
(
さっしん
)
すれば、
甦生
(
こうせい
)
するの
勢
(
いきお
)
いを
顕
(
あらわ
)
す。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ルピック夫人——へえ? なんにもいわなかったのかい? でも、あんなに、赤い顔をして、
拳
(
こぶし
)
を振り上げ、えらい
勢
(
いきお
)
いでぺらぺら
喋
(
しゃべ
)
ってたじゃないか? あの声ときたら村の
端
(
はし
)
まで届くほどだった。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
り、りりりーん! もうれつな
勢
(
いきお
)
いでベルがなった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
いま、
人間
(
にんげん
)
は、ひじょうな
勢
(
いきお
)
いで、いたるところで
木
(
き
)
を
伐
(
き
)
り
倒
(
たお
)
している。いつ、この
林
(
はやし
)
の
方
(
ほう
)
へも
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せてくるかしれない。
あらしの前の木と鳥の会話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あの
勢
(
いきお
)
いで、
大兵
(
だいひょう
)
な、卜斎に
踏
(
ふ
)
みつけられたのだから、蛾次郎もギャッといって、ぴしゃんこにつぶれたのはもっともだが。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
勢
(
いきお
)
いがあんまり
勇
(
いさ
)
ましかったものですから、
逃
(
に
)
げ
腰
(
ごし
)
になっていた
外
(
ほか
)
のねずみたちも、ついうかうかつり
込
(
こ
)
まれて
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ズルスケは
勢
(
いきお
)
いよくおどりあがりました。と、このガンは、もうすこしのところで
捕
(
つかま
)
りそうになりましたが、それでもとうとう逃げてしまいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ジョバンニは思わずどきっとして
戻
(
もど
)
ろうとしましたが、思い
直
(
なお
)
して、いっそう
勢
(
いきお
)
いよくそっちへ歩いて行きました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ただ
抛
(
ほう
)
りだされたときの
勢
(
いきお
)
いで、無引力空間をユラリユラリと流れるばかりだった。もちろん後から飛びでた佐々記者は進少年のところへ追いついた。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
水はいまに
規則
(
きそく
)
正しい波になって、
坑
(
こう
)
の中を走っていた。気ちがいのような
勢
(
いきお
)
いでうずをわかせながら、
材木
(
ざいもく
)
をおし流して、
羽
(
はね
)
のように
軽
(
かる
)
くくるくる回した。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
先方ではそれを一年作って、さらにその大きさを増さしめ、そして
次年
(
じねん
)
に
勢
(
いきお
)
いよく花を咲かせてその花を
賞翫
(
しょうがん
)
する。花が咲いた後、弱った球根は捨てて
顧
(
かえり
)
みない。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
あれで済むのだが文明の民はたとい親子の間でもお互に
我儘
(
わがまま
)
を張れるだけ張らなければ損になるから
勢
(
いきお
)
い両者の安全を保持するためには別居しなければならない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ゆえにこれを求むる者は
勢
(
いきお
)
い書物に
依
(
よ
)
ったのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あとから、あとから
追
(
お
)
いかけては
消
(
き
)
えてなくなる
湯気
(
ゆげ
)
を
見
(
み
)
ていると、そのうちに、ぷつぷつと、
勢
(
いきお
)
いよく
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
して、
重
(
おも
)
いふたを
動
(
うご
)
かしました。
おかまの唄
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なにがさて、
髀肉
(
ひにく
)
の
嘆
(
たん
)
をもらしながら、
伊那丸
(
いなまる
)
のゆるしがでぬため、いままでジッと
腕
(
うで
)
をさすっていた人々、
鎖
(
くさり
)
をとかれた
獅子
(
しし
)
のような
勢
(
いきお
)
いだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこらに
居
(
い
)
る
者
(
もの
)
の
体
(
からだ
)
ごと、
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばしそうな
勢
(
いきお
)
いでしたから、
狐
(
きつね
)
はあわてて、
地
(
じ
)
びたに小さな
穴
(
あな
)
をほって、その中に小さくなって、もぐり
込
(
こ
)
みました。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そして
勢
(
いきお
)
い
凄
(
すざま
)
じく、井戸の中に落ちていった。夫への最後の贈物だ。——ちょっと間を置いて、何とも
名状
(
めいじょう
)
できないような
叫喚
(
きょうかん
)
が、地の底から響いてきた。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
火の中に投げこんでおいたえだは
勢
(
いきお
)
いよく
燃
(
も
)
え上がって、小屋のすみずみの暗い所まで
照
(
て
)
らしていた。けれどもジョリクールはどこへ行ったか見えなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ところがカムパネルラは、
窓
(
まど
)
から外をのぞきながら、もうすっかり元気が
直
(
なお
)
って、
勢
(
いきお
)
いよく
言
(
い
)
いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
雪がとけるいまごろは、水がふえて、すさまじい
勢
(
いきお
)
いで流れているのです。うしろには、とてもとおることのできない
岸壁
(
がんぺき
)
があって、その上には木の枝がおおいかぶさっています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それから
両国
(
りょうごく
)
へ来て、暑いのに
軍鶏
(
しゃも
)
を食いました。Kはその
勢
(
いきお
)
いで
小石川
(
こいしかわ
)
まで歩いて帰ろうというのです。体力からいえばKよりも私の方が強いのですから、私はすぐ応じました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤
(
あか
)
い
馬車
(
ばしゃ
)
は、どう
誤
(
あやま
)
ったものか、
勢
(
いきお
)
いよく
走
(
はし
)
ってゆくと、その
崖
(
がけ
)
からまっさかさまに
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へと四
人
(
にん
)
の
女
(
おんな
)
たちを
乗
(
の
)
せたまま
落
(
お
)
ちてしまいました。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
水はごうごうと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて、えらい
勢
(
いきお
)
いで
流
(
なが
)
れて
行
(
い
)
きますが、あいにく
橋
(
はし
)
がかかっていませんでした。みんなは
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
でもだれか下にいる人がほうり出されたらしかった、たきの
勢
(
いきお
)
いがどっどっとなだれのようにおして来た。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
グワーンと音がするかと思いの
外
(
ほか
)
、
呀
(
あ
)
ッと叫ぶ間もなく、扉はパタリと開き、三人の警官は
勢
(
いきお
)
いあまってコロコロと球でも
転
(
ころ
)
がすように、室内に転げ込みました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ宿将老臣たちの一部には、憂いを抱いていた人々もあるが、
勢
(
いきお
)
いの
赴
(
おもむ
)
くところはどうしようもない。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
適当な位置に置かれるや
否
(
いな
)
や、すぐ
己
(
おの
)
れに自然な
勢
(
いきお
)
いを得て倒れようとした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
勇蔵
(
ゆうぞう
)
は、
品物
(
しなもの
)
の
配達
(
はいたつ
)
を
終
(
お
)
わると、
軽
(
かる
)
くなったリヤカーをさらに
勢
(
いきお
)
いよく
走
(
はし
)
らせて、
町
(
まち
)
を
突
(
つ
)
っ
切
(
き
)
り、
原
(
はら
)
っぱへと
出
(
で
)
ました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
敵
(
てき
)
の
大将
(
たいしょう
)
の
高丸
(
たかまる
)
はくやしがって、
味方
(
みかた
)
をしかりつけては、どこまでも
踏
(
ふ
)
み
止
(
とど
)
まろうとしましたけれど、一
度
(
ど
)
崩
(
くず
)
れかかった
勢
(
いきお
)
いはどうしても
立
(
た
)
ち
直
(
なお
)
りません。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
勢
常用漢字
小5
部首:⼒
13画
“勢”を含む語句
気勢
威勢
大勢
多勢
勢力
姿勢
形勢
水勢
時勢粧
御勢
氣勢
無勢
勢揃
豪勢
上泉伊勢守
助勢
巨勢金岡
伊勢詣
小巨勢
人勢
...