現今げんこん)” の例文
柄は木質にてちて居りし事故、如何いかなる方法にて石斧いしおのくくり付けしか詳ならされど、其状そのじやう現今げんこんおこなはるるタガネと大差たいさ無かりしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そのためについビールも一本失礼しつれいいたしました。そしてそのおかげでやっとおもいだしました。あれは現今げんこん西根山にしねやまにはたくさんございます。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
痴人ちじんゆめく、されどゆめみづかさとるはかならずしも痴人ちじんにあらざるし。現今げんこんおいても、未來みらいおいても、七福しちふくきたきをしんずるあたはず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しかり、海底潜行艇かいていせんかうてい一種いつしゆには相違さうゐないが、しかわたくしたんこの軍艇ぐんていをば潜行艇せんかうていぶのみをもつては滿足まんぞくしない、なにとなれば現今げんこん歐米諸國をうべいしよこく發明家等はつめいから
當時とうじ東京帝國大學とうきようていこくだいがく理學部りがくぶける機械工學きかいこうがくおよ物理學ぶつりがく教授きようじゆであつたユーイング博士はかせ現今げんこんエヂンバラ大學だいがく總長そうちよう)は水平振子地震計すいへいしんしぢしんけい發明はつめいおほやけにし
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびやうしや治療ちれう冷水れいすゐそゝがぬ、蒸暑むしあつきシヤツをせぬ、さうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかふ、すなは新聞しんぶん記載きさいするとほり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶたふもよほす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
現今げんこん日本にほんでは、歐文おうぶん通信つうしん著作ちよさくや、その各種かくしゆぶん場合ばあひに、その署名しよめい歐米風おうべいふうにローマさきせいあとくことにしてゐるが、これは由々ゆゝしい誤謬ごべうである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
コンゴに住むイーキー民族は現今げんこんも「しまうま」の肉は食はぬ。むかしエヂプトに於ては、テベスでは羊を食はず、メンデスでは山羊やぎを食はず、オムポズでは鰐魚わにを嫌つた。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
この任侠にんきょうな勇猛な性質は、勘定かんじょう高き現今げんこんの社会においておおいに珍重ちんちょうすべきものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
全く人里離れた場所などもあるので、現今げんこんでもあまり、いい気持のしないのである。
大叫喚 (新字新仮名) / 岩村透(著)
石器時代せききじだい現今げんこんごと陶器窯たうきがまつくつて、其所そこ土器どきいたかいなか、それは輕々かる/″\しく言切いひきれぬが、馬籠まごめける燒土層やけつちさう廣大くわうだいなるをて、うして桂舟畫伯けいしうぐわはくせついてると
現今げんこんでは、うなぎといえば養殖うなぎが通り相場になっているほどである。東京では五、六軒だけ天然うなぎを使用しているが、京、大阪は皆無かいむ。中には両方を混ぜて食わせる店もある。
鰻の話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
現今げんこんわれらが苦しい実生活に取り巻かれるごとく、現今の吾等が苦しい文学に取りつかれるのも、やむをえざる悲しき事実ではあるが、いわゆる「現代的気風」にあおられて、三百六十五日の間
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
A 其女そのをんなすなは現今げんこん房州ばうしう出養生でやうじやうきみ細君さいくんだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
現今げんこんでは精神病者せいしんびょうしゃ治療ちりょう冷水れいすいそそがぬ、蒸暑むしあつきシャツをせぬ、そうして人間的にんげんてき彼等かれら取扱とりあつかう、すなわ新聞しんぶん記載きさいするとおり、彼等かれらために、演劇えんげき舞蹈ぶとうもよおす。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大陸たいりく現今げんこんのように五大洲ごだいしゆうわかれてゐるけれども、地球ちきゆうけてゐた状態じようたいから、かたまりはじめたときには、たんひとつのかたまりであつたが、それが或作用あるさようのために數箇すうこ地塊ちかい分裂ぶんれつ
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
この裝甲さうかう現今げんこんもつぱおこなはれてるハーベーしき堅硬法けんかうほふほどこしたる鋼板こうはんもしくは白銅鋼板等はくどうこうばんとうよりは、數層倍すうそうばい彈力性だんりよくせい抵抗力ていこうりよくいうするある新式裝甲板しんしきさうかうばんにて、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ幾星霜いくせいさうあひだ
ええ一寸ちょっと一言ご挨拶あいさつもうしあげます。今晩こんばんはお客様きゃくさまにはよくおいで下さいました。どうかおゆるりとおくつろぎ下さい。さて現今げんこん世界せかい大勢たいせいを見るにじつにどうもこんらんしている。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
又蟇石と称する宝石は蜘蛛くもやその他毒性の動物にまれたとき、その疼痛を消すと伝へられて居る。しか現今げんこんでもさうであるが蛋白石たんぱくせきは昔から婦人はこれけることを嫌つて居る。
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
莫遮それはさうと現今げんこん建築けんちく本義ほんぎとか理想りさうとかについ種々しゆ/″\なる異論ゐろんのあることはまこと結構けつこうなことである。建築界けんちくかいにはへず何等なんらかの學術的風波がくじゆつてきふうはがなければならぬ、しからざれば沈滯ちんたい結果けつくわ腐敗ぶはいするのである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
もともと日本料理の中で生まれたわけではないから、現今げんこんのごとく低級の谷へ谷へと下降しつつある。このありさまは見るに忍びない。内容の重きに注意せざる者は、勢い外表のデザインのみに走る。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
我々われ/\ロシヤの地方團體ちはうだんたい醫術いじゆつ如何どうであらうか、精神病せいしんびやういてふならば、現今げんこん病氣びやうき類別法るゐべつはふ診斷しんだん治療ちれう方法はうはふとも皆是みなこれ過去くわこ精神病學せいしんびやうがく比較ひかくするならば
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
すなは現今げんこんおいもつと精巧せいこうなる潜水器せんすいきでも、海底かいてい五十米突メートル以下いかしづんではみづ壓力あつりよくめと空氣喞筒くうきポンプ不完全ふくわんぜんなるために、到底たうていそのようさぬのであるから、潜水器せんすいきもちゆる海賊船かいぞくせん
これがすなは現今げんこん地震計ぢしんけい基礎きそ形式けいしきであつて、當今とうこんおこなはれてゐるミルン地震計ぢしんけい大森地震計おほもりぢしんけい、ガリッチン地震計ぢしんけい、パシュウィチ水平振子すいへいしんしなど、其構造そのこうぞう要點ようてんみなユーイング地震計ぢしんけいである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
建築けんちく本義ほんぎは「善美」にあるとふのは、我輩わがはい現今げんこんかんがへである。しかひと建築けんちく本義ほんぎは「安價で丈夫」にあるとふかもれぬ、またひと建築けんちく本義ほんぎは「美」であるとふかもれぬ。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
現今げんこん、東京に集まるかつおは漁場が遠く、時間がかかりすぎている。
いなせな縞の初鰹 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
我々われわれロシヤの地方団体ちほうだんたい医術いじゅつはどうであろうか、まず精神病せいしんびょういてうならば、現今げんこん病気びょうき類別法るいべつほう診断しんだん治療ちりょう方法ほうほうともみなこれを過去かこ精神病学せいしんびょうがく比較ひかくするならば
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
現今げんこんの料理は美趣味が欠如している。
味覚馬鹿 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
さうしてちながら、外國ぐわいこくや、露西亞ロシヤ新聞しんぶん雜誌ざつしいてあるめづらしいこと現今げんこん恁云かうい思想しさう潮流てうりうみとめられるとかとはなしすゝめたが、イワン、デミトリチはすこぶ注意ちゆういしていてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そうしてちながら、外国がいこくや、露西亜ロシヤ新聞しんぶん雑誌ざっしいてあるめずらしいこと、現今げんこんはこう思想しそう潮流ちょうりゅうみとめられるとかとはなしすすめたが、イワン、デミトリチはすこぶ注意ちゅういしていていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)