“髀肉”の読み方と例文
読み方割合
ひにく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昼はかくれて、不思議な星のごとく、さっの幕を切ってあらわれるはずの処を、それらの英雄侠客きょうかくは、髀肉ひにくたんに堪えなかったに相違ない。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「さだめし、そちの髀肉ひにくも、だいぶ肥えたであろう。即刻、信貴山しぎさんにおる信忠の加勢にけ。——こんどは陣中で喧嘩などすな」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○英雄には髀肉ひにくたんといふ事がある。文人には筆硯生塵ひっけんちりをしょうずといふ事がある。余もこの頃「錐錆を生ず」といふ嘆を起した。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)